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Bunkamuraミュージアムの「ミロ展」の感想編に続き、注目ポイントです。美術作品の見方・テーストは人によって様々。なので、違う人の視線を入れることで、見方が広がるのじゃないか、といった期待を込めて。★★★★日本との深いつながり★★★★◆瀧口修造との堅い友情先に書いたとおり、瀧口修造とミロは詩と絵画といったスタイルで共作もあり、互いに響きあっていました。共同作品は詩も画も、ともに抒情的。ミロが瀧口に贈った言葉の”変遷”を見ると、2人の友情が深まった様子
目からウロコ・・そんな展覧会でした。Bunkamuraミュージアムで開催中の「ミロ展―日本を夢みて」は、ここ10年ほどの研究成果により明らかになった新事実が息つく暇なく登場します。点数は140点。ブロガー内覧会の機会を含め、計2度訪問し、初回は新発見を頭に詰め込み、2度目はそれを咀嚼しつつじっくり鑑賞してきました。なお、3/10(木)~3/31(木)の平日に限り、会場内の作品数点のみ撮影が可能です。(念のため最下段に記した公式HPのトピックスで行く前に確認を。)私の中でミロは、カンデ
今日来た伊勢丹のビューティーアポセカリー内の某エステメーカーからのDM。なかなかやるなぁ、とにんまり。切手が黒田清輝の「針仕事」。こんな心憎いことをしてくれるなんて、ここしばらくこの店で購入していないので、これは近いうちに行ってあげなくちゃ。この絵ですが、ブリヂストン美術館(現アーティゾン)で見たような記憶があります。ほほう、こんな切手が出ていたのか、シリーズものかしら?と調べてみたら、素敵な切手シートが出ていました。シリーズNo.3の緑の絵シリーズのうち63円の
三菱一号館美術館で開催されている「三菱創業150周年記念三菱の至宝展」(~9/12)。企業体三菱を発展させた4代の親族たち:岩崎彌太郎に始まり、彌之助(彌太郎の弟)、久彌(彌太郎の息子)、小彌太(彌之助の息子)の華麗なる美術コレクションを披露する展覧会です。とはいっても彌之助氏は50歳という若さで没したため、コレクションを形成するには至らなかったようですが。二代目が築いた静嘉堂文庫、三代目が創設した東洋文庫から全・国宝計12点が出展されています。(注意点1:ただし前後期両方
リニューアルした信濃美術館が見たくて、今年になってから長野方面に行きました。その後緊急事態宣言が発令されて、内容を書きそびれているのですが、いずれその話は書くとして、今日はその際に見かけたガスタンクのお話です。上田市を丁度新幹線で通過した際、郷愁を誘うふるさとの絵で知られる原田泰治さんのイラストが描かれたガスタンクを目撃しました。無味乾燥なガスタンクに、なんとも洒落たことをしますね、上田市。実は私、原田泰治さんご本人にお目にかかったことがあります。ブロガー内覧会
6月12日追記)三菱一号館美術館のナビ派の子ども展が再度会期延長になったようなので、慌てて行く必要はなくなりましたね。https://mimt.jp/blog/museum/?p=7172三菱一号館美術館ニュース「「三菱創業150周年記念三菱の至宝展」2021年に開催延期/「画家が見たこども展」2020年9月22日まで会期再延長」平素よりご愛顧いただき、誠にありがとうございます。三菱一号館美術館は、2020年7月8日から9月22日まで「三菱創業150周年記念三菱の至宝展」の
先日来触れてきた三菱一号館美術館にて開催中の「マリアノ・フォルチュニ織りなすデザイン展」(10月6日まで)。これまでは予習編(その1・その2)でしたが、今回は感想編です。マリアノ・フォルチュニのことは、敬愛する陣内秀信氏の名著「迷宮都市ヴェネチアを歩く」やプルーストを通じて知ってはいたものの、今回を鑑賞し、私は彼のほんの一端しか知らなかったんだなぁ、とつくづく思い知らされました。多彩な顔を持つフォルチュニ確かに布の魔術師として世界を席巻したファッションデザ
立体表現なのに、どこか絵画を想起させる焼き物に出会いました。ホテルオークラそばにある、智美術館で開催中の「野蛮と洗練加守田章二の陶芸」展(7月21日(日)まで)でのことです。現代陶芸のパイオニアともいわれた加守田氏は、49歳の若さで人生の幕を閉じるまで、20年少々という限られた期間に多様な陶器作品を発表していきます。これまで氏の作品をまとめて見たことはなく、男っぽい作風の作家さん、という漠たるイメージを持っていただけでした。精緻を極めることに心血を注いでいる
昨日の夕刻、東京丸の内の三菱一号館美術館の閉館後に行われたラファエル前派の軌跡展の内覧会に行ってきました。今回の展覧会は、イギリスのヴィクトリア朝当時の美術批評家、素描家、社会思想家でもあるジョン・ラスキンの生誕200年を記念して開催されるもので、ラスキンと関わりのあった画家たちの軌跡を描いています。こちらがラスキン。彼はターナーを援護しました。精密な素描は続くラファエル前派のミレイやロセッティなどの精神的指導者でした。最初の部屋はラスキンとターナー。ラファエル前派だ
静嘉堂文庫美術館にて1/29から開催の〜桐村喜世美氏所蔵品受贈記念〜岩崎家のお雛さまと御所人形』展のブロガー内覧会に参加してきました。写真は特別に許可を頂いて撮影しております。三菱の四代目社長の岩﨑小彌太氏が、奥様の孝子さんに贈ったという雛人形は、丸平大木人形店の五世大木平藏に特別に作らせたものです。現在の価値にして、二億円相当の豪華絢爛な雛人形は、戦後、市場に出ていろんな人の手に渡りましたが、人形コレクターの桐村喜世美さんによって買い集められ、ご自宅の茂照庵にて展示され、一般にも公開
今三菱一号館美術館で開催されている「フィリップス・コレクション展」はちょっとユニークな展覧会。本コレクションを大成させたダンカン・フィリップス氏の収集年次順に作品が並んでいるので、同じ画家の作品でも、最初と最後の方の部屋に離れ離れに展示されていたりします。例えばクロード・モネのように。収集家の審美眼や時代性を強く意識させる展示手法です。当初多かった色調抑え目の作品はやがて、ピエール・ボナールとの出会いにより鮮やかな色彩に包まれていき、テーストの変化も感じます。こうした時代や氏の
目下三菱一号館美術館では「ショーメ時空を超える宝飾芸術の世界」が開催されています。(9月17日(月・祝)まで)先日「ショーメ時空を超える宝飾芸術の世界」三菱一号館美術館<予習>の記事にあらましを書いたので、展覧会の特色はそちらに譲るとして、今回訪問し、「これは多くの人が絶対見逃すと思う」、というポイントがあったので、それを中心に説明したいと思います。まず一つ目は、暗い一室にひとつぽつんと置かれたホープ・カップ。カラーストーンの彫り物だそうで、19世紀半ば
静嘉堂文庫で行われた内覧会に行って参りました。「明治からの贈り物」という、私の好きな明治美術に関する企画でした。ここ数年、「驚異の超絶技巧展」(鑑賞メモはこちら)など、明治美術に関する企画展が増えていて、一種の明治ブームといえばよいんでしょうか。うれしい限りです。当時は欧米諸国に追いつくため、国を挙げて産業振興に注力していただけに、コストを度外視した手間がかけられている刺繍画などが沢山つくられました。欧米に輸出された品や失われてしまった品も多いのですが、国内の研究者やコレク
これまでの美術体験と密接に結びつく展覧会、・・・・住友コレクション泉屋博古館分館で開催中の「うるしの彩り―漆黒と金銀が織りなす美の世界」展を見た感想です。うるし(漆器)の展覧会で、これほどいろいろ喚起されるとは少しばかり意外ではありました。芸術品の美しさに魅了されるだけでなく、連綿と続く美の系譜を様々な作品を通して自分の頭で咀嚼し、実感していくことも、芸術を見ることの醍醐味なのでは、と思えます。*本エントリーの写真は内覧会の折りに許可を得て撮影しています。具体例は以下。
先日旧朝香宮邸、現東京都庭園美術館内のラジエーターカバーが源氏香の文様になっていた話を書きましたが、(JUMP)その本物の源氏香の図帖と、思いがけない場所で対面することができました。泉屋博古館分館(六本木)で開催中の「うるしの彩り―漆黒と金銀が織りなす美の世界」展でのことです。以下2・3枚目を除き写真撮影は内覧会の折りに許可を得ております。話のおさらいをしますと、旧朝香宮邸は、装飾細部の文様が工夫に満ちていて、たとえば食堂には魚の柄のラジエーターカバーがあるなど
菊池寛実記念智美術館で、「線の造形、線の空間飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」と題して竹工芸に特化した展覧会がスタートしました。同美術館は現代陶芸の展示で知られていますが、これまでも書や彫刻の展覧会を開催するなど、工芸全般に広がりを見せています。創設者の故・菊池智氏は、現代陶芸の収集に情熱を傾けられてきたのですが、この「現代」という点が、本美術館を位置づけるキーワードのように思います。長い年月を通して価値がある程度定まっている古典の作品とは違い、現代作品
10月末に、静嘉堂文庫美術館のブロガー内覧会に参加しました。静嘉堂文庫は、二子玉川の閑静な住宅街にあります。二子玉川駅から遠いので若干不便ではありますが、静かな時間が過ごせる場所です。三菱財閥の父子二代によって設立されたいわゆる財閥系美術館です。・岩﨑彌之助(1851~1908第二代社長)と岩﨑小彌太(1879~1945第四代社長)の二人です。彌之助は、三菱財閥創始者・彌太郎(幕末小説でもおなじみ。土佐の貧しい家庭の出身でしたが、坂本龍馬の引き立てで動乱期に活
こんにちはちょっと体調が良くなくて、ブログを更新する余裕もなく、すっかり放置していましたブログだけではなく、勉強もほぼ手付かずで、仕事が少し忙しいのもありますが、私がボケっとしている間に7月も半ばまだ梅雨明け宣言は聞いていませんが、連日真夏日の陽射しはすっかり夏ですねそろそろエンジンをかけて巻き返さなければ!今週は、ブロガー内覧会に参加してきました応募者多数で抽選だったそうですが、こんなに更新のないブログなのに参加できて感謝、感謝です。早めにレポをアップしますね!
レオナルド・ダヴィンチとミケランジェロ・ブオナローティ。ルネサンス期を代表するこの2人の巨匠をいくつかの観点を軸に対比させつつ各々の個性を浮かび上がらせる展覧会が三菱一号館美術館で開催されています。題して、「レオナルドxミケランジェロ展」。本日、そのブロガー内覧会に伺わせて頂きました。まずはTakさんの絶妙なナビゲートで担当学芸員岩瀬慧さんのお話もはずみます。イタリアからの貸し出しに当たっては、なかなかイタリアーンな対応だったようで、かの国における自己体験ともあわせ、頷
昨年8月に93歳で亡くなられた実業家・陶芸コレクター菊池智さんの収集品を概観する展覧会、「珠玉の現代陶芸マダム菊池のコレクション展」が、神谷町の菊池寛実記念智美術館で開催されている。器、オブジェ、大胆なもの、大人しいもの、研ぎ澄まされた刀のようにシャープなもの、ぬくもりにあふれた素朴なもの、、、伝統的なものから奔放なものまで。独自の鑑識眼を持ちつつも、間口は広く。今回の展覧会は、そんな偉大なコレクターでありつつ、同時に現代陶芸の世界をバックアップして未来へとつな
2月9日急きょ、京都滞在(観光)を取りやめて急ぎイベント当選通知を優先したのはこちら「青い日記帳×オルセーのナビ派展ブロガー特別内覧会」に当選通知メールをいただいたからでした。結構直前に当選メールがきて焦りました(笑)焦ると言えば・・・今日は3月2日「みなさん確定申告は終わりましたでしょうか?」個人事業主の私経費決済をかなりの割合(ほぼ9割)クレジットカード決済しているので12月利用分の詳細カード明細が判明するのが翌年2月になります。毎度毎度私の2月か
◆ナビ派の画風とは?◆三菱一号館美術館の密やかな室内空間にピッタリの逸品たち時代的に印象派に続いて登場した「ナビ派」の画風はどこか捉えがたい印象がある。そもそも「ナビ」の意味はヘブライ語で「預言者」という意味である、という話はよく耳にするものの、WIKIを見てみると、実際はかなり複合的なニュアンスを含んでいるようだ。「演説者」、「スピーカー」、「エクスタシーの中で夢見る人」「魂の目覚め」、「預言者」、「天啓を受けた者」、「向こう側の言霊を受け取った者」、「神
三菱一号館美術館でナビ派展が始まった。ナビ派というのは印象派やキュビズムのように明確な方向性を感じにくく、どこか捉えがたいイメージがあった。強いて言えば、輪郭が”朦朧体”的で模様がごちゃっとした画面、という印象。どこかもやっとした感じ。ところがこのほど訪れた三菱一号館美術館でナビ派に開眼。特にモーリス・ドニをすっかり”見直した”!(とくに彼が描く瞳に惚れた。)オルセー美術館のどこに一体これほどの名品が隠されていたのだろう?と思うほど、見応えのある
有田焼創業400年の今年、有田焼関連の展覧会が目白押しだ。そんな中、つい先日、泉屋博古館分館で始まった「有田焼創業400年記念明治有田超絶の美―万国博覧会の時代」展は、タイトルに含まれる通り、”明治有田”をフィーチャーしているのが特色。明治時代に突入した19世紀後半といえば、ヨーロッパで万博の開催が流行し、日本国内でも海外の目を意識した職人魂が芽生えた時代。佐賀県立九州陶磁文化館館長さんの鈴田由紀夫さんのお話によると、明治という新しい治世になり、作風にも変化が芽生えた。
◆「ThePowerofColors色彩のちから」展@菊池寛実記念智美術館現代陶芸のコレクションを誇る菊池寛実記念智美術館で「ThePowerofColors色彩のちから」という展覧会が始まった。一口に色、といっても、なかなか奥深い。地の色、すなわち土そのものの色あり、釉薬が奏でる多岐にわたる発色あり。一色で造形をより見せるタイプのものあり、具象的な絵付けあり、釉薬が絡み合って、抽象絵画の趣のあるものあり。同じような色でも、マットか光沢か、といった質感
FromLife―写真に生命を吹き込んだ女性ジュリア・マーガレット・キャメロン展@三菱一号館美術館<私の1枚>キャメロン展、私が一番気に入った一枚と、その他気になった作品たち:*以下写真は、内覧会の折りに主催者の許可を得て撮影しています。●《墓場の天使》1869-70年(左)女性のプロファイル。ボッティチェリの横顔の肖像画を想起させます。実際はキリスト復活の時に現れた天使の見立てとして描かれたようなのですが。ベールが描く三角のフォルム。刷毛で描いたような髪
FromLife―写真に生命を吹き込んだ女性ジュリア・マーガレット・キャメロン展@三菱一号館美術館<その不思議さ>さて、そのキャメロン展の印象はその1で書いた通りなのですが、彼女自身については、とても不思議な写真家という印象をもちました。彼女は、ぼかしや傷といった“瑕疵”を、逆手にとってテクニックとして利用したそうです。不思議です。そういう非正統的手法というのは、正攻法の手法で突っ走って、しばらくして飽きた頃に浮上する技のように思うのですが、彼女の場合はそれを初期のこ
◆2016年8月6日(土)、菊池寛実記念智美術館でブロガー向け特別鑑賞イベント8月6日(土)より始まる、「ThePowerofColors色彩のちから」展の初日にブロガー向け特別鑑賞イベントが開催されます。ホテルオークラそばにあるこちらの美術館はエレガントで落ち着いた大人の雰囲気。現代陶芸を中心に定期的に企画展が開催されています。以下は2009年に本美術館で開催された企画展(ビエンナーレ展)のフライヤー。私はこれまで訪れた展覧会のフライヤーを全部ではないものの保存してい