世の中には「理由なき殺人」というものがある。殺害する相手への怨恨とか、怒りとか、金品強奪とか、愛憎のもつれとか、そういう明確な動機がない殺人。ごく希に「人を殺してみたかった」「殺すのは誰でもよかった」というような理由で殺人を犯す人間がいるが、そういう人が犯す殺人は、まさに「理由なき殺人」と呼んでいいのではないか。人間は常に理由を求める生き物だから、そんな理由で殺人が行われることに大きな不安を感じる。だから、そういう犯人には大きな怒りを感じて、非難する気持ちもより大きなものになる。殺人の理由を「恨