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*この「二著物語」シリーズの趣旨については、プロフィールを参照して下さい。前々回「二著物語:足利直義(その1)」及び前回「二著物語:足利直義(その2)」では、黒田日出男『国宝神護寺三像とは何か』、角川選書、2012年の内容を概観して、長らく源頼朝像とされてきた肖像画の像主が、実は足利直義であったことを説得力のある論証の跡を辿った。黒田書は飽くまで神護寺三像の中で伝源頼朝像とされるものの像主が足利直義であったことを論証することを主題としており、直義自身の歴史上の活動に関しての
図書館の本を読んで。『日本の歴史(9)南北朝の動乱』(佐藤進一著中央公論社)逆賊・足利尊氏を許さない。とはいえ、南朝が正統と申しましても、現在の天皇は北朝なのでは。尊氏は異常な性格だったが、後醍醐も変な人だったらしい。
本日は書籍紹介をいたします。今回取り上げるのはこちら、佐藤進一『日本の歴史9南北朝の動乱』中公文庫、1974年/2005年1965年から67年にかけて中央公論社より刊行された「日本の歴史」シリーズは、昭和のスタンダードと呼ばれ、中でもこの『南北朝の動乱』は評価が高い一冊なんだそうです。日本の南北朝時代というと、王権が二つに分れているというだけでもややこしいのに、それを取り巻く武士勢力も合従連衡入り乱れ、イメージだけでも複雑って感じですよね。そこのところ本書は、解説で手際よく要