ブログ記事71件
談山神社多武嶺縁起絵巻乙巳の変乙巳の変についてであるが、倉本一宏氏の著書(倉本一宏.藤原氏-権力中枢の一族.中公新書,2017)をたたき台にして、乙巳の変の物語のおかしさについて考えてみたい。既に倉本氏自身が、クーデターの経緯を述べるに当たり、とても史実とは思われない文飾、作文の箇所を本書の中で述べている。次のとおり。□入鹿討滅のクーデターの場面における文飾①中大兄が入鹿に突進し剣で斬りつけたとき、皇極の座に転がり出、「皇位に座すべきは天の皇子」と訴えるということは、およ
摂関政治の最盛期を築いたとされる藤原道長の伝記は小学校の教科書にも登場するだけに伝記もかなり多岐に渡り存在しています。道長の日記、通称『御堂関白記』は同時代の為政者の日記(『小右記』『権記』など)が写本として現代に伝来している中で道長の自筆本が14巻現存し、ユネスコ記憶遺産(世界の記憶)に登録(本書発売時点では日本政府が推薦)されるほどの価値が認められた日記です。本書は『御堂関白記』だけではわからない(そもそも道長が日記を記していない時期も存在する)面や道長が残さなかった事を補完す
とうとう『光る君へ』の公式ホームページが1月末で封鎖されてしまいます。HP内の記事で私が興味深かったと思ったものを個人的に自分がまた好きな時に楽しめるようコピペし残すことにしました。月末が過ぎましたら、これらの私のブログ記事も閲覧不可(ロック状態)にするつもりです。それまで暫くの間、ご興味のある方はお読みください。――道長はなぜ、紫式部に執筆を依頼したのでしょうか。道長の目的は、この物語を一条天皇に見せて、それを娘・彰子への寵愛(ちょうあい)につなげることです。紫式部が『源
2024年も残り数時間になりました🏹今年は一大決心をして仕事を辞めました。年末になって少しずつ新しい仕事が入ってきて、明るい気持ちで年を越せます。さて、今年読んだ本を数えてみました。私が作っている読書データベースによると、小説:7冊学術系:8冊加藤諦三先生の本:2冊生き方についてのハウツー:1冊伝統芸能に関する小説、エッセイ、研究書:9冊でした。意外と少ない・・・今読みさしの本が3冊あります。その他に、月刊誌「致知」、「ナショジオ」、「淡交」、「なごみ」を読
『光る君へ』総集編大会終了「大河」とは名ばかりであまりに史実を無視しているのは別に今に始まったことではないが、ちょっと大石静の脚本の前提があまりに酷すぎて当初見ていませんでした。それでも妻が「所詮ドラマなんて面白ければいいのよ」と観るのでたまに見てはいました。そしたら、29日は半日かけて年末恒例の総集編です。大河ドラマ「光る君へ」【NHK公式】大河ドラマ「光る君へ」(2024年)。主人公は紫式部(吉高由里子)。平安時代に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた女
大河ドラマ「光る君へ」いよいよ最終回ですね。◎ニュース番組の中で、脚本家の大石静さんが最終回にまひろ×倫子の直接対決があることをほのめかしていました。(まぁ、あるでしょうね。)もっと早い回で、やろうと思っていた、とも言っていました。(殴り合いにならないことを祈っていますが……。)◎また、別の日には、倉本一宏さんが左大臣顕光の辞任することが大きな騒動になる、なんて言っていたんで、これも描かれるんでしょうか。(顕光さん、よく眠っていまし
夕方のニュース番組で、「光る君へ」時代考証の倉本一宏さんが、刀伊の入寇を深掘りして解説していました。刀伊の入寇のその後のことも解説していました。刀伊の入寇で戦った人たちが後に武士化して九州武士団を作りました。多くの人たちがこの時の隆家との関係を先祖の物語として作り上げ、中には隆家の子孫を名乗る家も出てきました。ちなみに、九州武士団はおよそ300年後の南北朝の動乱などで活躍するそうです。都の方では、この後、国防を厳重にしてはいない
さあさあ、、ファイナルカウントダウンが始まりました❗️あと2日❗️で、今さら、、なのですが、先週、オンエアされました“「光る君ヘ」沼ル演奏会"を録画しておいたので、それを鑑賞させて頂きました。(当日はBSで47話をリアルタイムで見たいがために晩御飯早目に作らなきゃいけなくて、見てるヒマ無かったのよ~💦)オープニングあの一条帝即位の時や兼家の「今宵、帝を下ろし奉る」の名セリフの時のBGMに流れたパイプオルガンの曲から冬野ユミさん自らの演奏で始ま
夕方のニュース番組で、「光る君へ」時代考証の倉本一宏さんが、刀伊の入寇を深掘りして解説していました。刀伊の入寇とは日本が初めて外国勢力に侵攻された事件のことです。この時、隆家が大宰府にいたことは日本にとって幸運であった。隆家でなければ、九州の武士団をこのように組織することはできなかった。ご存じ、隆家は摂政・関白の道隆の次男であり、道隆の死後、都での権力は没落する。しかし、九州ではいまだに摂政関白の子供として大きな
平安時代の男の日記著者倉本一宏定価:2,200円(本体2,000円+税)発売日:2024年07月31日判型:四六判商品形態:単行本ページ数:354ISBN:9784047037281出版社内容情報天皇・貴族、武家や僧侶、庶民にいたるまで、日本にはさまざまな日記が残されている。平安貴族、なかでも男性の日記に光を当て、豊かな日記の世界に迫る。平安時代の日記と聞いて思い浮かべるのは、女性が仮名で書いた『枕草子』『蜻蛉日記』ではないだろうか。しかし、男性貴族や皇族も儀式や政務
『紫式部と藤原道長―ふたりの真実』大河ドラマ「光る君へ」の時代考証を担当されている倉本一宏氏(日本古代政治史、古記録学がご専門の歴史学者)の講演。TVでは恋愛ドラマにもなっている紫式部と藤原道長ですが、実際はどうだったのか?当時の政治情勢や後宮情勢と絡めながら、二人の接点と交流について、残存する史料を紐解いていきます。倉本先生のちょっとしたアドバイスを、大石静さんは直ぐに恋愛小説にしてしまうそうです(笑)倉本先生のコミカルタッチなお話で、笑いの絶えない楽しい講演でした。会場の早稲
・松岡譲の『法城を護る人々』(法蔵館文庫)上中下巻を買った書店で購入する。・倉本一宏氏の著書2冊目。・御遺誡とは子孫や門下などの後人に遺した訓戒である。・嵯峨天皇の『嵯峨遺誡』宇多天皇の『寛平御遺誡』菅原道真の『菅家遺誡』(偽書)醍醐天皇の『延喜御遺誡』藤原師輔の『九条右丞相遺誡』を取り上げている。・これらの遺誡がほとんど守られなかった事に驚く。倉本一宏著朝日新聞出版朝日新書957『平安貴族の心得「御遺誡」でみる権力者の実像』26
NHK出版新書から刊行された『平安貴族とは何か三つの日記で読む実像』を読んでみました。倉本一宏(2023年)『平安貴族とは何か三つの日記で読む実像』NHK出版新書平安貴族と聞いて何をイメージするでしょうか。遊宴と恋愛にうつつを抜かし、毎日ぶらぶらと暮らしている連中で、しかも物忌や怨霊を信じて加持祈祷に頼っている非科学的な人間でしょうか。実際、平安時代を扱っているテレビ番組は、いずれも主人公は武士で、そこに登場する貴族太刀は、柔弱で狡猾な連中として描かれていました。しかし、現
・町田明広氏の『人物から読む幕末史の最前線』(集英社インターナショナル新書)を買った書店で購入する。・倉本一宏氏の著書を読むのは初めてである。・藤原道長の『御堂関白記』、藤原行成の『権記』、藤原実資の『小右記』について書いている。・23~26㌻の摂関期古記録一覧に驚く。ほとんど写本や逸文(日記そのものが残っているわけではなく、他の史料に引用されたもの)ばかりだが、たくさん残っているとは思わなかった。・図版が充実している。とても読みやすい。倉本一宏
岩田屋本館7Fの、入場料が必要な本屋さん「文喫」文喫については前回行ったときの記事に書いています『文喫に行ってみた』少し前のこと岩田屋本館7Fにある「文喫」に行ってました文喫は入場料の必要な本屋さんで、中に喫茶店があり飲食も可能。私の印象としては、本屋さん寄りのブックカフェ…ameblo.jp終日プランの入場料が半額になるクーポンが、先日まで三越伊勢丹アプリにあったので、またまた行ってみました今回はタイミングが良くて、クーポンが出ていた期間中に合計3日間行くことができましたまずは文喫
歴史大好きなぱんだ(´Д`)。大河ドラマ「光る君へ」に触発されて、なんと藤原行成の日記『権記』の現代語訳を買ってしまいました。はい(´Д`)。『権記』上中下巻です。分厚い(´Д`)。まあでも藤原実資の『小右記』に比べたらまだ読める量かなと思います。ブラックニッカ三兄弟を呑みながらじっくりと読んでました。ディープブレンドとリッチブレンドとスペシャルです。どれも美味しい(´Д`)。改めまして、藤原行成とは(´Д`)!摂政・藤原伊尹の孫で、右少将義孝の子です。母は醍醐源
小生のブログに「いいね」を押してくださった「回文と蝶」さん。有り難うございます。その方のブログを拝見いたしました。大河ドラマと史実の違いを指摘されております。たしかに、仰る通り!!、なんです。引用させていただきましょう。《まひろ(紫式部)に関して最も史実と異なると思える点は、①まひろの母が道長の次兄、道兼に殺害されたこと。②まひろと清少納言が交際があり、しかも仲良しだったこと。そしてなにより、③まひろと道長とが若いころ恋仲であったこと。④まひろが、結婚後、道
今年3月に書いた「国語便覧のすすめ」、日本の文学的な面から見たビジュアルな歴史・文化資料集で、歴史大河ドラマを見る上では、非常に良い参考資料になる。NHK大河ドラマ「光る君へ」を見る上でも効果的なものなのだが、この「光る君へ」に限定すると、さらに面白く、参考になるものがある。倉本一宏著「紫式部と藤原道長」。2023年に出版されているから、つい最近の本なのだが、この本は以前出版された複数のご自身の著書がベースになっている。もしかしたらNHKドラマに合わせて出版されたものかもしれない。
さすがこの時代らしく、歌が何首も紹介されてた。道長なくして紫式部なし、紫式部なくして道長なしこれ、知らなかったなー。そもそも二人が同時代だったとは。あ、これは大河を見ていればわかるのか。録画したまま見ていない、、、お互いが影響しあっていたとは。まあ当時は人口も少ないし、同時代同じ場所にいれば関わって当然なのかもしれないが、、でも凡人だったらお互い影響しないだろうしね。時代をつくったふたり。録画、見るかなあ、、、この新書を読んである程度興味は増したが、いかんせん量が多すぎ。
日本の古典の現代語訳、原文、解説を一冊にまとめた角川ソフィア文庫の初心者向けシリーズ。「賢人右府」と呼ばれ、90歳で亡くなるまで右大臣という要職(当時の太政大臣は名誉職のため右大臣が次席大臣。かつ関白頼通が左大臣を兼任していたため陣定に出席することはできず、実質的な朝廷の最高会議の首班であったといえます)にあった小野宮右大臣実資の日記だから『小右記』と呼ばれています。(同様の理由で『野府記』とも)数多いる平安貴族の中でも関白を務めた祖父・実頼の養子という抜群の血筋の良さと、豊富な知識
平安時代の藤原実資(957~1046)による日記「小右記」が、大河ドラマ「光る君へ」の放送もあって知名度を上げている。藤原道長自慢の和歌「この世をば・・・」の記録元だが、高校級の古典便覧には載ってこなかった。賢人右府と呼ばれた藤原実資による各種の記録日記が、藤原摂関政治の全盛期である977年から1040年まで5463条が現存している。直筆本は無く写本のみで、推定3分の2ほどが散逸した。「野府記」とも呼ばれる同時代の男性の記録日記だが、大宅世継「大鏡」を基本とし、「栄花物語」を浪漫とし、
#光る君へもっと知りたい平安時代#倉本一宏先生インタビュー🎤#島内景二先生もさすが👍#booklove#booknerd#amreading#mikubooks48
NHK大河ドラマの監修もしている倉本一宏「紫式部と藤原道長」では、本来的な意味(芸術家の支援者)でのパトロン(ただし、倉本はこの語を用いてはいない)としている。理由は、当時、紙は極めて高価であり、下級貴族であった紫式部の父ごときにそれを用立てる経済力はなく、最高権力者である道長にして初めてそれが可能、というものだ。NHK大河ドラマでは日本的な意味(経済的支援の対価として肉体の提供)での「パトロン」としているのは脚本家の創作である。今月から始まった東大史料編纂所主催、長野高校金鵄会後援の「古典か
先日はNHKカルチャーで、「対談平安時代を問い直す」の全二回のうちの二回目を視聴しました。対談されているのは、国際日本文化研究センター名誉教授で「光る君へ」の時代考証を担当されている倉本一宏さんと、作家の澤田瞳子さんです。大河ドラマ「光る君へ」は、史実と違うので見ないという人もいますが、史実通りにすると、みんな御簾の中に入ってしまって、無言で歌のやり取り。画面で見ると無音で無人だから、放送事故だよf(^_^;そもそも戦国時代を描いたって、幕末を描いたって、全然史実と違うじゃん。と、お
<先月から読んだのは>◎「ノジュール」8月号(JTBパブㇼシング)◎「日本文学史序説」補講、(加藤周一著、ちくま学芸文庫)◎「物語で読む国宝の謎100」(かゆみ歴史編集部、イースト新書)◎「希望の糸」(東野圭吾著、講談社文庫)◎「紫式部女房達の宮廷生活」(福家俊幸、平凡社新書)◎「名画で読み解くブルボン王朝12の物語」(中野京子、光文社新書)◎「#生涯子共なしなぜ日本は世界一子供を持たない人が多いのか」(日経プレミアムシリーズ)◎「藤原道長御堂関白記を読む」(倉本一宏著
大河ドラマ「光る君へ」は楽しみにしてる。BS放送を毎週録画して、月曜日にゆっくり。で、昨日の放送を再生すると、前回の続きではなく、違う番組録画履歴を確認すると、「光る君へ新1」となってる。新1回目ってレコーダーがバグったネットで調べると、「7月7日はファンミーティングを放送します」都知事選の影響らしいけど、こちら地方は関係ないのにそれはさておき、大河ドラマがきっかけで読んだ本は「藤原道長の権力と欲望」倉本一宏先生著(2023年
7月JulyYOASOBIの「ミスター」。年上の男性に対する思慕と尊敬と喪失感。素晴らしいMVYOASOBI「ミスター」OfficialMusicVideoストリーミング&ダウンロード配信中!https://orcd.co/yoasobi_mrMusic:Ayase(https://twitter.com/ayase_0404)Vocal:ikura(https://twitter.com/ikutalilas)原作:島本理生「私だけの所有者」from...youtu
先日は、NHKカルチャーのオンライン講座で、光る君への時代考証を担当されている倉本一宏さんと直木賞作家の澤田瞳子さんの対談「平安時代を問い直す」を受講しました。色々と幅広いお話を聞けて勉強になりました。しかし、当時の記録というものは、立場立場で主観的という以上に熾烈な宣伝戦を繰り広げていたような……。殺し合いが無い分、情報戦や宣伝戦が凄まじいですね。光る君へで秋山竜次(あきやまりゅうじ)さんが好演されている藤原実資(ふじわらのさねすけ)さんが書いた全61巻の『小右記』(しょうゆうき)です
紫式部と藤原道長(講談社現代新書)Amazon(アマゾン)<概要>NHK大河ドラマ「光る君へ」に関する「事実の歴史」とも言える著作。第一次資料をもとに紫式部と藤原道長に関してどこまでが史実といえて、どこから先が想像と言えるのか、を紹介。<コメント>2024年の大河ドラマ「光る君へ」の時代考証を担当している歴史学者、倉本一宏による著作。大石静の脚本が素晴らしすぎるのか、吉高由里子や柄本佑の演技がうますぎるのか、それとも桁違いにお金をかけているNHK大河ドラマならで
小右記ビギナーズ・クラシックス日本の古典大河ドラマで大注目。研究の第一人者による決定版。store.kadokawa.co.jp▲文庫本とはいえ本編だけで757ページという分厚さ、1,980円という驚きの値段(;'∀')「大河ドラマで大注目」(笑)な『小右記』読んだ。大注目の理由は、その大河ドラマ「光る君へ」で著者の藤原実資を演じるロバート・秋山のおかげだと思われる(爆)しかーし、この本読んでいても、ずーっと秋山実資の顔がちらついて困った(爆恥)「小右記」の