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このところの当ブログで、『股旅』(1973市川崑監督)のことを取り上げています。「時代劇」ですが、そのテイストは「アメリカン・ニューシネマ」に近いものがあります。ひとつ前の当ブログで書いたように、撮影待機中の萩原健一さんや尾藤イサオさんの表情まで「隠し撮り」して劇中に活用した市川崑監督、「低予算」ということもあって、やれることは何でもやろうと思ったのでしょう。ロケセットを建てる余裕もないので、本物の古い民家を借りて撮影したそうです。カメラの動きも制約があるので難しいですが、ムダにフィルムを使
松田道雄の『私は赤ちゃん』『私は二歳』を、和田夏十が脚色し市川崑が監督した。乳幼児の目線で、育児に翻弄される家族の姿をユーモラスに描いた。子供のイメージをアニメやコマ撮りで表現している点にも注目。都内の団地に住むサラリーマンの小川五郎とその妻千代。二人の間に一人息子が生まれ、太郎と名付けられる。太郎は両親の愛情をたっぷり受けて、すくすくと育っていく。やがて三人は郊外へ引っ越すことになり、祖母と同居することになった。(allcinema)原作を読んでたので、楽しめた。市川崑の妻、和田夏十が
どうせ生きているからには、苦しいのはあたり前だと思え芥川龍之介芥川龍之介-Wikipediaja.wikipedia.org木枯し紋次郎のテーマ曲"誰かが風の中で"にこんな一説がある血は流れ、皮は裂ける痛みは、生きているしるしだ作詩は、和田夏十さん市川崑の奥さんである。作詩はこれが初めてだが私の好きな歌だ。木枯し紋次郎の立ち廻りは他の時代劇とは異なり、バッタバッタとスムーズに斬ったりはしない。
3月も前半を終えましたので、いつも通り当月前半の映画鑑賞のまとめです。3月前半の劇場鑑賞の映画は以下の8本です。母親の一周忌など週末にイベントごとがあり、映画館に出向いて新作映画を見る余裕はほとんどなかった時期といえます。本日のブログ記事は、「大映4K映画祭」で鑑賞の4本目の作品、女優の田中絹代が監督を務めた映画『流転の王妃』。劇場は名演小劇場(10ポイント獲得の無料鑑賞)。@センチュリーシネマ『銀平町シネマブルース』(2023年、監督/城定秀夫)『エブリシング・エブリウェア・オール
ひとつ前の当ブログで、『アルプスの若大将』(1966古澤憲吾監督)で若大将(加山雄三さん)の実家・すき焼き屋「田能久」に滞在することになった外国人女性(イーデス・ハンソンさん)に有島一郎さんがオロオロする話を書きました。そのイーデス・ハンソンさんの大ファンだったのが半村良さん。「半村良」というペンネームをイーデス・ハンソンさんからとっているわけです。同じように外国人の名前から筆名をつけている方はけっこういますが、一番秀逸なのはやはりエドガー・アラン・ポーさんからつけた「江戸川乱歩」さんでしょ
『野火』映画トーキー105分白黒昭和三十四年(1959年)十一月三日封切製作国日本製作言語日本語制作大映配給大映製作永田雅一原作大岡昇平脚本和田夏十音楽芥川也寸志撮影小林節雄編集中静達治特殊撮影的場徹助監督弓削太郎製作主任熊田朝男スチール薫森良民現像東洋現像所出演船越英二(田村)ミッキー・カーチス(永松)浜口喜博(下士官)石黒達也(軍医)稲葉義男(兵隊A)星ひかる(兵隊1)月田
昨日、平年よりもだいぶ早く、関東地方は梅雨明けとなりました。その2日前から空は、ギンギラ太陽が輝く夏空になっていましたね。夏が来ると私の脳裏には、テレビ時代劇"木枯し紋次郎"のオープニングテーマ曲が流れます。1972年の放送当時小学6年生だった私ですが、世の中は老いも若きも、こぞつて木枯し紋次郎ブーム。"あっしには関わりのねぇこって"が流行語になりました。この木枯し紋次郎ですが、監督は市川崑さん。勧善懲悪でない最もリアルな時代劇として好評を博しました。それではオープニングテーマ曲
この作品。傑作として知られているが未見だった。2002年と2016年にTVドラマ化されていることも初めて知った。市川崑監督の最高傑作であることは間違いないと思う。黒い十人の女Amazon(アマゾン)216円黒い十人の女[DVD]Amazon(アマゾン)1,607〜7,914円黒い十人の女[DVD]Amazon(アマゾン)924〜7,104円あらすじTV局に勤める風松吉(船越英二)は9人の愛人がいる。松吉の妻の双葉(山本富士子)にレストランを経営
市川崑監督の1961年製作作品。脚本は妻の和田夏十。ポスターから連想する復讐劇が展開する。この内容が湿っぽくなく、しっかとジェンダー問題に抗うブラックユーモアを効かせている。船越英二演じるTV局プロデューサーの風(ふう)松吉が妻と愛人合わせて十人の女に懲らしめられる。船越英二のダメ男っぷりも山本富士子のいなせっぷりも岸恵子の疫病神っぷりも見事にハマる。宮城まり子の優しそうで残酷な未亡人も人間味溢れるキャラとして物語を豊潤にする。冒頭では語り部が彼女であったのに、どんどんその所在のバトン
フォーク歌年鑑'72vol.2ビートルズのレットイットビーから2年後前年71年はジョン・レノンのイマジン同72年はジョン・レノンのライブ・イン・ニューヨークシティ発表では、ポール・マッカートニーはWingsで73年にバンド・オン・ザ・ランそんなこんなみんなはりきっていた時代このCDには学生街の喫茶店旅の宿だれかが風の中で等々が収録されていますだれかが風の中では和田夏十作詩くもは焼け道は乾き陽はいつまでも沈まないこころはむかし死んだほほえみには会ったこともない
2020-3-23(月)おはようございます。風が少し冷たい朝でした。夜明けが早くなりました。小鳥たちのさえずりが綺麗です。。ウグイスさんもやや遠慮がちに美声♪。宮城まり子さんが亡くなられたとのこと。ご冥福をお祈りいたします。宮城さん。。合歓(ねむ)の木を思い出します。映画では「黒い十二人の女」が印象的でした。市川崑さん監督。脚本は市川さんの奥さんの和田夏十さん十二人の女たち・・・宮城まり子さん・山本富士子さん・中村珠緒さん・岸田今日子
満員電車監督:市川崑製作:大映作年:1957年出演:川口浩/船越英二/川崎敬三/小野道子/杉村春子/笠智衆さあさあ何も考えず画面を前に繰り広げられる劇に身を晒している分には市川崑ほど楽しい映画はありません。口あけから明治9年、大正2年、昭和2年と飛び飛びに繰り返されるのは大学の卒業式でして最初こそ広大な講堂の真ん中に選ばれし立身出世の精鋭がひと握り、それが時代を経るごとにまさに国利民福、あれよあれよと大卒者は増え続け<そ
『私は二歳』(1962年、監督/市川崑、脚本/和田夏十、原作/松田道雄、撮影/小林節雄、音楽/芥川也寸志、美術/千田隆、編集/中静達治)11月は岐阜・柳ケ瀬のロイヤル劇場へ二度出かけました。最初に見たのは「銀幕の女王/山本富士子特集」の一本、市川崑監督の『私は二歳』。松田道雄の育児書を和田夏十がシナリオ化した作品ですが、0歳から2歳を迎えるまでの赤ん坊の視点で周囲の大人を捉えているのが実にユニークです。1962年、才気煥発な時期の市川崑・和田夏十コンビの作品です。そして翌週末にロイヤ
今日は、一日出張の予定だったんだけど、台風接近が予想されるとこのことで、前日のウチに中止が決定…お休みをもらって、一日自宅で過ごすことに決定…(しかも、台風はいつの間にかなくなってしまって、朝から小雨程度の雨の一日でした…平和な一日になりました…)朝から、高校野球をボ~ッと見ているだけの一日だったのですが、突然画面が切り替わって映ったのは、「長崎の平和祈念式典」でした…そんなこんなで、始めから終わりまで式典を見たのは、もしかしたら初めてかも…いろいろ考えさせられちゃったな…さすがに高
ゴールデン・ウィーク。重い腰を上げ、ようやく「悪あがき」のためにアウトラインを考えてみる。今回は若い女性とお婆ちゃんの話を書いてみようと思う。ホント、おぼろげにアウトラインだけ。結局私の腰は重いまま...なかなか前に進めない。という訳で、逃げます。岩井俊二監督の映画を観ました。映画といってもドキュメンタリー。岩井俊二さんは市川崑監督が大好きらしく、その名もずばり「市川崑物語」という作品。文字通り、市川崑監督の生涯を追った2