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5月の読書メーター読んだ本の数:5読んだページ数:992ナイス数:125荒地の家族の感想「俺にしても死ぬ順番を待つ大行列のひとりに過ぎない。」読了日:05月14日著者:佐藤厚志ハンチバックの感想面白かったといったら不謹慎なような内容だった。筋疾患先天性ミオパチーによる症候性側彎症の主人公。健常者には思いが及ばない大変さがあるんだ。勉強になったというのとも違う気がするが、自分は知らないことだらけだなとは思った。読了日:05月10日著者:市川沙央この世の喜びよの感
孤立した若い男女の不安を通じて、人の心と体の危うい揺らぎを描く。古井由吉は1937(昭和12)年生まれで、「内向の世代」(自己の内面と向き合うことを主なテーマとする作家たち)と呼ばれます。読書会で取り上げるのは、2006年に発表した晩年の連作短編集『辻』以来2度目です。本文庫は1971(昭和46)年の芥川賞受賞作である『杳子』(ようこ)とほぼ同時期に書かれた『妻隠』(つまごみ)の2作が収録されています。30代半ばの作品ですが、実はどちらも同じ回の芥川賞候補作になっていたようです。(今は一作
《毎月一回行っている海馬文学会の読書会です。テーマ本は、近現代の国内外の古典や純文学、中間小説などの中から、同人・会員の推薦で決定(基本は文庫本)。他に芥川賞受賞作を年二回、同人誌「海馬」合評会を年一回実施。自由に感想や意見を述べ合う場ですので、老若男女どなたでもお気軽にご参加ください。丁寧に読むことを通じて、いろんな気付きや新たな発見があると思います。特に小説を書いている方や、これから書いてみたいという方の参加は歓迎です。》〇テーマ本『杳子・妻隠』古井由吉(新潮文庫)〈古井由吉〉
装幀画展【文学とアートの出逢い】@パレットギャラリー2024年3月3日、会期終了となりました有難いことに古井由吉『眉雨』をイメージした『芽吹きが降る』は初日にご売約を賜り、御縁を紡いでくださったこと、深く御礼申し上げます。さらに会期中は多くのお客様にご高覧いただきまして有難うございました。今回の企画は、自分の好きな本を選んで、その本をイメージした絵を描き、さらにそれを装幀カバーに仕立てるという興味深い内容で、選書の段階から充実した時間を過ごすことができました。
パレットギャラリー麻布十番で開催中の装幀画展【文学とアートの出会い】は3/3(日)まで開催です有難いことに古井由吉『眉雨』をイメージした『芽吹きが降る』は売約となりました会場内に置いてある樋口鳳香のポートフォリオの最後に4月開催の個展DMが多めに挿し込んでありますので、DMは御自由にお持ちになってください(ポートフォリオは2/28お昼頃まで置いてます)こちらの裏、宛名面の切手で隠れる場所に小さな春を配しています大崎のO美術館で開催中の【墨映展】は2/28(
『さわさわと、枝という枝が、芽吹いていく。』コロナ禍の2020年2月にこの世を去った偉大な作家、古井由吉。その散文のような語り口は時間も空間も飛び越えるアートのようで、鳥瞰図のように描いてみせたと思ったら、次の瞬間すっと肌にすり寄ってきたりして、ここでない場所に引き込んでいくその折々、詩のような美しい言の葉を散らします。今回の装幀画展のお題であった装丁デザイン。『眉雨』の題字は、墨美神のロゴからずっとお世話になっている書家の南海氏によるものです
本日2/22(木)13:30よりO美術館(大崎駅直結)にて水墨画のグループ展『墨映展』開催です。2/24(土)からはパレットギャラリー麻布十番にて『文学とアートの出逢い』も始まりますので、合わせてご高覧いただけると幸いです。O美術館では4月開催の個展のDMの宛名面にチラッと登場させた北斎春画で有名な『蛸と海女』をオマージュした墨美神を個展に先駆けて展示します。O美術館での販売はありませんが、4月の個展で改めて展示します。ひと足先にほのかな春をお愉しみいただけたら幸いです。北
2/24から開催の装幀画展【文学とアートの出逢い】髙橋千裕氏・御子柴大三氏・山本冬彦氏が推薦作家たち23名それぞれが1冊の本を選び、その装幀画を描くという企画展です。原画とともに装幀カバーに仕立てた文庫本も展示。原画をお買い上げの方には、作家オリジナル装幀文庫本もプレゼントいたします。樋口鳳香の作品は『眉雨』コロナ禍に亡くなった小説家のひとり、古井由吉氏の作品です。又吉直樹氏と対談をされたことで、注目された方もいらっしゃるのではないでしょうか。古井由吉『眉雨』の文庫本は、福
装幀画展【文学とアートの出逢い】は、アートコレクター、髙橋千裕氏・御子柴大三氏・山本冬彦氏が選んだ23名の画家それぞれが1冊の本を選び、その装幀画を描くという企画です。原画と、原画を装幀デザインに加工したカバーを巻いた文庫本を展示。原画をお買い上げの方には、オリジナルに作成した一点物の装幀文庫本もプレゼントいたします。樋口鳳香は、古井由吉『眉雨』を選びました。古井由吉氏は、コロナ禍に亡くなった小説家のひとりです。最近では又吉直樹氏と対談をされたことで、注目された方もいらっしゃる
古井由吉著「鐘の渡り」新潮社2014年2月25日発行読了1971年「杳子」で芥川賞受賞以来沢山の賞を受賞している文豪である「鐘の渡り」は8編の短編集「窓の内」「地蔵丸」「明日の空」「方違え」「鐘の渡り」「水こほる聲」「八ツ山」「机の四隅」私にとっては古井由吉さんの文章について行くのは難しい非常に文学的で、難しい漢字や、言い回しが古い感じがする年齢的には4歳しか違わないので同じ時代に生きている人である非常に昭和感のする感性の人であ
装幀画展【文学とアートの出逢い】は、アートコレクター、髙橋千裕氏・御子柴大三氏・山本冬彦氏が選んだ23名の画家それぞれが1冊の本を選び、その装幀画を描くという企画です。原画と、原画を装幀デザインに加工したカバーを巻いた文庫本を展示。原画をお買い上げの方には、作成した装幀文庫本もプレゼントいたします。樋口鳳香は、こちらの本に決めました。コロナ禍に亡くなった小説家のひとり、古井由吉氏の作品です。古井氏の作品世界にどこまで寄り添えるか悩みましたが、脳内でぶつぎり状態で散らばった
「考える方法」—ちくまプリマー新書227—永井均〈私〉が存在することの意味池内了それは本当に「科学」なの?菅啓次郎アメリカ・インディアンは何を考えてきたか?菅野稔人なぜ、人を殺してはいけないのか?上野千鶴子ジェンダー研究のすすめ若林幹夫社会とは何だろう古井由吉言葉について〈流し読み後の感想〉ああ、僕には考える力がないな。と確認(自虐好き)でもなんとなく面白い。
講談社文芸文庫2021年12月第1刷発行解説・富岡幸一郎手紙が紡ぐ「時」の流れ251頁『遠くからの声』1997年から99年にかけて、オスロ/仙台~東京間で、二十世紀末という時代と文学について語り合ったもの『言葉の兆し』2011年、東日本大震災に遭遇して言葉の力を根底から問う者、戦災の記憶をたぐり歴史と語りの相にふれる者として再び紙上で相見えたもの先輩後輩の二人の作家が文学、世相、人間について交わす書簡集作家の生の声を聞いたかのようでした特に、戦争を体験
来年の読書会の柱1課題本型テーマ「作家の命日に読む」国内・海外各1回不定期2自由紹介型(奇数月)3テーマ型ジェンダー、文芸誌、ノンフィクション、ミステリ・エンターテイメント4誕生日雑談会(4月)、年末雑談会(12月)、黙読書会(GW以降)作家の命日に読む私が読む作家の亡くなった月が分散している事に気づいたので、来年は亡くなった月に課題本型をやってみようと考えた。その際、未読作品だけでなく、既読作品も取り扱い、再読の機会にしようと思ったのが企画した理由。
徒然草、良いです。古井由吉も。両者の共通点は、ぼんやりしていて、妖しいところ。特に古井由吉を読むと、なぜか元気が出てくる。寒い季節になると、妙に寂しい気持ちになる。しかし、憂鬱な気分とはまた少し違うようだ。すこしだけだが、先の人生にも明るさがある気がする。クラシック!聴かねば。マイルス・デイビス「ビッチズ・ブリュー」買おうかな。音楽は素晴らしいのだ。ではまた。
「杳子」は、古井由吉によって描かれた感動的な物語です。この小説は、物語の中心に置かれた主人公、杳子の人生を通して、愛、喪失、成長といったテーマを深く掘り下げています。物語の始まりは、杳子が幼少期から青年期に至るまでの成長を描きます。彼女は家族や友人たちとの関係を通じて、人生の喜びや悲しみを経験します。特に、彼女と幼なじみの男性、秀一との関係は、感動的な展開が待っています。古井由吉は、文字を使って登場人物たちの内面を豊かに描写します。杳子の心の葛藤や喜び、そして周囲の人々との交流が、読
←ミシェル・ウエルベック著『ウエルベック発言集』(西山雄二/八木悠允/関大聡/安達孝信訳白水社)「テロ事件やコロナ禍のなか、どのような思考が可能か?「冷笑的で厭世的」な作家が小説の素材としての理論的省察を語るエッセイ集。」古井由吉著の『半自叙伝』(河出文庫)数年前に読んだ。恥ずかしながら、当時は古井の作品未読。慌てて何作か読んだ。その上での再読。今年二月に亡くなられたこともあるし。さて。(10/1821:36)深夜ラジオで防災の専門家の話少し。「南海トラ
←古井由吉著『雪の下の蟹・男たちの円居』(講談社文芸文庫)「古井由吉の、既にして大いなる才幹を予告する初期秀作群、「雪の下の蟹」「子供たちの道」「男たちの円居」を収録。」古井由吉作の『雪の下の蟹・男たちの円居』(講談社文芸文庫)を今朝読了。正直、これまで何冊か読んできたが、古井の作品で初めて面白いと感じた。「雪の下の蟹」は所謂サンパチ豪雪に絡む小説。彼は金沢在住時代経験していたのだ。但しアパートの住人として。作品では豪雪の真っ只中も経験しているが、終息期に近かったようだ。これ
←イサク・ディネセン著『アフリカの日々』(横山貞子訳河出文庫)「北欧の高貴な魂によって綴られる、大地と動物と男と女の豊かな交歓。20世紀エッセイ文学の金字塔。」久々書店へ。予約していた本の引き取りを兼ねて。一週間以十冊ほど予約していた。それがスマホではずっと集荷中とある。が、そのあとに予約していた本は届いてますと。不審をただす意味もあった。店頭で驚いた。後から予約分があるのは当然として、その前の十冊ほども全部揃っている!だったら何故スマホに表示されない?おかげで持参し
(『古井由吉自選(選の字が違う)作品』シリーズ。全八巻だったと思う。これを手にする日は来そうにもない)最近の僕はおそらく元気がないのだろう。活力がない。毎日の窮屈さ(大したものでもないのだが)にどうするもなく、限られた条件と環境の中で、読書をしたり、身体を動かそうとしてみたり、そして諸々を失敗したりしている。病んでいるのかもしれない。病んでいるときの方が文章は生まれる。人はピンチに直面したとき、やっと本気で物事を考えだすと、哲学者のドゥルーズが『差異と反復』の中でさらっと述べている
久しぶりに古井由吉の本を図書館から借りてきて読んだ古井由吉著「魂の日」1993年8月16日発行福武書店頸椎の手術をした闘病中の短編等17編が載っている古井由吉さんの本は私にとってとても難解な文章であるが何故か好きな作家である何時も読み流してしまうので内容を熟読はしていない作家の感性の鋭敏さからくる表現力の面白さを感じる大変な読書家なのであろうと想像される内容や独特な文章の表現力にも魅了される最後の短編「魂の日」に書かれている中世ドイツの神秘家
ある朝にひとり木槿を剪りはじめトタン屋根叩かれたるや八重木槿すけべえなやつに底紅捧げたる母の母重なり夜の木槿かなスリッパの音吞みつくしむくげは白し【笑い仮面】まだ高知でとぐろを巻いていたころ、古井由吉の「槿(あさがお)」という長編小説を読んで、それ以来、ぬめっとした皮膚感覚とブロッホ由来のものかどうか、病的にはりつめた精神世界の描写の妙に沼ってしまって、ほとんど毎年のようにくりかえし読み直している。じれったさと、怖いもの見たさが半々になってしま
昨年2022年10月以来の久々の野次さんと奇多さんの対話である。野次:奇多さん、前回の対話が2022年10月6日だったからね。それからもう7ヶ月になるんだね。奇多:野次さん元気だったかね。俺はね、昨年の暮れに「新型コロナ」というウィルスをプレゼントされちゃってね。ひどい師走だったよ。野次:そいつはいけねーな。僕は幸いもコロナウィルスの洗礼を受けてないけど、気をつけないとなあ。奇多:去年の10月の対話の最後に俺は、次回は読んだ本や話題の本のことを話そうと提案していたか
←サハラ砂漠(画像はWikipediaより)数日前、安部公房の「砂の女」を読んだ。数十年ぶりの再読。傑作。62年の作。64年に映画化。「砂」というと、確か当時、「砂の器」という松本清張による名作があった。映画化は74年だが、原作は61年。せっかくなので当時の砂絡みの作品を探した。「砂の惑星」だ。原作は65年。フランク・ハーバート作のSF小説。映画化は84年。(02/0420:11)こうなったら当時の砂絡みの作品を更に探した。アッター……と云っていいのか分からないが、「アラビア
←大江健三郎/古井由吉著『文学の淵を渡る』(新潮文庫)「日本文学の最前線を半世紀にわたり走り続けてきた作家が語る、小説の過去・現在・未来。」今日は日中は晴れていた。気温も昨日よりは低いが零下ではない。自転車を転がしてスーパーへ。車道には(路肩を除いて)路面はドライ。が、雪は歩道には方々に残っている。そんな箇所に差し掛かるたび、車道に逃れる。車が怖い。若くはないし、グシャグシャの雪でも自転車で突っ込む覇気はない。急がば回れ…逃げるが勝ちだ。川崎長太郎作の『抹香町・路傍』
こちらも、初めての作家さん杳子杳子は深い谷底に一人で座っていた神経を病む女子学生〈杳子〉と男子大学生の山中での異様な出会いに始まる孤独で斬新な愛の世界・・・現代の青春を浮き彫りにする芥川賞受賞作妻隠都会に住まう若い夫婦の日常の周辺にひろがる深淵を巧緻な筆に描く卓抜な感性と濃密な筆致で生の深い感覚に分け入り現代文学の新地平を切り拓いた著者の代表作二編ことしも、咲いてくれていますきょうは、きのうからの降雪で札幌でも50cmほどの積雪の
昨日はちょっとお気に入りの朝日新聞の鷲田清一の「折々のことば」を悪く言ってしまったので、今日のブログではこの前思わず「その通り‼️」って唸ってしまった「折々のことば」について書こう。「あらゆる年齢が揃う」「それぞれの年齢が平等な権利をもって、物を言うんだ」小説家の古井由吉(よしきち)のこの言葉。まさにまさにそうだとその通りだと私は思う。テレビドラマ「silent」を見ていたら、私はもうしっかりと高校3年生になっている。「悩みのるつぼ」
西三国の「自敬寺」さんの坐禅会で読んでいる『伝心法要』をもう少し知りたくて、注文を出しておいた古書の岩波文庫本がとどいた。1936年の発行の1992年の6刷。宇井伯寿の訳註と言っても、現代語訳でないので、分かりにくい。自敬寺さんのテキストで使われる「訓読」と同じか?「解説」と題された、訳の方がわかりやすい。分かりやすいと何がいいのかというと、ふと新しいことをを発見するというか、懸案の事項と繋がることがあるのだ。日頃から、もうひとつわからないなぁと思っていたことに「気づき」があっ
年間507本目(9月35本目)2019年公開邦画124位合計214本中通算邦画8,377本洋画6,889本合計15,266本ベテランの装幀家・菊地信義の仕事に密着したドキュメンタリー。余りに有名な人なので過去に読んだ本だらけであり装丁で何度も見ている。翌年に他界した古井由吉の本の装丁をリアルタイムで見せて古井自身のインタビューもあるのは貴重。
諍ひの声もつれたか木槿垣白木槿老婆の脚をもつれさせむくげ落つあけがた雲のたちあがりけだるうて底紅摘んでみたくなり死に際を乱し宗旦木槿かな【笑い仮面】おとなりさんの庭に、《木槿:むくげ》の花が咲いている。芙蓉にも似た白い花はみょうにコワクテキで、ぼくの眠っている(んだろう)ヤバイやつをそそのかしているかのように見えて、あわてて目をそらしてしまうぼく自身がいかにもいぶかしい。たぶん、若い