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夏目漱石による短編集。ひょんなことから飼った文鳥を死なせてしまう悲話「文鳥」やとりとめのない夢を描いた幻想的な物語「夢十夜」が表題となっている。しかし、その他の自伝的要素の濃い作品も見逃せない。「思い出す事など」は、病床に伏した作家が、臨死体験を含めた経験を物語る興味深いものになっている。また、徒然な日常の印象を描いた「永日小品」には、折々ロンドンでの留学生活の思い出が描かれ、明治期の留学の様子が鮮やかに甦る。漱石の代表作を読んだ後に、作家自身への興味を持って読むと興味深く紐解
傾向と対策ねこや知らない事を言われた時「漢字でどう書くんですか」そう聞き直す傾向がある新しいひつじの教室に通い始めて今まで「知っていた事」がかなり「違っている」と上書きが進んでいるいろんな人がネットに色々知識をあげているけれど少し知った・齧ったことを書いているか「織り」に適した方法を紹介していてそれは「編み」には適ではないことが多いですよねなるほど~~~ひつじのアトリエで都度都度不満に思ったのはソレだもんね「織りが専門なので、編みものについては分かり
夏目漱石の「漱石」という号は同級生の正岡子規が用いていた号の一つであった。漱石の本名は金之助である。
みなさま、こんばんはパソコン・スマホ超初心者さん大歓迎!出張パーソナルレッスン講師&パーソナルシステムエンジニアの辰本ゆうこです。最新スケジュール/サービス一覧/公式HP/お問合せ・お申し込みいろんなサービスを提供しているので、「どんな仕事をしてきたんですか?」と時々質問されることがあります。なので、職歴をちょこっと書いていきます♪(^^)/(再アップです)キャリアのスタートは、コンピュータ専門学校でした。授業料が安くてMacが
志賀直哉の短編集。様々な短編が収められていて、特に夕暮れの景色や雪景色の何気ない日常を捉えた穏やかな話が多いが、とりわけ印象的なのは「流行感冒」という毛色の違う作品である。幼い子どもを病気で亡くした父親の「私」は娘の左枝子を過保護に病気から守ろうとする。コロナ禍では世界中でウィルスに対して警戒していたものだが、それぞれの人生における経験や生活のために、あまりにも軽く受け止めた人もいれば、過敏になってしまった人もあったことだろう。主人公の「私」は娘をすべての病気から守ろうとするあまり家族の中で「
梶井基次郎の短編集『檸檬』は、主に肺病を病む主人公を据えている。主人公たちの意識は極めて繊細な感性を持ち、その主観を通して語られる生活はときに難解で分かりにくい。それにもかかわらず、読者を引きつける暗い魅力がある。短編は互いに緩やかに結びつき合っていて特に療養先の谷間での生活が印象的である。「闇の絵巻」で語れる暗い谷沿いの夜道を歩く「私」は、その道の先を唯一照らす家の灯りの中に一人の人影を目に留める。その人影が再び闇の中に消えていく様子を見て、「自分も暫らくすればあの男のように闇のなか
もうすでに廃本になった国文学の試験ですが、『源氏物語』の内容について書かなければならない可能性が高いことに気付きました。こんな長いものを試験のために読む時間はなく、ネットで各帖のあらすじが書いているのを探し、それをとにかく覚えました。まさに、試験対策‼️各帖数行程度の、簡単なあらすじです。覚えても、試験以外で何の役にもたたない。でも、覚えないと単位が取れない。こんな勉強、面白くない❗️国文学は、何故こんなに『源氏物語』を重要視するのか?と、思いました。有名な『源
日本では高校生のときに教科書で学ぶことが多い夏目漱石の小説『こころ』を、やはり高校生の時に一度読んでみた。しかし、そのときには内容に対する理解力だけでなく、その情緒に通じるための経験があまりにも欠如していた。三十路を過ぎて、読み返す。『こころ』は「先生と私」、「両親と私」、「先生と遺書」という3部から成るように、語り手の学生「私」と「先生」の交友を描く部分、「私」と両親との関係を語る部分、そして、「先生」から「私」に当てた遺書の部分に分かれている。しかし、多くの読者の印象に強く残るのは
小学生のときに上巻を読んだもののよくわからず挫折したままになっていたが、ようやく読むことができた。猫の視点から人間の日常を語り、批評し、警句を飛ばす――小学生にはあまりにも難しい。名前さえつけてもらえない「我輩」こと、珍野苦沙弥先生の家に居住している。初めの方こそ、近所の猫との猫付き合いの話もあったものの、猫らしからぬ頭脳を持った「我輩」は珍野家の人間模様を面白可笑しく紹介する。苦沙弥(くしゃみ)という珍妙な名前に誘われるように、友人の美学者で詭弁を振り回して時を潰す迷亭が始終やってく
芥川賞作家石原慎太郎による小説『天才』は表紙からも分かるが田中角栄の一代記である。尖閣諸島死守を叫んだ石原と日中国交正常化へ邁進した田中。政治姿勢は全く異なる。下手な物書きであったならば角栄批判に終始するようなことになりかねないが、石原はそれほど愚ではない。安心してほしい。読めば誰であれ、作品の中へ吸い込まれて今太閤に接近することになるだろう。以前、戦後の総理大臣で最も人気があるのが田中角栄だと報じられていた。苦労の末に総理の椅子に辿り着いた角栄は立身出世の象徴の如く扱われる。就任時は一大
川端康成の代表作『雪国』は「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という冒頭の一節で有名である(5)。主人公島村は年に一度東京の家族の元を離れ、雪国の温泉地へ逗留する。駒子という芸者に会うためである(出会った頃はまだ芸者ではなかったが・・・)。川端の流麗な文章が描き出すのは、島村と駒子の間の性愛模様である。物語の筋だけで言うならば、東京の家族を蔑ろにして逗留先の女性と愛人関係を築く、だらしない男の話である。その上、どうやら島村は親の遺産で暮らすことができる道楽者でもあるらしい。
木下古栗による中編小説集で、奇妙な物語が3編収録されている。表題作「金を払うから素手で殴らせてくれないか?」は、そのタイトルが既に読者の興味をそそるものである。しかし、最初の台詞のかき立てる好奇心に逆らえる者はいないだろう。「『おい鈴木、米原正和を捜しに行くぞ』とその米原正和が言った」(121)。ある調査会社に勤めている米原正和は部下の鈴木にその米原正和が失踪したから捜しに行くという。そう言葉をかけられた鈴木も、捜索を告げられた米原の上司も、その異常な提案に疑問を投げかけるでもない。こうして米
すでに廃本になったテキストの国文学のレポートです。指定のレポート用紙に横書きをしました。レポート用紙はそのようになってますので、当然です。返ってきたレポートのコメントが、あらっ、縦書き‼️何で❓今まで横書きばかり見てきたので、ものすごく違和感がありました。でも、よく考えたら、テキストは縦書きです。世の中、横書きが多くありますが、一般的な本も縦書きです。日本語は、本来は縦書きでしょう。日本文学科だった娘は、だいたい縦書きで、レポートを書いてました。そうか、やっ
中高生のとき、国語で和歌を勉強したときも、大人になって読んでみても、古今和歌集と比べると万葉集は好きだなぁと、思ってました。万葉集が好きだといっても、歌を理解してるわけでも何でもなく、ただ何となく素朴でいいなといった程度です。私が履修した国文学のテキスト(廃本)は万葉集と源氏物語が多くのページを占めていて、万葉集好きだし、やってみようという気にさせられました。レポートは和歌を論ずるものでした。参考文献を読むうちに作者の特徴や背景を知り、歌も味わい深いものとなりまし
これは現代に生きる様々な人々の日常を描く小品集であるが、彼らの悩める日常には奇妙な形で、ほとんどの人々が気付かないような仕方で、幽霊や妖怪が混ざり込んでいる。よくあるアニメのような設定ではあるが、それぞれの物語の主人公は人であったり、幽霊出会ったり、妖怪であったり、はたまたどちらとも言い兼ねたり、と様々である。物語一つ一つも独立した作品であるようであって、他の作品と緩やかに結びつき、ある物語に登場する人物の行く末が他の物語の中で仄めかされたり、主人公が入れ替わっていったりする。最も印象
下記の商品は本日入荷したホンの一部です。『新撰祭式大成調度装束篇』(金光慥爾)昭和17年、明文社刊売価6,000円『古事記真釈上巻』(岸一太)昭和5年、交蘭社刊売価2,750円『惟神の礎』(中澤巠夫編集宮地直一、江崎政忠、芝葛盛、阪本廣太郎、河野省三、中野與吉郎、飯田秀眞、御巫清勇、福山敏男、辻善之助、八束清貫、中村孝也ほか執筆)昭和17年、紀元二千六百年奉祝会売価2,500円上記の商品はインターネット古書検索サイト「日本の古本屋」で
本年最後であろう書き込みがこのような内容となる事を非常に残念に思います。先日お聞きした訃報・・・。当方がこの古美術業界に足を入れてからずっとこれまで、ご教示を賜り、お世話になった国文学の大先生。今月中頃にお亡くなりになられたということでした。・・・言葉が出ません。残念というか無念というか、言葉も浮かびません。かの先生がおられなければ、今の当方は存在しません。古筆を専門とし、深く肩入れして来れたのには先生の存在があったからです。先生は執筆も数多く、講
下記の商品は本日入荷したホンの一部です。『八雲御抄の研究名所部用意部本文篇・研究篇・索引篇』片桐洋一編2013年、和泉書院刊定価20,000円+税売価16,000円+税『『挙白集』評釈和文篇』(挙白集を読む会編著)2023年、和泉書院刊定価15,000円+税売価12,000円+税『女房文学史論―王朝から中世へ―』(田渕句美子)2019年、岩波書店刊定価13,000円+税売価10,400円+税上記の商品はインターネット古書検
下記の商品は本日入荷したホンの一部です。『中世長谷寺の歴史と説話伝承』(横田隆志)2023年、和泉書院刊定価18,000円+税売価14,400円+税『世継物語注解』(神戸説話研究会編)2023年、和泉書院刊定価13,500円+税売価10,800円+税『源氏物語の享受-注釈・梗概・絵画・華道-』(岩坪健)2013年、和泉書院刊定価16,000円+税売価12,000円『『源氏物語』宇治十帖の継承と展開-女君流転の物語-』(野
下記の商品は本日入荷したホンの一部です。『上代文学における死と生の表現』(阪口由佳)2022年、塙書房刊売価8,800円+税『「語り」言説の研究』(糸井通浩)2018年、和泉書院刊定価12,000円+税売価9,500円『中世和歌の始まり-京と鎌倉をつなぐ文化交流の軌跡-』(木村尚志)2021年、花鳥社刊売価8,800円『古代心性表現の研究』(森正人)2019年、岩波書店刊定価12,000円+税売価8,500円上記の
下記の商品は本日入荷したホンの一部です。『源氏物語古注釈の研究-『河海抄』を中心とした中世源氏学の諸相-』(松本大)2018年、和泉書院刊売価8,800円+税先日入荷してすぐに売れてしまいましたが、運よく再入荷しました。売価は同じです。【おまけ】『差別とアナキズム-水平社運動とアナ・ボル抗争史-』(宮崎晃)1975年、黒色戦線社刊、少し赤線引きあり売価1,650円残念ながら少し赤線引きありですが、知る人ぞ知るなかなか珍しい本です。上記の
下記の商品は本日入荷したホンの一部です。『平安朝の歳時と文学』(北山円正)2018年、和泉書院刊売価7,600円+税『『しのびね物語』注釈』(岩坪健)2015年、和泉書院刊売価7,200円+税『院政鎌倉期説話の文章文体研究』(藤井俊博)2016年、和泉書院刊売価6,400円+税『『発心集』と中世文学-主体とことば-』(山本一)2018年、和泉書院刊売価7,000円上記の商品はインターネット古書検索サイト「日本の古本屋
杉浦日向子の百物語を、久しぶりに読み返しています。時々、無性に読みたくなる、回帰性の強い作品。読むたびに感銘を覚え、ある種の発見もある。それって、古典作品、ということですよね。マンガという20世紀メディアの古典。同時にこれは、国文学の古典でもあります。今回、特に感心した話を紹介します。なにぶん、短編の上、杉浦日向子の表現は無駄を削ぎ落とした結晶のような作品。ネタばれにはなります。そもそも古典にネタバレは関係ない。源氏も坊ちゃんも、たいていの人はどうなったか知っている。それで
資料紹介2022年度までのレポート課題です。マルクス主義が日本文学に与えた影響を整理したうえで、小林多喜二の『蟹工船』にみられるその特徴を考察しています。資料の原本内容①マルクス主義が日本文学に与えた影響一九一四(大正三)年勃発の第一次世界大戦から一九三九(昭和一四)年勃発の第二次世界大戦にかけて、日本は急激な経済成長を遂げた。その反面市民の間には貧富の差が広まり、資本家と労働者という構図から生まれる労働運動も出現した。ロシア革命によって広まりを見せた社会主義の思潮は日本にも到来し、
資料紹介2022年度までのレポート課題です。日本自然主義文学の特徴と、国木田独歩の『武蔵野』を例にその考察をしています。資料の原本内容①日本文学における自然主義についてはじめ自然主義という文学思潮は西洋で生まれ、日本に持ち込まれた後西洋のそれとは別の形で発展を遂げた。元来自然主義文学とは生物学や心理学など自然科学の理論を下地として物事を客観的に描写しようというものである。しかし日本での自然主義文学はあくまでも人間の所作心情をあるがままに描写しようという方向性を持ち、作品を支える要素と
資料紹介2022年度までのレポート課題です。日本近世文学における井原西鶴『好色一代男』の画期性とその時代背景について論じています。資料の原本内容一.概要井原西鶴の功績として、大まかに次の四つを挙げる。・「浮世草子」という新しい文学ジャンルの先駆けになったこと。・当時の大坂出版業界発展の火付け役となったこと。・前時代の文学の中心的要素であった「雅」と、町人の価値観である「俗」を織り交ぜた作品を生み出したこと。・好色物に留まらず、多彩な文学作品を生み出したこと。これら
◆「祝詞新講」次田閏著(~3祝詞の名義)せっかく入手したからには…と、始めたテーマ記事。「祝詞」は神道の根幹を為すものの一つ。神道とは際限なく奥深いもの。まだそれが分かっただけのレベルと、これまで少々及び腰でした。独りよがりなテーマ記事となりそうですが、ご覧頂ける方がありましたらさいわいです。~*~*~*~*~*~*~*~*~*~■過去記事*~1序*~2緒言~*~*~*~*~*~*~*~*~*~■祝詞の名義まずは「祝詞」とは何かからスタートしています
よく読んでみると、この本を読んでこの教えをよく守れば、身を修めて家をととのえて、子孫繁栄は必ず達成できるだろう。「我身のため」と名付けたのも実に納得する。こんな事から、耳が遠い老人の僻事のまま書き記したと思える。会話の中に、文脈が通らないことが多く混じっており、またつづりの過ちよく分からないことも多かったが、愚かなこと心でとやかく言っても難しいので、断ろうとしたがどうしてもやって欲しいというので受けることにした。でも、何やかんやと仕事が多く止まりがちであった。このところ書林からの要求
表題の中編「新ハムレット」を含む太宰治の短編集。シェイクスピアの戯曲『ハムレット』を題材に取った「新ハムレット」では、原作と同じく現デンマーク王クローヂヤスがハムレット王子の実の父であるハムレット王を亡き者としたという疑惑が持ち上がる。しかし、その疑惑は原作では亡き父の幽霊がハムレット王子に直接訴えかけるが、「新ハムレット」では単なる噂にすぎない。明らかに悪役である原作のクローヂャスもまた、太宰版では思慮深く思いやりのある叔父に見える。最近、この作品を演劇化した「『新ハムレット』~太宰
資料紹介国文学科で提出した卒業論文です。すでに提出、卒業しているので丸写しすると確実にバレます。参考程度にご活用ください。資料の原本内容論題国語の授業における『山月記』の研究―道徳との比較を中心に―目次はじめに………………………………………………………………………………………二第一章授業としての『山月記』第一節国語科の学習指導要領から分かる『山月記』の授業………………………三第二節「学習の手引き」から読み解く『山月記』…………………………………五第二