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角川文庫■人間の顔は食べづらい■白井智之(1990-)■2014年■本格/新本格概要「お客さんに届くのは『首なし死体』ってわけ」。安全な食料の確保のため、“食用クローン人間”が育てられている日本。クローン施設で働く和志は、育てた人間の首を切り落として発送する業務に就いていた。ある日、首なしで出荷したはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が起きて――。異形の世界で展開される、ロジカルな推理劇の行方は!?横溝賞史上最大の“問題作”、禁断の文庫化!(裏表紙紹介文)
ミステリー・アリーナ(講談社文庫)Amazon(アマゾン)連続殺人に挑むのはミステリー読みのプロたち――15ある解決案のどれが真相か?嵐で孤立した館で起きた殺人事件!国民的娯楽番組「推理闘技場(ミステリー・アリーナ)」に出演したミステリー読みのプロたちが、早い者勝ちで謎解きに挑む誰もが怪しく思える伏線に満ちた難題の答えはなんと15通り!そして番組の裏でも不穏な動きが……多重解決の究極にしてミステリー・ランキングを席巻した怒濤の傑作!!(あらすじ
深木章子さんのミステリは、6年前にデビュー作の「鬼畜の家」を読んでいます。面白かったけれど、他の作品も読んでみよう!とは思いませんでした。本作は2020年の作品。「このミス」第7位ということで読んだんですが、こちらは凄かった!綿密に構成された仕掛けにより、逆転また逆転のミステリ。他の深木作品も探してみよう!と思える傑作でした。殺人犯として服役していた元弁護士が仮釈放後にある関係者に送った書簡。それが事件のすべてを根底から覆す引き金となった。「わたしは犯人ではありませ
深水黎一郎講談社2019年9月発行深水さん、前回はこちら『147_倒叙の四季破られたトリック』深水黎一郎講談社ノベルス2016年4月発行深水さん、前回はこちら『ミステリー・アリーナ』深水黎一郎原書房2015年6月発行深水さんの前回はこちら『詩人の恋…ameblo.jp今回はまたしても?変な小説です。どちらかというと「ミステリー・アリーナ」系?まず舞台は・・大泰荘というアパート?4階建てで3&4階に4人ずつの住人。平面図が付いてます。そして「作者巻頭贅
2月5日読了精神科医の象山には、女優の妻と大学生で覆面歌手の長女と高校生の次女の家族がいて幸せな日々を送っていた。がしかし、たった一つの小さな亀裂から幸せだった生活が一変してしまう…謎の薬を手に入れ修復を試みようとするが…白井さんの作品はグロ過ぎるというので、「名探偵のいけにえ」しか読んだことがないです。その他の作品は、読む勇気がなくて手を出してませんでした今回はグロはあるけど、それ以上に面白いとのことで、図書館で借りてきました。予め、読書メーター等で他の方の感想を一通り見た感じだと
2022年の”このミス”で2位を獲得した作品。「謎解きミステリ」のカテゴリーで言うと、強烈に面白かった「方舟」が4位なので、是非読みたいと思っていた作品でした。病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか?圧巻の解決編一五〇ページ!特殊設定、多重解決推理の最前線!(BOOKデータベースより)
本格ミステリの中でも、物語性や人物の内面描写は最小限にして、事件の論理的謎解きを中心に据える小説をパズラーと呼びます。大山誠一郎さんは、パズラー作家の代表格であると共に、ほとんど作品が短編集なので、トリッキーかつ論理的な謎解きを何度も楽しむことが出来て好きですね。今回は大山作品には珍しく、特殊設定を用いたミステリでした。その特殊設定とは・・・・「ワトソン力」です。目立った手柄もないのに、なぜか警視庁捜査一課に所属する和戸宋志。行く先々で起きる難事件はいつも、居合わせた人びと
朝永理人さんの『毒入りコーヒー事件』読了いたしました。市川憂人さん推薦だけありまして序盤、中盤は、読みやすくサクサク進んだのですが終盤になり、だんだん難解になってきまして•••大筋は理解できましたが私の中で少しモヤッとなるラストでしたアントニイ•バークリーさんの『毒入りチョコレート事件』(長年絶賛積読中)を意識されているのか二転三転していく多重解決ものではあるのかなと感じます色々な方のネタバレ感想も拝見しましたが•••新刊なので、まだまだ感想じたい少ないです朝永理人さん
白井智之さんの『名探偵のいけにえ人民教会殺人事件』読了いたしました。未読の方はネタバレにご注意くださいませ後日譚(ニ)で、『名探偵のいけにえ』の意味がわかった時叫びましたっ電車の中とかじゃなくて良かった(笑)人民教会殺人事件って、そういうことだったのすぐに前日譚を読み返しましたが我々は自殺するのではない。の意味も、ズシッとのしかかってきました新興宗教という特殊設定をうまく活かして物語の構成も凄く工夫された面白い作品だと、しみじみと感じます2023年本格ミステリベスト1
紺野天龍『神薙虚無最後の事件』、大学二年生の瀬々良木白兎は、古アパートの隣に住む一つ年下の後輩の美少女・志希に気があり、憧れていたが、志希も白兎になついていた。ある日、二人は自宅に向かう途中、倒れた女性・御剣唯を助ける。彼女は父・御剣大が書いた20年前のベストセラー『神薙虚無(かんなぎうろむ)最後の事件』を手にしていた。「神薙虚無」シリーズは、実在した名探偵・神薙の活躍を書いた20年前のミステリで、シリーズ最終作が謎を残したまま完結していたが、探偵・神薙は架空の存在で実在していないという
1月11日読了売れない推理作家神岡桐仁は自身の館で編集者の里子の監視の元、執筆作業に勤しんでいた。神岡の愛人の真梨亜が訪れるが神岡は揉み合っているうちに真梨亜を殺害してしまう。編集者の里子は「本格ミステリに相応しい殺人にするべき」と主張し、2人でトリックを施し密室殺人のような現場を作り上げるが…霞流一さん!初めて読む作家さんです。殺人を犯した推理作家の神岡と編集者の里子とで、密室殺人や見立て殺人のようなトリックを遺体に施すのですが、途中新たな人物がやってきては、どんでん返しの様相を呈しい
ミステリー・アリーナ(講談社文庫)864円Amazonひとつの謎に対して様々な推理を繰り広げる小説を”多重解決ミステリ”と呼びます。このジャンルの傑作は沢山ありますが、最近では井上真偽さんの「その可能性はすでに考えた」と「聖女の毒杯」がとことんロジックにこだわった傑作でした。今回の「ミステリ・アリーナ」は、文庫裏紹介文にあった「多重解決の究極」という文字が気になって読んでみました。紹介文は時として、売らんがためのオーバーな表現になることもあるのですが、はたして・・・・・
その可能性はすでに考えた(講談社文庫)821円Amazonひとつの謎に対して、様々な推理が繰り広げられるという、”多重解決”ミステリです。このタイプのミステリは、ブログで紹介した中でも西澤保彦「聯愁殺」、岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」、歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」など、ユニークな傑作が目白押し。本作は、井上真偽さんがデビュー2作目として執筆した作品です。はたして、上記のベテラン作家の傑作群に迫ることができるか・・・・山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺
乾くるみさんの「嫉妬事件」(文春文庫)1984年の12月。城林大学のミステリ研の部長、佐野は、年末恒例の行事、「犯人当て」イベントのために、大学随一の美女、静流やそのボーイフレンドの天童、サークルのOBたち、サークルの部員たちを引き連れて、部室に向かいました。ふつうに施錠された部屋。しかし、室内に入った佐野たちは、ほどなく異変に気づきます。部室の本棚の最上段、ハヤカワポケットミステリが並んでいる上に「あるブツ」が乗せられていたのでした。「犯人当て」イベントもど
多重解決もの…と検索したら必ずヒットするこちらの作品。以前から気になっていた『ミステリー・アリーナ』(深水黎一郎)を一気読み本格ミステリ・ベスト10(2016年国内・原書房)第1位ミステリが読みたい!(2016年版国内篇・早川書房)第3位週刊文春ミステリーベスト10(週刊文春2015年12月10日号国内部門)第4位このミステリーがすごい!(2016年版国内編・宝島社)第6位…と、2016年の話題作だったもの最近、講談社から文庫版が発売されたようです…が、読んだのは原書
本屋さんで見かけた瞬間、手に取り、レジに向かってました深水黎一郎さんの『ミステリーアリーナ』多重解決ものの面白い作品としてeseseve10さんに御紹介頂いておりましたいつも本当にありがとうございます同じく多重解決ものの『毒入りチョコレート事件』とともに7月、8月あたりには拝読したいです今年の夏読書のテーマは、大まかに京極さんと多重解決ものに、なるのかな楽しみです神さま、ありがとうございます強運HIROKO☆
井上真偽さんの『その可能性はすでに考えた』読了いたしました。未読の方は念のため、コメント欄に若干ご注意ください本格ミステリ作品の新しい可能性を示してくださっているのではないかと思える、とっても面白い作品でした次々出てくるぶっ飛んだキャラの方々による推理合戦も、凄く興味深かったですひとつの事件や謎を複数の登場人物たちが推理して、何通りもの解決を示していくこういう作品のスタイルを〈多重解決〉と言うんですね私は初めて出会えたかもしれません多重解決ものの元祖アントニイ・バークリーさん