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ふるさと佐渡の草木について折々に書きとどめたもののうち、昨年は『佐渡山菜風土記』(1991)として発刊いたし、今年は『佐渡花の風土記』(1992)とともに、『佐渡薬草風土記』(1992)として発刊することができた。小冊子であろうとも、その発刊はわが児誕生に似て嬉しいものである。私たちのまわりの草木たち、すなはち植物的自然は、どんな意味をもつ存在で在るのだろうか。私の心を常によぎるのは、このことである。草木たちに接しながら、私なりに得たものは、植物的自然は、生
あらゆる出血の妙薬ヨモギキク科ヨモギ属の大形多年草。山野の陽地に広く生える。頭花は淡褐色で、花序は複総状。葉は羽状分裂し、上面緑色、下面白毛密生し白い。春の新苗は草餅材料とするのでモチグサとよぶ。薬用部は茎葉。生薬名は艾葉(がいよう)。薬効あらゆる出血と止血と痛み止め。成分のタンニンの止血、収斂作用に由る。腹痛、通経、胎痛、腰痛、痔の出血、胃潰瘍の吐血などに煎服、また浴料とする。「ふるさとはよもぎ団子のにほいかな」。少年の頃母から聞いたこの句。
子どもの疳の妙薬ユキノシタユキノシタ科ユキノシタ属の小形多年草。中国原産。薬種として渡来。栽培。逸出し野生化する。井戸の周辺に生えるのでイドギク、紅紫の葉を愛でてキンギンベアという。薬用部は葉。生薬名は虎耳草(こじそう)。薬効子どもの疳(ひきつけ)の妙薬で、生葉の汁をのます。耳の痛み(中耳炎)に絞り汁をたらし、火傷、頭のガメ、カブレ、シモヤケに汁を塗る。よく効く民間薬の代表種。ユキノシタを外海府の関ではイドギクという。湧き水が汲める浅井戸のふちに生え
劇毒・生薬名佐渡烏頭ヤマトリカブトキンポゲ科ヤマトリカブト属の多年草。山野の林の縁に生える。葉は3~5に深裂。花は8~10月。青紫色のカブト形の美花がつく。塊茎はボウスイ状倒卵形で、褐色で長さ3㌢。同じ大きさの新塊根が、毎年つく。薬用部は塊根。生薬名は草烏頭(そううず)。薬効母根を烏頭(うず)、子根を附子(ふし)といい、漢方で鎮痛、鎮座、強壮などに用いるが、薬草中最も毒性強く毒草であり、家庭で用いてはならない。トリカブトは鑑賞花で深紫色の大きい美しい花
喘息の妙薬モミジガサキク科コウモリソウ属の大形の多年草。葉は長い柄があり、拳状に5~7裂する。花序は枝分かれして多くの頭花をつける。花は白色。若葉食用。独特のくせがあってうまい。佐渡方言シズク。山の陰湿の沢辺に群生する。薬用部は全草。生薬名は設定されていない。薬効全草の煎液が喘息の妙薬。煎服すれば喘息の苦しみが楽になる。のみつづければ喘息が完治する。最高の味の山菜と言えばデバコモミジガサとするのは『山海の野草』の著者の広江美之助である。「青物市場に出荷し
生薬名は霊芝マンネンタケ薬となるキノコ。担子菌のサルノコシカケ科。ウメ、コナラ、ミズナラの落葉広葉樹林下に生える。カサは赤褐色~紫黒褐色となり、うるしを塗ったような光沢があり、長年保存できる。マンネンタケは長寿を意味する端祥茸。生薬名は霊芝(れいし)。薬効肝臓疾患、更年期障害に煎服。血圧降下、抗血栓症、抗アレルギーに用いる。瘀血(おけつ・血流の滞ること)を治す。薬草・薬木があるなら薬となるキノコもある。松田一郎著の『新潟県のキノコ』(1986)に食用キノコ14
漢方処方に茯苓マツホド薬となるキノコ。担子菌の多孔菌科。マツの根に寄生し、地中にホド(塊)になるキノコ。薬用部は菌核体(きんかくたい・菌条が密集して塊となったもので、表面は灰色、内部は白い)。生薬名は茯苓(ぶくりょう)。薬効瘀血(おけつ・血流のうっ滞する状態)を治す薬。単味で用いず、漢方処方に従う。成人病・老人病の予防と治療に効く「桂皮茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の成分。マツホドは薬となるキノコでタンコウキン(多孔菌)科。普通マツ(アカマツ・クロマツ
難病にマコモ風呂マコモイネ科マコモ属の多年草。沼沢に生える挺水植物で、高さ2㍍余りとなり群生する。古名はカテミ(糧実)。なまって越後ではカツボ、佐渡ではカツオという。薬用部は根茎・根・葉。生薬名は未設定。薬効水鳥は茎葉をついばみ傷に塗る。根茎の蒸し焼きは肺病の特効薬。茎葉の煎服は胃潰瘍、糖尿病・婦人病など体質と病変を根本的に治す。浴料とすれば皮膚病・アトピー・痔に効く。豊葦原の瑞穂国と呼ばれるわが日本。豊かな瑞穂の広がる青田、しかしかつては水と泥の広い
佐渡蒼朮として有名ホソバオケラキク科オケラ属の多年草。中国原産。江戸時代に薬種として渡来。佐渡奉公所の薬草園に初栽培された。村々でも栽培、薬種として他国に売り出された。花は白色で先は五裂。葉はホソバで、全く柄がない。雄雌異株で実を結ぶが、日本で栽培するのは雄株なく実できない。株分け繁殖。薬用部は根茎。生薬名は蒼朮(そうじゅつ)。佐渡蒼朮ともいう。薬効健胃、整腸、利尿、発汗の目的で、胃腸病、神経痛、息切れ等に用いる。「山でうまいのはオケラにトト
生薬名は澤瀉ヘラオモダカオモダカ科サジオモダカ属の多年草。新潟県自生は、根生葉がサジ形のサジオモダカは自生しない。沼沢や田に生える水草。薬用部は塊茎。生薬名澤瀉(タクシャ)。ヘラオモダカの塊茎も代用でき澤瀉と呼ぶ。佐渡国薬種二十四品のひとつ。薬効漢方で利尿、止渇薬として尿の少、頻水、下痢、胃内停水、めまい、口渇などに用いる。ヘラオモダカ。多年生の水生植物で沼沢や池などに生える。食用にするクワイはオモダカ科のクワイ属。サジオモダカ属の英名はウォーター・プラン
実はシモヤケの妙薬ヘクソカズラアカネ科ヘクソカズラ属の多年生つる草。垣根、金網のフェンス、林のふちなどに多く見られる。生葉は実にくさい。古名はクソカズラ。向き合った対生生葉のもとに小さい三角の托葉があるので見分けられる。花は美しくサオトメバナという。実は黄褐色で球形。薬用部は実。薬効シモヤケ・ヒビ・アカギレの特効薬。果汁を塗りつける。生葉をもんでかぐと実に実にくさい。古名クソカズラ。万葉集などではこの名で呼ばれているが、現在はさらに屁の字をつけてヘクソカズラとよ
ビワ葉療法に威効ビワバラ科ビワ属の暖地系常緑高木。中国原産。果木・薬木として渡来。薬用部は葉。生薬名は枇杷葉。薬効「ビワの葉(コンニャク・温灸)療法」は、性こりない痛み、腹痛、リューマチ、神経痛、腰痛、頭痛、肝臓がんの痛みを止め治す。子が熱湯で大火傷したとき、ビワの生葉を直接貼っておいたら、痛みは1時間で取れ、4時間で熱を引いた。有効成分アミグダリンがビタミンB1にかわり、炎症や痛みを治す。東城百合子著『薬草の自然療法』(1991)ビワの種は健康被害がある
球茎はすりおろし薬用ヒロハテンナンショウサトイモ科テンナンショウ属の多年草。山野の木かげに生える。小葉は5~7枚で鳥足状に分かれる。仏焰苞(ぶつえんほう)は黄緑色。雄雌異株。地下に球茎。佐渡には同属のコウライテンナンショウ・ウラシマソウがある。有毒植物で有毒部は全草、特に球茎。薬用部は球茎。生薬名は天南星(てんなんしょう)。薬効漢方で鎮痙、痰切りに。民間では球茎をすりおろし、腫れ物、肩こり、リューマチに外用。(テンナンショウ属の実…不気味)天南
球根は胃癌卓効ヒメヒオウギズイゼンアヤメ科ヒメトウジョウブ属の多年草。園芸名モントブレチア。南アフリカ原産。ヒオウギズイセンとメトウショウブの交雑種。日本には明治の中頃、佐渡には大正時代渡来。庭に植えられるが人里に野生。夏、枝先に緋赤色の小花。佐渡方言キンギョソウ。薬効胃癌に著効。一回量は球根、大1個を米粒大に切るか、すりおろして180㏄の水に入れ、弱火で沸騰したら火を止め飲む。一日3回煎服。鹿児島県川内市東向田の渡辺内科医院の老医師の渡辺国象先生。
命助けたヒマシ油ヒマ別名トウゴマ。トウダイグサ科トウゴマ属。温帯では一年草だが、熱帯では多年草。常緑で木本状となり高さ2~13㍍。エジプト原産。日本には10世紀のはじめ中国より渡来した。初秋に開花、柔い刺のある果実がつき、中に3個の種子がある。種子はヒマシ、油はヒマシ油。薬用部は種子。生薬名はヒ麻子(ひまし)。薬効ヒマシ油は最高の下剤。高熱・急性の胃腸カタルに卓効。エジプト原産のヒマ、はトウダイグサ科の草本。温帯の日本では高さ2㍍の一年草であるが、
有毒鱗茎も食薬にヒガンバナヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。秋の彼岸頃に真紅の美花を咲かせる。中国原産。有史以前に中国より渡来した帰化植物で、分布は人里に限られる。渡来目的は塊茎のデン粉食用。薬用部は鱗茎。生薬名は石蒜(せきさん)。薬効鱗茎に含まれるアルカロイドは毒で、強いけいれんを起こし呼吸困難になって死ぬ。すりおろし、両足の裏にはると腎臓炎・肋膜炎に効く。秋の彼岸頃咲くのでヒガンバナと呼ばれるこの花は、秋の彼岸が来ると毎年不思議にもきまった場所に花を
寒さ知らずの浜香酒ハマゴウクマツヅラ科ハマゴウ属の暖地系海岸低木。佐渡の海岸に多い。葉は広卵形で上面は緑色、下面は灰白色。葉を天日干し、石臼ですって香とする。薬名は蔓荊葉(まんけいよう・葉)・蔓荊子(まんけいし・果実)。薬効「新潟県の薬草」(1987)によれば、果実は鎮痛、消炎薬として頭痛、風邪、関節痛に用い、茎葉と果実は手足のしびれ、神経痛、ひきつりに浴湯料として用いる。はまごうや海士が昼寝の夢に咲く紫泉。海人の夢の中に咲くというハマゴウ。
ウジ殺し・ヂミ駆除にハナヒリノキツツジ科イワナンテン属の落葉低木。佐渡の山に多い。有毒植物。夏、枝先に淡緑色のつぼ状花を総状に開く。佐渡方言ハナヒリソウ・ハナヒゴソウ。有毒部全草。薬効水苗代のユリミミズ退治に乾燥葉の粉末や葉の煮汁をまく。便所の蛆殺しに葉を入れるので方言ウジゴロシ。インキン・タムシ・カイセンに煎液を塗る。家畜の皮膚の寄生虫駆除に煎汁で洗う。ハナヒリノキはツツジ科の落葉低木。佐渡の山地に多い。ハナヒリは、鼻ヒリの意味。葉を鼻に入れると刺
打ち豆を入れて汁にハナイカダウコギ科ハナイカダ属の落葉低木。山の林に生える。雄雌異株。花は淡緑色。花房は小さく、葉面の中央に着く。ハナイカダは花筏に由る。黒い果実。葉の中央に付く実をイボにみたて佐渡ではイボナという。イボナは、リョウブ、タニウツギと共に佐渡の三代糧菜の一つ。イボナ飯、イボナ汁。イボナを茹でるときの香りがワカメとそっくりなので丘のわかめとも言う。ハナイカダは花筏と書く。花をのせた筏にたとえた名である。つやつやとした濃緑の真ん中に、薄緑の2~4
根毒は蠅取紙にハエドクソウハエドクソウ科ハエドクソウ属の多年草。里山の林の下の陰地に生える。夏、枝先に長い花序をだし、淡紅色の小花をつける。有毒植物。有毒部分は全草、特に根。生薬名は未設定。漢名は透骨草(とうこつそう)。薬効根をたたきつぶしご飯にまぜてハエトリ紙をつくる。ハエはコロコロ死ぬ。カイセン・水虫などは根の煎汁で洗う。ハエドクソウは蠅毒草の意味である。『牧野新日本植物図鑑』(1974)には「地方によっては根をすりおろし、しぼり汁を紙にしませて蠅
茎の汁が目薬にノブドウブドウ科ノブドウ属の落葉性つる木。人里の垣根や里山の林縁マント群落・つる植物の代表種。果実は白→青→紫と熟するが、それぞれ果実の熟度が違い、虫が寄生し虫こぶをつくるため、色と形は様々で異様醜怪。果実はまずいが、毒ではない。漢名は蛇葡萄(じゃぶどう)。薬効つるの切り口を吹いて出た汁は、目の薬。関節痛に根の煎服。目の充血に根の煎汁で洗眼。ヘビブドウは蛇葡萄がなまったもので、ノブドウを指す。しかし誰もが標準和名のノブドウの名前を使わない。
佐渡国薬種・前胡ノダケセリ科シシウド属の多年草。山に生えるが稀産。若葉や茎をおひたしや和え物に食用。葉柄の基部はさやとなって茎を抱くのが特徴。花は9~10月、紫黒色の小花を密に傘上につける。薬用部は根。生薬名は前胡(ぜんこ)。佐渡国薬種24品のひとつ。薬効「新潟県の薬草」(1987)によればの、発汗、解熱、咳止め、健胃に使用する。風邪の初期に煎服すると良く効く。小倉(畑野町)村人の食べる山菜にゼンゴがある。小倉婦人学級の編した『佐渡の野草』(1980)に
疲労回復・強壮・冷え性にニンニクヒガンバナ科ネギ属の多年草。栽培種。地下の鱗茎が球となり食用及び薬用。夏に花頂につく花の多くは子苗に変じて、地面に落ちて繁殖。花は淡紅色。種子はできない。夏に枯れて休眠、掘り取って秋に植え付け。生薬名は蒜(ひる)。薬効強臭成分アリシンには、食欲増進、健胃整腸、腸内制菌、血液循環、補血、ビタミンB1分解酵素作用の抑制など豊富な薬効。ニンニク酒として服用。ニンニクの原生野生種はいまだに未発見という。キルギスの砂漠地帯が原
打ち身・打撲に接骨木ニワトコスイカズラ科ニワトコ属の落葉低木。山に生えるが、最も早く春新芽を出す植物。葉は奇数羽状複葉。4~5月、緑白色の小花を散房状につける。果実は球形で赤熟。薬用部は全草。生薬名は接骨木(せっこくぼく)。薬効打ち身・打撲に接骨木末、黄柏末を混ぜて外用。「新潟県の薬草」(1987)によれば、花は発汗、解熱、むくみ、利尿に、茎・根はむくみ、利尿に煎服。神経痛、リューマチに浴湯料とする。💛有名な西洋ハーブのエルダーフラワーはニワトコの仲間。
強壮・腹痛にニラヒガンバナ科ネギ属の多年草。古くから栽培、野生もしている。全体に特殊なにおいがあり、五辛(ごしん)のひとつ。古名カミラは、咬むと興奮する意味。ニラを食べると細胞内呼吸小体のミトコンドリアが活性化してエネルギーが出る。薬用部位は種子(9月末採取日干し)と茎葉。生薬名は韮子(きゅうし・種子)・韮白(きゅうはく・茎葉)。薬効「新潟県の薬草」(1987)によれば、強壮、強精、下痢、頻尿、腰痛に使用する。ニラの古名はカミラ。カミラは”咬む苛”で、
吐き気止め・酔い止め・咳止めにナンテンメギ科ナンテン属の暖地系常緑低木。原産地は印度、中国南部。西日本に野生化。佐渡に野生せず栽培種。幹は株立ち。葉は茎の先に集まって開き羽状で小葉は革質。花は6月、円錐花序、白色小6弁花。果実は赤熟。白実のシロナシナンテンあり、実は薬用。生薬名は南天実。咳止め(果実のドメスチン鎮咳効果。)吐き気どめ。吐かせる。船酔い止め。魚中毒解毒。「おかあちゃん、ぼくのウサギができたよ。」
中国原産・生薬・杜仲トチュウトチュウ科トチュウ属の落葉高木。樹高20㍍。雌雄異株。中国中西部原産。薬用部は樹皮。生薬名は杜仲(とちゅう)。樹皮を乾燥したものを中国より輸入。薬効葉や枝を折れば糸を引くが、ゴム様物質に強壮・血圧降下・関節痛の鎮痛作用がある。佐渡国薬種24品の一つに「杜仲・マサキノカズラ(テイカカズラの古名)」とあるが、中国原産の杜仲は日本にあるはずがなく、これは当時の本草学者のまちがいである。知人から杜仲葉を頂いた。これは茶風自然飲料に
生薬名は竹節人参・和人参トチバニンジンウコギ科トチバニンジン属の多年草。山の林下に生える。葉は五小葉の複葉でトチの葉に似る。夏に長い柄を出し先に球状の散形花序をつける。花は淡黄緑色の小花。地下は根茎の節が目立ち竹節状でチクセツニンジンともよぶ。薬用部は根茎。生薬名は竹節人参・和人参。薬効「新潟県の薬草1987」によれば、痰切り、健胃作用があるため胃のつかえ、消化不良、食欲不振、気管支炎などに用いた。「佐渡の深山にチョウセンニンジンが
恵みのある長者草ドクダミドクダミ科ドクダミ属の多年生草本。全草に特有な悪臭がある。葉は心臓形。花は梅雨ころ。4枚の白色の花弁状のものは葉に近い性質の苞(ほう)。真の花は中央の花穂に密生する。方言ドクマクリ、ドクニラ、ドクダンジョ、チョウジャグサ。生薬名は蕺草。全草が薬用。薬効化膿性の腫れ物に火であぶった生葉を貼る。臭成分に制菌力。利尿便通。高血圧予防作用があり、全草お茶代わりに飲む。流人墓十薬の花咲き乱れ静茶。両津の延命寺、流人墓のかたわらにド
甘い実は猛毒・死亡ドクウツギドクウツギ科ドクウツギ属の落葉低木。崩壊地に侵入するパイオニア植物。葉は濃緑で羽状複葉的。毒木夏に実が熟すがあか赤より紫黒色に変わる。赤い皮は甘い汁で満ちている。赤皮は毒がないが、赤皮の下の果実が猛毒で、激しいケイレンを起こし、呼吸が停止して死ぬ。有毒成分は全株。特に果実に多い。毒成分コリアミルチン。全口方言はイチロベゴロン、ウシコロシ、サルコロシ、ネズミコロシ、ウジコロシ。ドクウツギの赤い甘い実を食べての中毒死は、戦前か