こういうのは太平の世とは今のことを言うのか。自分たちは大黒殿は昔から今と変わらず、屋根の棟上げをするのは驕りだと片庇[1]にされて、とにかく上を意味ないようにして大きくなるくくり頭巾[2]をつけられて、おごらないように用心に自分の頭には打ち出の小槌を放さず、捨てるようなものであっても捨てずに袋に入れて、いつでも半纏に股引姿。稼ぐに貧乏は追い付かないとのお世話。いつでも二俵の米を踏んで、俵の口を開けたのを見たことはない。これは金銀米穀を蓄えなさいという教えで、内典[3]の中をのぞくと金銀を持つこと