ラブイユーズは、バルザックの代表作ではないが、本領を充分に発揮した豊かな作品だった。題名は川揉み女の意味がある。枝で川をかき回してザリガニを追い込む女性をいう。耳慣れぬ題名にはさして興味を惹かれなかったが、村上春樹がすらすら読めてしまう作品と評していたので、何気なく読み始めたが、面白くて止まらない。疾走感が半端ない。ラブイユーズとあだ名された女性キャラクターは物語半ばで漸く出てくる程度であるが、登場の仕方が実に印象的だ。これ以上美しい女性はいないのではないかという描き方だ。登場する回数が多いのは