ブログ記事74件
観客がまさかの私一人!だった台湾映画『殺夫(夫殺し)』⬇️『3月台湾一人旅4日目③台湾映画『殺夫』、観客は完全に私一人だった』長年の台湾の映画館通いで、観客が私ともう一人だけ、という経験はしていますが⬇️、完全に私一人の貸し切り状態は今回が初めて。さすがにちょっと怖くて上映中何度も後…ameblo.jpシアタールームはビルの2階だったんですが、2階の奥のその部屋に行くまでの通路が狭いわ暗いわ、『殺夫』を見るにふさわしいおどろおどろしさでした。その雰囲気を写真に収めたつもりだったけど、暗す
私が1番好きな台湾の作家が李昻(リー・アン)。世界各言語に翻訳され話題となった『殺夫』⬇️は原文でも日本語訳でも読みました。いや、ホント、衝撃的な作品です。『夏の台湾行きのテーマは鹿港』今年の夏、また10日ばかし台湾に行ってきます!!今回は仕事もあるのでそんなに遠出はできんのですが、長年の憧れの地、彰化の鹿港には行って来ようと思っています。な…ameblo.jpこの『殺夫』が映画化されたのが1984年。今年デジタルリマスター版が公開され、今も上映されているようなので見てきます。世界各国で翻
最近読んだ本です。久々に、面白い本でした。「複眼人(ふくがんじん)呉明益(ごめいえき)小栗山智訳KADOKAWA呉明益は台湾の作家です。台湾文学を読むのは初めてかもしれない。舞台は台湾で、台湾の先住民族、台湾にやってきたデンマーク人、太平洋に浮かぶワウワウ島(架空)の住民が絡む物語です。ワウワウ島の文化の伝え方はロブ・グリエを思わせる豊かなイメージでした。
昨日の記事で栞のこと書きました⬇️『台湾漫画『芭蕉的芽』に栞が付いてた!』台湾漫画『芭蕉的芽』、まだ読み終わりません(でもあと少し!)。なかなか感想が書けないので、ちょっと寄り道。下巻を開いたら身に覚えのない栞がハラリ。元々本に挟ま…ameblo.jpその素敵な栞がな、なんと、本文で登場!いやあ、そ、そ、そういうことだったんですね!粋ですなあ。素敵ですなあ。参りました。詳しくはネタバレになるので書きませんが、これです⬇️で、よく見たら本の帯に初刷限定で栞プレゼントします。と書いてあった!だ
白先勇原作の台湾ドラマ『孽子(Nièzi)』(2003)。軍人上がりの厳格な父に家を追い出された阿青(アーチン)。行く宛てのない彼が辿り着いたのが台北の新公園。同じように不遇な同志たちが集う夜の王国である。在我們的王國裡,只有黑夜,沒有白天。天一亮,我們的王國便隱形起來了,因為這是一個極不合法的國度:我們沒有政府,沒有憲法,不被承認,不受尊重,我們有的只是一群烏合之眾的國民。私たちの王国にあるのは夜だけ。昼は無い。夜が明けたとたん王国は姿を隠す。なぜならそこは極めて非合法
台湾の文学家、楊逵(1906-1985)。日本統治時代に日本語で発表した『新聞配達夫』(1934)は、植民統治への批判も含んだプロレタリア小説として知られています。社会活動家としても有名で、日本統治時代にも抗日活動によって何度も投獄され、戦後は『和平宣言』を起草して逮捕され、緑島に12年間閉じ込められます。この「緑島」に幽閉されたという事実。以前から知っていましたが今ひとつイメージが湧いていませんでした。去年緑島に行ってみて、彼が過ごしたであろう監獄や思想改造のための訓練所(新生訓導處)を実
さすが台南、さすが《台湾文学館》。これまで台湾でザ・台湾なマステを数々購入してきましたが、台湾語のマステは初めて買いました。⬇️こちらです。美しい!素晴らしい!私達の台湾!という意味。教会ローマ字(白話字)で書かれています。⬇️薄緑の方は台湾華語です。さてクイズです。左側の文、「文学は地上の◯」と書かれていますが、最後の文字、ホント老眼にはきっついですね。何だと思われますか?正解はコメント欄にあります!
読了。台湾の小説家・徐嘉澤の初の日本語翻訳本である。次の夜明けに下一個天亮(著)徐嘉澤(訳)三須祐介次の夜明けに(現代台湾文学選1)Amazon(アマゾン)11編の短編で構成、最初の作品の主人公は、台湾の林呂春蘭という女性。生まれた時は「呂春蘭」で「宮本春蘭」となり、結婚して「小林春蘭」となり、第二次世界大戦後に「林呂春蘭」となった。林呂春蘭の夫は、新聞記者で日本語で記事を書いていた。「二二八事件」(1947年)に関連した事件に巻き込まれ、心神喪失状態とな
あれは2007年か2008年。台南に住む台湾朋友を訪ね、一緒に夕ご飯を食べたのだけど、昼間は1人であちこち歩き回ったのでした。日本植民地時代の日本語作家、呂赫若に興味のあった当時、《国立台湾文学館》にも当然行き1人でじっくり見て回りました。写真はないけどねー。国立台湾文学館国立台湾文学館www.nmtl.gov.tw『客家チャンネルの台湾ドラマ『台北歌手』8話まで見ました』ネタバレ注意⚠『遅まきながら客家テレビの『台北歌手』見ています』今6話途中まで。重い!暗い!悲しい!でも莫子儀くんがや
※2013年の記事に加筆しました。台湾華語独特の文法的特徴について書いています。本当に申し訳ないのですが、中国語初学者の方は混乱なさると思うので読まれないほうがいいかと思います。中国語上級者の方みの閲覧をお願いいたします。上からで本当にすみません💦台湾華語、今日は形容詞につく「會」と「有」について。【→「助動詞“會”のトクベツな使い方」も見てね!】例えば「會痛嗎?(痛いですか?)」と「她有漂亮嗎?(彼女ってきれい?)」のような言い方。両方とも普通話の教科書的な言い方ではまず使わない。台湾に
台湾人気ドラマの原作になったようなエッセイ(『花甲少年轉大人』や『俗女養成記』など)にも台湾語ガンガン出てきます。今回読了した『守娘』にもめちゃくちゃ出てきました。台湾語も、最近はかなり漢字の使用法が統一されてきて、販売されている書籍では教育部の推薦する漢字が使われていることが多いです。なので、台湾語がわからない方でも「よく使われる台湾語の漢字」をいくつか覚えておくと、理解が進むかもしれません。というわけで、雞婆的にいくつかの台湾語をご紹介!伊(i)[いー]彼、彼女、それ阮(guán)
中国語仲間5人でやっている爆笑中国語読書会(真面目にやってるけど必ず1回は爆笑が起こる)。なんと8年前から台湾の文学家、白先勇の長編小説『孽子』を読んでいます。最初は3人でやっていたのでなかなか進まなかったのですが、今の5人になってからはけっこうサクサク進むようになって、ついに!先日!読み終わりましたあ‼いやあ、『孽子』本当に面白かった。読めば読むほど味わい深く、どんどん引き込まれて行きました。読書会は翻訳勉強会の側面もあり、日本語にも随分こだわって議論してきました。特に日本語にしにくい
『はざまで紡ぐ物語』。コーディネーターの男性はボソボソ喋りで超絶聞きとりにくいし、回しもイマイチ(自分が喋りすぎ)。という残念な面もあったのですが温又柔さんのお話はとても良かった。何度か泣きそうになりました。一番印象的だったのは、自分は確かに「はざま」にいるのだけれど、それは台湾と日本のはざまにいる、ということではなくて、台湾人でもあり日本人でもある、というポジティブな気持ちでいられる自分と、台湾人でもなく日本人でもないとネガティブになってしまう自分との、そのはざまにいるのだというお話。そ
台湾の作家、李昂が高校時代に書いた短編小説集『花季』(1985年出版)。この本の序で、彼女の創作の源が故郷「鹿港」にあると彼女自身が書いています。各国語に翻訳され話題となった問題作『殺夫(夫殺し)』があまりにも暗く重く凄惨なために、鹿港のイメージはどうしてもどんよりとした、湿り気たっぷりの薄暗い古城…という感じになってしまうのですが、それでも強く惹かれる鹿港です。
今年の夏、また10日ばかし台湾に行ってきます!!今回は仕事もあるのでそんなに遠出はできんのですが、長年の憧れの地、彰化の鹿港には行って来ようと思っています。なぜ鹿港か。そう、鹿港は私の大好きな台湾の作家、李昂氏の故郷であり、彼女の鹿城3部作(「殺夫」「迷園」「自傳の小說」)の主な舞台だからであります。特に「殺夫(夫殺し)」!!!いやまあ、衝撃的過ぎる小説で、この作品で私は彼女の虜になったと言ってよいでしょう。今、鹿港に関する情報、絶賛収集中!!なんですが、鹿港って肉まんが有名なんですね!
ミステリー好き、台湾好き、台湾鉄道好き、台湾の歴史好き、野球好きにはたまらない1冊。ただし!日本人には少し読むのがつらいかも。日本の植民地時代の話で、極悪非道な日本軍、醜悪な差別主義者の日本人、台湾人の子供を陰湿に虐める日本人、これでもか。と出てきます。野球倶楽部の殺人事件もそういった日本の悪行が無ければ起こらなかったはず。でもテンポも良くて謎解きもおもしろく、一気に読めました。注釈も詳しくて歴史の勉強にもなります。
中国語勉強仲間5人でやっている中国語読書会、今は台湾文学の巨匠、白先勇の長編『孽子』を読んでいます。コロナになってからはzoomで。ホストは順番に持ち周りでしてたけど、最近は無制限で使えるたまりが担当しとります。舞台は70年代の台湾社会。まだまだ同性愛者は徹底的に差別されていた時代なので、特に昨日読んだところは差別用語がバンバン出てきて、訳にも困りました。例えば「人妖」「玻璃」「兔兒」……。特に「人妖」はその章のキーワード的言葉だったので、喧々諤々議論しました。そういえば先日やった映画の脚
例えば「卡油」、見るからに怪しい単語ですね。絶対辞書には載ってなさそう。そういう時はどうするか。ググってください。でも必ず「スラング」も付けて。そうするとたまりのブログがトップに出てきます。ただドラマ等で実際には「卡她的油」とか離合動詞として使われたりしてますのでご注意を。あと、「スラング」を加えるだけではダメな時もあります。例えば「fu」。「fuスラング」でググると、英語のスラング、FU☓☓の話ばっかりでドン引きです。そういう時はどうするか…。「台湾」も加えてください。そしたらたまりの
先日の爆笑読書会(今は白先勇の『孽子』(中国語)を読んでいる)で私が担当した箇所に登場した言葉。何かなあ?何で電灯なのに鼻をつくような匂いがするんかなあ?と思いつつ、面倒くさかったのでそのまま「電石燈」と訳していたら(調べなさい)、キッチリ「電石燈」ってなんすか?と指摘されました。くー。アセチレンガスを使ったランプのことで、英語だとCarbidelampsとかacetylenegaslamps。単に「ガス燈(ガス灯)」と言うことも。読書会では、自分でよくわからなかった所や自信のない所
未完の台湾語映画をめぐるミステリー。時間も空間もあちこちに飛びまくり、幽霊も普通に登場。そして最大の謎はその幽霊の一人語りで明かされる…という不思議な小説でした。メインのテーマはセクシュアリティ(同性愛)とエスニシティの問題にプラス、植民地時代の苦い記憶というか「日本人と台湾人の関係」も一つの大きな要素のような気がしました。まあ、主人公が日本人ですし。『台湾文学『惑郷の人』読んでいます』図書館でたまたま見つけて借り出して、ちびちび読んでいましたが時間切れ(1回は延長した)。半分残して返却し、
図書館でたまたま見つけて借り出して、ちびちび読んでいましたが時間切れ(1回は延長した)。半分残して返却し、Amazonで購入。これまた事前情報仕入れずに読み始めたのですが、購入前に一応ググってみると台湾映画の専門家、lie-ziさんの記事がヒット。読ませて頂いて購入決意した次第です。『『惑郷の人』は台湾映画好きに絶賛おススメ』翻訳作業真っ只中の昨年晩秋に出版されたこちら↓の台湾文学。惑郷の人(台湾文学セレクション)2,484円Amazonキン・…ameblo.jp読み終わったら感
沖縄、台湾、日本、中国。そして女、男。全編通してストーリーに、会話の言語に、埋め込まれた強烈なアイロニー。皮肉られた方(強者)には面白くないだろうしもしかしたら全く理解できないかもしれない。不思議な島の物語。ファンタジーとして淡々と読んでいると、最後にガツンとやられる。ああ、そういうことだったのかと。男子が島の歴史を知ることさえ許されないその理由…。私にはとても面白く痛快で、でもやがて悲しき小説でした。一気に読んでしまいました。
安くはなかったけどこれはもう不能不買。迷わず博客來で購入しました。↓1枚に2話ずつ入っていて5枚セットです↓↑朱軒洋、激イケメン♡これで『天橋上的魔術師』関連モノ大体揃った!原作小説と日本語訳版↓劇画版2冊↓ドラマの『影集創作全記錄』(メーキング記録)↓↑朱軒洋、激イケメン、アゲイン♡ついでに吳明益さんのもう一つの小説『單車失竊記』(日本語訳版タイトルは『自転車泥棒』)↓
去年台湾でDVDを買って1度見ていたのだが、日本公開を前にもう一度視聴。ひーっ、わかってても怖かった。特にゲームでも一番怖いあの場面は、さすがに正視できず薄目で見た。映画のオフィシャルサイトはこちら↓映画『返校言葉が消えた日』オフィシャルサイト2021年7月30日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー|自由が罪と教えられた時代。あなたなら、どう生きましたか?2019年度台湾映画No.1大ヒット1962年にある高校で起こった、政府から禁じられた本を読む読書会迫害事件を描く、
いや、久しぶりにこんなにはまる小説にめぐりあった。台湾の作家、脚本家である朱天文の小説『荒人手記』。時間や場所が行ったり来たりして混乱するので、そのあたりを整理しながら現在2度めの閲読中。そして気づいた。この感覚、映画の脚本を読んでいる時の感じと似ている。その風景がはっきりと目に浮かび、登場人物たちが生きているかのように動いている。表情がありありと見て取れる。きっといつか、ドラマか映画になると思う。『朱天文の『荒人手記』の余韻に浸る週末』朱天文の『荒人手記』、読み終わった!!結論から言うと
朱天文の『荒人手記』、読み終わった!!結論から言うと……いやあ、おもしろかった!同性愛者である「おれ」の、回想、手記という形をとった物語。幼馴染アーヤオの最期を看取った「今」と、手記を書く理由でもある「過去」の思い出が、複雑に交差しながら進んでいく。かなり変わった構成で、随所でこちらの知識量を試す戦いに挑まれる(笑)。この戦いには負け続けたが、決してわかりにくい文体ではない。その証拠にきんさんぎんさん、キョンキョン、スサノオノミコト、小津安二郎etc、知っていることならすんなり理解できるか
頑張ってます、笑。いやーすごいです。日本語で読んでも、わからないところは全くわからない。フーコーとレヴィ・ストロースが私を苦しめる(笑)。なのに!!理解できるところがめちゃめちゃ面白い。ストーリーが心に刺さる。朱天文ワールドにグイグイ引きずり込まれそう。原文では絶対無理だったと思うから、日本語訳が本当にありがたい。まだまだ途中ですが、これは絶対読み終わらねば!『台湾の小説家、朱天文の小説に日本語訳版で再挑戦』台湾の誇る作家であり脚本家の朱天文。特に脚本家として有名で、侯孝賢監督の映画ではほ
言葉、が気になるから翻訳、も気になります。今朝の朝刊のコラムで紹介されてた翻訳の作業を「第一言語のタンクを背負って第二言語の海に潜り、また逆のことをやる」と表現するのは、韓国文学の翻訳で知られる斎藤真理子さん。翻訳って他言語との間にだけあるものじゃなくて同じ言語を使う者同士の間にもいつもいつでもきっと…いつまでもあるものなんだと思う。だから言葉は奥深い。
1945年戦争は終結し台湾は光復。しかし民衆の生活の苦しさが変わることはなかった。呂赫若は精力的に創作活動(一転して今度は中国語で)を続けるが、新聞記者として社会の不正義を目の当たりにして次第に共産主義的な社会運動に身を投じて行くことになる。以前スラングハンティングの一環で戦後初期の文芸雑誌をたくさんコピーしてきていたので、ドラマを見ながらそれらを引っ張り出して眺めている。『新新』という雑誌の第七期(1946年)で台湾文化の前途を考える座談会の様子が掲載されているのだが、⇩座長の蘇新も劇団顧