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私がパーソナリティを担当している大阪府箕面市のコミュニティFMみのおエフエムの「デイライトタッキー」。その中の”図書館だより”は箕面市立図書館の司書さんが選んだ本をご紹介するコーナー。私は司書さんのコメントの代読をし、そのあと自分の感想も付け加えます。今日ご紹介したのは廣嶋玲子さん作、佐竹美保さん絵の『十年屋時の魔法はいかがでしょう?』です。十年屋時の魔法はいかがでしょう?[廣嶋玲子]1,296円楽天捨てるに捨てられない、かといって手元にも置いてお
昨日図書ボランティアの帰り道、梅の花。曇天に咲く。昨日は読み聞かせの担当だった。読んだのは冬の定番だけど、『しずくのぼうけん』水が姿を変えながら自然界を旅する。いつも聞きに来るのは殆ど一年生だけど、先週から5年生が来てくれてるらしい。読み始める前にペットボトルの水を見せて冷凍庫に入れるとどうなる?やかんに入れて火にかけると?お鍋ややかんから白い湯気が上がるのを見たことある?などと問いかける。すると、その5年生女子が1年生に解説を挟ん
『十年屋時の魔法はいかがでしょうか?』廣嶋玲子絵:佐竹美保静山社読了日:2019.1.2誰にでも、古びたり、傷んだり、壊れたり、捨てるには忍びなく、さりとて手元に残すにはもう、ちょっとというものや、もうひつようないけれど、捨てるに捨てられないものがあると思う。例えば、子どもの頃から大事にしていたけれどボロボロになってしまった縫いぐるみ、大好きな人からもらった写真、大切な友だちに見せたかった雪だるま、別れた恋人からのプレゼント、忘れたくても忘れられない大切なもの、そんな思いの
公立図書館本。「十年屋時の魔法はいかがでしょう?」2018年7月刊十年屋時の魔法はいかがでしょう?1,296円Amazon著者は、「銭天堂」シリーズの廣嶋玲子さん。高学年向け。面白かったです。すらすら読了。忘れたくても忘れられない大切なものを思い出と一緒に魔法で預かってくれる十年屋。対価は、預け主の寿命1年。6つのお話からなっています。ほっこりするお話のほうが多かったですが銭天堂と似たような雰囲気はあります。シリーズ化しそうですが、どうでしょう。私は、シリー
今日は講談社青い鳥文庫の「お姫様」の出てくる童話集の中から佐竹美保が挿絵を描いた「人魚姫」をご紹介します。絵本ではないので挿絵は一つの作品につき2~3枚ほど。最近は文庫であってもフルカラーの口絵や挿絵がついている本もありますが、本書の挿絵はモノクロのみです。でも白黒のメリハリがある画面と滑らかな描線の、見やすく美しい絵です。「人魚姫」の挿絵は2枚で、1枚は嵐にうねる波間を、難破した船を目指して大きく跳躍する人魚姫の絵。荒れる波が全体に描かれ、画面の上部にシルエットになった帆
魔女のキキと共に成長してきた黒猫のジジ。キキの誕生やジジとの出会いから魔女になる決意を固めるまでの期間が描かれます。「ジジがお兄ちゃん、キキは妹」という関係性を求めているのに、いつも「2人はおんなじ」にされて不満を感じたり、自分の生まれた家に戻りたくなったり、ジジの気持ちの揺れも丁寧に描かれます。また、魔女という特殊な環境よりも「みんなと一緒」がいいのに、と思うキキの気持ちの変化など、子どもなりに悩みながらも自分の答えを見つけていく過程は、大人も一度は通ってきた道。13歳よりも上の子どもや
角野栄子さんの名作「魔女の宅急便」の特別編。主人公の魔女のキキと接点があった人達のエピソードが綴られます。キキが魔女として独り立ちをした時にやってきたコリコの街でお世話になった、オソノさんや町長さん、ヨモギさんのエピソードに加え、キキと直接的な接点はないものの、キキが飛ぶ姿が人生を変えるきっかけとなった写真家のエピソードもおさめられています。当たり前ですが、改めて、「人生では、自分自身がそれぞれの物語の主人公」だと感じさせられる素敵な1冊でした。それぞれの人生の中で色々な人との出会いがあり
キキとトンボさんが結婚してから13年。ふたりは、トトという男の子とニニという女の子の双子の親になっています。子どもは11歳。魔女になるためには13歳になったら一人立ちしなくてはならないのに、娘のニニは魔女になる決意を固めておらず、キキは内心ハラハラしています。また、息子のトトは「どうして女の子しか魔女になれないのか…魔女になるニニばかり気にされて、僕はどうでもいいのかな…」とちょぴりすねているところもあって…親としてのキキとトンボさん、子ども達の新しい巣立ちが描かれた1冊です。シリーズ1作
毎週日曜日にお届けする書評コラム「千波留の本棚」。第199回は宮部みゆきさんの『ヨーレのクマー』をご紹介しました。ヨーレのクマー[宮部みゆき]1,620円楽天『ごんぎつね』や『泣いた赤鬼』に涙したかたにおすすめです。↓「千波留の本棚」第199回宮部みゆき『ヨーレのクマー』「千波留の本棚」1〜50回を収めた書籍はこちらでお求めいただけます。↓パーソナリティ千波留の読書ダイアリーブログランキングに挑戦しています。もし記事を
世界は入れ子になっているかもしれないと、考えたことはありますか?私たちが生きているこの世界を「物語の中の物語」、っていう風に考えたことはないですか?私はそんな子でした。小さな頃、自分の生きている世界は、本にもう書かれた世界で誰かに動かされているんじゃないかと思っていた。何をしていても、誰かにみられているんじゃないかと思っていた。自分のやっていることも考えていることも、誰か別の人のものだと思っていた。こんな風に感じたことはありませんか?私はそんな子でした。久々にそんな感覚を思い
こんにちは。今日の担当のWです先日ようやく卒業式の袴を決めてきました小学校から始まった十年以上の学校生活ももう終えようとしている、ということがなんだか不思議な感覚ですね。さて、今回ご紹介する本は前回ご紹介したシェーラひめのぼうけんシリーズ最終巻、『シェーラひめのぼうけん最後の戦い』です。著者:村山早紀・作佐竹美保・画出版:フォア文庫値段:560円(税別)あらすじ怪力のかわいいおひめさまシェーラ気のよわい魔法つかいのファリードそして、どろぼうの親分であるハ
こんにちは。今日の担当のWです前回の私の更新時より体調が悪くなっていて、少しまずいものを拾ってきてしまった気がしています今回紹介する本は『シェーラひめのぼうけん魔神の指輪』です。著者:村山早紀・作佐竹美保・画出版:フォア文庫値段:560円(税抜)あらすじ怪力のかわいいおひめさまシェーラ。気のよわい魔法つかいのファリード。そして、どろぼうの親分であるハイル。三人は、魔法つかいサウードの野望のために石に変えられたシェーラザードの国を救うべく、のろいをとく方法をもとめ
先日、宮部みゆきさんの『悲嘆の門』上中下巻を読みました。↓『宮部みゆき『悲嘆の門』(上)(中)(下)』(茶々吉24時2018年1月3日)主人公・三島孝太郎がアルバイトをしているサイバーパトロールの会社名は「クマー」。ネット監視の会社にしては可愛らしすぎるネーミングです。小説の中で、社名は社長が子どもの頃好きだった絵本からもらったのだと説明されていました。北欧に、ヨーレという村があり、そこを守っている良い怪獣クマー。クマーはヨーレを襲おうとする悪い怪獣を追い払って村を
荻原規子さんの『RDG』読了し、すっかり嵌まりこんでしまって現実世界に帰ってこられなくなったので、こうなったら毒を以て毒を制すじゃないけど、荻原さんの全作品制覇するしかないかと。で、『これは王国のかぎ』を読みました。二作品とも好き過ぎるので、今感想は書きません、いや、書けません。そういうのってあるよね。なので感想ではなく。レビューやTwitterを見てると『RDG』は続篇を求めるファンが多いのかな?私は、すごーくいい終わり方だなあと思ったので、むしろ続きは書かれない方がいいかなあ