道具屋の吉兵衛が贔屓にしてくれている殿様を訪ねて来た。側用人の三太夫が応対に出る。「ご無沙汰致しております」「おお、吉兵衛か、お前はご無沙汰している方がよい」「それはまた、どういうことで?」「お前は殿にがらくた物ばかり売りつけておる。清正が虎退治の折に持って行った弁当箱、小野小町が使った尿瓶、水戸黄門が予備に使っていた印籠、裏に予備と書いているなどなど、あるはずのない物ばかり持ち込んでいるではないか。殿は何故かお前を気に入っていて全部お買い上げになるので、虫干しなどの管理をさせられている拙者はえ