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「プロジェクト・ヘイル・メアリー」読了。もうすぐ映画が公開されるので、それまでにぜひ原作を読んでおきたいと思っていた作品です。映画も面白そうなんですが、何よりもこの小説自体がめちゃくちゃ面白いと評判で、すごく気になっていました。映画に間に合って良かった!映画公開前にネタバレしたらよくないので詳細は伏せますが、評判通り傑作でした。さわりの部分だけチョロっと触れると、地球にある深刻な問題が起きて、それを解決する為に宇宙に向かった主人公が、ミッションの途中で異星人と遭遇し、サバイバルしながら友
小説「慶余年」第7章初入范府その1京都城の東側、いわゆる東城には官人貴人の邸宅が並んでいる。庶民は住んでいないので、比較的静かだ。ひと気のない大通りの約十丈毎に邸宅があり、それぞれの門前には一対の獅子の石像が鎮座している。十数もの石の獅子は、退屈そうに往来する馬車を眺めていた。黒い馬車がゆっくりと通りを進む。道の両側に野次馬はいない。范府のそばまで進んだ馬車は、脇道に入ることが出来ず、角の木陰で停車した。范閑はのれんを開け、藤子京の手を借りて馬車を降りた。周囲を見渡
小説「慶余年」第6章回京その12四月末、京都近郊の官道は伸びた雑草が刈り取られ、鳥は野山を散策する人々に驚いて飛び去る。京都城の堀岸に植わっている二本の青々とした柳は、まるで柳腰の女性二人が立っているようだ。各地から京都へやってくる人々を、柳はじっと眺めている。三台の黒い馬車が入城待ちの長い列に並んでいる。馬車の暖簾がめくられて、太陽のように輝く笑顔が覗いた。范閑は、京都城の高い城壁を見上げた。行き交う人々の穏やかな表情を見て、深く息を吸い込む。「これが京都の空気
小説「慶余年」第6章回京その11周管家の失踪事件があって以来、范家の使用人たちは一様に、主人に対してより恭しい態度で接するようになった。范閑の冷静さは年齢相応ではない。突然に結婚を命じられた少年の反応ではなかった。しかも淡々と訊いてくる。「相手は誰?」范閑は十六歳だ。貴族の婚姻の内情は理解している。たかが私生児でも、父が彼を忘れていなかった証拠なのだが、しかしなぜ急ぐのだろう。「その……詳しくは存じませんが、お相手の方は京都でも良い噂ばかりの淑女だそうです」
小説「慶余年」第6章回京その10陽光明媚で、真っ青な空に糸を引いた白雲が映え、とりわけ美しい。馬車は閉店した雑貨店の前を通り過ぎた。豆腐屋が見えてくる。范閑は馬車の出入り口に掛かる暖簾をめくって豆腐屋を眺めた。ひとりの婦人と、ちょこまかと動き回る少女の姿が見える。范閑は口の端に笑みを浮かべ、車内の座席に座り直した。座面の下には例の黒革の箱がある。澹州城で最も閑古鳥が鳴いていた雑貨店は、とうとう潰れた。口さが無い人々は、盲目の店主が孤独死したのではないかと噂する。
小説「慶余年」第6章回京その9まさかこんなに順調に任務が進むとは、藤子京は思ってもいなかった。私生児であるがゆえに貴族としての身分の無い范閑大少爺は、二太太のもとで暮らすことを嫌い、澹州に残るためにあらゆる手段を講じてくると彼は思っていた。ところが蓋を開けてみれば、范閑はあっけなく京都行きに同意した。老夫人は澹州に留まることになったが、これに関して彼がどうこうすることはできないし、そもそも問題も無かった。老夫人と范大人の母子の問題であり、少爺が京都に戻れば任務完了だ。
小説「慶余年」第6章回京その8自室に戻った范閑は、長い時間、無言で机の前に座っていた。捨てがたいものだらけで困ってしまう。気付いたら日が暮れていた。机の上には明かりが灯っていて、机に肘をついた思思が考え込むように明かりをぼんやり見つめていた。「どうしたの?」范閑は訊ねた。躊躇ったあげく、思思は勇気を出して質問した。「少爺、京都へ行くのがそんなに楽しみなの?」椅子に座り直した范閑はほほ笑んだ。「突然、どうしたんだい?」「京都の人たちは悪人ばかりだと聞いたから」
小説「慶余年」第6章回京その7しばらく沈黙していた老夫人が口を開いた。「三年前の周管家を覚えているかしら?」「もちろん覚えてるよ」少しの間をおいて、范閑は答えた。これをきっかけに、ふたりは初めて暗殺未遂事件について話した。「柳氏は賢くはないけれど、愚かではないわ」老夫人が静かに言う。范閑はわずかにぴくっと眉を上げた。「他人に利用されたってこと?」「本心を語るとね、お前を京都に帰したくないわ。あそこはいつも嵐が吹いていて、おまえが耐えられないかもしれない
「ほどなく、お別れです」を観てきました。ストーリーは、就職活動に苦戦する清水美空は霊が見えるという特殊な能力があった。ある日、葬式会場で霊に伝言を頼まれ、葬祭プランナーに相談したことをきっかけに、葬儀会社「坂東会館」のインターンに採用される。いくつもの葬儀を通して、誰よりも真摯に故人と遺族に寄り添う漆原の姿勢に憧れを抱くようになり、自身も葬祭プランナーを志すことを決心する。というお話です。就職活動で連戦連敗を重ね、自身の居場所を見つけられずにいる清水美空。彼女には、
小説「慶余年」第6章回京その6応接間に静寂が訪れた。「聞いたでしょう?おまえを京都に呼び寄せたいらしいわ」老夫人は范閑の手を軽く叩き、どうしたいかと訊ねた。范閑は笑みを湛えてはいるが、しかし心の中では父を疑っていた。なぜ予兆も無く突然この時期に呼び戻すのか。もしも私生児に公的身分を得る機会を与えたいなら、少々時期がずれている。すでに京都での春闈、つまり科挙における会試は始まっている。今さら京都で数か月を勉強に費やしたとしても受かるわけがない。よくよく考え
「サンキュー、チャック」を観てきました。Fan’sVoiceさんの独占最速試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)ストーリーはついに世界は終わろうとしていた。次々に起こる⾃然災害と⼈災が地球を襲い、ネットもSNSも繋がらなくなったその時、街頭やTV、ラジオに突如現れたのは、「素晴らしい39年間に、ありがとう、チャック」という広告だった。チャックとは何者なのか︖感謝の意味は何なのか︖その答えを知る者は誰もいない。そして場⾯は⼀変、広告の男・チャックの
小説「慶余年」第6章回京その5藤子京は、壁に掛かった新聞の発行日に注目した。一か月前の日付で、彼も老爺の書斎で目にしたことのある新聞だ。これといって目を引く記事は無く、京都の貴人たちは平穏で、西胡と戦う大皇子に関しても新しい情報は載っていない。宰相大人の私生児である娘の噂も徐々に沈静化している。少なくとも陛下の保護下にある御史台(中央監察機構)の青年官僚は戦果を上げられなかったらしい。新聞の娯楽記事には監察院院長大人の話が載っていた。いくらこの新聞の後ろ盾が皇帝陛下でも
「クスノキの番人」を観てきました。ストーリーは、理不尽な解雇で職を失った玲斗は、追い詰められた末に過ちを犯し、逮捕されてしまう。失意のなか、亡き母の腹違いの姉で、大企業・柳澤グループの発展に貢献してきたという千舟が現れ、釈放と引き換えにある条件を提示する。それは「月郷神社にある、祈れば願いをかなえてくれるというクスノキの番人になること」だった。というお話です。直井玲斗は勤めていた和菓子屋を突然に解雇される。和菓子に使う金箔を盗んだという濡れ衣を着せられてのことだった
小説「慶余年」第6章回京その4慶歴四年、春。藤子京は澹州港唯一の居酒屋にいた。汗を拭い、壁に掛かっている紙を眺める。上等な表装を施されたそれは紙質が良く、楷書で書かれた小さな文字がびっしり並んでいる。筆跡は文書閣の大書道家、潘齢の手であり、優雅で端正だ。京都から田舎町に流出した大家の小作品が、少なくとも銀三百両もする表装を施されて飾られることに違和感がない。ただ、その内容が立派な表装にふさわしくなかった。書かれているのは埒も無い記事だ。そう、これは例の噂に聞く新
小説「慶余年」第6章回京その3叔が笑った!杯が范閑の手からぽろっと落ちて、卓の上で転がる。この十六年で初めて見た五竹の笑みだ。それも、母を話題にした瞬間に。黒い帯で目元は見えないが、五竹の顔は月日を感じさせない。それどころか万年青年のようにみずみずしい肌をしている。ただ表情に乏しく、感情は一切おもてに出さない。増してや、笑みを浮かべたことなど一度も無かった。そのためなのか、彼の笑顔はぎこちない。が、ふだん笑わない人の笑みは得てして、絶壁の氷上に咲く雪蓮花のように優し
小説「慶余年」第6章回京その2「やっぱり葉家だったんだ!」范閑は絶句した。彼は、葉家についての噂を聞いたことがあった。数十年前の葉家は”天下第一商号”を持つ豪商であり、億万長者という名詞ですら過小評価だった。「その後、殺した人数が多すぎて東夷城での商売を畳み、慶国へ移って京都に定住した」実際はそんな簡単な事ではなかっただろう、と范閑は思う。”天下第一商号”の豪商がいきなり廃業したのだから、それ相応の原因があったはずだ。五竹は続けた。「京都へ行った小姐は、また商
月刊シリウスで連載中だった『かくりよの宿飯』が最終回を迎えたそうです。🍚本日発売🥢月刊少年シリウス3月号『かくりよの宿飯』最終回です。原作の友麻先生、ネームの泉乃先生、担当様。関わった皆様、読者様。本当にありがとうございました!『#かくりよの宿飯#あやかしお宿に嫁入りします。』pic.twitter.com/oSpYlwF7eT—冬葉つがる(@tsugarukappa)January25,2026🍙本日発売🍙#月刊少年シリウス3月号\最終回‼️/最終1⃣
小説「慶余年」第6章回京その1三月の澹州は春の息吹に包まれる。山では名も無き黄色い小花が咲き乱れ、澹州の人々は町のあちこちで、この花を茶に入れて飲む。この時期に澹州州港を歩けば、かすかに花の良い香りが漂ってきた。香りはくどくなく、清閑で、人々の心を朗らかにするのだ。澹州城の晩、特に春雨の降る夜は海風が優しく吹き、地面をしっとり湿らせる。黒い瓦や石畳は濡れて光沢を放っていた。しとしと降る雨が、雑貨店の雨避け布に当たる音がする。雨避け布の汚れが洗われるそのごく小さな雨音
小説「慶余年」第5章浪花只開一時その13崖の縁に立った范閑は大きく息を吸った。真気が彼の体内をめぐる。経路を辿った真気は手に至って体の外へと出て、また吸収される。真気に形は無い。手の形に添った薄い空気の層を挟んで、真気の膜ができた。手のひらを崖の岩肌に付けると吸引力が生まれ、体が固定される。次に真気を手のひらから発し、岩肌から離した。これを左右順番に繰り返し、范閑は一見軽々と崖を伝い下りた。まるでスパイダーマンだ。普通の武者ならば、いくら体内の真気に勢いがあろう
小説「慶余年」第5章浪花只開一時その12范閑は崖に這い上った。裸の上半身は均衡がとれている。范閑は邪魔をしないよう静かに五竹のそばに座り、夕日で真っ赤に染まった空を眺めた。しばらくして、不意に五竹が訊いた。「今年でいくつになる?」范閑は自分の漆黒の長髪を後ろで縛った。幼さの残る、しかし知的で美しい容貌があらわになる。范閑は笑った。「十六だよ」五竹は奇妙な人物だ。范閑の知る彼の人生は凄惨で、三十年来身辺に伴侶は無く、范閑以外にしゃべる相手はいない。澹州の住
「架空の犬と嘘をつく猫」を観てきました。ストーリーは、羽猫(はねこ)家の長男・山吹は、弟の事故死をきっかけに心を閉ざした母のため、弟が生きているかのような嘘の手紙を書き続けていた。それぞれが不都合な真実から目をそらしている羽猫家の人々は、ときに「家族をやめたい」と思いながらも、互いに寄り添って生きている。というお話です。次弟の死が受け入れられない母のため、弟のフリをして母に手紙を書き続ける、小学生の長男・山吹。空想の世界に生きる母、愛人の元に逃げる父、夢を語ってばか
鎌田敏夫『噴水五十年目の俺たちの旅』読了☆先日観た監督・主演・中村雅俊、脚本・鎌田敏夫による映画『五十年目の俺たちの旅』がかなり良かったので、こちらも読んでみました。https://ameblo.jp/erroy3911/entry-12952863740.html『『五十年目の俺たちの旅』を鑑賞。あまりにも良かった☆吉野家で復活した「厚切り豚角煮定食」☆美味☆』今日はシネコンで、待望の中村雅俊監督・主演の『五十年目の俺たちの旅』を鑑賞しました。いやはや、あまりにも良かったです。まさに紛
「ロストランズ闇を狩る者」を観てきました。ストーリーは、文明崩壊後の世界。報酬と引き換えにどんな願いでも受け入れる不死身の魔女グレイ・アリスは、愛と権力に飢えた王妃メランジュの願いをかなえるため、案内人として雇ったハンターのボイスとともに、魔物が支配する「ロストランズ」へと旅に出る。アリスを異端として裁いた教会の総司教と冷酷な処刑人アッシュの追跡が迫るなか、絶望の地に辿り着いた彼女に、呪われた運命が牙をむく。地球は荒廃し「失われた土地」と呼ばれています。オーバーロー
ifの世界で恋がはじまる|ドラマフィル|MBS毎日放送Ifの世界で恋がはじまる-Wikipedia海野幸さんの小説が原作の実写化です。⌛コッチの大狼俺が認められた向こうの世界は、向こうの世界の俺が営業として勝ち得た世界だそして過保護な大狼は、心開いて営業に飛び込んだ俺に好意を持ってる俺は気づいた_自分が好きなのはこっちの大狼なんだって📋やっぱり此奴は変わったぞぉ同期だというのに去年、技術から転属してきたときコイツ(加納)は何だか人慣れしてなくて、守ってや
「星と月は天の穴」を観てきました。ストーリーは、1969年。妻に逃げられ40代を迎えた小説家の矢添克二。娼婦の千枝子と体を交えて日々をやり過ごしていた。そんな矢添は、執筆中の恋愛小説の主人公に自分自身を投影し「精神的な愛の可能性」を自問するようになる。しかし一方では画廊で出会った大学生・瀬川紀子と情事に至り、矢添の日常と心は揺れはじめる。というお話です。⼩説家の矢添克二は、妻に逃げられて以来10年、独⾝のまま40代を迎えていた。偶然に再会した大学時代の同級生から、彼
🍀2021年10月28日🍀監督瀬々敬久前半40分間、スピード感あって好き。きっかけ作りの為に人の物壊すって・・・。「そん時はもう燃えてたから」佐藤浩市、デリカシーを持て!笑傷ついた少女の傷はそのままかい。いや、好きになる要素あった!?実は○してましたってオチ!?中弛みした分を取り戻していく衝撃のラスト。🍀おまけ楽園/平井堅私の好きな楽園。🎵楽園[綾野剛]楽天市場4,015円村八分Amazon(アマゾン)440円村八分[礫川全次]楽天
ifの世界で恋がはじまる|ドラマフィル|MBS毎日放送Ifの世界で恋がはじまる-Wikipedia海野幸さんの小説が原作の実写化です。⌛元の世界に戻ってきた神社の鏡に願って、思い通りの自分になれる世界に飛んだ俺技術営業という名前通りの『技術と営業』の狭間で蝙蝠状態だった俺はコッチの世界では、しっかりと自分の持っている技術の力を生かして営業職として働いていたそこには憧れていた営業職の大狼がいて、俺を理解したうえで一緒に仕事ができていたからだったコッチの大狼は俺に好
映画「平場の月」を観終わった後、とても良い映画だったので、帰りに本屋に行って原作を購入しました映画の内容を覚えているうちに読んでしまおうと思い、読み進めたら一気に読んでしまいました改めて、私もこれから近いうちに達する50歳代、愛読書の一冊として保存して、また時間を置いて、繰り返し読み返そうと思います
ifの世界で恋がはじまる|ドラマフィル|MBS毎日放送Ifの世界で恋がはじまる-Wikipedia海野幸さんの小説が原作の実写化です。⌛何もかもがうまくいかなかった元の世界から、コッチの世界にきて1か月営業の仕事も順調で今まで感じたことのなかった達成感があるすべての案件に大狼が同行し、サポートしてくれるフォロー体制は万全で居心地が良くてフワフワしてしまう📋だけど、時々フワフワの中で違和感を覚える_大狼が向けてくれる笑顔や、頭に手をのせる仕草にも好意があふれて
ifの世界で恋がはじまる|ドラマフィル|MBS毎日放送Ifの世界で恋がはじまる-Wikipedia海野幸さんの小説が原作の実写化です。同僚や取引先とうまくやっていけなかった“本当の世界”から、不思議な鏡の力で別の世界にスリップして1週間営業の大狼と二人で出張することになり、こちらの世界の大狼は、俺のことを認めてくれていて良い関係を築けているプレゼンも好感触で、提案は成約に向かっている雰囲気そんな中、大狼は担当者の「袖口の汚れ」をきっかけに相手の懐にスッと入りこん