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「太平洋戦争」(大東亜戦争)は、「自由で開かれたインド太平洋」を確保するための先駆的戦争だった?戦時中の朝日新聞も、「英帝国の湖水」印度洋を新日本海とすることは何たる痛快事であろうと唱道していたようですね[2025・10・16・木曜日]大木毅氏の『太平洋戦争』(PHP新書)を読みました。短編小説ではありませんが、短編戦記というか、真珠湾攻撃、マレー、シンガポール、フィリッピン進攻、珊瑚海海戦、ポート・モレスビー攻略、ミッドウェイ海戦、ガダルカナル争奪、レイテ沖海戦、天一号作戦
真珠湾攻撃やミッドウェー海戦、インパール作戦など太平洋戦争での有名な戦役を、戦略、作戦、戦術という視点から検討し、その当否を論ずる。太平洋戦争の開戦80周年だった2021年から雑誌「歴史街道」に寄稿した論考を加筆・修正、書き下ろしも加えて新書としてまとめたという。本書では太平洋戦争での日本の戦略を中国とイギリスに打撃を与え、アメリカが戦争継続を諦めるようにすると定義。そのために南方資源地帯を攻略し、同地域とその域内の交通を確保、強固な防御態勢を固める作戦が求められ、開戦初頭の真珠湾攻撃
ランクBの上~Aの下太平洋戦争で日本陸海軍が戦略・作戦・戦術でどのように戦ったかを分析した本です。戦史好き、ミリオタ向けの本ですが結果的に、日本民族の特性を記述しています。太平洋戦争については、名著「失敗の本質」があります。この本は、どちらかというと、一般向けな入門的な本ですが、各作戦の問題点を分かり易く浮き彫りにしています。負け戦の分析を読むのは日本人として苦しいところはあり
タイトル:独ソ戦副題:絶滅戦争の惨禍著者:大木毅出版社:岩波書店(岩波新書)前回ここに書いた「歴史・戦史・現代史」を読んで興味を持った本書をたまたま近所の本屋で見かけたので買ってみた。10代後半~20代初めにかけてシミュレーションゲーム(ウォーゲーム)をよくやっていて、特に第2次大戦物が好きだったので、独ソ戦については、純軍事史的なところはそこそこ勉強したので、今でも結構覚えている。その当時、私は直接読んではいないけど、独国防軍の上級将校の回顧録や「砂漠のキ
ランクBの上ナチスドイツのフランス、独ソ戦の勝利を牽引した将軍マンシュタインを軍事面から評価、分析した伝記本です。副題「ドイツ国防軍最高の頭脳その限界」ナチスドイツには、2つの軍隊がありました。ドイツ国防軍(ドイツ軍):プロイセン王国→ドイツ帝国時代から続いてる軍隊指揮官には貴族階級出身者が多い親衛隊SS:ヒトラーの護衛組織から警察、治安、国防、ユダ
天才作戦家はなぜ誤ったのか?「夢を壊す」等身大の評伝/『天才作戦家マンシュタイン』大木毅氏に聞く天才作戦家はなぜ誤ったのか?「夢を壊す」等身大の評伝/『天才作戦家マンシュタイン』大木毅氏に聞く──膨大な注も含め約450ページ。書き上げるのにそうとう苦労されたのでは?積もり積もったものを吐き出したというところでしょうか。ただ、想定以上に時間と紙幅を費やしました。マンシュタインという人は、若い…toyokeizai.net
〇勝敗の構造大木毅祥伝社〇惑星カザンの桜林譲治創元SF文庫〇100分で名著法華経植木雅俊NHK出版〇三体0球状閃電劉慈欣ハヤカワ文庫〇100分で名著ウイリー版源氏物語安田登NHK出版〇バビロン(1)(2)(3)野崎まど講談社タイガ〇世にも奇妙なマラソン大会高野秀行集英社文庫
副題に三十年戦争から第二次大戦までとあるように、17世紀から20世紀の古今東西の戦争にまつわる隠れたエピソードを集めたエッセイ集。かなりマニアックな内容でもともとはシミュレーションゲームのウェブマガジンで連載されていたという。万人が親しめる内容ではないが、過去の人々が残した様々な記録から、「こんなことまで」と思うような細部をすくい取って現代の我々に知らしめてくれる歴史家の営みの緻密さに改めて驚かされる。ナポレオンのロシア大遠征では、補給の重要性を認識していたことが仇になり、ナポレオンが目論
大木毅『独ソ戦』(岩波新書2019年)本書は2020年の「新書大賞」第1位に輝いた書物で,今回が再読になるが,何度も読み返すだけの価値のある書物だと言ってよいだろう。1941年6月22日,ナチス・ドイツが独ソ不可侵条約を破棄してソ連に侵攻し,1945年5月まで続いた「独ソ戦」は民間人も含めて数千万におよぶ死者を出した大惨禍で,第二次世界大戦の中でも最も悲惨な戦いであったが,著者の大木毅によれば,研究者を除く多くの人々にとっては必ずしもその実象が正確に伝えられてきたとは言えな
第2次世界大戦でドイツとソ連が繰り広げた絶滅戦争の実相を描いた「独ソ戦」(岩波新書)で知られる著者が、雑誌や出版社のWEBサイトなどに寄稿した時評や書評などを書籍化した。ウクライナ戦争や独ソ戦などのテーマごとに章立てされて読みやすくなっている。ウクライナ戦争をめぐる論考では、兵力で圧倒的に勝っていたはずのロシアが目論んだ短期決着が失敗に終わり、膠着状態となっている要因や、ウクライナの「非ナチ化」というイデオロギーを掲げるプーチンが矛を収められない理由などをおさらいできる。独ソ戦では新書に未収
〇工作艦明石の孤独(1)(2)(3)(4)林譲治ハヤカワ文庫〇歴史・戦史・現代史大木毅角川新書〇上流階級富久丸百貨店外商部高殿円〇100分で名著夏目漱石阿部公彦NHK出版〇護衛艦あさぎり艦長早乙女翠試練時武里帆新潮文庫〇巨流アマゾンを遡れ高野秀行集英社文庫〇板散華棟方志効講談社文芸文庫
「「指揮官たちの第二次世界大戦」大木毅著新潮選書」美談・武勇伝は、信用するもんじゃないと僕は思っています。大抵は、都合よく盛られていますから。太平洋戦争が開始された当初、「航空機は戦闘行動中の戦艦を撃沈することができるか?」と言うことが議論になっていたのだそうです。真珠湾攻撃は、停泊中の戦艦相手でしたから成功したのは当然だけど、戦闘行動中だったらどうなのかはわからなかったのです。それに決着をつけたのが、1941年12月10日のマレー沖海戦です。この戦いで、日本海軍航空隊の攻撃によ
「「歴史・戦史・現代史」大木毅著角川新書」著者がこれまでに発表してきた、軍事を中心とした歴史に対する考えに関する文章を集めた本です。著者は、以下の3点から、ロシアのウクライナ侵攻を予測しました。・理由の第一は、ウクライナ国境に集結したロシア軍の規模である(163)。・理由の第二は、ロシア軍の戦力の優越であった(177)。・理由の第三は、とっぴなようではあるけれども、株価である(190)。第三の理由が面白い。戦争が近くなると大量の怪我人が出ることが予想されるため、薬品会社の
本日は書籍紹介をいたします。今回取り上げるのはこちら、大木毅『第二次大戦の〈分岐点〉』作品社、2016年話題になった『独ソ戦』(岩波新書)で2020年の新書大賞を受賞された大木毅さんの著作です。第二次世界大戦の「分岐点」は何だったか、ということになりますと、視点の取り方によってそれこそ無数の議論が可能であるとは思います。本書に収録されているのは、シミュレーションゲームの専門紙に寄稿したという比較的軽いタッチのものから学術論文まで、太平洋での日米戦を取り扱ったものからヨーロッパ戦
以前にSNSで投稿した読書録の転載。読了は令和5年3月。独ソ戦絶滅戦争の惨禍-岩波書店これは絶滅戦争なのだ.ヒトラーが断言したとき,血で血を洗う皆殺しの闘争が始まった.想像を絶する惨禍.www.iwanami.co.jp史上最悪の戦争と言われる独ソ戦が舞台である小説「同志少女よ敵を撃て」を読むのと並行して、その独ソ戦を改めて学んでおこうとこの新書を読んだ。ドイツが戦争を始めたのは、決してヒトラーだけの暴走ではなく、社会事情、財界の損得等、様々な背景が要因となった。ヒト
〇司馬遼太郎短編全集(3)文藝春秋〇100分で名著ヘミングウェイスペシャル都甲幸治NHK出版〇金の仔牛佐藤亜紀講談社〇ひみつのしつもん岸本佐知子筑摩書房〇日独伊三国同盟大木毅角川新書〇タックスヘイヴン橘玲幻冬舎文庫〇波紋と螺旋とフィボナッチ近藤滋角川ソフィア文庫〇完璧な病室小川洋子中公文庫〇遠い朝の本たち須賀敦子ちくま文庫〇Ank:佐藤究講談社文庫
海の日、書店へ行った。自宅最寄り駅に直結した商業ビルの2階にある書店。行きつけといって良い店だが、最近はこの店に置いていない本をネットで注文したりしていたので、最後にこの店で購入してからだいぶ経っていた。その書店に、次の2冊が平積みになっていた。「これは、俺に買えと言っているな」実はこの2冊の存在はすでにネットで検索して知っていた。だが、どうも気が重くて、購入せずにいた。なぜ気が重いか。それは、この2冊の存在を知った次の小説を読んで気が重くなったからだ。写真の帯では「ノ
「太平洋の巨鷲」山本五十六用兵思想からみた真価(角川新書)Amazon(アマゾン)911円たぶん軍事に興味がある人で山本五十六を知らない人はいないだろう。真珠湾攻撃を構想・計画し、そして実施した連合艦隊司令長官だ。著者は大木毅『独ソ戦絶滅戦争の惨禍』(岩波新書)で2020年の新書大賞を受賞した人。既に、彼に関してはいろいろな本が書かれている。今更。著者が本書を執筆したのは、評伝ではなく、戦略・作戦・戦術の「戦争の諸階層」に則して、軍人として山本五十六をきちん
前回記事では,プーチンにとって今回のウクライナ侵攻はナポレオン,ナチスに続いて,NATOの侵略から祖国ロシアを守るための第三の「祖国戦争」である,と指摘した。特にプーチンが「大祖国戦争」と呼称された独ソ戦を意識していることは注意を要する。プーチンが再三ウクライナの「非ナチ化」を強調していることは,その意識の表れである。つまりプーチンは,ナチ化した(とプーチンが見なしている)現ゼレンスキー政権を転覆させるまで徹底的に戦おうとしている。その意味でこれは,敵と見なした者を滅ぼすまで戦う「絶滅戦争」な
「独ソ戦」(岩波新書)で知られる著者が旧著「亡国の本質日本はなぜ敗戦必至の戦争に突入したのか」(PHP研究所、2010年刊行)を加筆、大幅改稿したもので、日独伊三国同盟締結をめぐる経緯を中心に、旧著の題名通り、昭和前期の日本が勝てる見込みのない戦争に突入していった過程を、読み物風の平易な文章で解き明かす。初学者の入門編としても、昭和史に深い関心を持っていろいろな本を読んできた人でも、知識を再整理して一連の経緯を復習するには最適の一冊と言える。本書の副題は「『根拠なき確信』と『無責任』の果
〇盤上の向日葵(上)(下)柚月裕子中公文庫〇小説のストラテジー佐藤亜紀青土社〇独ソ戦大木毅岩波文庫〇四畳半神話大系森見登美彦角川文庫"〇地球外生命の9の論点立花隆佐藤勝彦他講談社ブルーバックス〇天久鷹央の推理カルテ知念実希人新潮文庫〇ヴェネツィアの宿須賀敦子白水社〇イヴの末裔たちの明日松崎有理東京創元社〇聖書の常識山本七平文春学芸ライブラリー〇猫
〇高砂コンビニ奮闘記森雅裕成甲書房〇リボルバー原田マハ幻冬舎〇やぶれかぶれ青春記大阪万博奮闘記小松左京新潮文庫〇東シナ海開戦1大石英司中央公論新社〇世界征服は可能か?岡田斗司夫ちくまプリマー新書〇筐底のエルビス絶滅前線オキシタケヒコガガガ文庫〇太平洋の巨鷲山本五十六大木毅角川新書〇母の記憶にケン・リュウ早川書房
戸高一成/大木毅著「帝国軍人公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる」を読みました。帝国軍人公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる一般書「帝国軍人公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる」戸高一成のあらすじ、最新情報をKADOKAWA公式サイトより。旧帝国軍人の将校・下士官兵は戦後に何を語り残したのか?陸海軍の秘話が明かされる。そして、日本軍の文書改竄問題から証言者なき時代にどう史資料と向き合うかに至るまで、直に証言を聞いてきた二人が語りつくす!www.kadokawa.co.j
2020年の新書大賞作。第2次世界大戦の東部戦線、ドイツとソ連との戦争の実態をさまざまな先行研究や史料から紐解いていく。副題に絶滅戦争の惨禍を掲げた通り、犠牲者はソ連側は民間人を含んで2700万人、ドイツ側は戦闘員だけで500万人前後に上り、通常の戦闘だけでなく、捕虜・民間人の虐殺や略奪など蛮行が互いに繰り広げられた悲惨な戦いはなぜ起きたのか。その要因にまず、ナチス総統のヒトラーを中心にドイツ首脳がスラブ人のソ連人を劣等人種とみなして植民地化を目指した「世界観戦争」と対ソ戦を規定し、そ
〇アルテミス(上)(下)アンディ・ウィアーハヤカワ文庫〇砂漠の狐ロンメル大木毅角川新書〇原田マハ風神雷神(上)(下)PHP研究所〇なぜ投資のプロはサルに負けるのか?藤沢数希ダイヤモンド社〇ヴァスラフ高野史緒中央公論社〇美術展の不都合な真実古賀太新潮新書
独ソ戦絶滅戦争の惨禍大木毅岩波新書<史上最大の戦い、独ソ戦>最近、話題になっている本です。行きつけの書店で見つけたので購入しました。小梅けいとの「戦争は女の顔をしていない1」を読んでから独ソ戦に興味がありました。独ソ戦はスターリングラードの攻防戦については知っていましたが、独ソ戦の全容はあまり知らなかったので知りたいと思っていました。独ソ戦はその地理的な規模の大きさと戦死者の大きさが他の戦線とは桁違いに大きく、読んでみて改めて戦争の残酷さに胸を打たれました。<2700万人の
〇100分で名著旧約聖書加藤隆NHK出版〇モンティニーの狼男爵佐藤亜紀光文社文庫〇第三次世界大戦一九八五年八月ジョン・ハケット他二見書房〇架空の王国高野史緒ブッキング〇戦車将軍グデーリアン大木毅角川新書〇歪み真珠山尾愁子図書刊行会〇風の中のマリア百田尚樹講談社文庫〇はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか篠田節子文春文庫
あるはずなのに見つからない?トイレ跡発見の決め手とはエキサイトニュース出土品でなく土を分析そこまでたどりつくのに様々な偶然に助けられた。まずトイレ遺構は調査範囲の端でたまたま掘り出された。発掘現場では土から水が出て...ソン・ヘギョ×ソ・ギョンドク教授、カザフスタンに洪範図将軍のレリーフ寄贈Yahoo!ニュースカザフスタンのクズロルダは洪範図将軍の墓がある都市。中でも州立科学図書館はカザフスタン人が大勢利用する施設で、多数の高麗人(韓国系ロシア人)が...鳥獣戯画にト
独ソ戦絶滅戦争の惨禍(岩波新書)928円Amazon三十郎さんお奨めありがとうございますちょうどコロナで図書館が臨時休館になって、予約した本だけは借りれるって時に予約がまわってきましたよ~独ソ戦の経緯と性格をコンパクトに書いてある本書、分かりやすくて読みやすくて(内容は凄惨で読みやすいもんじゃないけど)私でも頭に入ってきました!たぶん!ドイツ側からは、ナチスをヒットラーを悪とするだけの経緯の説明から進んで、ソ連側からソ連時代の冷戦時代の言説から進んでいるのも、時代がどんどん過ぎ
本日は「未来のイヴ」を取ってきたんですが、合わせて岩波新書の「独ソ戦」も手に入れました。太平洋戦争、大祖国戦争、第二次大戦では様々な場所で戦いが行われたんですが、もともとサイボーグ009のファンの私には、どうしてもこれらのテーマと縁が切れないようです。敗戦した側の視線はよく見えますし、見たいと思えば見られるのは当然なんですが、勝利した側というのは私たちには見えずらい。そういった意味でも読みたいなと思っていたので、手に入れたんですね。アウシュビッツ収容所よりも死者がで