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保立さんの「現代語訳老子」を少しずつ読んでいる。『保立道久「現代語訳老子」ちくま新書2018/小川環樹「老子」中公文庫1997』「老子」は中国の古代哲学者である老子の本で、老子が書いた著作としてはこれのみである。孔子の「論語」と並んで日本の思想・文化にも影響を与えた古典の名著であ…ameblo.jp※本の概略についてはこちらを参照■第3部王と平和と世直しと第四課帝国と連邦制の理想さて、王のあるべき姿の話の次は、我々を滅ぼすものについてである。
松平定信が、商品作物の栽培を禁じたのはなぜか?商品流通経済が発達するのは、幕府=武家政権にとって命取りだからです。江戸時代の経済モデルは、農民は生きるための米作に専念し、自給自足で物価の変わらない社会をいつまでも続ける、というものです。富を蓄えてもっといい暮らしをしたい、という考えは「罪悪」だと考えられていました。米以外の商品作物というのは、まさにこの「贅沢品」であり、社会の基幹である米作を減らしてまで贅沢品を栽培すれば、それを取引することで経済活動が活発になり、物価は慢性的に上がり、固定
元寇をきっかけに、鎌倉幕府は従来勢力範囲外だった西国の武士たちを組織化することに成功しました。かえって幕府の威勢は高まっています。ところが、です。鎌倉幕府が滅亡したのは、貨幣経済の浸透です。いまも昔も戦争ってのは巨大な景気刺激イベントであって、元寇のおかげで全国的な流通経済が盛んになってきます。そうなると当然、物価は上がります。領地が減ったわけでもないのに武士の生活はどんどん苦しくなります。土地本位制の封建主義を大前提とした幕府というシステムは、これに有効な対応ができません。徳政令なんていう
前回と同じお金の話です。内容は、同じなのですが、前回よりも、わかりやすくなっているのではないかと思います。もし、よかったらどうぞご覧ください。
ここ2週間、風邪で苦しんでいます。皆さんも、どうか、お気をつけください。さて、今回は、お金とは何か?とか、商品とは何か?とか、お金・商品のルーツについて考察しています。よかったら、どうぞ、ご覧ください。
今回は、お金の誕生と商品経済の誕生とについて論じています。少しややこしい話を、何とかわかりやすくと、努力したのですが・・・よかったら、どうぞ、ご覧ください。
江戸時代といっても長いです。「江戸時代の日本経済」と言ったって、家光のときの日本と、家茂のときの日本では、まるきり状況が違いますから。あらゆる政策というのは、始めたときは始めるなりの必然性があるものです。誰だって「いい」と信じるからその政策を取るわけで。それが上手くけばその政策も、政権も、長持ちします。しかし、時代が百年、二百年とたてば、あたりまえですが状況は変化します。政策も、始めた頃のようには有効でなくなっています。時代に合わなくなったならば、やめるしかありません。いわゆる「鎖国」とい
問題19(200字以内)江戸時代、商品経済が発展するなかで、江戸幕府は株仲間に対してどのような姿勢で臨んだか。18世紀から19世紀中期における幕府の株仲間政策の展開について述べなさい。問題20(200字以内)産業革命が進展した明治時代中期から後期にかけて、日本の軽工業の姿も大きな変貌をみせた。この点を踏まえ、製糸業・紡績業それぞれの技術革新の過程について述べなさい。■ヒント問題19江戸時代の商品経済にかかわる論点(貨幣・経済政策・流通構造など)は、論述問題でしばしばとりあ
問題次の文章を読んで下記の問いに答えなさい。近世は、当初から一定の商品・貨幣経済の展開を前提として出発した。➊近世初頭の農村においても、自給経済を基調としながらも、ある程度の商品・貨幣経済の浸透がみられた。18世紀以降になると、全国の農村で広く四木三草をはじめとする商品作物の栽培や農村工業・商業の発展がみられ、多様な生業がさかんに営まれた。➋こうした商品・貨幣経済の進展は領主の財政にも深刻な影響を与えた。社会全体が大きく変わっていったのである。問1下線部➊につい
主人公の小泉三吉をはじめ作中の人物達は絶えず金の心配をしている。二つの旧家の没落を描いたこの小説は全編これ金の心配なのです。そして、この三吉が藤村自身というように『家』の主要登場人物には現実に対応する人物が存在しているようですが、実際『破戒』と引き換えに三人の我が子を死なせ、妻を鳥目にしたと陰口をたたかれた藤村も金には頭を悩ませていたようです。ところが、藤村自身は苦闘の生活を送ったと思うのですが、作中の人物には生活者という面影が感じられない。いずれも旧家の若旦那、お坊ちゃんで万事鷹揚なのだと云