理解されない者、理解しようとする者、理解されようとしない者。そうした者たちの葛藤逡巡が胸に迫ってくる物語だと思います。二年前の殺人事件を中心に据えて、犯人を匿う女性や捜査を続ける刑事など四者の視点が行き交いながら進んでいく展開。どういうストーリーなのか最初は捉えどころのない印象でしたが、次第に思いも寄らない真相や展開を見せるのでした。その果て光明の見えるエピローグではありますが、爽快感や痛快感だけでもなければ哀惜惻隠だけでもなく、また読む者への問いかけや凝りも残されたようで、読み終わって後はそう