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各細胞が振動し、脳神経ネットワークにおけるリンクで相互作用を受ける。しかも、その相互作用が各細胞の状態に影響を受けるというときに、本当に同期するだろうか?これは各細胞の状態を極形式の列ベクトルで表現し、相互作用を作用素としてこの列ベクトルの関数で表現することになる。同期するときは、この作用素の関数が固有値になる場合である。そうするとこの作用素を表す行列は、ケーリー・ハミルトンの定理によって固有方程式を満たすことが分かる。そしてこの方程式が多項式であるなら、代数学の基本定理から複素根が存在す
久しぶりに、yamyamtopoさんのページを読んだ。全部を読んだわけでなく、「1次元多様体の分類」(2015年3月31日投稿、2020年月10日追記)という項を読んだ。1次元多様体の分類トポロジーの最大の目標が位相空間の分類であるとすれば、その目標に最も力が注がれている空間のクラスは多様体である…yamyamtopo.wordpress.com以前読んだ時は、あんまりよく分からなかったが、今回読んだら、よく理解できた。本とか文章というものは、初回に読んだ時には分からなくても、そ
【代数学の基本定理】24通りの証明コレクション★微分積分からの証明【微積①】;最も短い微分積分による証明【微積②】ド・モワブルの定理を用いた証明【微積③】ガウス第1の証明【微積④】2変数微積分からの証明★複素解析からの証明【複素解析①】リュービルの定理を用いた証明【複素解析②】ガウスの平均値の定理による証明【複素解析③】最大値の原理からの証明【複素解析④】平均値の不等式からの証明【複素解析⑤】コーシーの積分定理を用いた証明その1【複素解析⑥】
「回転数に関する存在定理」「ホモトピー同値性」の双方を用いた証明です。証明の最後の方に記載していますが、補題1を満たすような半径rの開集合の中に解が存在していることになります。要はトポロジーの強い定理を二つ使うことによって、存在のみならず解の範囲までも言及しているのです。
こちらは、共立出版から出ている「数学かんどころ33複素数と複素平面」を参考にして証明を書いてみました。こちらの本は非常に面白かったです。この証明で用いている「回転数に関する存在定理」は、1変数関数に関する中間値の定理を一般のジョルダン閉曲線に対して拡張したものになります。回転数によるその他の証明はこちをご参照下さい。【代数学の基本定理】回転数による3つ位相幾何学的な証明
ガウスは、代数学の基本定理の証明について生涯4つの論文を発表しました。二つめの証明は、体論や対称式の基本定理を用いた代数的なもので今日の基準においても完全なものだったようです。かなり前の数学セミナー増刊で、ガウスの原型に近い証明があったので、そちらの行間を埋めて掲載してみました。ガウスの証明を4つとも集めてみたいと思っています。ガウス第1の証明についてもアウトラインを書いています。
代数学の基本定理の証明のうち、最も初等的なのが、JeanRobertArgand(1768-1822)の証明をベースとしたWeierstrassの最大値・最小値定理を用いるものだと思います。ただ、その証明は往々にして少し長いです。かなり前の数学セミナーに式変形の少ない方法が載っていましたので、そちらを参考にアレンジしてみました。|f(z)|が最小値をとるということさえ認めてしまえば、高校レベルの数学で解決できる証明と思います。加えて、2変数の微分積分からアプロ
こちらの平均値の不等式からの証明につきましては、代数学の基本定理の証明コレクションである、「Thefundamentaltheoremofalgebra/BenjaminFine,GerhardRosenberger.」を参考にしています。こちらの書籍ですが、微分積分・複素解析・代数(体論、ガロア理論)・位相幾何など様々な方法で代数学の基本定理の証明を試みるいう数学科学部3、4年生程度の方を対象とした書籍です。素晴らしいコンセプトです。ただし、数学科卒業研究の
最大値の原理から、代数学の基本定理が導けることはよく知られていると思います。リュービルの定理からの証明と同等の完結で快適な証明が得られます。こちらの最大値の原理からの証明は、神保先生の「岩波講座現代数学への入門複素関数入門」を参考にしています。神保先生の本では、リュービルの定理からではなく、偏角の原理からの証明と最大値の原理からの証明を掲載下さっています。粋な計らいですね。リュービルの定理からの証明はこちらリュービルの定理を用いた証明偏角の原理からの証明はこちらです
解の公式がない高次方程式の解を近似的に求める際、「偏角の原理」を用いたアルゴリズムがあることはよく知られていると思います。「偏角の原理」は解の具体的な構成に資する結果であり、解の存在を保証している「代数学の基本定理」より強い結果です。ですので、「偏角の原理」から「代数学の基本定理」が導けるというのはごくごく自然ですね。複素解析の証明では2番目に有名な「ルーシェの定理」からの証明と同じく、背理法を用いずP(z)の零点の個数がn個であることも含めて導出する気持ちのいい証
「コーシーの積分定理」「留数定理」これらは19世紀数学の華である、複素関数論の著しい結果であることは言わずもがなです。以前は、コーシーの積分定理から代数学の基本定理が導ける記事を掲載しました。コーシーの積分定理を用いた証明その2留数定理から導いている論文を発見したので紹介します。某大学院の数学教室の2次試験(面接)では、「好きな定理とその理由?」という質問があるという都市伝説がありました。私の友人は、「留数定理です。理由は、実数の範囲で計算できないような積分を、複素積分
あまり知られていませんが、「リュービルの定理」の強化版である「ピカールの小定理」からも比較的容易に「代数学の基本定理(FTA)」を証明することができるので紹介します。なお、複素多項式P(z)が整関数すなわち、複素平面全体で正則な関数であり、無限大に極をもつこと、P(z)が連続関数であることも用いていいます。その他、複素解析による証明については以下をご参照ください。リュービルの定理を用いた証明ガウスの平均値の定理による証明コーシーの積分定理を用いた証明その2【代数学
ガロア理論による代数学の基本定理の証明を紹介します。数学科の代数系の科目で大学3年生くらいまでに習う重要な定理である、「ラグランジュの定理」「シローの定理」などを駆使して証明します。「オールスター天丼」のような証明です。堀田良之先生が著書(岩波講座現代数学環と体)でGalois理論からの証明を終えた後の注意書きで「その実体は畢竟(ひっきょう)、実数の連続性(解析学の基礎)にある.)」と仰っております。可能な限り代数を用い、足りない部分を解析学で補っている証明です。
位相幾何学による代数学の基本定理の証明は簡明なものが多いです。中でもこちらは、「回転数が異なるものがホモトープである。」という矛盾に帰結し非常に巧妙な証明です。位相幾何学的な証明は今のところ6通り掲載していますので、こちらもご参照ください。回転数による3つ位相幾何学的な証明ブラウワーの定理からの証明リーマン球面を用いた位相幾何学的な証明円の基本群による証明
代数学の基本定理を証明する方法は本当に沢山あり、まだまだこちらの紙面を埋めつくすことが出来ません。そのような中、2変数の微積分の簡単な計算から証明している論文を発見しました。位相構造(連続関数が大域的あるいは局所的に最小値を持つというもの)を明確に用いて証明しているわけではないため、学部初年度の数学を専攻していない学生にもご案内できる内容だと思います。ここで用いている、積分と微分の順序交換の定理はアーベルの功績でしょうか。コーシーの微積分の不完全な部分を補い、一様収束の
小平邦彦先生は名著「複素解析(岩波講座基礎数学)」で「代数学の基本定理はLiouvileの定理から直ちに導かれる.」と仰っています。また、リュービルの定理を「有界な整関数は定数である.」とたった13文字で記述してます。この証明は最も有名な証明の一つです。また、私自身が数学科の学部生のときに出会った最初の証明でもあります。「定理というには大げさである。リュービルの補題だよ。」と複素関数論を担当していた教授が仰っていたのを覚えています。複素解析から代数学の基本定理が得られると
次のガウスの平均値の定理ですが、「内部に電荷の無い球の中心における電位は球の全表面の電位の平均値に等しい.」という物理的な意味を持ちます。この定理からかなり簡単に代数学の基本定理を導くことができるので紹介します。その他の複素解析からの証明はこちらをご参照下さい。【代数学の基本定理】複素解析による10通りの証明
大学初年度の線形代数の講義でジョルダン標準形を扱う際、代数学の基本定理をブラックボックスとして証明が行われます。代数学の基本定理は後の複素関数論や位相幾何学で証明されることになります。スイスの数学者であるNorbertA'Campo先生はその点に違和感を持たれ、代数学の基本定理を用いず、固有値と固有ベクトルの存在を与える方法を提言されました。その系として代数学の基本定理が導かれます。線形代数からもアプローチできるとは、なんとも奥ゆかしい限りです。
代数学の基本定理に完全なる代数的な証明を与えたのがガウスなら、位相幾何学的な証明を最初に与えたのはコーシーです。こちらはコーシーのアイデアを現代数学の言葉(基本群)を用いて厳密にしたものです。複素平面上の回転により、P(z)=0なる複素数zを必ず通るという点、複素数体が代数閉体であることが目に見えて伝わってくるため、この証明が一番本質的と言われる方も多いです。以下のノートでビジュアルな証明である点を感じ取って頂けると幸いです。その他の位相幾何学的な証明は【代数学の基本定理
多項式はリーマン球面上の全射となるため、P(z)=0なる複素数z_0が存在する。これが代数学の基本定理の本来的な姿です。その意味で以下の証明は、最も本質的な証明の一つになると思います。その他の位相幾何学的な証明についても是非拙著をご覧ください。【代数学の基本定理】回転数による3つ位相幾何学的な証明
「コーシーの積分定理」こそ世の中で最も美しい定理だという数学者もいます。「正則関数の複素積分はゼロ」であるということを発見したコーシーはえらく感動してガウスに報告しました。すると、ガウスは「そんなの当たり前やろ」とこれまた冷静に応答したそうです。そんなエピソードのある大定理です。私自身は、学部生の関数論の講義コーシーの積分定理と出会いましたが、騙されているような感覚をもつ定理でした。今回は、コーシーの積分定理を用いた代数学の基本定理の証明を紹介します。ガウスとコーシ
「ド・モワブルの定理」美しい定理です。私の時は高校教程に入ってませんでしたが、一次変換がなくなり、次の年から入りました。現在もまだ残っているようです。教程にはないものの、大学入試を突破するには、知っておいた方がよいということで、高校や予備校では習いました。ド・モワブルの定理を使えば、sin、cosの倍角の公式が両方同時に出ますし、しかも何倍角でも出せますね。えらく感心した覚えがあります。ド・モアブルの定理の意味と証明|高校数学の美しい物語今回はそんな「ド・
こちらが20通り目の証明になります。20通り目の証明は、ガウス第1の証明、1799年のガウスの博士論文での証明です。高校生でもエッセンスがわかるような素晴らしい動画がありましたので、詳細は是非こちらの先生の動画をご覧ください。代数学の基本定理4−ガウスの第一証明私の授業が本になりました。「図解と実例と論理で、今度こそわかるガロア理論」SBクリエイティブより平成29年2月21日発売。動画による解説「今度こそわかるガロア理論(多面体と可解性)」をアップしました。平成28年3月12日
数学科の学部4年間で習う一番重要な定理は何か聞かれたら、私なら「ブラウワーの不動点定理」と答えます。先ず、ブラウワーの不動点定理は微分方程式の解の存在を示す際の有用なツールで、精度保証付き数値計算の理論で活用されています。また良く知られているように、ゲーム理論や数理経済学の出発点になっています。ひいては数学基礎論(選択公理)にも影響を及ぼしています。しかしながら、有限次元ユークリッド空間の位相構造を特徴付ける結果であり、本来的には位相幾何学の定理です。事実、ブラウワーの
空間の次元によって、ブラウン運動の挙動が異なることは非常に興味深いです。1次元では、確率1で,サンプルパスは任意の点を無限回訪れます。2次元以上だと、特定の点を訪れる確率はゼロです。しかしながら、2次元の場合、確率1で、任意の点の任意の近傍を無限回訪れることとなります。3次元以上ではこの確率は0となります。2次元のブラウン運動である複素ブラウン運動のこの性質からも代数学の基本定理を導けるのです。ブラウン運動と言えば、アインシュタイン。アインシュタインは、特殊相
土日数学者のやまのぷう吉でございます。代数学の基本定理について、回転数による位相幾何学的な証明を3つ紹介します。1つ目の証明は、2次元の中間値の定理(回転数に関する存在定理)からの証明、2つ目の証明は、いわゆるホモトピー不変性からの帰結、3つ目の証明は、2次元の中間値の定理とホモトピー不変性の混合です。何れもトポロジーのパワーで快適に証明していると思います。
土日数学者のやまのぷう吉でございます。代数学の基本定理について、代数的な証明を2つ紹介します。ガウス第2の証明とガロア理論を用いる証明です。ガウス第2の証明は、本日の基準においても完全に正しいようです。代数学の基本定理にはじめて代数的な証明を与えたのもガウスです。双方の証明とも中間値の定理を用います。堀田良之先生が著書「岩波講座現代数学の基礎環と体2」でガロア理論からの証明を終えた後の注書きで「その実体は畢竟(ひっきょう)、実数の連続性(解析学の基礎)にある.)
土日数学者のやまのぷう吉でございます。微分積分からの簡潔な証明を二つ紹介します。一つは、最大値・最小値定理を用いる、アルガンの証明をベースとしたもので式変形の少ないものです。そしてもう一つは、2変数の微積分計算からの証明で素晴らしいセンスを感じます。
土日数学者のやまのぷう吉でございます。「代数学の基本定理」って何通りの証明方法があるのでしょう。私の証明コレクションをこちらで適宜紹介していきます。先ずは、複素解析から10通りの証明をレポートしてみました。どの証明でもgrowthlemmaを使っています。