ブログ記事7件
うた209日経歌壇穂村弘・三枝昴三選20181117(Sat)◇夜という詩に読点を打つように貨物列車が短く叫ぶ下野海老原愛子「夜」が「詩」で「貨物列車」が「読点」という発想が魅力的。(ほむら)「句点。」「読点(とうてん)、」◇むらさきの夕闇のなか天使との秘密のじゃんけんして帰宅する仙台山上秋恵謎めいた「むらさき」と「秘密」が響き合っている。「天使」との「じゃんけん」で勝ったらどうなるんだろう。(ほむら)
うた206日経歌壇穂村弘・三枝昴三選遊び仲間皆未亡人私だけ家路に急ぐを同情される20180908(Sat)◆ペルソナの筈がいつしか本物の顔になったかもう剥ぎ取れぬ筑紫野二宮正博外向きに装ったはずの顔。「もう剥ぎ取れぬ」が人生的共感を呼ぶ(さえぐさ)。注:ペルソナ(persona(ラテン語)仮面、役割の意味)=①人、人格、②キリスト教で、三位一体で用いられる概念。本質において唯一の神が父と子と聖霊という三つの存在様式を持つことを意味する。③美
うた205日経歌壇穂村弘・三枝昴三選20180825(Sat)◆煩悩が炎暑を歩く身体は邪魔だし精神は蒸発した東京佐伊藤哲生「炎暑」の表現が凄すぎて笑ってしまった(ほむら)。◇(辞めてきた)力なく笑う君のため入道雲を布団に詰める名古屋枝豆みどり「入道雲を布団に詰める」がいい。励ましと慰めと癒しの表現なのだろう(ほむら)。「枝豆みどり」さんって本名なのだろうか、雅号なのだろうか。「1Q84」に「青豆」という主人公の女暗殺者がいた
うた202日経歌壇穂村弘・三枝昴三選20180728(Sat)◇内定にフライングしてルールなど構わず始まる新社会人東京野上卓ルール無視からスタートする新社会人への危惧を込めた「フライイング」は効果的。(さえぐさ)◇喜寿迎えここまで来たかの感慨も遠ざかりゆく一〇〇年時代湖西菅沼貞夫◇そういえばわたしも「喜寿」なんだげどだれもわたしに「敬語」を使わないなあ。横浜greenlight2017さんさすがは「喜寿」、gree
うた201日経歌壇穂村弘・三枝昴三選20180714(Sat)◇やれることとやりたいことが年毎に離れていって喜寿が近づく東京小沼常子◇後期高齢者のお墨付いただきぬこの印籠をいかに使はむ下野川中とよ子◆笑み浮かべ版門店に来る人に兄殺しやと問ふ人あらず千葉冨野光太郎ExpertssaythechemicalnerveagentusedyoinjuredSkripalandhisdaughterisu
うた199日経歌壇穂村弘・三枝昴三選20180623(Sat)◇絆創膏買う人はみな見たところ傷がどこかはわからないけど大津田村囲そういえばそうかもしれない。むしろ「絆創膏」を貼ることによって、そこに「傷」があることがわかるのだ。(ほむら)◇歯を治すことの辛さよ。九十二歳ままよ冥途の歯医者にかかろうつくば潮田覚「ままよ」の語が生きている。(ほむら)近頃、テレビでの旅のルポ。辺境の地の高齢者もみんな、やや不自然で、完璧な、人工的
うた192日経歌壇穂村・三枝選20180428(Sat)◆戯れに愚かなる生きる振りをしてそれがそのまま人生となる筑紫野二宮正博◇気がつけば受信トレイを開けているわたhしはどうやら寂しいらしい川崎上田則子◇時間とはをんなのこゑにふりつもる光を消してゆくものと知る東京本田真弓◇夢の演出過剰なり木造じゃないのに木造になっていた母校甲府村田一弘