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年に一度の楽しみ夏休み旅行今年も奄美群島加計呂麻島先の戦争において戦場に出た高砂族の生還者から直接取材した記録集というものは、そうそう無いと思っているので、少し詳しめに一冊の本の紹介をしている。鈴木明著「高砂族に捧ぐ」の冒頭の場面は、昭和四十九年(1974年)の12月下旬のこと。長らく続いた高度経済成長に、石油ショックが衝撃を与えたのがその前年。著者は12月25日に品川のホテルで、マレーネ・ディートリッヒの「サヨナラ公演」のチケットをいただいて、「最後の『リリー・マル
先日亡くなった東野圭吾さんの遺作です。品薄でしばらく本屋の店頭から消えていましたが、ようやく読むことが出来ました。内海薫が刺された。犯人は70歳ほどの老人。飛び降り自殺を図るも失敗し、取り調べには黙秘を貫く。やがて内海に恨みを抱く若い娘が捜査線上に浮かぶが、老人との関係は不明。それどころか、内海への本当の復讐はこれからだった。彼女が迫った「究極の選択」とは一体――。一方、湯川と草薙は、老人の“ある持ち物”を手掛かりに、「忘れてはいけない謎」の扉を開く。(出版社紹介文より)
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第11話プリズムの亀裂キャンバスに置かれた「赤」は、乾くほどに黒ずみ、まるで生々しい傷口のようにアトリエの空気を支配していた。彩瀬紬の指先は、絵具と溶剤でひどく荒れていた。あの日、レオンの前で感情を爆発させて以来、彼女の視界は以前にも増して変容していた。かつては整然と「音」を「色」に翻訳していた彼女の脳内回路に、目に見えない亀裂が走り始めていたのだ。「……また、消えた」紬が筆を落とすと、床に虚しい音が響く。その「カタン
ブログ主です。当ブログへのご訪問ありがとうございます。先週前半、一時的に暑さが和らぎ過ごしやすい日が続いた。もちろん最高気温での比較で2~3℃程下がっただけだが、それだけでだいぶ過ごしやすかった。そしてその数日ふと気がつくとセミの鳴き声がぴたりと止んでいるのに気がついた。一匹も鳴いていなかったのだ。夏の終わりを告げるひぐらしさえ鳴いていなかった。どういう事だろうと思っていたら、金曜日頃からまた暑さがぶり返して猛暑日の日々セミの鳴き声も少し戻った。あれは何だったのだろう。
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第10話凍てつく筆致、透明な境界線季節は、誰に断ることもなく、冷淡にその色を変えていく。十一月の末、芸術大学のキャンパスを吹き抜ける風は、すでに冬の鋭利な刃を隠し持っていた。街路樹の銀杏は「焦燥感を含んだ黄金色」を歩道に撒き散らし、行き交う学生たちのコートの擦れる音は、紬の目には「寒々しい灰色のノイズ」となって映る。紬は、個人アトリエの暖房を切り、薄暗い部屋で一人、キャンバスに向き合っていた。水族館でのあの夜――レオンと「体温」
定年退職を翌日に控えた課長を、普通に送り出すはずだった6人。ところが駅前の小さな店で、一人が突然「送別会、やめない?」と言い出します。お世話になったからこそ、最後まで課長に頼りたくない。そんな6人の迷いと決断を描いた短編です。翌朝の欠席連絡へ、どうつながっていくのか。よかったら読んでみてください。👉「送別会、やめない?」定年前夜に6人が出した答え#短編小説#仕事小説#人間ドラマ#送別会#定年
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第9話深海に溶ける熱祭りのあとのキャンパスには、魂が抜けたような、ひどく虚脱した「薄灰色の静寂」が漂っていた。展示室の片隅で、レオンに抱きしめられたまま、紬はしばらく動くことができなかった。彼の腕の中から伝わる、早鐘のような鼓動。それは、これまで彼が「透明」という仮面の下に押し殺してきた、あまりにも人間らしく、切実な熱そのものだった。「……もう、大丈夫です。レオンさん」紬がそっと囁くと、レオンは我に返ったように彼女を離した
言葉の魔法:手紙で綴る人間ドラマ雨が降る午後、僕の元へと一通の手紙が届いた。封筒の角には、ずっと音信不通だった親友の名前が書かれていた。親友との最後の会話は、あれから数年前。何の前触れもなく姿を消し、僕は彼の消息を一切知らなかった。彼が何をしているのか、どこで暮らしているのかすらも。慎重に封筒を開けると、中から紙の音が聞こえた。言葉が紙に刻まれ、感情がその紙から伝わってくるようだった。彼の字は変わっていなかった。懐かしい字体が僕を彼の世界へと誘った。「親友へ」と始まる手紙には、彼がなぜ
書こうと思っていて忘れていました💦8月9日日曜日から8週連続BS12で映画版ガンダム放送してるの、知っていますよね?BS12「日曜アニメ劇場」でガンダム8作品を無料放送!8月・9月放送スケジュールまとめ–キャラホビBS12トゥエルビは、2026年8月9日より8週連続で劇場版『機動戦士ガンダム』シリーズ8作品を「日曜アニメ劇場」で無料放送します。『機動戦士ガンダムククルス・ドアンの島』は無料初放送です。BS12「日曜アニメ劇場」ガンダムシリーズ無premium.ga
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第8話氷解のプロローグその日の大学は、もはやキャンパスではなく、巨大な「色彩の狂乱」の坩堝と化していた。芸祭当日。校門をくぐった瞬間、紬は眩暈に襲われた。模擬店の客寄せの叫び声が「蛍光色の矢」となって空を飛び交い、屋外ステージから流れる重低音は「どろどろとした紫色の泥」となって足元を浸食していく。紬はヘッドホンの音量を最大にし、視界の端に映る刺激をシャットアウトしながら、自身の作品が展示されている第3展示室へと急いだ。(……大丈夫
ブログ主です。当ブログへのご訪問ありがとうございます。本日のブログタイトルですが、作品のタイトル名が長すぎて、著者名が記入できませんでした(笑)昨今ライトノベルなどを中心に、覚えるのも大変な程長いタイトル名の作品が増えてきました。理由としては①ネット小説投稿サイトに投稿される作品数が多くなり短いタイトルでは中身が伝わらず埋もれてしまうようになったため。②タイトルを見ただけで、あらすじを読まなくても、好みのジャンルかどうか判断できるようにするため。とか言われています。要
『失意のグルメ』う〜ん、マズイ!!大ヒットテレビドラマ、満を持しての劇場版!!忘れられない「マズイ料理」と、その料理にまつわる様々な人間ドラマを描く感動のオムニバスストーリー。
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第7話音のないオルゴール図書室の窓を叩く雨音は、紬の目には「不規則に飛び散るインクの黒」に見えていた。閉館時間を過ぎた放課後の図書室は、深い海の底のように静まり返っている。司書の許可を得て、特別に資料整理の手伝いという名目で残らせてもらった二人の間には、重苦しい沈黙が横たわっていた。棚に並ぶ古い本の背表紙が、わずかな残光を浴びて「焦燥感を含んだ深い茶色」の影を落としている。「……レオンさん」紬の声が、静寂を裂いて「淡い薄群
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第6話嘘の色彩、真実の体温アトリエの空気は、凍りついた鋭利なガラスの破片で満たされていた。紬の視界には、エレーナの放つ「コバルトブルー」の声が、幾重にも重なる薄氷のようにアトリエを侵食していくのが見える。その美しすぎる色の奥底に潜む、どろりとした「黒い執着」。それがレオンの心臓を直接掴み、絞り上げている。「……離れて、ください」レオンの繰り返す拒絶の声。それはもはや透明ではなかった。紬が愛した、あの澄み渡る「冬の朝の空気」は消え失せ、今は
半地下住宅に住むキム一家は全員失業中で、日々の暮らしに困窮していた。ある日、たまたま長男のギウ(チェ・ウシク)が家庭教師の面接のため、IT企業のCEOを務めるパク氏の豪邸を訪ね、兄に続いて妹のギジョン(パク・ソダム)もその家に足を踏み入れる。『母なる証明』などのポン・ジュノが監督を務め、第72回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した人間ドラマ。裕福な家族と貧しい家族の出会いから始まる物語を描く。
【ゆっくり解説】【追悼・東野圭吾】極上のミステリーと重厚な人間ドラマ。男が涙した「傑作ドラマ・映画」ベスト10【ゆっくり解説】【追悼・東野圭吾】極上のミステリーと重厚な人間ドラマ。男が涙した「傑作ドラマ・映画」ベスト10概要【緊急追悼】2026年7月23日に逝去された稀代のストーリーテラー・東野圭吾さん。数々の名作の中から、特に40〜60代の男性視聴者の胸を熱くし、涙を誘った傑作ドラマ・映画ベスト10を厳選して解説します。極上のミステリーと重厚な人間ドラマの軌跡を共に振り返りましょう。心よ
スパイダーマンブランニューデイを観てきました!長男が観たいと言ったのと、すでにお友達と観てきてすごく良かったという娘の感想を聞いたのもあって、家族で観に行って来ました平日でしたが、映画館のサイトからチケットを買った時にはもうだいぶ席が埋まっていてビックリ。映画は2時間25分とちょっと長かったのですが、良かったです!特別な力を持っているが故に生じるアイデンティティの模索や、愛する人たちを守るために孤独を選ばざるを得なかった過去。でもやはり人は1人では生きていけない。同じように特別な能力を
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第5話亀裂の予感、濁る白銀大学全体が、熱病に浮かされたような喧騒に包まれていた。秋に開催される「芸祭」を控え、キャンパスはどこを歩いても「暴力的なまでの極彩色」に溢れている。模擬店の看板を塗る学生たちの叫び声は「鮮血のような赤」となって飛び散り、広場でライブの練習をするバンドの音は「焼け付くような黄金色」の火花となって空を焦がしている。彩瀬紬は、その色彩の嵐から逃れるように、古いアトリエの片隅でイーゼルに向かっていた。(……ダメだ
SeriesScramble:SpecialEdition:10UnpublishedEpisodes(SeriesScramble~HumanArchives~Vol.1TheEccentricHallofFame)シリーズスクランブル番外編:未公開エピソード10選まだ書ききれなかった物語たちこれまで四十六冊の書籍を書いてきたが、それでもなお、書ききれなかったエピソードが数多く残っている。本書では番外編として第章まで十章まで綴ってきたが
最近急激にはまってる本。浜辺祐一著のノンフィクション、救命センターシリーズ~著者は救命センターの部長やってた人。今はとっくに定年してるかなー?て年齢だけど、現役時代に何冊も本を出してる。そのうちの下記2冊読んだ。※【訂正】→のち調べたら(69)で現役でした!すご「救命センターカンファレンス・ノート」「救命センターカルテの向こう側」おもしろい!語彙なんていらん!笑警察24時的な臨場感とか緊迫感もいいし(不謹慎なしってる!野次馬だもん)こんな感じ↓しかも読んだ2冊とも星4.
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第4話群青の深海、凪いだ祈りその場所は、大きなガラス一枚を隔てて、世界から切り離されていた。金曜日の夕暮れ。講義が予定より早く終わった紬は、レオンに誘われるまま、大学からバスで三十分ほどの距離にある水族館を訪れていた。閉館間際の館内は、騒がしい観光客の姿もまばらで、空気を満たしているのは、巨大な濾過装置が立てる低い唸りと、どこかから聞こえてくる「水の爆ぜる音」だけだった。(……静か。色が、刺さってこない)紬は、首にかけてい
ブログ主です。当ブログへのご訪問ありがとうございます。先日、大手リサイクルショップの時計コーナーを覗いていたら、紳士用時計のいくつかに企業から贈られたであろう永年勤続記念(勤続30周年とか・・)や退職記念の時計がごろごろ置かれているのに驚いた。こういう時計もリサイクルショップに売られたりするんだねぇ。また、時計に永年勤続記念とかの刻印がケース裏に刻まれていても平気で購入する人も居るんだ。まあケース裏に刻印だから他人に注目されないから問題ないという人も居るんだろうね。こういう記
ホテルマンの本音が分かる本・一流サービスという名の演芸ホテルの裏側は――映画よりドラマチック。いや、ほとんどカオス。本書は、フロント、清掃、コンシェルジュたちが直面する**“極限の現場”**を、リアルな目線で切り取った一冊です。酔っぱらいがロビーで転がる夜。突然のトラブル、不意の救急、そして想定外の連続――ここでは、何ひとつ予定通りに進みません。外国人グループの大騒ぎ。理不尽すぎるクレーム。深夜に訪れる、ワケありの人たち。それでも、現場は止まりません。
ベロッキオ大好き!にも関わらず…さいきんの諸作品、どれもこれも見逃している(泣)アホだねえ。映画が好き、ベロッキオが好き?なら、ちゃんと見ろよ。ボケが!いやだからさ、見たワケよ。この映画は。シアター・イメージフォーラム。バスに乗って、行ってきた。2015年作品。出た!おもしろ名作。演出上手い。それは、最初のカットからの…その、場所と人物の撮り方。謎と、設定の説明(会話)のバランス。あまりにその、演出が的確で、つまり、まったくダレるコトなくスピーディーに、とゆう。
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第3話鉛色の雨音、キャンバスの空白叩きつけるような雨は、世界を「鉛色のノイズ」で塗りつぶしていた。楠の木の下から逃げ出した二人が辿り着いたのは、旧講義棟の隅にある、今は使われていない古い素描室だった。埃を被った石膏像たちが、薄暗い部屋の隅で亡霊のように佇んでいる。「……ひどい雨になりましたね」レオンの声が、湿った空気の中に静かに溶け込む。その響きは、やはり無色だった。窓の外で荒れ狂う雨が、紬の目には「鋭利な銀色の針
昨日は作業所。無事に通所して完走できました🤗39℃という気温も考慮されて、エアコンのついた室内での解体作業。あまり攻略し甲斐のあるアイテムがなくて、大きな掛け時計や血圧計などを解体。ある利用者さんが、いつも、昼ごはん時や数回ある休憩のたびに、紙コップにスポドリを注いで、管理者や職員、利用者全員に配ってくれます。普段は積極的に、コミュニケーションの輪へ入るタイプではないけど、こうしてみんなに飲み物を配るのは、その人なりの気遣いなんでしょうね。もしかす
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第2話朝霧のスケッチ、予感の輪郭翌朝、キャンパスを包んでいたのは、湿り気を帯びた銀鼠色の霧だった。彩瀬紬は、いつもより三十分早く講義棟に足を踏み入れた。ヘッドホンからは、外部の音を打ち消すための微かなホワイトノイズが流れている。視界に入る学生たちの数はまだまばらだが、それでも彼らが発する朝の挨拶は、薄ら寒い「青白い光」や、まだ覚醒しきらない「濁った灰色」となって、霧の中に溶け込んでいる。(……昨日の人は、今日も来るだろうか)
HeiseiSalesman:AdriftintheChaosofSales:HeiseiSurvivalMemoir『平成営業マン混沌物語・サバイバル回想録』英文翻訳版第十弾の日本語タイトルは、『平成営業マン混沌物語・サバイバル回想録』です。本書は、先に出版した『昭和営業マン残酷物語』の時系列的な続編でもあります。海外では2巻セットとして読まれ、特にイタリアやインドからの反響が目立ちました。現在では大企業へと成長した上場企業であっても、光が強ければ
『透明な君に、愛の色を塗るまで』第1話群青色の静寂、透明な風世界は、あまりにも騒がしく、そしてひどく汚れていた。彩瀬紬(あやせつむぎ)にとって、芸術大学のキャンパスは戦場に等しい。講義棟の廊下を歩けば、すれ違う学生たちの話し声が、鋭い棘を持った「赤」や、粘りつくような不快な「泥色」となって空中に溢れ出す。「ねえ、昨日の課題やった?」女子学生のその声は、表面上は親しげだが、紬の目には濁った「毒々しいピンク色」の飛沫に見える。それは羨望と、少しの蔑み。言葉の裏側に
ブログ主です。当ブログへのご訪問ありがとうございます。先週の月曜日、ミステリー好きの読書家を悲しませるニュースが流れた。7月23日、ミステリー作家の東野圭吾さんが大腸がんにより68歳で亡くなったと東野さんと言えば、『白夜行』、『容疑者Xの献身』のガリレオシリーズ、や『新参者』『麒麟の翼』などの加賀恭一郎シリーズ、などの数多くのミステリー作品で読者を楽しませてきた。かくゆう私もその一人だ。そんな氏が68歳という若さで亡くなった事が本当にショックだ。もっともっと彼の作品を読