シリーズ最終作。今回は長編。栄三郎の友達で動物園で働く人から相談がある。その動物園で、坂木は、中学生のとき鳥井をイジメていた張本人である谷越を見かけるのです。そう、やっぱり今回は鳥井自身の過去を掘り返る話でした。ただし、作者は瀧本という3人目の主人公も忘れていない。それどころか、全ての人たちが主人公なのでしょう。そう、谷越さえも。ああ、どんなハッピーエンドがあるのかと思いながら読んでいたら、最後に坂木自身の心の檻も開示され、そこにひとつの別れと再会が語られてのクローズでした。(いや、ちょっと大袈