こんな感じで調子に乗って、その人の分限を超えて驕る世の中になって四民は困窮することになる。特に百姓たちは金銀が乏しくなりやすく、近年では娘一人持っても娘を嫁に出すのに、分限不相応の物が入ることが多い。その詳細は三十四五年巳前までは、その田舎では有名な百姓、名主、年寄に至るまで、娘を嫁に出すのにつづらを一つ馬の背に載せて、毛氈に紫の布団、衣類も上着一つで、やり取りをして、送り迎えも馬でやっていた。そのせいでその度に五両三両と金がかかり、十両も金がかかる婚礼は人の目を驚かせたが、いつの間にかそのあた