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「空に浮かぶ密室」著者:トム・ミード出版社:ハヤカワポケットミステリ(2025/11/06)奇術師ジョセフ・スペクターを探偵役とするシリーズ第2作です。第1作『死と奇術師』は、袋綴じの解決編という仕掛けで話題となりました。舞台は1938年のロンドン、銀行支配人のドミニクが観覧車のゴンドラ内で射殺されます。容疑者となった妻カーラの弁護士イブズは、独自に捜査を開始しますが、彼が観ていた奇術ショーの最中、第2の密室殺人が発生します。さらに楽屋で第3の密室殺人が起き、ついに
復讐の岐路(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)ニューヨーク市警内務調査官の刑事マクニールは、自殺して処理された妻の死に不審の念を抱く。ジャーナリストであった妻は生前に調べていたことに関係あるとマクニールは調べはじめるのだが、それは法を守る警官としての自身のアイデンティティに向き合うこととなる…。〈ジョン・マクニール〉シリーズの1作目。や、シリーズものとは知って読んだのですが「つづく」で終わるようなものとは思っていなかったので意表をつかれました(笑)。主人公のマ
鎖された声(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)2年前に行方不明になった少女エリーが保護される。当時、捜査を担当した警官のチェルシーは、監禁され虐待を受けていたと思しきエリーから事情聴取を行うが、エリーは詳しいことを話そうとせず…。保護されたエリーは、監禁や虐待を受けていたと思われます。しかし、エリーによる語りの部分では、その想像を絶するような2年間について描かれているものの、エリー自身はそのことを口にしようとしないのは何故なのか。傷ついた心を守るためなのか、そ
暗殺依存症(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)その名を聞いただけで震えあがり戦意を喪失してしまう、幻とも言われていた凄腕の暗殺者であるマーク。不殺の誓いを立てて自身の「殺しの依存症」を治療すべく、自助グループに入り次のステップに移ろうとしていたところ、何者かに襲われる…。殺し屋が人を殺すことを「依存症」としてとらえる設定がまず面白いですよね。主人公のマークはペールホース(蒼白い馬)と呼ばれる暗殺者ですが、ある出来事から足を洗い、師匠であり友人であるメンターの元で
6月の読書メーター読んだ本の数:8読んだページ数:3144ナイス数:257マルタの鷹【新訳版】(創元推理文庫)の感想読書会前に会場に向かう新幹線の中で再読。新訳で物語の構図、輪郭が分かりやすくなり、登場人物それぞれについても深く考えることができました。とはいえ全てが分かったとは言えないのはやはり自分の理解力の無さのせいでしょうか(笑)。ラストももしかして嘘ばかりで真実はいかに、とかだったらどうしようとかも思いました。読了日:06月28日著者:ダシール・ハメット血の収穫【新訳版】
車椅子探偵の幸運な日々(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)うん、やっぱりこの作品、好きだなぁ。今年の2月に本書を課題書にした(オンライン)読書会に参加させてもらうにあたり再読、いい作品だと、あらためて実感しました。↓初読時の感想はこちら『『車椅子探偵の幸運な日々』ウィル・リーチ』車椅子探偵の幸運な日々(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)朝食後にはポーチに出て外の空気を吸うのが日課であるダニエル。その際によく見かけて…amebl
特捜部Qシリーズの映画版を第4作まで見ました。順番に「檻の中の女」、「キジ殺し」、「Pからのメッセージ」、「カルテ番号64」までです。10巻で完結予定の小説の方は、大団円寸前の第9作「カールの罪状」まで出版されています。シリーズの結末を早く読みたい!という切なる願いはいつかなえられるのでしょうか。本国デンマークでは既に出版されているので、そんなに待たされることはないと思っているのですが、早川書房さん、ぜひぜひよろしくお願いします。さて、映画版、北欧の暗い街並みと美しい風景、北欧らしい小
昼過ぎに神保町に到着!今日は、古本を探してまわろうというつもりはなく、いつも立ち寄る場所をざっと見て、食事をしたら早々に撤収するつもりだった。ということで、さっそくキッチン南海へ‼店の角をまわり込んで立ち並ぶ順番待ちの人々。向かいの神保町会館の建物には、SFやミステリー、幻想文学などを扱う羊頭書房が入っているが、今日はお休みだったか?キッチン南海では店の外でオーダーをとっている!2024年を締めくくる今日は、久しぶりにひ
聖夜の嘘(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)クリスマス間近、司書のジェニファーが殺され、交際相手のトラヴィスが殺害したとして逮捕される。本人も犯行を認めているが、二人の交際する姿を知る弁護人のヴィクトリアは違和感を覚え、大学教授のキャメロンに調査を依頼する。なんといってもアンドリュー・クラヴァンの新作、それも本当に最近の作品が読める日がくるとは。もうそれだけで嬉しかったりして(笑)。事件について語られる雰囲気はどこか暗鬱としている雰囲気で
喪服の似合う少女(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)私立探偵の劉雅弦の元に富豪の令嬢である葛令儀が訪れる。行方が分からなくなった学友の岑樹萱を探して欲しいとの依頼を受けた劉は樹萱の足取りを追うと、樹萱の映画館を経営していた父も借金を抱え行方が分からなくなっていた。さらに劉の前には調査を妨害する者も現れ…。1930年代の中国の架空の都市を舞台にした探偵小説。謎解きミステリでは無く、地に足がついたようなハードボイルドの王道をいくような物語なんですが、主人公の探偵が
両京十五日2:天命(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)後半に入り、待ち受ける更なる苦難。希望が見えたかに思えた後に、大きな苦境に陥る一行。果たして打開策は?!いやもう、これでもかというぐらい見せ場たっぷり。エンタメってこういう事よねー、なんて、思わずニマニマしちゃいます。特に終盤に入ってからの怒濤の展開には目が離せず、まさに手に汗握りながら読み進めました。そんな中でも、絶望的な状況で見せた呉定縁の脱出劇には、不謹慎にも程があると、思わず声に出して笑
両京十五日1凶兆(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)明朝時代、1425年。遷都を図る父皇の命により南京に赴いた皇太子、朱瞻基が乗っていた船が爆破されるも、何者かに命を狙われている事を悟った朱瞻基は、更に父皇の命も危ないと知る。誰も信用できないという状況の中、朱瞻基は、下級役人の于謙、捕吏の呉定縁、女医の蘇荊渓と共に、15日という短い期限の中で北京を目指す…!国家転覆の危機に、南京から北京へと向かう皇太子一同の旅路が描かれる中国冒険小説。一難去ってまた一難、
車椅子探偵の幸運な日々(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)朝食後にはポーチに出て外の空気を吸うのが日課であるダニエル。その際によく見かけていた通りを歩いている若い女性が、ある日、古いカマロに乗るのを目撃した以降、彼女が行方不明になっているのを知る。ダニエルは彼女の目撃情報をネット上の掲示板に寄せるのだが、その直後に何者かからの脅迫を受け…。主人公のダニエルは進行性の難病、脊髄性筋萎縮症(SMA)を患っています。唸り声しか発せないのでipadの読み上げ機能で
『両京十五日Ⅱ天命』馬伯庸朱瞻基は、白蓮教徒にさらわれた呉定縁の救出に向かう。于謙は、北京の情勢について対策を練るべく朱瞻基の叔父張泉との合流地点へ単身向かう。呉定縁は、白蓮教徒の仏母から自らの出生の秘密を明かされる。蘇荊渓は、常に控えめながらここぞという時に的確に一行を導くが、心の内に秘める思いがある。四者四様、それぞれ苦難に満ちた旅路。十五日にわたる過酷な日々の終着点は、北京紫禁城。そこで待ち受ける陰謀の真の姿と、壮絶な闘いの結末はいかに。怒涛の後編。前編では朱瞻基
『両京十五日Ⅰ凶兆』馬伯庸時は明王朝の中国。皇太子朱瞻基は、北京から南京へ向かう船上にいた。南京への遷都を計画する皇帝の命を受け、ひと足先に南京に入り新都の足固めをするためだ。しかし南京に到着した途端、朱瞻基の乗った船が爆発炎上。辛うじて難を逃れた朱瞻基だが、その後も次々と命を狙われる。さらに北京に残る父帝や母后にも危機が迫っていることを知った朱瞻基は、敵の目をかいくぐり南京を脱出。北京を目指すことに。敵の蜂起まで残された時間は15日。窮地の中で出会った仲間と共に、1000
先日のカーの古い訳文に閉口したので、以前書いたこの記事を思い出しました。私は40年以上同じ本を持ち続けていますし、しかもその本が、高校生の頃に古本屋で買った物であることが多いわけですからさらに混乱に拍車がかかることになります。クイーンやカーは新訳がたくさん出ていますが、読みたい気もしますし、これ以上同じ本で本棚の場所を取るのはあまりに馬鹿馬鹿しいきまします🤣
特捜部Q―カールの罪状―(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)デンマークの警察小説、未解決事件を扱う特捜班〈特捜部Q〉シリーズ9作目。カールは幸せな生活を掴み、アサドの過酷な状況から脱出し、ローセも絶好調、ゴードンも変わらずで、Qのメンバーが揃っていて、なんだかかつての日常が戻っているかのような様子が嬉しかったですね。アサドの慣用句のような諺のようなジョークのようなラクダへの喩え。毒舌も絶好調なローセの辛辣な受け答え。お調子者でヘタレなゴードン。そしてそん
木曜殺人クラブ逸れた銃弾(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)引退者のための高級施設クーパーズ・チェイス。そこでは毎週木曜に過去の未解決事件について話し合う4人が。4人は人気TV番組に出演していたアシスタントが、あるスクープを追っている最中に崖から車で落ちて死亡したとされる事件の真相を巡って調査に乗り出すのだけれど…。〈木曜殺人クラブ〉シリーズ3作目も絶好調!今回は未解決事件の調査に乗り出したエリザベスが、何者かに脅迫を受けるという事態も並行して描かれてい
渇きの地(HAYAKAWAPOCKETMYSTERYBOOKSNo.1995)Amazon(アマゾン)オーストラリア内陸の田舎町にて、牧師が教会の前で地元住人5人を銃殺、その場で警官に射殺されるというショッキングな事件が起きる。その1年後、記者のマーティンは田舎町の現状を取材に訪れる。そこでマーティンは牧師を擁護するような言葉を地元住民たちから聞くと共に、町外れに住む男から住人たちの言葉を信じるなとの警告を受ける。読み始めてすぐに「あ、これ好きなやつ」との印象を
父親たちにまつわる疑問(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}〈アルバート・サムソン〉シリーズ9作目。待望の新作という事で、読んでしまうのが勿体なかったです。実際、昨年刊行されてから読むまで随分と寝かせてしまいました(笑)。さて、今回は中編4作による連作集という形。サムスンの元に奇妙な依頼人が。その青年は、自分は宇宙人とのハーフであると明かします。そして依頼は無くなった石を探して欲しいというもので、その
皆さんはハヤカワポケットミステリなるものをご存知かしら?ミステリーファンならもちろん知ってるよね。文庫本より少し大きめ、というか細長くて(183㎜×106㎜)本の周りが黄色(天地、小口部分)の翻訳ミステリー小説だ。私は洋画や小説、お酒や音楽、ファッション、絵画など、娯楽的なものは父や伯母の影響を大きく受けて育ったの。あの姉弟、今思い返してもかなりセンスよかったのよ。(母や祖母からは食関係を教えてもらいました。)それらは人生に彩りを与えてくれるものだから、おかげで私も色々
第63回東京名物神田古本まつり-BOOKTOWNじんぼうjimbou.info神田古本まつりの初日を覗いてきた。極力買わないようにするつもりだったのだけれど……(^^;10:45に現着(神保町交差点)。いったん靖国通りを九段下方面へ歩きかけるが、あわてて引き返して、“さぼうる2”開店待ちの列に並ぶ。私で10番目だった。ナポリタンとアイスコーヒーのセット(今日は平日)で早めのランチを済ませ、改めて九段下方面へ歩きながら、街路に並ぶ平台や棚を
眼を開く私立探偵アルバート・サムスン(ハヤカワ・ポケット・ミステリ1792)Amazon(アマゾン)〈私立探偵アルバート・サムスン〉シリーズ8作目。呆然としたラストの前作から13年ぶりに新作が出た時には狂喜乱舞した覚えがあります(笑)。なにせ前作の終わり方が終わり方だったので、果たしてサムスンはどうなったのか気になってしょうがなかったですし、このままシリーズ終了かとやきもきしていたものです。さて、待ちに待った本作ですが、作中でも時が流れており、私立探偵の免許をよ
豹の呼ぶ声(ハヤカワ・ミステリ文庫リ2-11)Amazon(アマゾン)〈私立探偵アルバート・サムスン〉シリーズ7作目。再読ですが、やはりなんと言ってもこのラストですよね~。読み終えて呆然というか、この先はどうなるのだろうと初めて読んだ時はショックというか、放心した覚えがあります。さて、今回サムスンは、インディアナポリス市内で起きている爆弾事件に巻き込まれる事になります。ただし、爆弾事件とはいっても、どれも犯行グループ〈アウトロウ戦線〉によって爆弾が置かれている場
これまた何度目かの再読となる、私立探偵〈アルバート・サムスン〉シリーズ6作目。銀行家の妻の出生証明書が偽造されたものだったことから、その理由を調査して欲しいとの依頼を受けるサムスン。サムスンが調査を進めたところ、それは過去の悲劇を呼び覚まし、やるせない真実と現実を浮かび上がらせます。その様子は、時にユーモア溢れる語り口でもって、緻密なプロットで描かれています。そんな中で印象に残るのは、サムスン自身の生き方そのものとも言える正義感や倫理観で、それはやはり〈美学〉として憧れるものが。
木曜殺人クラブ二度死んだ男(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)1,301〜5,210円未解決事件の調査をして暇をつぶす老人グループの活躍を描く〈木曜殺人クラブ〉シリーズ2作目。今回はエリザベスが元夫のダクラスから、米国マフィアから高額のダイヤを盗んだと疑われていると助けを求めるという、普通のおばあちゃんには手に負えないような事件ですが、それについては前作を読んでいる方には疑問に思わない事でしょう(笑)。とにかくユーモアたっぷりの語り口に、前作以上に
真珠湾の冬(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)1,980円1941年ハワイ、ホノルル。アメリカ陸軍上がりの刑事ジョー・マグレディは、白人男性と日本人女性が惨殺された事件の捜査を始める。手掛かりを追ううちに、容疑者がマニラ・香港方面に向かったことを突き止めた彼はそれを追うが、折しも真珠湾を日本軍が攻撃。太平洋戦争が勃発、陥落した香港で日本軍に捕らえられてしまう・・・。これは良き!大作ですが、読んでいる間はまるで日本の冒険小説を読んでいるのかと勘違い
祖父の祈り(HAYAKAWAPOCKETMYSTERYBOOKSNo.1)Amazon(アマゾン)1,800〜4,400円ウイルスのパンデミックにより、治安は悪化し物資も乏しく荒廃した世界。アメリカのある町に暮らす老人は、悪質な犯罪と公権力の横暴に脅かされながらも、娘や孫と懸命に日々を送っていた…。政府が機能しているのかどうかも分からない世界で、住居もなく配給に頼り、娘と孫と、時には盗みを働きながら、ただ生きるための生活を送る老人。パンデミック