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朝目覚めて辺りを見回してみてもつぶらな瞳の彼はいない鼻先で優しくなぞってくれることも労わる声もしばらくは聞けない・・・いなくなるのはよくあることで春にも国境には赴任していただから慣れっこになっているはずと自分に言い聞かせていたのに・・・寂しい・・・早く帰って来ないかな待ちぼうけばっかりで悲しくなるヌンちゃんどうしたの?またチュホンさんのこと思い出していたの?生後一年を過ぎてすっかり大きくなり子犬とは言えないタンの愛犬フンが心配そう
きゃっどうしたウンスやうん今誰か車を覗いてなかった?この夜中に?覗きか?まさかあいつ!近くに越して来たチェ・スジョンか?ウンスに会いに夜中に来たのか!何てやつだううん違うわよもっとおじいさんだったでえっとなんだか見慣れない服を着ていたよちょっとの間も離れていたくないのに釜山の学会に行っていたチェヨンは数日会えないだけで会いたくて仕方なくてそんな話には耳を貸さずにウンスの頬に手を添えて自分の方に向け
どこまで行ったかしらね?西京あたりかなぁ?そうでございますね夕餉の給仕でそばに控えるへジャが微笑んで頷いたウンスは先ほどから同じことを何度も尋ねているタンほらこれも食べてへジャの返答に頷いてウンスはタンのためにほぐした魚の白身をタンの口に入れたあぁ〜〜いうまうまネ〜おんまぁあっぱぁいちゅかえる?もぐもぐ口を動かしながらタンはきょとんとウンスに聞いたタンはいつものように屋敷に父親が戻って来ると思っ
沿道はチェヨンたちの出陣を一目見ようとする民で埋め尽くされていた元のタンサガンだったソン・ユの話だと奇皇后はワン・へ(徳興君)に一万の兵を与え現高麗王を廃する元皇帝の勅書を持って攻めてくる迎え撃つ高麗の義勇軍はウダルチやアン・ジェ率いる鷹揚軍など合わせて一万それにすでに国境に配されたイ・ソンゲが指揮をとる国境警備隊が五千数の上では高麗軍が有利だが相手は勢力が弱まったとはいえ大陸の王者援軍を送り込むことなど容易いはず気を緩めると命取りだ王様の前に
出陣の朝が来たウンスはいつもと同じようにチェヨンの腕の中で目覚めおはようの代わりの口づけを交わした昨日は・・・ごめんねウンスは小さな声でもごもごと呟いた遅くまで起きていて眠らないタンをあやしているうちにウンスが眠くなりうまく一対になれないうちにうっかり眠ってしまったようだいや無理をしない方が良い子が生まれたらまたいくらでも・・・チェヨンは優しい目をしてウンスを見つめ髪を撫でながら囁いたうん・・・でも戦の前に・・
勤めを終え屋敷に帰ったチェ侍医のもとへ養成所にいるはずのイサが顔を出したどうしたイサ?今宵は外泊の予定日ではないであろう?あ?うんちょっと父上の顔が見たくてねそれに相談事もあるしそうか・・・外出の許可はとっているのか?ああ大丈夫だよ就寝時間までに戻ればいいからならば飯を食べて行きなさいチェ侍医は気立てのいい女中の老婆に飯の支度を頼んだはい旦那様ちょうどいい具合に先ほど医仙様からだと言ってチェ家
チェヨンは屋敷に向かっていたウンスが好きな饅頭屋の匂いを嗅ぎ人々が行き交う市を抜けしばらくすると最近越して来たキム家の屋敷があるその庭には立派なパムナム(栗の木)があって先日タンがポムたちと栗拾いをしたのだとウンスは言っていた面白がってたくさん拾ったのはいいが栗のイガイガに手を出して指を刺したみたいであぁ〜〜んあぁ〜〜んと泣きやまないのよ泣き顔のタンの頬をウンスが愛しそうに撫でていたのを思い出すその隣の大きな屋敷はポムの実家のパク家毎日
トクマンは兵舎に戻った自分の浅はかさが木枯らしのように身にしみていた戦の間王宮の警護に当たるチュンソクと出陣前の最後の打ち合わせに兵舎を訪れていたチェヨンはトクマンのその姿を見て小さなため息をついたしょうがない奴だ何をうなだれている?ウンスはトクマンと町娘の行く末を気にかけているようでトクマンと話ができたらいいのにと昨夜からチェヨンにねだるように言っていたそこでタンの護衛の名目で屋敷に向かわせたのだがなんの話をしたのか?トクマンはす
屋敷にやって来たトクマンの隣にはジュヒもいた医仙様若様はとても楽しげに宴をお楽しみでしたよそお?よかったわありがとうジュヒあらトクマンさん・・・?久しぶりねタンの護衛に来てくれたの?はっ医仙様上護軍の命を受けトクマンは頭を下げたそあの人に頼まれたのねはいでも出陣の前にご挨拶もしたくてありがとううちの人をよろしくねそうそう今ちょうどヨンファが来てたのまあヨンファ先生が
ウンスは閨の寝台に横になりわずかに開いた窓から見える庭をぼんやり眺めていた一人寝するには広すぎる寝台朝早くにチェヨンは王宮へ出立しタンもチェ尚宮の迎えでポム親子と王宮へ行ってしまい珍しく屋敷にはいない昨夜の閨の疲れを取るにはちょうど良い休息だがどことなく寂しかった初めて幼稚園に送り出したオンマの心境はこんなものだろうかとウンスは体の向きを変えながら考えていたタンはウンスの産休以来一緒に屋敷にお籠りをしていてお船のお遊びの会にしばらく顔を出し
チェヨンは夕餉を食べ終わり歯磨きをしている間にこてんと眠ってしまった息子タンを閨に運び布団をかけるとお腹をとんとんしていたそれからタンの隣に横になった妻のウンスの大きなお腹をそろそろと撫でる時々腹を蹴る元気な足を感じ頬が緩んだああ〜タンたら歯磨き終わらないうちに寝ちゃったわ虫歯になるって言ってるのにウンスは渋い顔まあ大丈夫であろう茶も飲んでいたし甘いものは食べてはおらぬそうだけど・・・ウンスは優しい父親の
トクマンはチェヨンの若い頃の知り合いで妓生だったジヒョンが女将を務める妓楼の一部屋でぼんやり天井を眺めていたチェヨンとジヒョンは男女の関係ではなく以前から同志のような関係らしいが妓楼で聞き及んだ噂や情報は今でもつぶさにチェヨンのもとに届く仕組みになっていてこの妓楼を通して思わぬ収穫があることもしばしばだまたジヒョンは妓楼の女将という立場で珍しい化粧品も手に入れることができ今ではすっかり意気投合しているチェヨンの妻ウンスに舶来の紅や白粉を渡すこと
ヨン遅いわね〜よんネ〜〜息子のタンは母親ウンスの口真似をして一緒に頬杖をついているソン・ユと話をしてから王宮に向かい夕餉の時刻が過ぎ随分と夜も深くなったというのにチェヨンはまだ屋敷に戻っていなかったチェヨンに話したいことも聞きたいこともたくさんあるタンサガンだったソン・ユがウンスを公開処刑をせずに生かした訳が腑に落ちたことあの頃は自分の啖呵でタンサガンが怯んでのことかと勝手に思い込んでいたがタンサガンは柳恩修の名前でわざ
チェヨンは一旦王宮に戻ることにした行ってらっしゃい何かを感じているだろうにウンスはチェヨンに問うこともせず笑って手を振っている天界に届くとよいなチェヨンはたまらず声をかけたええ幸せな絵だものあれを見たらオンマもアッパもきっと安心するわあでも王様からの賜り物を預けてよかったのかしら?ウンスは突然の来訪者ソン・ユにタンの誕生祝いに賜った王様の絵と短い手紙を預けた両親を安心させるための自分の思いつきに満足してい
元の遣いではなく魏王の内々の遣いだと?チェヨンは尋ねたいかにも魏王は娘御の嫁ぎ先である高麗の安寧を願うておるこれは本心の親心ゆえに案じておられますなれど魏王は元の王族表立って使者を遣わすわけにもいかぬそこでタンサガンを辞した元高麗人の某に白羽の矢がたったのだ奇皇后・・・チェヨンは呟いたいかにもさすがに頭が切れるチェヨン将軍が元の味方ならば元は今ほど衰退をしなかったろうにソン・ユは残念そうに言ったその
チェヨンの旦那屋根伝いに声がしたジホか?屋敷の様子は?あの元の男だよ医仙と話をしてるようだシウルが見張ってるけど悪さしに来たわけじゃあないよああだが俺のいぬ間に他の男を屋敷に招くとはウンスは相変わらず無防備だまさか客間に二人きりではなかろうなへジャさんにソクテさんそれに若と隊長の奥方あの元気のいいえっと・・・チュンソクの嫁御がいるのか早耳な奴だチェヨンはぶつぶつ屋敷の門をくぐったウンスは
チェヨンが自分の屋敷を目指し愛馬チュホンを全速力で走らせていた頃奥様奥様にお客様にございますヘジャはウンスに来客を告げていたん?私にお客様?誰かしら?典医寺の関係者?見知った顔ならば誰それにございますとヘジャなら名前を告げるはずでウンスは訝るように首を傾げたチェ家に突然の来訪者はまずいない刺客を警戒しチェヨンがスリバンと衛兵に顔見知り以外決して屋敷の門をくぐらせないように命じているからだひとたび不審な動きがあればチェヨンに斬り捨てられる可能
ウンスの肌のぬくもりがまだ自分の肌に残り香として漂っている朝チェヨンは王宮へと出仕したすでにチュンソクは兵舎にいて警備案に目を通し眉間のしわをさらに深めチェヨンが兵舎に顔を出すとすぐさま報告がなされた黒ずくめの輿が今朝方都の外れに入ったと放った密偵より報告がありました手綱さばきも手慣れた眼力鋭い男が乗っている模様捕らえて詮議いたしますか?もしや王宮への刺客ではなかろうかと隊長としてのお前の判断に任せるが・・・だがそやつ簡単には捕まる
ふぅと大きく息を吐いてチェヨンはウンスから離れたぐったりしている妻の姿さえもこれほど愛しいとは腑抜けだ戯け者だ高麗武士がもはやおかしくなったのかと言われても致し方ないくらいにウンスが好きで仕方ない自分の欲に呆れながらそれを隠すこともできずただただウンスを愛おしんだ隣に横たわるウンスは肩で小さく息をしながらぼんやりと天井を見つめているすまぬ苦しくはないか?腹は痛まぬか?暗がりの中チェヨンは声をかけた囁くような小さな声で大丈
チェヨンはなんとなくいらいらしていた息子タンの賑やかな誕生日の宴から三日の後のこと原因は妻のウンスの態度だあまりにつれないまるで夫のことなど興味をなくしたかのような素っ気なさ抱きしめてもかわされる口づけしようとしてもそんな気分じゃないと言うしかもしかもだ二歳になったのを機に隣の子供部屋で寝ることになったタンについていってしまいチェヨンが帰って来た頃にはすっかり二人で寝てしまっている子供部屋と言っても閨の続きの間で扉を開けておけば一部屋になるだが
本日一つ前に其の十五を更新いたしましたよろしければそちらからお読みくださいませ(。-人-。)このお話はタンの誕生日に寄せてグルの参加者様が繋いでくださいったお話をもとに構成しております*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆「フンとヌン時々チュホン」ねえヌンちゃん今日は若様の「ばーすでぱっちん」なんだってぇヌンちゃん知ってた?柵の隙間から這い出して馬小屋に入り浸るタンの愛犬フンがへジャとソクテが話していた大好きなタンの話題を小耳に挟み
あっぱぁごむんとぅんとぅんへ〜〜おんまぁごむんとぅんとぅんへ〜〜きゃははははぁタンの誕生会から一夜明けた日の夜のことタンはすっかり誕生日に歌った天界の歌コムセマリが気に入ったようであっぱぁもおんまぁも太っちょだと歌ってはきゃらきゃらと笑ってウンスに聞かせたウンスのお腹は確かに日増しに大きくなっていてタンには重たそうに見えたのだろうタンが寝てしまって子供部屋で片付けをしていたウンスはへジャに尋ねたなんだか複雑な気分よそんなに太っ
タンの可愛いコムセマリの歌で幕を開けた夜の宴は身重のウンスを気遣って全員椅子席だった昼の部は何せ人数が多かったので椅子の者もいれば庭に用意した席につく者座敷に座る者と多様であったが夜の部は一人一人に席があてがわれたウンスとチェ尚宮がタンを挟むようにしてちょうど真ん中あたりに陣取りウンスの隣にはチェヨンその隣の席にはチュンソクそしてポムとミョンヨンファ夫妻とジェボクが続きぐるっと回ってウネ夫婦とジュヒそしてテマンとコハクチェ侍医とイサと卓を囲むように
いい宴でしたね料理を作り終え他の女官たちと少しばかり寛いでいたタルピが近くを通りかかったヘジャに声をかけ言った美味しいお料理をありがとうございましたタルピ様お世話になりましてありがとうございました皆様ヘジャがかしこまって深々と女官たちにお辞儀を返す昼間の宴は無事に終わりへジャはほっとしていた王妃様御一行は王宮に向けてすでに出立しお客様も帰り屋敷は先ほどまでの賑やかさが嘘のようにしんとしている叔母のチェ尚宮も王妃様と
女中のミヒャンは餅屋のナナと勝手口でおしゃべりをしていたなんだかすごい数のお客様のようだって聞いたけど?アグルの母さんがねさっき食材を届けに来たでしょう?市場で宴の様子を話しててそれを聞いたの朝届けたお餅で足りるかなぁって心配になって来てみたのよそうだったのねミヒャンが頷いたうん市場でもこのお屋敷の宴の噂で持ちきりよそれにねお花のお餅がさっき出来上がったから持って来たこれはうちからのお祝いきれいねオンマ若様
大妃様王妃様お揃いで屋敷まで来ていただけてうれしいわウンスは満面の笑みを浮かべて二台の輿の一行を出迎えたこんしゅままネ〜〜タンがミレ公主(コンジュ)を見つけウンスの袖を引いて言った王妃様の輿の中から顔を覗かせる公主様はタンの声が聞こえ外に出たがりお付きの女官リファを慌てさせているその側にわざと厳しい顔つきをしている夫チェヨンの姿ウダルチを率いて来た自分の予想が的中しウンスは今にも笑い出しそうにぐっと堪えた顔
秋晴れにございますねぇそうねぇお天気が良くてよかったわウンスはへジャに微笑んだ身重のウンスに代わって今回の宴は何から何までへジャに頼りきりおかげで立派に準備が整った屋敷の中は女中たちがピカピカに磨き上げていたしミヒャンの生け花が客間奥の間廊下といたるところに飾られていてはなやかな装い誕生会のためにウンスのしたことといえばタンの歌の練習くらいかもしれないではヨンファ様ご夫妻は夜にだけお見えになられるのですね?へジャが確認す
ええ?王妃様が?あの料理上手なタルピさんを連れて屋敷へ来るの?ああ成り行き上そうなった・・・昨夜遅く帰って来たチェヨンは寝ていたウンスと話ができず朝餉の席で初めて王妃様のことを伝えたのだった本当に?ああ・・・ウンスの顔色がぱあっと輝くやったぁうれしいわまさか来ていただけるなんて!警備の都合もあるだろうし無理だと思っていたのよわんびまま〜?ええそうよタンよかったわねお誕生日に来てくれ
父上大丈夫か?夕刻買い物ついでに典医寺の様子を見に来た養子のイサが心配したようにチェ侍医に尋ねた医仙様が典医寺の役目を離れ休養に入ったことは知っていたがまさかそれが原因だろうか?とイサは訝るああ医者の不養生季節の変わり目だから体調を崩してしまったようだ肩を落としてチェ侍医が言ったそうなのか?オレはてっきり医仙様に会えなくなって恋煩いが加速したのかと思ったよ何を!そのようなくだらぬこと親をからかうものではないぞ
役目を終え屋敷に戻ったチェヨンは奥から聞こえる笑い声にふっと頬を緩めたあ!ヨンお帰りなさい楽しそうだな如何したのだ?あっぱぁあんにょんチェヨンは駆け寄って来た息子のタンが鎧で傷つかないように気をつけて頭に手を置きぐしゃぐしゃと撫でた着替えてくる?ああそうだなチェヨンはウンスと一緒に閨に向かうタンはついてくるとは言わずヘジャにまた歌を披露し始めた誕生日の出し物にタンの歌を披露しようと思