ブログ記事5件
以前ご紹介した「格安DVDセット」の古い映画もぼちぼち観進めている中で、聞いたこともなかったのに観てみたらめちゃくちゃ面白かった1本に出会いました。マックス・オフュルス監督、ジェームズ・メイスン、ジョーン・ベネット主演の「無謀な瞬間」。コスミック出版「サスペンス映画コレクション」の「名優が演じる犯罪の世界」に収録されています。自分はオフュルス監督も知らず、本作の存在も知らなかったわけですが、観終わった後検索してみたら結構な高評価で、割とたくさんの人が古い映画を観て面白いと感じているのだな、と
1937年、マックス・オフュルス監督。英語題は、”Yoshiwara"。オフュルスはやっぱりいいなあ。言い忘れていたかもしれないが、マックス・オフュルスは、1902年生まれで、彼もまた、ドイツのユダヤ系の家系に生まれており、ラインハルト門下として役者や舞台監督の経験がある人である。映画のキャリアは、1930年代の始めにアナトール・リトヴァク監督の助監督を経験することから始まり、1933年頃、彼はフランスへ移って、1941年には、更に米国へ移り、1954年にドイツに戻り、1957年に54
1948年、マックス・オヒュルス監督。原題は、”LetterFromanUnknownWoman"。中田秀夫監督の古今東西ベストワンは、この映画だそうである。その気持ちはわかる。ところで、前に「ゲアトルーズ」のところで、これを取り去ると映画でなくなるとして、以下の三つをあげた。1.女主人公を映画の最後で一挙に老けさせる(同じ役者のまま)2.官能に身を任す女を官能的なシーンなしで演出する3.映画の最初とクライマックスで、女主人公の夫に「ゲアトルーズ!ゲアトルーズ!」と反復させ
いまでも、ジョナス・メカスの『メカスの映画日記』をパラパラと読むことがある。1959年~1971年の映画に関する日記。同時代に同時代の映画は評価できないと書いたが、メカスは別だ。商業映画をこの時代にこれだけ評価できていたのは本当に驚くべきことだと思う。一番最初の年である1959年に出てくる商業映画の一部を拾ってみる。マックス・オフュルスの『歴史は女で作られる』黒澤明の『酔いどれ天使』ジャン・ルノワールの『草の上の昼食』『ゲームの規則』ルイス・ブニュエルの『若い娘』ジョン・ヒュースト
1936年、ジャン・ルノワール監督。『ピクニック』は、僅か40分ほどの映画だけれど、いうまでもなく、人類の歴史が手にしたもっとも美しく官能的なものの一つだと思う。窓を塞いでいる木の扉を開けると、その窓の向こうにブランコを漕ぐ女性がいきなり見える。ただ、それだけで映画になるのだ。僕が持っているDVDは、山田宏一さんが監修している。思えば、ジャン・ルノワールのことを始めて知ったのは、山田宏一さんのあの美しい『友よ映画よ』を読んだのが最初だ。その本には、ジョナス・メカスがルノワールについて書いた次