犬塚稔は怒っておりますよ(犬塚稔『映画は陽炎の如く』草思社2002.1)。事の起こりは勝新太郎から新たな座頭市の脚本を依頼され脱稿したのに映画の話が立ち消えてしまい書いた脚本の原稿料が未払いのままだというのです。本の執筆時に100歳になんなんとする犬塚の、(そりゃあそうですよね、長谷川一夫が昭和2年に『稚児の剣法』でデビューしたその映画を監督したんですもんね、)まさに吠えに吠えた奮戦の記ですが、何かの折に直接勝にそのことを突きつける場面があって、そこでの勝新太郎は犬塚の(それこそ『稚児の剣法』と