なんだ、えらく感動しちゃうじゃないか。色褪せた、いや、それどころかまるで白黒の世界を生きているような、覇気のない主人公の弥生。それはそうだろうな、小さいときに親に捨てられ、施設で育ち高校卒業と同時に施設をでて、病院に勤めながら准看護師の資格をとる。その後はひたすらこの職を失わないように人に逆らわないように生き続ける。職を変えることはできない。この病院をやめたら次の居住の保証人が誰もいないから。でも新しい看護師長さんが来て、自分を親身に思ってくれる患者さんができて、あたかもしおれた花が立ち上がり、