ブログ記事5件
時の砂を攫う色なき風は忽然と命の終焉告げ器を失くした灰が残された小夜の空に満ちる眩い名残黒白(こくびゃく)帯びた歌を聴く為に耳を澄ます裸の櫻の下欠けゆく月に「行かないで」と乞えば共に想う今抱(いだ)かれているか母の懐(ほほ)に華のままで深い闇の寄る辺とした面差し白金(はっきん)に縁取られた薄雲も有明には高く飛び翔る羽根絶え間なく綴った哀歌(エレジー)を向け悔みや祈りを宿した光のただ安らかな旅路である事を溢る優しさは未来(あす)を希(こいねが)い群星と舞う歌に描
【季節の季の記。】蒸せる丑三つにも届く虫の音、涼しい気配にゆっくりと、秋の訪れを感じます。今までどれくらいの時を歪にも大事に詩人として歩んできたかなど、全く意味を為さない場に身を置く様になり。5月に詩を書いて以来、表現行為からは全く遠ざかってしまっていて、つい最近まで(もしかしたら詩作に繋がるかもしれない)写真を撮るのも心が拒んでいたり、こうして簡単に近況を記す事さえ恐怖に近い緊張感に駆られます。表現に帰りたい、安んじて言葉の中に潜りたい気持ちはずっとあるものの、
貴方が輝かしく巡る満月へ命の際を映していたと知る頃誰もを目眩く魔法にかけたまま満月の傍で一層輝きを増す曝(さ)れていく鍵盤に身を重ね合わせ音を立てずに浮かべた静かな訃音(ふいん)誰もが心に英雄を探す夜悲しみが深む十の指の不在暗灰色(あんかいしょく)の幕が引かれた先で尽きせぬ残響は美(い)し光となり繁茂する森や戦場の未来を託す途上へ幾千と降り注ぐ。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.SPELLBOUND(スペルバウンド
星が墜ちて星と気付くと人は星を手繰り寄せる事を覚える冬暁(ふゆあかつき)に旅立ちは届けどこれからも軌跡を訪ねるだろう美しい君の歌声が鏤められていく宇宙(そら)までいつか聴いた星の囁きは今胸を裂かれそうな悲しみを縫う東風(こち)待つ街が思い出で染まれば穏やかに気分を尋ねるだろう時を刻み付けた音色が永遠(とわ)に奏でられる宇宙から。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】ご無沙
諦めの海にすべては沈み静まり返った水の底からもう何を救い出す力もないでくのぼうと思い知った暗澹たる夜降(よぐた)ちには満ちる事を過ぎた月がまだ、煌々と輝いて継ぎ接ぎの道にひとり佇み風と化す記憶を見届けたらもう光など求めなくてもいい長い呪いから解かれた赤裸(あかはだか)の肩越しには満ち欠けを重ねる月がまた、まざまざと輝いて。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.※夜降ち=夜更け読んでくれて、ありがとう。【季節の季
諦めの海にすべては沈み静まり返った水の底からもう何を救い出す力もない。諸般の事情から、詩作及びブログの継続が難しくなりました。当面、当分、どちらも可能性がありますし、再開出来るのか今は先が余りに不透明で。長くご覧頂いている方、また最近になり読み始めて頂いていた方に、ごめんなさい。ずっと自分に呪いをかけ、追い立てる様に詩を書き、何とか生きていく為の形にしなければと頑張ってきたつもりですが、結局は頑張りが足りなかったのだと。得体の知れない陰鬱さを増していく、ご時世の空気に
ロス。そんな言葉が胸の内で実にしっくりくる状態で長く続いているのが、シンガー・ソングライター・前野健太さんの『ラジオ100年後』の放送終了。今となってみれば、改めて独立した立場で音楽活動に本腰を入れる為の準備段階だったなら、合点がいく所。余情を味わえる邦楽、そこに紡がれた歌詞との邂逅も多々あっただけに、もう2年が経ったにも関わらず、ぜひ一夜限りでもと、復活の機が熟すのを待っています。リブログした詩は、当時の最終回に寄せて綴った備忘録を元に、放送局のラジオ日本にも近い
今にもバラバラに砕けてしまいそうな頼りなく揺れる筏の様な暮らしさ高くなる空が届かぬものを遠ざけ夢を見た日はもう跡形もない砂子いつまでも手を繋ぎ眠る夜(よ)さえ来ない心許無さに沈み込む繰り返しさ少しでも同じ温度の中にいたいと狂おしく乞うだけ距離を呼ぶ空白水面に消えかけた見窄らしい姿に聞こえてくるのは渡り川の誘(いざな)いだ。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.(※渡り川=三途の川)読んでくれて、ありがとう。☆前々回の詩
虫の音も私(わたくし)も夜半のなごりに溶けてささやかな月星に守られていると知る寝もやらず過ぐままに触れる無風優しく桂花香る兆しが暗がりを灯し出す。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。☆前々回の詩→『焼け野原は今も。』☆前回の詩→『クスノキの下で。』
モチーフとした同級生が事故で急逝し、30年が経過するこの時に、僭越ながらもう一度詩を目に触れて頂きたくって。私も翌年には学校生活に躓いたが故に、すべてを閉ざす方に向かってしまい。劣等感や情けなさで友達に合わせる顔が無くなり、自ら連絡(先)を絶ってしまったりしているので、16のままで進めていない所がある。教室を共にした日が流るる人生の河においてとうに記憶の藻屑と消えているとしても、みんな元気かなぁという気持ちは浮き沈みの間(はざま)も胸の片隅に。―話は変わり、晩秋に催さ
2017/1/24A.M6:27みなとみらいの魔法にかかった夜明け。読んでくれて、ありがとう。
幼子が目隠し遊びの布を解けば暗い言葉と侘しさに辺りは包まれクスノキに宿れど弾(はじ)かれている気がした頑是(がんぜ)ない内に失われた光探し誇りを持てなかった生ける荷物引きずり口無しを求められ口惜しさを噛み締めた余地もなく選ばざるを得なかった道でも親の背に確(しか)と負われてきたはずが何故か置いてきぼりになってしまったかの痛みは時が許すと片付けられても掻き曇るクスノキの下で今も消えない風景をやおら巡る回り灯籠(どうろう)に重ねながら。copyright(C)poetis
後は野となれ山となれと末(すえ)まで焼き尽くされたはずが重なる嘘で煤けた街栄華(えいが)を植え込まれ久しい名無し草の暮らしを燃しては色濃く上がり続く煙失われた視界の中で銃声が響いた元に集う善良な悼みと手向けられた花に覆われ境目薄れる功罪はどれだけ虚しさを広げる。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】火に纏わる言葉は、強権、それに伴う影響力の意味を持たせています。一昨年
片手に満たぬ白い紙切れの重さ身に沁む文披月(ふみひらきづき)笹の葉色紙(いろがみ)を潜りながら差し掛かるY字路の手前であの日の少年が今も佇むデモの隊列に並ぶ街頭思い認(したた)むスケッチブック高く掲げ立ち向かおうとした引き返す事跡(じせき)への勇気を悔いる日がこれからも来てほしくない。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.※文披月=文月(七月)読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】安保法案の抗議活動に参加してい
これが最後かもしれないと思いはいつでも消ゆる事なく浅はかに立ち入った道の茨の痛みに気が遠くなる摘まれる恐れを抱(いだ)きながら私を託した花よ鳥よまだ束ねた言の葉は脈を打っているか青息吐息で問う力及ばぬ身空別の生き方を探っては思い残す事ばかりの中で明くる日には涸れる願いを水無月の水面へと書き留める貧しさに打ちのめされながら私を写した風や月や途絶えそうな言の葉が重ね続けた夢見閉づ目の奥消えても静謐(せいひつ)は永久(とこしえ)に。copyright(C)p
望まず置かれた場所で秘するが花となり切れず摘まれる事から逃れてあらん限り守った夢厭(いと)われても根を張ろうと生き恥を曝しても尚心は檻を拵(こしら)えてやがてはただの根無し草。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】前回更新の数日後からまた激しくメンタルを落としてしまいまして、こんな辞世の句の様な言葉しか発せなくてごめんなさい。有形無形の不安や弱気に潰れて、まだ今はしれっ
桜散り敷かれた歩道の曲がり角風が手に託した淡い命の跡その一片(ひとひら)離せず庇いながら仰ぐ夢現(ゆめうつつ)の小間に馳せる戦火の街望みもしなかった惨鼻(さんび)な静寂と野辺さえ送られぬ悲しみがある事。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】今年は花冷えが続いたせいか、珍しく満開間近の段階から散り際まで桜を愛でられた。ただ、長閑な春模様に酔いながら、気が咎める引っか
嵐と凪を抱え光と影を湛え海に宛てた恋文捧げる朝夕(あしたゆうべ)愛を受けて止まない思い掛ける風景羨むその姿に焦がれた月日が過ぎ慰むべき命へ傷を深める瀬々(せぜ)へ衣(きぬ)を靡(なび)かせ唄う尚も眩いあなた羅針盤を刻み付け続く歌出(い)づる旅涸れぬ涙辿れば閉ざされた幕が開(あ)く。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】好きなアーティストの中でも、取り分け憧憬と羨
冷たい眼差しに侵された空の下炎を逃れた子供達が縫いぐるみに憩う誰(た)が争いかも解らぬまま安寧は国境に引かれた深い溝に囚われていく青き流れを煙が閉ざし手にも掬えぬ破片に変える2月24日の号砲鋼の塊に撃たれた街の中姿を奪われた亡骸が石畳に倒る弾頭の雨で浮かび上がる轍跡(てっせき)は命の奥に刻まれた過ぎ来し方の慟哭人の道を焼き尽くさん火の匂いに成す群れを焚き付ける2月24日の号砲。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.
名の付けられた清(さや)かな星が睫毛を滑り夜(よ)を告げたなら冬耐(た)う花も灯りの元へ掛け替えのない暫時(ざんじ)を束ね惑う明け暮れ探す瞬(またた)き言葉が消えて残されしものをどうか優しく熱(ほと)りの中で肌身離せない互いを重ね。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.(暫時・・・・・少しの間、しばらくの間)読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】お久しぶりです。些細なアクションでもルーティンを崩
薄玻璃に投げた心は深雪(みゆき)を水色に染めた満つる月光を待たずに終わらない永遠(とわ)を求めた花の顔(かんばせ)湛えては瞳から溢る儚さ小昼(こひる)に託す恋歌が一片(ひとひら)の悲しみを呼ぶ。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】ごめんなさい。自分でも前回でもう終わりのつもりが、短くも記しておきたいと心が動きました。エンターテインメントの世界における、とてもチャーミング
この身も今は朽木(くちき)に等しいと知れども柔らかく生きられないと思いを隠した赤肌の隙間静かに火を灯しながら聞こえる名のない空風の咽び泣く声この身に熱い火の粉を生むものが腕(かいな)か風か判らなくなる頃息を吹き返す悴んだすべて繕えぬ胸に愛しさ焼べれば甘苦が綯い交ぜに立ち込める部屋。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】仮タイトルを『木枯らしを呼ぶ。』としていたので、気づけば
水面が僅か揺れて終わった何も変わらなかった昨日の呟きたい声を飲み込んで溜め息に満ちた彼誰時(かわたれどき)眠れず夜気(やき)の残る外へ出て見上げる空はまだ変わりゆく潤んでは霞むまばたきにも光を宿して重なる青朝の息吹に包まれているそれだけで誰もが魔法にかかっている朝が訪れようとしているそれだけでみ冬の魔法に染まっている。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】ルール・ブル
舟が浮かぶ黒鉛の海は(ふねがうかぶこくえんのうみは)月光が描き出した影絵(げっこうがえがきだしたかげえ)舟の行く先は私の岐路(ふねのゆくさきはわたしのきろ)訪れる明日を占う時(おとずれるあすをうらなうとき)塗り潰された視界に残る(ぬりつぶされたしかいにのこる)鉛筆線ほどの道筋を(えんぴつせんほどのみちすじを)掌の古ぼけたしるべで(たなうらのふるぼけたしるべで)波折りに挿した願いと進む。(なおりにさしたねがいとすすむ)copyright(C)poetissimo
葬られた月日の積(つもり)に灼灼(しゃくしゃく)と赤く彼岸花旅情を忘れた魂の広がる空白へと染み込む慎みに隔てられた声を指に込めた囁きに代えて言葉を選びながら「いつか」を窓越しに待ち焦がれるけれど思いだけではもう留まれない会いたさが飛び立とうとしている薄(すすき)揺する風の隙間から月に寄せる星の向こうまで。copyright(C)poetissimoall,rightsreserved.(灼灼・・・・・明るく照り輝くさま)読んでくれて、ありがとう。【季節の季の
本日は敬愛するミュージシャンのひとり、浜田真理子さんのお誕生日。少し前に存在を初めて知った『情熱大陸』の映像を見つけ、わぁ!と懐かしさに浸る内に真理子さん熱が再燃。松江市に暮らすまま活動を続けており、会社勤めを兼ねていた2004年の放送当時から、やがて音楽に専念。父親が嗜んでいた昭和歌謡に熟通し、潤みを伴いしなやか且つ芯の通った並びない歌声が、自作曲、カバー問わず聴き手に床しさを生む。グッと惹き込まれるのは磨かれたユーモアが為すトークや文章もまた然りで、愛くるしい情
触れ合う事が憚(はばか)られてもあなたへの愛を伝えたくて口唇を重ねたらふたひら色付き出す余さずに包まれたこの身は小さく結わえた金木犀零れてくる涙がもたれた肩を濡らすあぁ二人の夜長はこんなに静かなのに。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。佐藤千亜妃『WhoAmI』Lyrics&Compose:佐藤千亜妃2ndソロアルバム『KOE』のリード曲。長く温めていた「声」にフォーカス
夏の花びらがもうすぐ地に解(ほど)けて消えた祭囃子と共に焼けていく線香の匂いの途切れてくる頃も渦を巻く明け暮れにはまだ火が燃える揺れる影法師が日増しに薄らいで白露(はくろ)の朝を待つ小さき声を聞く過ぐ夏に命が置き去られぬ様に生く者へと慰めの花火が上がる。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】今年の夏も風物詩と呼ばれる様々な行事が取り止められ、手付かずのまま、“なかった事”
【季節の季の記。】また齢をひとつ重ねた始まりは、いつもの地味な体調不良から。回復までもう少し時間が欲しく、折角なので一部推敲をした詩のリブログを。ギャンギャン体制に抗う表現の形もかなり気を張るものですから、たまに意図して距離を置かないと本当に身がもたない(苦笑)。生き物としてのエネルギー、詩人としてのエネルギー、そのどちらも今の私には衰えてしまっていて。以前の様に感度の強い言葉が書けないのが、長らく悩み。ただ“沈黙は賛同”と呼ばれてしまうこんなご時世にこそ、白
草の根を焼き尽くしても尚続く燎原の火すべてが終わった時にはもう何もないかもしれない燻(くゆ)る身が流されていく空蝉のけたたましさよ輪を描く鎖の中で手のひらを翻しながら朝な夕な踊らされる人々の狂騒の後残骸は踏み付けられて迫り来る火だけが残る。copyright(C)poetissimo,allrightsreserved.読んでくれて、ありがとう。【季節の季の記。】燃えひろがって野原を焼く火。勢いが盛んで防ぎ止められないもののたとえ。『燎原の火』という文