その数日後、JR高田馬場駅に降り立った。同駅の発車ベルは「鉄腕アトム」である。村西とおるの自伝的ドラマ『全裸監督』の原作者として知られる本橋信宏の『高田馬場アンダーグラウンド』を携えていた。鶯谷、渋谷円山町、上野、新橋に続く、「東京の異界シリーズ」の第5弾である同書には高田馬場駅前の巨大複合型ビル『ビッグボックス』のことを巨大な石棺と表現している。同ビルは1974年5月5日に建てられた。設計は黒川紀章。当時の駅前再開発の中心だったという。それから50年近く経つが、ランドマークとしては風前の灯なが