「この糞野郎は嘘を口から離したことがねえ。依頼も前金も金貨も使いも全部嘘だ。こんな奴の正体を調べると思うと頭痛くなるな。でも手掛かりが全然ないわけではねえよ、まずお前は爺さんの依頼人の中にパウルという名がないのを分かっていたことだし次では11区にあるという、デボラも知ってるカフェの名に反応したことだ。パウルは11区のルイゼ街に住んでいた。そしてデボラが言ったカフェの常得意だったんだろう。つまりお前はパウルに本当に会ったか、違うなら少なくともパウルが爺さんに助けを求めて身を隠した経緯を知っていた。