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・エドワード・アンダースンの『夜の人々』(矢口誠翻訳新潮社新潮文庫海外名作発掘)を買った書店で購入する。・法蔵館文庫50冊目。・川田順造の著書を読むのは初めてである。・著者と著者の妻2人のオート・ヴォルタ(現在の国名はブルキナファソ)研究滞在記である。・強靭かつ柔軟な思索の記録でもある。・一読後、私はアフリカには住めないな、と思ってしまった。腹を壊して死ぬだろう。・「ことば」(本書266〜286㌻)は西江雅之へ書かれた文章なのだろうか。・柴田、四方田両氏の解説良
・甲賀三郎の『盲目の目撃者』(春陽堂書店春陽文庫)を買った書店で購入する。・春陽文庫4冊目。・学生の頃、夢野久作の短篇小説を数篇読んだ記憶がある。・『ドグラ・マグラ』に挑戦する前に読んでおこうと思い購入する。・関東大震災が起こる前の帝都東京を旅する気持ちで読む。・ある事件がきっかけで刑事をやめた狭山九郎太が語り手である。本作の主役ではない(後半以降狭山は出来事の傍観者となる)。どちらかと言えば主役は呉井嬢次だと思う。・探偵小説やスパイ小
日々報じられるガザ侵攻の悲劇も、かつてのボスニア紛争も日本人には対岸の火事の感がある。かくいう自分もそんな一人だが、本書から立ち上るリアルな痛みを前にして、現代の闇深さを痛感せざるを得なかった。これほどのことに無知で関心が薄かったことが、我ながら恥ずかしい。映像専門家ならではの感覚と背景があればこそ、敗者の痛みを踏まえた現実に思いを深めることができるのだろう。国際政治の専門家にはできない、そこに生きる人々の息吹に引き込まれざるを得ない。アメリカ側の反対から眺めると、見える現実がかくも違うとは。
こんばんは!アイシングクッキーで、あなたの夢を叶えるお手伝いをするアイシングクッキー専門コンサルタントヨリクッキーズのハタヨリコです。アイシングクッキーの価値を高めて、世界に愛を届けたい!!冬がこんなに寒いことをすっかり忘れていたヨリクッキーズです。そして突然、我が家に、こんな本が届いた!!怖い。夜、眠れなくなりそうだ。きゃーーーーー!!怖いけど、気になる(笑)ところで本日は、あなたの未来、どうな
今回の原稿を書くため、わたしはほぼ20年ぶりにこの長編小説を読み直した。書物というものは、長い時間の後に読み返すと、まったく異なった相貌を見せるものである。(四方田犬彦「私の神聖なる女友だち」「青春と読書1月号」集英社)
シャトーブリアンが愛の不滅という考えに到達するまでには、若き日に彼を知った女性が彼の思い出を心の奥深くに留め、死に至るまで愛を信じていた事実が少なからず意味を持っていたはずである。人は誰しも自分の体験からしか学ばないものなのだ。(四方田犬彦「わたしの神聖なる女友だち」「青春と読書11月号」集英社)
『東京战争戦後秘話映画で遺書を残して死んだ男の物語』1970,大島渚大島渚は官能的。しかも震えるほどの官能性が全てのフィルムに充満しています。基調となるホモセクシャルなフェティシズムと同時に、ヘテロセックス、もう少し踏み込んで言えば、母性を含む女性性への恐怖と憎悪に満ち溢れているように受け取っています。私はその具体的な象徴として、何よりもまず『少年』における繊細でアンビバレントな日の丸の揺らめきを挙げることができるのだと考えています。本作品でその官能的暴力性は、言うまでもなくキャメラと
矢川澄子さんに初めて会ったのは、新宿二丁目のナジャというバアだった。四谷シモン展覧会カタログに書く文章のことで(中略)相談をしていたところ、扉を開けて小柄な女性が入ってきた。やあ、矢川さん、とシモンが挨拶し、わたしを紹介した。(四方田犬彦「わたしの神聖なる女友だち」「青春と読書9月号」集英社)
ああ、時代とはこういうものなのか(中略)。それではアグネス・チャンは、南沙織は、そして大好きだった栗田ひろみはどうなのだろう。わたしの記憶のなかで70年代とは、ストレートのロングヘアーの女性たちが築き上げる懐かしの星座である。(四方田犬彦「わたしの神聖なる女友だち」「青春と読書8月号」集英社)
図書館で借りたこの本を読んでいたら、1983年6月、著者は仲手原2丁目に住んでいたとの記述が\(ˆoˆ)/手書きの地図も。どこだか分かっちゃいますね(o^^o)四方田犬彦の引っ越し人生Amazon(アマゾン)1,400円
当時(中略)バブル経済に突入しょうとしている時期で東京の津々浦々にミニシアターが林立し、ヴェンダース、ジャームッシュ、侯孝賢が休みなく公開されていた。そればかりではない。ロメールやリヴェット、ユスターシュまでが上映されるようになった。(四方田犬彦「いつも映画の話ばかり」「青春と読書3月号」集英社)
彼女が消えてしまったとき、私はたぶん他のことに熱中していたのだろう。(中略)後になって会って話をしたいと思ったときにはもうどこを探しても見つからなかった。何人かの知り合いに訊ねたのだが、誰一人として行方を知っている人はいなかった。(四方田犬彦「わたしの神聖なる女友だち」「青春と読書2月号」集英社)
つい先日(中略)原稿が発見された。かつて如月小春と書きかけたテクストの断片だった。ワープロの印字が消えかかっているため判読は容易ではなく、私は自分のなかで如月小春の記憶が少しずつ消滅を遂げようとしていることに、そのとき思い当たった。(四方田犬彦「わたしの神聖なる女友だち」「青春と読書1月号」集英社)
戒厳Amazon(アマゾン)1,025〜6,380円四方田犬彦の半自伝的小説である。瀬能は、大学のゼミの飲み会で、韓国人の留学生が提案した韓国の大学での日本語講師の仕事を、酔っ払って記憶も定かではない状態で引き受けてしまった。これが瀬能にとっての本格的な韓国との出会いとなる。それまでフランス映画や記号論を勉強していた瀬能は、韓国など全くの門外漢。ハングル文字さえ読めやしない。大急ぎで韓国語を勉強し、韓国本を読み漁った後で、韓国に向けて旅立った。瀬能が韓国へ渡った日は、1979年。朴
わざと(中略)生意気そうに振舞い得意げな顔を見せる女の子、思ってもみなかった世界へ連れ出して平然と消えてしまう女の子。彼女たちは今どうしているのだろう。これから先どこかで出逢うことはたぶんないだろう。彼女たちは私を想い出すことなどあるのだろうか。(四方田犬彦「エッセイ」「青春と読書10月号」集英社)
漫画雑誌『COM』に(中略)短編が新人応募作品として一挙掲載された。わたしはわずか7頁の短編を何回も読み直した。設定の大胆さに驚き、科白の真剣さに圧倒され、劇的な構成に魅惑された。翌日、渋谷の大盛堂書店に行って『悪の華』という詩集を買い求めた。(四方田犬彦「幻の女性漫画家」「青春と読書8月号」集英社)
わたしは半折にされたチラシを受け取った。(中略)『カラビニエ』をはじめ8本のゴダール映画が次々と上映とあるのだが、「カラビニエ」というのがどういう意味なのか、わからない。結局わたしはいつものように新宿通りを直進しコボタンに向かった。(四方田犬彦「ただひたすら映画のことだけ」「青春と読書7月号」集英社)
私は二度目のソウル長期滞在(中略)の印象を新書に纏め、彼女に送った。だがそれが最後だった。彼女は癌に倒れ、50歳を待つことなく身罷ってしまったのだ。ゴーキくんの本は軽くて横になっても読めるからいいわと周囲にはいっていたという。(四方田犬彦「さりげなく教えられた本当の名前」「青春と読書5月号」集英社)
これまでいくたびとなく読み返してきた書物とは、もはや書物の域を超えた何ものかである。優れた書物とはそれを手に取るたびに全く異なった相貌を見せる。理由は単純で、読もうとするこちら側が人生のさまざまな局面にあってそのたびごとに違った人間になっているからである。(四方田犬彦「いくたびも同じ書物を」白水社)
前回の記事で、『カムイ伝』は幕末期のドラマであるという小島剛夕さんの談話を紹介した。しかし、『カムイ伝』を愛読していた人で、かつ歴史に詳しい人は、いささか疑問に思ったかもしれない。というのは、『カムイ伝』には、明らかに江戸時代の初期と思われる描写が見られるからだ。私も『カムイ伝』をそんなに精読していたわけではないので、詳しいことは分からないのだけれど、評論家の四方田犬彦さんがその著書『白土三平論』で述べているところによると、『カムイ伝』は寛永末期(1643年ごろ?)から物語が語り起こさ
『立法会占拠』。『理大囲城』。二本続けて鑑賞。『立法会占拠』は時系列による短編集。鑑賞後、四方田犬彦さんがファシリテーターとなってシンポジウムが開催される。林家威さんが香港サイドをつなぎ通訳してくださる。京都出町座の会場は満席。補助席で鑑賞する人も。広東語が客席から聞こえる。シンポジウムは香港とzoomで繋ぐ。製作者は顔出しできず、加工した音声だけ。これが現実。======政治性を極めて強く持った映画。匿名性と記録性の二律背反。内側から撮ること。内から外部へ持ち出
6月23日水曜日~その7『ザ・グレーテスト・ヒッツ・オブ・平岡正明』編者四方田犬彦(H13年8月10日芳賀書店)の抜き読みを終える。(写真)奥付に、H21年7月24日朝日新聞・朝刊に、四方田犬彦さんが執筆された「平岡正明を悼む」が貼って有りました。
6月22日火曜日~その8四方田犬彦さんによる平岡正明さんの年代順の著者ダイジェストはオモシロイ。P130~135「戦後日本ジャズ史」の秋吉敏子さんとのやり取りは興味津々。P174~176「筒井康隆はこう読め」に河内音頭が登場する。P208~214「お兄さんと呼んでくれ/つっぱりオジサン、一年間の夜想曲」にも河内音頭が出てきて、八尾市の西武百貨店の書籍売場に、風狂歌人の中川道弘がいる…と記しある。そう、後に東京都台東区の鈴本演芸場の近くに存在した古書上野文庫のご主人。数々の資料をこちらで購入し
6月22日火曜日~その6ねじめびわ茶、カルピスウォーターで喉を潤す。ぶどうを食べる。(写真)ただいま、発売直後に買って、地下資料室の棚へ収めたままの本を読むようにしています。と言うのも、波屋書房に早くから注文していた小林信彦さんの『日本の喜劇人決定版』の入荷が遅れて、初版でなく重版をようやく押さえらたとの連絡が入りました。コレクターには、初版でなければ値打ちがガクンと落ちる。外出を極力控えているので、なかなかミナミへ行く機会もありません。出掛ける用事が出来るまでのお預けにして、資料室に眠っ
観るたびに新しい発見がある『七人の侍』だが、四方田犬彦氏の本を読んでじっくり観ると更に面白い。スケール、アクション、人間描写、カメラワーク、シナリオにおいてこの映画を凌ぐリメイク作品は絶対作れないとつくづく思う。まず、役者たちの顔が今とは全然違うのだ。日本映画を代表する古典的名作として,幾重にも栄光の神話に包まれている黒澤明の『七人の侍』は、世界のいたるところで,いまなお現代的なテーマとして受容され、その影響を受けた作品の発表も続く。制作過程や当時の時代状況などを考察し,映画史における意義,黒
「普通」の不通、「フツー」の交通細川貂々論Ⅰ普通の「欲望」の不通(あたふた三部作から)『どーすんの?私』、『びっくり妊娠なんとか出産』、『またまたどーすんの?私』(3分の2)このような視点から考える時、作者と読者及びマンガ史を繋ぐ、二つの興味深い結び目が我々の前に現れる。まず第一の結び目として、先行漫画に対する彼女の示す嗜好性。それは、「少女マンガ」に包摂されにくかった彼女の感性の所在でもある。「ツレ」こと望月昭によるエッ
「普通」の不通、「フツー」の交通細川貂々論Ⅰ普通の「欲望」の不通(あたふた三部作から)『どーすんの?私』、『びっくり妊娠なんとか出産』、『またまたどーすんの?私』(三つに分けたうちの一つめ)細川貂々は、『ツレがうつになりまして。』(幻冬舎二○○六年三月)のヒットから間もなく、『どーすんの?私』(小学館二○○八年一月)というコミック・エッセイを刊行している。「『やりたいこと』が見つからない」と単
#架空書店210508①はぁぁ~😓世界の凋落を見つめてクロニクル2011-2020四方田犬彦世界の凋落を見つめてクロニクル2011-2020(集英社新書)[四方田犬彦]楽天市場1,056円#予約受付中#新刊#本#予約#読書垢#読書好きな人と繋がりたい#架空書店の本棚#booktwt#世界の凋落#クロニクル#集英社新書#四方田犬彦#集英社まだまだ気が抜けない‼︎楽天市場【送料無料】富士通ゼネラル加湿脱臭機[空気清浄機能(花粉)
[お話は前回から引き続いて]結局その年のうちに内田吐夢は東映を退社します。『飢餓海峡』のあと東映にあって内田が物したのは『宮本武蔵巌流島の決斗』で錦之助を主演に1961年から続けたシリーズをきちんと完結させて置き土産としたわけです。しかしシリーズが費やしたこの1961年から1965年こそきらびやかな剣戟スターを数多擁した東映城があえない落城を見た時期であって『宮本武蔵』にしてからが回を重ねるごとに厳しくなる予算を感じさせて作品がひと廻りづつ小さくなっていきます。第一作の、野育ちの