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「――なあ」「……うん?」「昔、『SHU_ZENの書き溜め小説』って小説ブログサイトがあったろ?」「ああ――あいつ、漢字名義で『小説家になろう』に進出してから丸くなったよな」「パロディ時事ネタなんでもありの、勢い任せで尖った作風だったのに、最近はお堅いし大人しいしな」「ブログ版も全然更新しないしな」SHU_ZEN「はい、そこの清き正しい元アメブロ創作民!」「「!?」」SHU_ZEN「お待たせしました、「小説家になろう」の愁繕じゃなくて、あの頃のSHU_ZENです!――え?待
※これは、あったかもしれない時永一家のお話。思いつき連載「燕尾服のその奥に」前編はこちら。馬越さんから見たイツキの話。―――――――――――――――――……距離を置かれている、というか。「信用されていない」というのも、分からないわけではない。イツキくんと私の間柄は正直かなりぎこちない。当たり前だ。私は彼をここに連れてきた。こうなることを見越して、そして見捨てた。断れば何をされるか分からなかったから、我が身可愛さに。そして当時はタテにされていた妻可愛さに。当たり前といえば当
※これは、あったかもしれない時永一家のお話。思いつき連載「燕尾服のその奥に」今回は、馬越さんから見たイツキの話。―――――――――――――――――「う……馬越さん……?」「何ですか?」いつも通りに暗い少年の声が聞こえたので、逆に明るく返した。……この子がつとめて明るく振る舞うのは、ミコトの前だけだといつも決まっている。「えーと……何をしてるんですか?」「おにぎりを握ってます」自分はしれっと何でもないふうに返した。……こういう反応は得意だ。残念ながら。「……ええっと」「…
※これは、あったかもしれない時永一家のお話。思いつき連載「燕尾服のその奥に」「前編」はこちら←―――――――――――――――――「しかしこうして聞いていると、楽しそうですよね」「どっちが?」「どっちも」よっぽどはしゃいでいるらしい。イヌカイさんどころか私の耳であっても、少し静かにするとかろうじて内容は聞こえてくる。――……ほーら待て待てー。あてててて。ちょっと、殴ることないだろー!どうやらつる相手に鬼ごっこを楽しんでいるらしいミコトの声。イツキくんのやんわりとした注意。
※これは、あったかもしれない時永一家のお話。思いつき連載「燕尾服のその奥に」―――――――――――――――――「あっづーい……」「大丈夫ですか?」完全にへばってしまった「彼」を見つけたのは実に15分は前のことだった。季節は8月。更にこの猛暑だ。自分もさすがにジャケットは脱いでしまっているし、シャツだって腕まくり……だっていうのに。この人は。「……うぅ……」……可哀相なことに。全身、モッフモフなのだ。荒い息に背中をさすってやり、更にはやれ、サマーカットだと鋏を持ちながら、知ら
※これは、あったかもしれない時永一家のお話。思いつき連載「燕尾服のその奥に」1話・川の字後編→前編はこちら―――――――――――――――――小声での会話だが……正直、なかなかにハラハラする。何せびっくりさせる当人を挟んでのやりとりなんだから、聞かれていないとも限らない。実際に眠りも浅くなったようで、イビキもうるさくな……「……あれ」まさかの無音。……睡眠時無呼吸症候群って、肥満男性がなるものではなかったっけ?一瞬そう思ったが。「……ぐごー」……残念。生きてた。10秒も
※「小説家になろう」での連載も軌道に乗ってきて、改めて思いつく。書けば書くほど深みの増す、あのキャラクターのお話を。……ということでちょっとした狙いとタイミングがありまして、今回から暫くはおしんこちゃんではなく、地味に人気のある「馬越さん」の話を挟み込もうかな、と。それも「なろう」の方で××の第1部を書き直していた時にふっと思いついた話なので、第1部の頃。それもミコトが小さいときのお話を。名付けて、「燕尾服のその奥に」。思いつきが基でつらつら書きだしたら途中からマジになってきた感じの
※本編が書きあがるまで息抜きの不定期連載番外編、「おしんこちゃんの学級日誌」。あらすじ……中高一貫の私立校、聖山学園に高校から編入し日々を頑張る「おしんこちゃん」こと橘真子。彼女のスクールライフは正直言ってかなり特殊だ。「説話」、「心理学」等、聖山学園特有の授業。完璧超人のふりをして毒舌吐いてる時永先生(別名:9割の男)にへっぽこ不憫な犬飼先生(別名:バスケ部の鬼コーチ)。あまり参考にならない鶴岡先生(別名:昼行灯)等、変な先生に変てこな生徒、風変わりな部活。普段ですら刺激がたっぷ
※本編が書きあがるまで息抜きの不定期連載番外編、「おしんこちゃんの学級日誌」。あらすじ……中高一貫の私立校、聖山学園に高校から編入し日々を頑張る「おしんこちゃん」こと橘真子。彼女のスクールライフは正直言ってかなり特殊だ。「説話」、「心理学」等、聖山学園特有の授業。完璧超人のふりをして毒舌吐いてる時永先生(別名:9割の男)にへっぽこ不憫な犬飼先生(別名:バスケ部の鬼コーチ)。あまり参考にならない鶴岡先生(別名:昼行灯)等、変な先生に変てこな生徒、風変わりな部活。普段ですら結構刺激がた
※本編が書きあがるまで息抜きの不定期連載番外編、「おしんこちゃんの学級日誌」。あらすじ……中高一貫の私立校、聖山学園に通う橘真子。そこで特別教科である「説話(世界各国の昔話や神話など)」を教える時永先生は、少女漫画のごときあまいマスクの「イケメン先生」としてテレビ出演まで果たし、知名度もうなぎのぼりで芸能人に片足突っ込んでいる。だが橘だけは知っているのだ。彼がかなり残念な性格の人間なのだと。「先生って、典型的な人嫌いでしょう?」「そうだね」「なんで働いてるんですか」「チヤホヤ
※本編が書きあがるまで息抜きの不定期連載番外編、「おしんこちゃんの学級日誌」。あらすじ……中高一貫の私立校、聖山学園に通う橘真子。この学校特有の「特別教科」、説話を教える時永先生は少女漫画のごときあまいマスクの「イケメン先生」として話題になり、もはや芸能人に片足突っ込むような勢いだ。だが橘は知っている。彼が結構……いや、かなり残念な性格の人間なのだと。その後、電車の中で時永先生にまた出会った橘はいう。「先生って、典型的な人嫌いでしょう?」―――――――――――――――――「人
※本編が書きあがるまで息抜きの不定期連載番外編、「おしんこちゃんの学級日誌」。あらすじ……中高一貫の私立校、聖山学園に通う橘真子。この学校特有の「特別教科」、説話を教える時永先生は少女漫画のごときあまいマスクのイケメンなのだが、橘は知っている。彼が結構……いや、かなり残念な性格の先生なのだと。そんな彼を時々不思議に思いながら観察していた橘は、ある日病院で一人の男性と出会う。彼が語りだした話は、重い、過去の話…………でも、それに出てくる人が。彼が恨みを持つ相手が、何となく時永先生と
※本編が書きあがるまで息抜きの不定期連載番外編、「おしんこちゃんの学級日誌」。あらすじ……中高一貫の私立校、聖山学園に通う橘真子。この学校特有の「特別教科」、説話を教える時永先生は少女漫画のごときあまいマスクのイケメンなのだが、橘は知っている。彼が結構……いや、かなり残念な性格の先生なのだと。そんな彼のことを時々不思議に思いながら観察していた橘は、ある日病院で一人の男性と出会う。見ていた橘に気づき、彼は問う。「聞いてました?」。そうして彼が語りだした話は、重い、過去の話…………だ
※パソコンの不調はまだ治りませんが、お待たせしました!だましだまし使ってます。本編が書きあがるまで息抜きの不定期連載番外編、「おしんこちゃんの学級日誌」。あらすじ……中高一貫の私立校、聖山学園に通う橘真子。この学校特有の「特別教科」、説話を教える時永先生は少女漫画のごとき長身にあまいマスクのイケメンなのだが、橘は知っている。彼が結構……いや、かなり残念な性格の先生なのだと。そんな彼のことを時々不思議に思いながら観察していた橘は、ある日病院で一人の男性と出会う。彼は、目の前のベッド
※本編が書きあがるまで息抜きの不定期連載番外編、「おしんこちゃんの学級日誌」。あらすじ……中高一貫の私立校、聖山学園に通う橘真子。この学校特有の「特別教科」、説話を教える時永先生は少女漫画のごとき長身にあまいマスクのイケメンなのだが、橘は知っている。彼が結構……いや、かなり残念な性格の先生なのだと。近寄れば周囲への暴言や毒舌がすっごくちっちゃい声で囁かれていたり、「巷で噂のイケメン先生」としていつの間にかとんでもないどや顔でテレビタレントになりあがったりしている、「あれっ?この先生正
「『夕飯食べたら大丈夫』……イツキさん、そういえば軍に入ってからのぼく達にも、たまに言いますよね」オルフェの言葉に、イツキはきょとんとした顔になった。……さっきのオリハルの言葉だ。周囲と喧嘩や、やんちゃの多かったオリハルには言った覚えが……うん、言われてみればある。それに思えば、モーラ国とのいざこざでコンセンテの軍が紛争状態に陥るたびに雑用として駆り出される疲れ切ったオルフェたちにも言ったことがあるような。……だが。「……そんなに言ってる?」「あー、そりゃあ、仕事したり動き回ったら
フォローを入れようとして何かおかしなことになっているオルフェにイツキは息をつく。「いや、ニチアサパンチはすっげーどうでもいいんだけど。……まぁとにかくクロノスが言う通り、だいぶ無茶させたのは確かだからさ、オルフェ。本当になんか、ごめん」「あー、いや、そんな、別にいいですよ。イツキさんのためなら」「指、今は大丈夫?」「えへへ……平気って言いたいところなんですけど……実はまだちょっと痛いです。後でもう1回だけ見てもらっていいですか?」「まぁ、いいっちゃいいけど、別にオレじゃなくていいからさ
「なに、すっ!?」「よっ司令官、お疲れさん!」目隠し布がずる抜けて見えた視界のまま、とりあえず目の前の相棒を怒鳴りつけようと前を見て、思わず口をつぐんでしまった。相棒、犬飼元が差し出してきていたのはハンカチだったからだ。「汗やばいぞ!拭いたらどうよ!?」……汗じゃないと分かっているくせに。こんな、目の下だけ汗をかく生き物がいてたまるか。「あー……まずは、お疲れ様、だな。……気分等は大丈夫か?」珍しく人を労わった表情で、青い衣に金の髪の少年が声をかけてきた。いや、まあ、元はと言え