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《その人には、その人に見合った“パートナー”が存在するものだ。それが一人か二人かは、自分の、運命次第・・・》君らの愛情表現ってなどうしてそう、複雑なのさ??妻と白侶の愛情表現は、とても複雑で難しい。私は愛情表現を目に見える形で表すタイプだが、前述の二人は違う。彼らの愛情は目に見えない。『精神面での安らぎ』が、妻と白侶の愛情表現。恐らく、多くの人々が理解し難いタイプの愛情表現だろう。私も最初、“この手の愛”を理解出来なかった。彼らの【愛】は───『自分に振り向いてもらえない
優しさと、ほんの少しの苦しみを秘めた困った笑顔。見慣れたその微笑みが、ひどく、懐かしいと感じた。妻に出逢う前。岩手で遭ったトラック事故。白侶が庇ってくれなかったら、私は今、此処にいない。スローモーションが見えた瞬間、後ろから抱えるように抱かれて、私は、肘のむち打ちだけで済んだ。白侶が助けたのは、私だけ。『無事で良かった..』迷いなく優先した、私の命。自分の怪我にも気付かない程、私しか見ていなかった。大怪我してるのは自分の方なのに・・・私を見て、安堵して。子供の
あの日の君を探していた。過ぎ逝く時の中で、君の姿を追いかけた..あの日の君を、忘れはしない。『もう一度君に逢いたい..』時を越え行く想いがある。あなたと二人で行けるなら、私は何度でも、生まれ変われる..何度目かの『愛しています』は、とてつもなく胸に響いた。満足そうに細められたら瞳が、切ないくらい、愛しいと思った。壊れ物を扱うような繊細な指。私だけを追い求める、冷たい眼。感情の薄い、表情の読めない顔。たまに見せる悲しみを含んだ笑顔が、胸を締め付ける。こんなに泣
意外な結末だった。実は、あれから数日後。白侶は孝姫と【契約】した。合理主義同士の、利害関係一致による【契約】。白侶は私の魂があと二回の転生で消滅すると思い、『最期の瞬間だけは自分と共に』と、自ら心中相手を買って出た。『この役だけは、誰にも譲らない』と。ところが───一縷の迷いなく「死」に直進せん白侶の前に、意外な事実が告げられた。この人の魂は消滅しないわそれは予想外の、というか予想すらしていなかった事実だった。妻が言う。『子供』の生命力ってスゴいのよー!!水都だって、も
頭の中が纏まらない。考え過ぎて、吐き気がする。使い過ぎたせいで頭も痛い。原因は分かっているのに、自分の頭?心?をまとめる術が見付からない。だが、何となく・・・本当に何となくだが・・・・白侶の言いたいことが、解ってきた気がする。被っていたフードで顔を覆われた。大きめ服だったから、顎まですっぽり覆われた。何があったかは画像の力を借りるとして────ぶっちゃけ、男としての力量差を見せ付けられた気分だった。あんな技があるなら、元カノに使っときゃ良かった。それから、幾つか解ったこと
自分は白侶の事を───本当の意味では何も知らないんだと、思い知らされた。どうしていつも、何も言わないの?いつの時代も、彼が一言言えば問題は解決に向かったと孝姫は言う。でも、白侶は言わなかった。言えなかった。それを弁明したのは私だ。誰よりも私という人間を傍で見てきた白侶は、それだけ私の事をよく知っている。私が「やっと手に入れた愛情」を壊したくない気持ちも。だから、言えなかった。言わなかった。みつの時と同じ。大事にし過ぎて、傷付けたくなくて。人一倍私の魂が欲しいくせに───
きっと、妻に出会う前の自分なら、消滅する時は「共に...」と、───彼を選んだだろう。昔の自分は、『守る』事をしなかったから。人生も、そういう生き方をしていた。妻に出会って、私は変わったと思う。今は、仮に消滅するときが来るとしても、大切な誰かを共に道連れにする選択は、私には、出来ない。私に『守る』ことの大切さを教えてくれたのは───妻だ。“みつ”の強大な力は、相手を打ち倒す事には長けていた。きっと、右に出られる者はいない。そんな“みつ”の力を使って生きていた私は、これま
「知りたくない」「聞きたくない」「見たくない」そう言って、頭ごなしに拒絶した。400年前に交わした【契約】。自分のは、覚えてる。一人にしないで...そばにいて...愛情を知らない6歳の子供が願う望みなんて、単純だ。“みつ”として生きていた時代の私は、親の愛が欲しかった。誰かに、愛して欲しかった。「私が傍にいます」と応えてくれた青年の声は、今でも覚えている。「自分が傍にいて、護る」と言ってくれた。あれから400年以上が経った現代(いま)でも、その声は傍らにある。前世