夜明け前を観た。劇団民藝が大きく関わっているため、政治的主張が色濃い、文豪島崎藤村の名作映画化は、同録時、カメラ内フィルム送りモーターの轟音をマイクが拾っているのが時々あからさまに聞こえる。しかし、技術的な欠点は作品の質とは無関係。滝沢修演じる主人公青山半蔵の、貧困や無知・制度との格闘を、吉村公三郎は台詞を噛みしめるように映し取る。父親の行く末を案じる娘役乙羽信子の存在感凄い。滝沢の発狂ぶりはさすが名優だが、スリラーの様な劇伴と共に少々オーバーか。ミヤテンこと宮島義勇のカメラは、長尺の展開を正確