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久美子「真夏ちゃんって、学級委員の子よね。今年も毒島さんと同じクラスなの?」あすか「うん。主要科目の成績と書道と運動とピアノの上位の子が一カ所に偏らないように振り分けていくと、どうしても真夏ちゃんと毒島さん同じクラスになっちゃうんだって」久美子(右)「でも、真夏ちゃんと毒島さんって、以前トラブルがあったんでしょ」あすか(左)「うん。でもそういうのは公立では考慮しないんだよ。あくまで能力の問題だから」あすか「お母さんも真夏ちゃんが言ってこない限り下手に動けないし……真夏ちゃんもそう
あすか(中央)「『3月に中学生の服装規定を見直しました』あ、生徒総会で服装・髪型の規定変わったんだよね。ふむふむ……髪型は基本的に自由とするが染髪と可愛げのないものは禁止……はあ?可愛げのないものって何?」了くん(右奥)「女子のスポーツ刈りは禁止ってことじゃね?」あすか「円形脱毛症の人はどうするんだろ。でも他は自由みたい」ツヨシ「ぼく、長髪にしてみようかな」あすか(右)「タトゥー・ピアスについて……タトゥーは全面禁止。ピアスは華美でないもの、耳たぶのみ」久美子(左)「眉や鼻や唇にピ
シャニス(右)「アメリカの中高生が必ず読む本ってあるんだけど、『蠅の王』って知ってる?」あすか(中央)「あー、映画になってるね」久美子(左)「知らないわ。どんな本?」シャニス「近未来のある国で、飛行機が無人島に漂着して、乗っていた同じ年頃の少年達が生き延びるために獣のようになっていく話なの。最初は知的なリーダーのラルフが民主的にやろうとするんだけど、みんな段々と野性的なジャックのほうに靡くのよ」シャニス「ピギーという少年のめがねのレンズを使って火を起こした時から、力関係がおかしく
女の子(奥)「なあ、フランシーおらへん?」あすか(手前)「フランシー?誰?」女の子「ああー、ウチ家まちごうたかな?フランシーは金髪で目ぇが茶色くて、背は小さめでアンタぐらいの年なんやけど」あすか「久美子ちゃんかな?」女の子「そないな名前やったかなー?ウチ同ンなじ劇団のアレックスいうねん、担当はメゾソプラノや」あすか「あー、劇団ね。分かった。フランシーって多分、久美子ちゃんの英語名だ」アレックス「そおか、フランシーは久美子ちゃんいうんか。あんたは?」あすか「私は高峰明日香って
みんなでカラオケ。伴奏は了くん。あすか(右)「やがて~リングに~拍手の渦~が~♪一人の~男を~呑み込んでいった~♪た~ち~あがれ~もう一度その足で~♪立ち上がれ、命の~炎をも~やせ~♪」久美子(左)「無敵の笑顔で荒らすメディア♪知りたいその秘密ミステリアス♪抜けてるとこさえ彼女のエリア♪完璧で嘘つきな君は♪天才的なアイドル様♪」ツヨシ(右)「ゆ~れて揺れて今ここ~ろ~がな~にもしんじ~られないまま♪さ~い~ていた~のは~myRosyheart♪ゆ~れて揺れてこの世界であ~いする
久美子(左)「あすかっち、さっきから何を熱心に見てるの?」あすか(右)「ああ、これね」あすか「アメリカの本好きクラブに入ったんだ。いま14歳から34歳までの女子がいるんだけど、好きな本を紹介し合うサークルなんだよ。みんな面白い本を教えてくれるんだけど、私の紹介する本はなかなか読んでもらえない」久美子(左)「アンタ講談社ブルーバックスばっかり読んでるからよ。文学を紹介しないと」あすか(右)「うん。もちろん京極夏彦とかは紹介してるんだけど、興味は持ってもらえても最後まで持続するのはご
あすか(右)「ジンジャーブレッドクッキー焼いてきたよ」久美子(中央)「わぁ♪」あすか「あるサブレを参考に、くまさんにしてみた」久美子「可愛い!」久美子「焼きたてなのね、美味しそうだわ」了くん「ジンジャーブレッドってどこからかじったらいいんだろう?」久美子(中央)「ショウガとシナモンの香りがするわ」久美子(中央)「このクッキーってどこの国発?」あすか(右)「イギリスだよ」あすか(右)「ヘンリー8世がペストの予防にショウガがいいから、ショウガを食べることを国
久美子(右)「インドに行ったら人生変わるって言うんだけど、どうなのかしら、インド人になっちゃうかしら」あすか(左)「私はそこまでガラッと変わるとは思わないな。別にインド人にはなりたいと思わない」ツヨシ「インドをイギリスから独立させたガンジーはすごいよね」久美子「あの意志の強さには感服するわ」あすか(右)「ガンジーはそこそこいい家のボンボンだったから、インド人が信じるヒンドゥー教のカースト制度を廃止できなかったんだよ。そこ甘いよね。だから私はあんまり好きじゃない」了くん(左)「あ
真夏「薫ちゃんの読書感想文、AIで作ったものだったのよ」あすか「あっ、そうなんだ」あすか(左)「それで真夏ちゃん、さっきキレてたんだね」真夏(右)「ちょっとね。わたし、ああいうのは許せないのよ。だって薫ちゃんの作品がコンクールに出品されちゃったんだもの」あすか(左)「AIの文章をコンクールに出したって、金賞が獲れるとは限らないよ」真夏(右)「でも、あすかっちの感想文の方がよかったわ」あすか「私はあまり中学生らしい感想は書けないんだよ。審査員が求めているのは上手い文章じゃな
あすか(右)「日本企業は30年間も業績をごまかして社員を欺き、内部留保金が莫大な額になっているにもかかわらず、ベースアップしてこなかったんだ。収益が史上最高になった年も空気だけで人件費を極端に低く抑え、購買意欲を削いだ罪は重い!断固賃金を引き上げるべし!」久美子「へー」ツヨシ「ごめん、あすかっちが何言ってるか分かんない」了くん「一般企業って大変なんだよな」あすか(右)「みんな反応薄~い」久美子(中央)「だってあすかっち、ここにいるみんなは背広組でも製造業でもないのよ。芸で身を立てて
久美子(右)「あら、メリーチョコ」あすか(左)「GW前に蓼科(たてしな)先生が産休に入ったんで、産休クッキーが職員室に配られたんだよ、嬉しいね」久美子「産休クッキー?」あすか「自分がいない間、ご迷惑かけますってご挨拶なんだって」久美子「クッキーじゃないわ。産休チョコレート?」あすか「……そうみたいだね。クッキーなら表面にハートや赤ちゃんの顔を印刷するんだけど……ただね、今、産休クッキーが話題というかちょっと問題にになってるんだ」久美子(右)「何が問題なのよ。産休のご挨拶で
久美子(右)「え?あすかっちがツチノコ信じてないって意外」あすか(左)「アレは何か丸呑みした普通の蛇だよ」ツヨシ(奥)「腕にまたじんましん出た~、かゆい」あすか(左)「え?じんましん?また?晩ご飯の牛肉古かったかな」久美子(右)「アタシ達なんともないわよ」あすか(左)「前も牛肉食べたときに出たよね」ツヨシ(中央)「うん。了くんも出てるんだ」久美子(右)「変ね。ツヨシくんと了くんだけ牛肉の時?」あすか(左)「もしかしたらツヨシくんと了くんだけ牛肉アレルギーになったのかも
久美子(左)「また電子書籍?目に悪いわよ」あすか(右)「大丈夫。近眼ってのは遺伝で決まる。この本によれば、才能も知能も運動能力も性格も、この世の殆どは遺伝で決まるって。ショッキングなこと書いている割に、この学者先生っていい人で文章に気を遣いすぎなんだ。だからインパクトのうすい本になってる。読んだあとあまり何も残らないところが残念」久美子(左)「そりゃ、そんな残酷なことを身も蓋もない書き方の文章で書いてたら買いたくないわ。遠慮しながら書いた本でいいのよ」あすか(右)「うん。優生学を反省し
あすか「うーん、乙女が主人公って難しい。明日は勉強しよう」編集部のナタリーさん「あすかっち、ここ書き直して。胸キュンな乙女は『イッヒッヒ』なんて笑わないわ。等身大の女子はドキン、ズキン、キュンなお年頃なんだから、そんな感じでやって」あすか「えー、ありきたりでつまんないよ」ナタリーさん「ヒロインがあんたみたいな性格ならあり得るけど、あたしが今回書いてほしいのは14歳の引っ込み思案で乙女チックな女の子が愛に目覚めていく話。言っとくけど、今回SF要素入れたら載せないからね」久美子(
久美子(左)「あら、勉強してるの?」あすか(右)「今終わったとこ。学校で『応仁の乱』をやってるんだよ。これ大河ドラマになかなかならないねぇ」久美子「『応仁の乱』?アタシ去年やったかもだけど、覚えてないわ」あすか(右)「当時、室町幕府の将軍は8代目の足利義政だったんだけどね。将軍の補佐をする『三管領』ってのが斯波氏・細川氏・畠山氏の三家の守護大名だったんだ。その下に『四職』っていって山名氏・赤松氏・京極氏・一色氏の四家があった」あすか(右)「四職のうち山名氏の山名宗全は、6代将軍足
久美子(右)「何考えてたの?ご飯食べないなんて、悩み事?」あすか(左)「英語の小テスト、問題文に分からない単語が出てきてさ」あすか(左)「英語の授業って説明も質問もオール英語でしょ。英語出来ない人ってそこで躓くんだよね。クラスでも授業そのものが分かる人と分からない人で分裂してるんだ。説明だけでも日本語だったらもっと平均点上がると思わない?」久美子(右)「まあ、そうね。でも、授業の目的は英語でものを考える力をつけることよね。アタシにはそれ無理なんだけどね」久美子「うちの学校に父親が
久美子(右)「この番組『スゴ腕どうぶつドクター』?」あすか(左)「そう。Dr.ポールにかかればどんな病気の動物もたちまち元気にってキャッチフレーズで有名だよね。だけど……」あすか(左)「実際はペットの安楽死のシーンのほうが多いんだ。毎回何らかの動物が事故や病気で安楽死になってる。なんか納得いかないよ。この前は術中に癌が見つかってそのまま即、だよ」久美子(右)「そうね。飼い主とまた会えるって信じてたのに、知らない間に処分されちゃうのはあんまりよね」了くん(中央)「しかたないんじゃな
あすか(中央)「マクレーン、山本さんちの赤ちゃんに名前つけてあげたんでしょ?人生楽勝の名前?」久美子(右)「健康に恵まれて誰からも愛される名前?」マクレーン(左)「いろんな意味はあるがラクな名前なんてねーよ」マクレーン(左)「全般的に災いが少ないが才能にも恵まれない名前とか、美人だけど病弱とか、人望もあり金にも恵まれるが太っている名前とか、その意味には必ず表と裏があるんだ。完璧に問題の無い名前ってのはない。そもそも仏教の世界では姓名判断なんて無意味だ」あすか(中央)「えー?なんで?災
久美子(右)「今日は洋食なのね、珍しい」あすか(左)「これは今晩の試食だよ。オニオングラタン風ポトフとマカロニグラタン。『ル・パラディ』の紙尾マスターにレシピを書いてもらったんだ」あすか「まあ、食べてみてよかったほうを今日の夕食にしよう」久美子「ポトフってまだ食べたことないわ」あすか(左)「んー、オニオン効いてる」久美子(右)「あちち」あすか(左)「ポトフってフランス料理なんだよね。ローリエとタイムで香りをつけたりする家庭料理。『ル・パラディ』はフレンチカフェだからポトフ
アンバー「うわー、すごい」あすか「マトリョーシカチョコレートだよ」アンバー(左)「おいしそう」クリスタル(右)「かわいい」あすか「私の作品アニメ化されてね、声優のひとりに選ばれたニナさんって女優さんからもらったの」アンバー(左)「これ、杏だ」クリスタル(右)「わたしのはレーズン」あすか「うん、美味しい」アンバー(左)「ニナさんって『徹子の部屋』に出てたの見たことあるよ。ちょっと前、舞台やる時。可愛かった~」クリスタル(中央)「あー、出てたよね。素敵な人だった
久美子(右)「安西さん、このTV面白い?」安西さん(左)「……」久美子(右)「安西さん、おせんべい食べる?」安西さん(左)「……」久美子「これアタシのInstagramよ」(安西さんがおせんべいをかじる音)あすか「(久美子ちゃん、すごいなぁ……、あの安西さんがおせんべい食べてるよ)」安西さん(左)「……」久美子(中央)「ん?InstagramよりTik-Tokのほうがいい?そっちもやってるよ」あすか(右)「(久美子ちゃんってどんな人でも動じないんだよね……昔は引
久美子(右)「プッ……くっくっく、ヒー、可笑しー」ツヨシ(左)「エセルって崖っぷちになると天然だよね」あすか(右)「『真夜中のターシャ』始まった?」久美子(左)「始まってるわよ、ターシャを抑えて、エセルがもう、すごいおっちょこちょいなの……アンタのアニメって、可笑しー」ツヨシ(左)「エセルの役やってるニナさんって、プライベートでは天然だって話だよ」久美子(中央)「え、どこまで天然?」ツヨシ(左)「バラエティ番組に出てたの見たけど、あのまんまエセルだよ。ニナさんの天然ぶりす
久美子(左)「あすかっち、なんだか元気ないわよ」あすか(右)「うん……そうだね」久美子(左)「ん?失言した?それで落ち込んでるの?」あすか(右)「うん。繊細な人だから普段から気をつけてはいたんだけどね、ポロッと出ちゃったらしい、怒らせたかも」久美子(左)「んー、普段から特に気をつけている相手なら、仲直りしてもまたこれから失言して怒らせちゃうんじゃない?」あすか(右)「そうかな」久美子(左)「だって気をつけてるってことは、その間のあすかっちって自然体じゃないでしょ」あすか
了くん(右)「日蝕を観に行ってきた」久美子(中央)「きれいだった?」あすか(左)「日蝕の時間帯に生まれた男子は早逝しやすいんだよね」了くん「男子だけ?女子も?」あすか「男子って言われてるよ。女子は月蝕の時間帯に生まれた場合に短命って言われてる。古い迷信だけどね」久美子(右)「女子は月蝕?ちなみに短命って何歳ぐらい?」あすか(左)「7歳ぐらいまでだね」久美子(右)「……短いわね」あすか(左)「古い言い伝えだから」了くん(右)「月蝕の時に生まれた男子と日蝕の時に
あすか「『真夜中のターシャ』のキャスト決まったんですか?はあ。あー、それ本当ですか?」久美子(右)「あれ?『真夜中のターシャ』ってあんたの書いたライトノベルよね」あすか(左)「アニメ化の話はだいぶ前に聞いてたんだけど、キャスト決まったって。メインヒロインじゃないんだけど、人気投票一位のキャラ『エセル』の役を、"ニナ"がやるんだって」久美子(右)「え?ニナって、あのニナ?声優じゃないじゃん。よくスケージュール押さえられたよね、めちゃ人気あるのに」あすか(左)「そうなんだよね。アニメ
あすか(右)「久美子ちゃん、1万数千年前にアトランティス文明ってあったんだよ」久美子(左)「アンタ古代文明とかUFO好きよね。あるわけないわよ」あすか(右)「本当だよ。イタリアで伝説の合金オリハルコンも発見されてるんだよ」久美子(左)「オリハルコンは『海のトリトン』のでしょ。アニメとごっちゃにするんじゃないわよ」あすか(右)「いや、オリハルコンはトリトンより昔から言われてきたんだよ。これまで何度も文明が栄えては滅んだんだ」久美子(左)「だったらもっと証拠があるはずよ」了く
あすか(左)「久美子ちゃん、香水くさい!」久美子(中央)「あら、ディオリッシモよ、すずらん香水」ツヨシ(右)「つけすぎだよ!ニオイ強い!」久美子(中央)「えー、高かったのに」あすか(左)「お風呂で落としてきて!キツい香水は不倫より罪が重い!」ツヨシ(右)「うー、たまらん」久美子(奥)「分かったわよ」あすか(右)「もう匂わないね、久美子ちゃん」ツヨシ(左)「香りはシャンプー程度がいいよ」久美子(中央)「……そんなに臭かったかしら」あすか(右)「香水の匂いが強いの
あすか「『暗夜行路』ね。不倫で生まれた謙作という男が妻の不倫を許す話だよ。作者の志賀直哉は作家としても人格的にも好きになれないけど。自分の子供を片端から学校やめさせたりして」久美子「教科書に載ってる人だから、人格者なのかと思ったわ」あすか「いやー、奇妙に漱石に義理立てして、あそこには書かない、ここには書かないと気難しい人でね。それに日本語は難解だから読んでもらえない、分かってもらえない、だからフランス語を公用語にすべきだとか言い出したりして、そのくせ自分の書いたものに関しては新字体に
あすか「う~ん、まだ味が残るなぁ、不味い」ツヨシ(左)「変なもの食べた?」あすか(右)「冷たい麦茶に砂糖入れて飲んだんだけど、飲めたもんじゃないね。小学生の頃は美味しかったのに」久美子(左)「あ、それ分かるわ。以前はアタシも美味しく飲めた」ツヨシ(右)「関係ないけど、麦茶にミルクと砂糖入れるとコーヒー牛乳みたいな味になるよね」あすか「味覚って変わるよね。駄菓子屋のヨーグルも昔は美味しいと思ってたんだけど、今はダメになっちゃった」久美子(左)「そうね。アタシの場合は、小
久美子(左)「今日、部活じゃなかったの?」あすか(右)「……だったよ。今日は部誌作りしてた」久美子「そうなの」あすか(右)「でも、ひどいんだよ。後輩がパソコンの電源消さないで帰ろうとしたから注意したら、『上から目線で傷ついた―、パワハラだー』って叫びだして。ありえないよ」久美子(左)「『上から目線だ』って、甘やかされた人がよく使う魔法の言葉よね。これ出せばみんなその人に注意できなくなるわ」あすか「私も電気つけっぱなしとかよくあるから人のことは言えないけど、その子ゴミもテーブルに