フジテレビ月9枠の全史において、2009年放送の『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』は、1990年代の『ロングバケーション』や2000年代の『プライド』が確立した「トレンディドラマ」の系譜における、ひとつの最終形態として位置づけられる作品である。本作の完成度を全史の中で相対化して論じるならば、それは『東京ラブストーリー』のような、人間の不可解さや社会の残酷さを描く「文学的リアリズム」を追求した作品群とは対極にある。本作は、リアリティよりも「心地よいファンタジー」を、重厚な人間ドラマよりも「瞬