ブログ記事44件
数十年前に中国中部の川の土手から出土した損傷の激しい人類頭蓋骨が、人類進化の系統樹を揺るがすかもしれない、と一部メディアが報じた。潰れた鄖県2号はデニーソヴァ人の初期祖先押しつぶされた状態のこの頭蓋(鄖県2号=写真)は、デジタル技術を駆使した科学者によって復元された。年代は100万年前とみられ、複数の特徴からドラゴンマン(竜人:ホモ・ロンギ)、及びデニーソヴァ人と呼ばれる人類と同系統に属することが示唆される(鄖県2号の復元想像図)。デニーソヴァ人は最近発見され
これまで、アフリカではホモ・エレクトスからホモ・ハイデルベルゲンシスという新しい人類が誕生し、その中でヨーロッパに渡ったグループからネアンデルタール人が生まれ、アフリカに残ったグループの中からホモ・サピエンスが誕生したと考えられてきました。このホモ・ハイデルベルゲンシス、ネアンデルタール人、ホモ・サピエンスの3者の関係は、2016年にスペイン北部にあるシマ・デ・ロス・ウエソス洞窟(スペイン語で「骨の穴」という意味の名)から発見された化石のDNA分析が成功したことによって大きく変わることにな
ヨーロッパの初期ヒト族の化石の発見は、これまでイベリア半島に限られていて、アフリカにほど近いジブラルタル海峡周辺からアフリカのヒト族がヨーロッパに植民したと考えられている。140万~110万年前のヒト族中顔部発見その古いヒト族は、スペイン北部、アタプエルカ山中のシマ・デル・エレファンテ(ゾウの洞窟)TE9層で2007年に下顎骨の一部と数本の歯が見つかり、これが最古とされていた。それ以前の1994年にに見つかっていた同じアタプエルカのグラン・ドリナ洞窟TD6層(写真)の頭蓋がホモ・ア
150万年前にホミニン(ヒト族)が大型動物の骨から道具を作っていたとする研究結果が、イギリスの科学週刊誌『ネイチャー』2025年3月6日号で発表された。150万年前には獣骨も道具素材として認識報告したのは、スペイン、歴史研究所のイグナチオ・デ・ラ・トーレ、フランス、ボルドー大のフランチェスコ・デリコ(写真=研究室で)ら国際研究チームだ。これまでホミニンの最古の石器はケニア・西トゥルカナのロメクウィで発見された330万年前のものだった(写真、2011年の発掘)。だがホ
『人類の起源と進化』第2回「原人」(サルからヒトへ)(200~100万年前)(原人)ホモ属は私たちサピエンス種(猿人のサルに対してのヒト)が属するグループになります。ヒトとサルの違いは何でしょう。かつては道具を使うことがヒトであると考えられてきましたが、チンパンジーは棒を使って食べ物をほじくり出します。近年、石器を使うことがひとつの基準となりました。しかし、確実な判断基準は脳容量です。実際に、およそ200万年前になると、それまでのアウストラロピテクス属よりも大きな脳容量を
これまで同一に近い年代から化石骨が発見されたことにより、同時・同所的に共存していたことが明らかになってたホモ・エレクトスとパラントロプス・ボイセイが、おそらく数時間内の同一日に同じ湖畔のぬかるみを歩いていたらしいことが判明した(写真=左はパラントロプス・ボイセイ、右はホモ・エレクトス)。真っ直ぐに歩いた足跡と3個体のばらばらに孤立した足跡化石米チャタム大学の古人類学者ケビン・ハタラ博士とハーヴァード大のニール・ローチ博士らが、ケニア、クービ・フォラで発見された2つのヒ
ヒトの生活史は、大型類人猿と異なり、未熟な期間が長くなる特徴がある。その間、脳と身体の成長率に差が生じる。ヒトは離乳後に栄養的に自立できる前の未熟な期間が長くなるが、その間、親の世話を受けつつ、社会的学習のための十分な機会が与えられることになる。一方で脳は成長を続ける。社会的に複雑な環境下で十分な認知能力を獲得するために不可欠だと考えられている。アファレンシスのディキカ幼体で出生後に脳成長が遅延化この特別な成長様式がいつ、どのように進化したかについての重要な情報は、歯の発達が生活史の
イギリス考古学情報heritagedailyチェコ科学アカデミーの新しい年代測定法を使った研究で、最初の人類がヨーロッパに来たのは140万年前だったことがわかりましたこれは、ウクライナとルーマニア、ハンガリーの国境に近い現在のザカルパッチャ州(トランスカルパティア)のコロレヴォの町の近くで発掘された原始的な石器の分析に基づいています。石器は絶滅した古代人類であるホモ・エレクトスによって作られたものですこの研究では、数学モデリングの最近の進歩と宇宙線生成核種を使った応用埋葬年代測定法を
世界中の古人類学者が、SNSに投稿されたある写真に飛びついた。トルコの風呂の床のタイルに、古人類の下顎の骨が埋め込まれていたという報だ。投稿者は、匿名のトルコの歯科医。歯科医だけに、風呂のタイルの模様のような化石を見た時、一目でヒト族の顎の骨だと分かったという(写真)。炭酸カルシウムが沈着したトラバーチンの形成の過程で紛れ込んだかタイルの石材は、トラバーチンという石灰岩の一種だ。トラバーチンが、タイル用に切断されて顎の骨の断面が床のタイルになった。トラバーチン
最近、AIバブルによる株価の上昇などでチャットGPTその他の生成AIが注目されていますが、消費電力が非常に多いらしいです。AIによる環境負荷は想定以上?一国の消費電力を超えてしまうかもAIの普及に比例して、その環境負荷を訴える声も大きくなってきました。AIが莫大なエネルギーを必要とするのは明らかですが、想定よりももっとエネルギー喰いかもしれないという最新調査が公開されました。国1つ分のエネルギーを消費しちゃうかもしれないなんて…。AIとエネルギーについての論文が科学誌Jouleで公開
どの教科書でも、「日本文化のあけぼの」的な内容から始まっていると思う。最初に見たときは、「え?日本史なんだけど?」そう思いました。日本史なのに、アフリカの原人の話から始まるんだ…って。まぁ、いきなりポンと日本列島に日本人が降って湧いたんじゃないもんね。そりゃーそうだ。中学でやったけどな…とも思ったけどさ…。でも、人間が日本列島にやってきた記述は、少ないよね。山川出版社の『日本史探究(詳説日本史)』には、「アフリカ大陸で生まれた新人が東アジアに到達したのは
アフリカの熱帯雨林に、我々に最も近縁な類人猿が棲む。チンパンジーである。ただしチンパンジーほど知名度は高くはないが、実はもう1種、ヒトに近い類人猿がアフリカの熱帯雨林帯で暮らす。ボノボ、だ(写真)。コンゴ川以南の熱帯雨林に住むボノボボノボがチンパンジーほど知られていないのは、その生息域がコンゴ川以南のコンゴ民主共和国内の熱帯雨林に限られるからだ。一方、チンパンジーは、東アフリカから中央アフリカの熱帯雨林帯はもとより、さらに西方の西アフリカにまで生息域は広がっている。ヒト
ケニア、トゥルカナ湖東岸で1970年にメアリー・リーキーに発見され、詳しい研究がなされないままケニア国立博物館に眠っていた約145万年前のヒトの左脛骨骨幹部(KNM-ER741)に、アメリカの女性研究者らが石器のカットマーク(切り傷)を検出し、この頃のヒト族に人肉食が行われていたことが分かった。研究結果は、2023年6月26日付で科学誌「ScientificReports」に発表された。約145万年前のKNM-ER741脛骨スミソニアン国立自然史博物館の古人類学者ブリア
Aが聲を潜めて謂う歩幅は狭く着地はつま先から抜き足差し足で歩くのがエエらしいでへ?昨日まで大股で速く歩くのがエエんやでって言ってたやん・・Aが牙をむき出して獰笑する意見が変わるのは「進歩」やホントかよ・・転々流転メモ§012生病老死は苦なのか?■貪瞋痴オラの場合「慾」なんだらうなぁ「もっともっと」はNGモードなんだよな・・・でも、こんな煩悩まみれのオラに節度を求められても・・ねェ■毒を以て毒を制すたとえば、想像力で三毒に対抗すると云ふ作
これまでは数百万年前レベルのホミニンの展示だった。各年代段階のホミニン化石が揃っているエチオピアだが、ケニアに一歩譲るところもある。地層の関係で適当な遺跡がない、つまりケニア並みの年代の地層が河谷などで露出する所の少ないエチオピアには、目立ったホモ・ハビリス、ホモ・エレクトス化石がないのだ。ミドル・アワシュで発見されたホミニン化石今後、エチオピアで育った古人類学者たちが本気で探せば、いずれは続々と見つかることだろう(僕がNMEを訪れた4年後にエチオピアでも100数十万年前
猿人とヒトの骨格話がだいぶ横道に逸れてしまいました。人類が誕生した約200万年前に話を戻す事にしましょう。これまで述べてきた様に、約200万年前、人類の祖先が狩猟の獲物を追ってサバンナに走り出した事が、二足歩行する類人猿に過ぎなかった猿人を真の人類に進化させた訳です。これによって、類人猿の特徴を色濃く残した骨格を持つアウストラロピテクスから、現代人とほとんど変わらない骨格のホモ・エレクトスが誕生したのです。次の図81)と図82)を見比べれば、この変化が如何に大きかったか理解できると思いま
以前は「グルジア」と言われたが、今は「ジョージア」と呼ばれるコーカサス山脈の南の国がある。ワイン好きには「グルジア・ワイン」で著名で、実際、ジョージアは「ワイン発祥の地」とも呼ばれる。一説には、紀元前6000年頃には、ワイン作りが始まったという。古人類学では超重要なドマニシのある国僕には、関心を抱く2つのカテゴリーで、ジョージアを外せない。1つは古人類学で、ドマニシという中世の城の地下から、約177万年前の古人類化石がいくつも見つかっていることだ。年代の古さと人類化石の豊富さ
中期旧石器時代から後期旧石器時代へ中期旧石器時代には、定型化した剝片石器の大量生産が始まっただけではなく、打ち欠いた剥片を整形する事で、非常に多種類の石器が作り出される様になります。アシュール文化では10種類程度だった石器の型式が、ムスティエ文化では小さなハンドアックス・剥片石刃・スクレイパー・尖頭器・錐・彫器など細かい仕事をする様々な石器が作られ、そのタイプが40種類にもなったのです。こうした傾向は、約5万年前に始まる後期旧石器時代にそのまま引き継がれ、石刃技法により大量生産された幅が
インドネシア東部にあるフローレス島は不思議な島である。かつて氷河期に最大で130メートル海水準が低下した時も、ジャワ島など(したがってアジア大陸本土)とも陸続きになったことがない(地図=↑を付した島)。超小型人類の発見この島が、世界の古人類学者、古生物学者を瞠目させたのは、同島東部のリアン・ブア洞窟(写真)で2004年に小型人類ホモ・フロレシエンシス(フローレス原人)の発見が発表されたことである。石灰岩の同洞窟から前年に発掘されたメスの全身骨格は、身長1メー
前回、炭水化物への過度の依存が文明病の原因であると述べましたが、もう一つ重要な要因があります。それは運動不足です。こう言うと、多くの方はそんなことはよく知っていると思われる事でしょう。実際、生活習慣病に対しては運動不足の解消が盛んに推奨されています。しかし、ここで社会常識となっている運動不足について敢えて取り上げようと考えたのは、運動が私たちが想像する以上に健康や幸福に決定的な役割を果たしているからです。じつは、運動は脳の働きにも重要な影響を与えており、認知症や精神疾患とも深く関係している
謎の人類の第3の化石、しかも南アジアで最初のデニーソヴァ人化石が、このほどラオス北部の洞窟(写真)から見つかった。イリノイ大学のローラ・シャックルフォードらの国際的研究チームが『ネイチャー・コミュニケーション』5月17日号で報告した。年代は16.4~13.1万年前見つかったのはヒトの大臼歯で(写真)、巨大だが、歯根が未発達なことから子どものものと考えられた。しかもY染色体と関係する特定のペプチドをエナメル質に欠いていたことから、女性と分かった。少女の大臼歯
進化したヒトは、大きな脳を持ち、また直立化したことで広い肩幅を持つようになった。ホモ属の生存に有利となった脳の大型化と広い肩幅の進化大きな脳は、石器製作などの文化を洗練化させ、やがて文明を発達させた。ただ脳の大型化は、猿人段階では緩慢で、目に見えた大型化は250万年前頃のホモ属の出現からとなる。早期ホモ属は、初めてオルドワン型石器群を製作した。脳がより大型化したホモ・エレクトスに至って、アシューリアン石器群という定型化・洗練化された石器群を人類は製作するようになる。生存に有利にな
人類の出アフリカは2回あった。ホモ・エレクトスとホモ・サピエンスひじかたすいげつ人類は、700万年ほど前に、ヒトの祖先としてチンパンジーの祖先と別れたといわれる。300万年前を過ぎたころ、アウストラロピテクス・ガルヒとアウストラロピテクス・アフリカヌスとバラントロプス・エチオピクスに分かれた。アウストラロピテクス属とバラントロプス属の違いは脳の大きさで、バラントロプス属が噛む力が強かったために小さい脳であったのに対し、アウストラロピテクス属は嚙む力が弱いた
--------------------------------------人間の女性、美意識の芽生えと化粧の始まり(ママと最初に呼ばれた女)--------------------------------------◆ニンフルサグ(ニンティ、ニンマー)遺伝子学者、プレアデス人知っている人が多いかどうかは知りませんが、アヌンナキの一人、ニンフルサグは遺伝子学者であり、人間(ホモ・エレクトス)を遺伝子操作して、ホモ・サピエンスを生み出した女性として、シュメール文明の粘土板に書かれてい
細やかながら、日々、鍛錬でフィットネスクラブに通っている。マシーンに向かって走るのは苦しく、そして冬なのに30分もたつと汗が噴き出す。やがて額を流れる塩分を含んだ汗が眼を襲う。目に入ると痛いので、しばし脚を休めて持参のタオルで、汗を拭う。そんな時、フッと考えた。ネアンデルタール人なら、この苦労もないかもしれないな、と。役割がよく分からない古人類の眼窩上隆起4万年前にヨーロッパから忽然と消えたネアンデルタール人は、隆々と発達した眼窩上隆起が第1の特徴だ(写真=フランス、ラ・フ
人類史上、最も長く使用された道具は、何だろう。なんと、160万年も使われた道具がある。道具の分布は、ほぼ世界中に満遍なくある。もちろん、日本列島でも発見されている。それがハンドアックス。さらに、スゴイのは、その美しさだという。大きいものでは長さが40cm、3kg以上ある。体重150kgのゴリラ、その握力は約500Kgと推定されている。チンパンジーでも握力は250kgはあるようだ。400万年前に草深いサバンナで生きるヒトの祖先は、オスで最大70kg、身長は150cmく