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たぶん2017年のブログです*子どもの精神科のお医者さんである小倉清さんと小林隆児さんの『こころの原点を見つめて-めぐりめぐる乳幼児の記憶と精神療法』(2015・遠見書房)を読みました。なかなかすごい本です。お二人が、精神科臨床での経験から、乳幼児体験の重要性と精神療法の可能性を論じていますが、びっくりすると同時におおいにうなづけるお話で、参考になります。また、小倉さんの提出された四つの症例はどれもが壮絶で、臨床家としての覚悟を問われるようなものすご
たぶん2017年のブログです*またまた古い本を再読しました。なだいなださんの『れとると』(1975・角川文庫)。読んだのはたぶんじーじが家庭裁判所で働きはじめた頃、今から40年くらい前のことです。当時、じーじと一緒に採用になったのがW大の心理学科を出た優秀な同僚で、じーじは四流私大の社会学科しか出ていませんでしたが、彼はそんなじーじにも臨床のことをいろいろと親切に教えくれ、じーじたちは仕事帰りによく駅前の居酒屋でお酒を飲みながらは仕事のことについて熱く議論をし
たぶん2015年ころのブログです*土居健郎さんの『精神療法の臨床と指導』(1967・医学書院)を相当久しぶりに再読しました。じーじがこの本を購入したのが1981年、家裁調査官研修所を修了する頃。その後、何回か読んで感動し、付箋やアンダーラインもいっぱいですが、ここしばらくはご無沙汰でした(土居さん、ごめんなさい)。久しぶりに読んだ本書はやはり刺激的でした。今はもう大家になっている人たちの若いころのケースを土居さんが指導しているのですが、その「きれ」がすごいで
2013年のブログです*6月~8月にかけて放送大学大学院臨床心理プログラムの病院実習で精神科病院におじゃましました。統合失調症の患者さんと接するなかで,いろいろなことを考え,学ばせていただきました。実習中は本を読む余裕がなかったのですが,実習が終わってから中井久夫さんの『精神科医がものを書くとき』(2009),『隣の病い』(2010),『世に棲む患者』(2011,いずれも,ちくま学芸文庫)などを読んで,実習中のじーじの疑問などがすでに中井さんによって丁寧に説明されて
クリスマスのサンタさんをめぐる孫娘たちとのやりとりが数年前にあって、それがけっこう面白かったので、以下に再録します(2014年ころ、上の孫娘が4歳、下の孫娘が1歳ころのことです)。*久しぶりに孫娘たちが遊びに来ました。上の孫娘が、サンタさんがプレゼントをくれたの、といって、赤い水玉の洋服を着たシルバニアを見せてくれました。下の孫娘も、ウーウー(そうだよ!)、といいます。じーじが、サンタさんは煙突から入ってきたのかな?と聞くと、上の孫娘は、うちにはえんとつは
たぶん2016年ころのブログです*ユング派の河合隼雄さんの『子どもと悪』(1997・岩波書店)を再読しました。もう何回目になるでしょうか。1997年の本ですから、かれこれ20年くらい読んでいることになります。何回読んでも、いろいろと考えさせられる本ですし、河合さんの本の中でもじーじが大好きで重要な本の一冊だと思います。内容は、悪と創造、盗みの意味、暴力と攻撃性、うそと秘密、秘密と性、いじめ、子どもをとりまく悪、などなど。いずれも、子どもの成長や自立を
2021年11月のブログです*土居健郎さんの『精神療法と精神分析』(1961・金子書房)をかなり久しぶりに読む。なかなか難しい本なので、つい再読が遅くなった(土居さん、ごめんなさい)。土居さんが精神療法について精神分析の立場から述べた本で、じーじのような初学者にはなかなか理解するのに苦労するところが多い。しかし、詳しい症例がたくさん提示されているので、精神療法の実際を学ぶにはすごく参考になる。また、治療者の面接場面を執筆の時点でさらにコメントというか、スーパーヴ
2025年10月のブログです*東畑開人さんの『カウンセリングとは何かー変化するということ』(2025・講談社新書)を読む。2025年9月20日発行の新刊(えっへん!)。ブログには、もう感想文を書かれたかたもいらっしゃるが、じーじは年を取ったせいか、ようやく最近、読み終えた。これがなかなかすごい本。新書なので、初心者向けだと思うが、カウンセリングの歴史から始まって、カウンセリングの全体を眺めようとするような野望(?)が感じられるような本格的なもの。適宜、参考文
2017年のブログです*精神科医の木村敏さんの『臨床哲学対話いのちの臨床木村敏対談集1』(2017・青土社)を読みました。木村さんの本を読むのは久しぶりでした(木村さん、ごめんなさい)。木村さんは名著『人と人の間-精神病理学的日本論』(1972・弘文堂)で有名で、当時、土居健郎さんの『「甘え」の構造』(1971・弘文堂)とともに一世を風靡しました。じーじは少し遅れて、1977年の就職後に、なぜか『分裂病の現象学』(1975・弘文堂)を読んで感動し(こうしてみ
2014年6月のブログです*精神科医で精神療法家の成田善弘さんの本に関するエッセイ集です。フロイトさん,土居健郎さん,藤山直樹さん,神田橋條治さん,山中康裕さん,夏目漱石さん,藤沢周平さん等々,臨床から小説まで多彩な人々の本とそれにまつわるお話が読んでいてとても楽しく読めました。成田さんの読みの深さや正直さに感心させられました。中でもじーじのおすすめは村上春樹さんの『小澤征爾さんと,音楽について話をする』(2011・新潮社)についてのエッセイです。この本はと
たぶん2017年のブログですこの時に初めて詩人キーツさんの重要さに気づいたようです(2019.1記)*土居健郎さんの有名な『新訂・方法としての面接-臨床家のために』(1992・医学書院)を再読しました。もう何回目になるでしょうか。本は付箋とアンダーラインで大変な状態です。初版本はじーじが家庭裁判所に就職をした翌年の1978年に購入していますから、かれこれ40年近いおつきあいです(うちの奥さんより長いおつきあいです)。新訂本も25年のおつ
たぶん2016年のブログです*土居健郎さんの『甘え・病い・信仰』を再読しました。たぶん10年ぶりくらいだと思います。ずいぶんとご無沙汰してしまいました(土居さん、ごめんなさい)。今回読んでみてよかったのは、「甘え」と「うらみ」と「ねたみ」の関係がとてもよく理解できたことです(今ごろになってわかったのか、とあきれられそうですが…)。「うらみ」は私がずっと気になっているテーマの一つなのですが、土居さんによれば、「甘え」が十分に満たされないと「うらみ」になると
たぶん2015年ころのブログです*このところ、土居健郎さんの精神分析の専門書ではなくて、一般読者向けの本を読み返していたのですが、いろいろなことを考えさせられました。有名な『「甘え」の構造』(1971・弘文堂)や『「甘え」雑稿』(1975・弘文堂)、『表と裏』(1985・弘文堂)、そして、本書などを読んでいましたが、それらの本の中で、例えば、「甘え」と「うらみ」、「ねたみ」などの関係が述べられていたり、また、秘密と自立の関係などの問題が考察されたりして、臨床的に重要な
2011年のブログです*藤山直樹さんの『精神分析という語らい』を読みました。少し難しかったけれど(何割くらい理解できているのかなあ)、哲学的な部分に触れる箇所もあって、じーじにとってはかなり刺激的でした。じーじが一番おもしろく読んだのは「夢みることと精神分析」の章。人は人間的であるとき、眠っているときも覚醒しているときも夢をみている、というところや、夢みることは創造的に遊ぶことに結びついている、というところ、あるいは、人はひとりで夢みているようにみえてそうでは
たぶん2011年ころのブログです*山野保さんの『「うらみ」の心理-その洞察と解消のために』(1989・創元社)を再読しました。何回目になるでしょうか。何回読んでも得るところの多い本です。このところ,「うらみ」ということについて考えることが多く,そういえば、家庭裁判所の当事者のかたがたや心理臨床のクライエントのかたがたに,「うらみ」にとらわれている人々が多くおられるなと感じています。「うらみ」のせいで,本来,力のあるかたがたが,冷静な判断をできずに苦しんでいる
25-6-21(土)連続テレビ小説『あんぱん』の戦争編が昨日漸く終わったらしい。それにしてもこの番組、朝の連続テレビ小説(一般に主婦や、その他この時間に暇な人を対象に作られている)の中で、大東亜戦争の描写が著しく長かった。私はほとんど見ていなかったが、スマホで情報がどんどん入ってくるので、あらすじはほとんど知っている。最近気がついたのであるが、私のスマホに朝の連続テレビ小説関係の記事がやたらと集まるのは、世間で評判になっているかどうかとはあまり関係がなく、私が関心をもってクリックして記事
2023年5月のブログです*久しぶりに再読をしたオグデン(狩野力八郎監訳・藤山直樹訳)『こころのマトリックス-対象関係論との対話』(1996・岩崎学術出版社)をようやく読み終える。藤山直樹さんの翻訳デビュー作である。藤山さんが土居健郎さんの7年にわたるスーパーヴィジョンを終えて、狩野力八郎さんのスーパーヴィジョンを受けはじめた頃、狩野さんから紹介のあったこのオグデンさんの本を藤山さんが翻訳、それを狩野さんと藤山さんが4年をかけて検討したという労作。学者さんの世界も大変だ
2020年5月のブログです*北山修ほか編『日本語臨床3「甘え」について考える』(1999・星和書店)をかなり久しぶりに読みました。土居さんの「甘え」理論を1997年の第4回日本語臨床研究会で討議をしたあとの論文集ですが、読むのはなぜか久しぶりになってしまいました(土居さん、北山さん、ごめんなさい)。例によって、付箋やアンダーラインがあるものの、記憶がほとんどなく、なんと藤山直樹さんも論文を書いていて、ラッキーでした(一回読んだはずなのに、ラッキーもないのですが…。藤山さ
2019年4月のブログです*河合隼雄さんの『対話する生と死-ユング心理学の視点』(2006・だいわ文庫)を再読しました。これもかなり久しぶりで、小さな文庫本なので、本棚の片隅にあったのを見つけて読んでみました。しかし、中身は充実していて、いい勉強になりました。さすがは河合さん!です。今回、特に印象に残ったところを一つ、二つ。一つめは、治療者の私が、もう一人の私としての病者を自覚すると、病者の心の中のもう一人の私としての治療者が働きはじめる、ということ。
25-4-12(土)若い者よ、あなたの若い時に楽しめ。あなたの若い日にあなたの心を喜ばせよ。あなたの心の道に歩み、あなたの目の見るところに歩め。ただし、その全ての事のために、神はあなたをさばかれることを知れ。(旧約聖書『伝道の書』11章)悩み多き若い日々のことを夢に見て、今朝2時頃起きてしまった。あの頃は随分と愚行を行ったものである。しかし、ではもう一度あの頃にもどって、人生をやりなおせるとしたらどうするだろう?やはり私はまた同じ過ちを繰り返すことになるような気がする。心理師を
2018年のブログです*精神科医で精神分析家の土居健郎さんの『臨床精神医学の方法』(2009・岩崎学術出版社)を再読しました。精神科デイケアのボランティアの合間に読んでいたら、面白くてやめられなくなり、メンバーさんそっちのけで(?)読んでしまいました(メンバーさん、ごめんなさい)。久しぶりの再読で、あいかわらず、中身は覚えておらず、新鮮な気持ちで読んでしまいましたが、土居さんの晩年の論文と講演録からなっています。特に、2007年の講演は、土居さんが講演とし
2019年7月のブログです*土居健郎さんの『漱石文学における「甘え」の研究』(1972・角川文庫)を再読しました。この本もかなり久しぶり。土居さんの『漱石の心的世界』(1969・至文堂)という本が文庫本になったもので、当時の定価が180円(!)という小さな本。じーじはだいぶ前にこの本をどうしても読みたくて、古本屋さんでやっと見つけて読んだのですが、今読んでもやはり読みごたえのあるいい本です。『坊ちゃん』や『三四郎』などの漱石さんの小説を精神分析の理解を参考にして
【2025年本日読了した本その2】「甘え」の構造[増補普及版]土居健郎(著)https://amzn.asia/d/fXOof9B1971年の刊行以来、三十数年後の今日も読み継がれている古典的名著本書で著者は「甘えるな」というありきたりの処世訓を説いたのではなく、日本社会において人々の心性の基本にある「甘え」「甘えさせる」人間関係が潤滑油となって集団としてのまとまりが保たれ、発展が支えられてきたことを分析して見せたのです。しかしその後日本の社会と文化は大きく変質
2019年4月のブログです*広瀬徹也さん編集の『精神療法の実践的学習-下坂幸三のグループスーパービジョン』(2004・星和書店)を再読しました。この本は広瀬さんが帝京大学精神科の教授をされていた時に、下坂幸三さんから若手精神科医がグループスーパーヴィジョンを受けた時の記録で、下坂さんの前には土居健郎さんが同じようにスーパーヴィジョンをされていたようで、夢のように贅沢な研究会の記録です。実際、今回、再読をしてみて、改めて勉強になるところが多々あり、いい本だな、と今さらなが
24-11-18(月)来年は昭和に換算すると昭和100年になるらしい。昭和が64年、平成が31年、令和が7年と計算するのは面倒であるが、西暦の下2桁25を引くと昭和の年号に換算できる。例えば大東亜戦争が終わった年は1945年だからそこから25を引くと1920年。1900年を除外すれば昭和20年と言うのはすぐに解る。(ちなみに令和の場合018(レイワ)を引けばいいそうだ。2025―018=2007年、なるほどね。)本題に入ると、例の月9の『嘘解きレトリック』の世界にすっかりはまってしま
ー封印された鑑定記録ーこの旅三泊四日ほぼほぼ読書の旅となりましたいや待てよサッポロクラシックと読書かも
24-9―20(金)新約聖書学者で、東京大学名誉教授の荒井献(アライ・ササグ)氏が先月の16日にお亡くなりになったのを最近知った。(新聞などにも載ったようであるが、私は新聞をとっていないし、家にはテレビがないので、気にかけていないと訃報はなかなか入らない)。葬儀は近親者だけで行ったそうである。荒井献氏について一応紹介しておくと、彼は東京大学教養学科ドイツ語専攻を卒業後、大学院に進学し、学者の道を歩み始める。ドイツに留学して、当時世界中の学者の間で懸案となっていた新訳聖書外典の『トマ
2024年4月1日、令和6年、新年度の始まりですね。「始まりの初日が、エイプリルフールというのは、なんだかな?」と、新年度の挨拶が、「それは冗談でしょ!」と思われたりしませんか。(笑)「嘘はいけません」と子供の頃から、教え込まれてきました。それは、パブロフの条件反射のように、嘘をつくと心が痛みます。あなたは、嘘について考えたことはありますか?フォークシンガーの加川良(かがわりょう1947~2017)の歌で、
24-3-31(日)昨日の土曜日は、頼もしいビジネス・パートナーである優秀な精神科医師のところに行って、来年度の仕事の打ち合わせをしてきた。途中鎌倉女子大学から大船駅にかけての川沿いの桜を見てきたが、3月に入って寒い日が続いたので、ほとんど咲いていなかった。精神科医師はまだ午前中の診察が終わっていなかったので、心理テスト室で手持ち無沙汰になり、たまたま手本にあった『伊豆の踊子』を読んだ。これは短い小説であって、1時間もあれば読み終えてしまう。中学の時に国語の時間に読まされた記憶がある
23-12-7(木)2か月ほど前、友人(というか母の友人の娘さん)が陶芸展をやるというので、青山一丁目の近くのギャラリーに行ってきた。ギャラリーは思ったよりも小さく、丁寧に見ても30分ほどで作品を見てまわれた。陶芸のことなど本当のところは何もわかっていないので、さぞ見当はずれなことを質問してしまったのだろう。ただ、こういう粘土(?)をこねて、ある陶器を尊いことに、そしてある陶器をいやしいことに使う自由が作者には許されているというのが何だか興味深かった。こうして人のこころを喜ばす美しい芸