稲妻を観た。成瀬巳喜男監督作品に、まさか稲妻の特撮があるとは思わなかった。圧倒的存在感と観客を虜にする魅力で画面を支配する高峰秀子。峰重義のカメラは、常に斜め45度で日本家屋との正対を避ける。出番少ないが、若さ溌剌の香川京子と、晩年と印象が全く違う根上淳。作劇は原作林芙美子にしては、至極まともで、世間に翻弄される女性たちも意外にしっかりしていて、深みに落ち込んでいかない。故人の保険金を頼りに蟻のように寄って来る親戚・身内・見知らぬ親子らの物語。高峰はバスガイド役だが冒頭に少しあるだけで、これも意