これまで三回にわたって綴った備中松山城とその周辺の周遊記の後は、備中高梁の街中の探訪記に戻る。城下町であった同地には、武家屋敷が幾つか現存し、見学できる。先ず訪れた旧折井家屋敷は、当時五ランクに分類されていた家格の第二ランクに属する二百石取りぐらいの武家の屋敷であったとのこと。前庭と裏庭付きである。二番目に訪ねたのが旧埴原(はいばら)家住宅。百二十から百五十石取りの家で、折井家よりも少し少ないが、藩主の生母の実家であったことから、寺院建築の様式を取り入れた造りが見られるユニークな建物で、市の重要