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芥川龍之介はなぜ小説の結末を書き換えたのか。三島由紀夫はなぜ座談会で間違ったことを云ったのか。太宰治はなぜ他人の詩句「生まれてすみません」を無断で自作のエピグラフに使ったのか。〈私〉はそれらの謎を解くために、作家達の心の扉を開けてゆく。『朝霧』の続きだと思って読んだら、いきなりもう〈私〉が、結婚して子供もいてびっくりした。できれば、その間のことが知りたい。芥川龍之介と三島由紀夫と太宰治の謎。知ってる作家だけど、知らないことがいっぱいで面白かった。太宰治の「生まれてすみません」が、
卒業論文を書き上げ、巣立ちの時を迎えた〈私〉。出版社の編集者として社会人生活のスタートを切る。最初の頃の日常の謎とかではなくなって、だんだん専門的なことになってきたなぁ。社会人になった〈私〉。『走りくるもの』は面白かった。明確な答えが出てなくて、自分でどっちか考えなきゃいけないのって、正直面倒だなぁ、って思うんだけど、赤堀さんの話は、どうなったのか考えてしまう。いろんなパターンがあって、皆の意見を聞いて、あ、そういうパターンもあるのか、って知れて、とても面白い。
最終学年を迎えた〈私〉は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく。王朝物の短編『六の宮の姫君』に寄せられた言辞を巡って〈私〉の探偵が始まった。これは、小説というよりも、芥川龍之介とそのまわりの人たちのの解説、みたいな感じでした。ちょっと私には読みにくかったなぁ。そもそも芥川龍之介やそのまわりの人たちをよく知らない。なんか読んだことあったかな…。でも、こんなことがあったのか、とか、こういう作品があるのか、って知れて良かった。
幼馴染の真理子と利恵。文化祭準備中の事故で真理子は墜落死する。親友を喪った傷心の利恵を案じ、ふたりの先輩である〈私〉は事件の核心に迫ろうとする。長編。これは、重い事件だったなぁ。今までとはちょっと違う。事件で処理されたとはいえ、殺人事件だし。結末もやりきれない。ずっとひとりで心に秘めて耐えてきた利恵が辛い。ずっと責めてほしかったんだろうなぁ。円紫さんがいて良かった。
ふたりの友人、姉、を核に、ふと顔を覗かせた不可思議な事どもの内面にたゆたう論理性をすくいとって見せてくれる錦繍の三篇。これも面白かった。姉登場。たまに出て来て、何かわだかまりみたいなのがあるのかな、とは思ってたけど。『六月の花嫁』は、真相は意外な感じでした。『夜の蝉』は、姉の事件。真相は嫌な感じだったなぁ。男も嫌だし、その相手の女も。姉の友人も悪気はなかったのかもしれないけど、嫌だなって思った。でも、相手の女が一番嫌かも。知っててわざと、みたいな。
喫茶店でその女の子はなぜ砂糖を何杯もカップにいれたのか?日常のさりげない謎を爽快な推理で解き明かす。このシリーズの新刊が出ていて、面白そうだったので全巻買っちゃいました。面白くなかったらどうしよう、って、危険な賭けだったけど。でも、そんな心配は無駄でした。面白かった。主人公の女子大生の〈私〉のキャラも面白いし、円紫さんもとても魅力的。頼ってしまうのも分かる。因みに円紫さんのイメージは、野村萬斎さんです。『砂糖合戦』は、何か嫌な感じでした。その犯人の女の子の態度も嫌だし、やり方