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住宅太陽光で発火事故が起こっているという消費者庁の報告が話題になっていて、このブログでも幾度か取り上げましたが、その続編として消費者庁から不良パネルの発火プロセスの詳細が報告されています(不良太陽光パネルは、こうして発火・延焼した)。ちょっと長くて難解なために読みにくい記事かと思いますが、丁寧に書かれていると思います。詳細は記事に譲りますが、少し気になる点について触れます。説明の都合上、報告の概略を説明しておきます。まず住宅太陽光の火災事故の原因は、不良パネル原因の事故と、不良工事原
一昨日、屋根一体型太陽電池での発火事故を紹介しましたが、屋根一体型は住宅用太陽光発電の話なので、野立ての太陽光ではあまり関係ないと思われた方もおられると思います。しかし、野立てでもトラブルで発熱・発火を起こすことは十分考えられ、その時に雑草などが近くにあると火事を起こす恐れがあります。それを指摘する記事がありました(雑草が高める太陽光発電所の火災リスク、「延焼すれば損害賠償も」)。写真の太陽光発電所はかなり酷いですね。これだけ雑草に覆われると発電量もかなり悪くなりそうですが、オーナ
屋根一体型の太陽光パネルから発火したという記事がありました(瓦の影で太陽電池パネルが発熱・発火)。ホットスポットやバイパスダイオードの話が絡み、参考になりましたので取り上げてみます。まずパネルが発火して焼損した屋根の写真が下図です。かなりやられていますね。発火の原因は瓦の一部が下にずれて太陽電池の上に重なって、そこにホットスポットを作ってしまったことがきっかけのようです(下の写真)。このホットスポット自体は直接の発火源ではありませんが、間接的に発火の元となりました。まずホットス
太陽電池に雷が落ちるという話はあまり聞かないかも知れませんが、稀にあります。ちょうどその記事がありましたので紹介します(「直撃雷」でパネル33枚が破損したメガソーラー)。この記事にありますように、雷の被害には直撃雷と誘導雷があります。直撃雷とは文字通り雷の直撃を受けるもので、誘導雷とは近くに雷が落ちた時にその周辺に誘導される誘導電流のことです。誘導電流と言っても元の雷の電流がとてつもなく大きいので、誘導される電流も何万Aにもなることがあり、それに繋がれている機器が破損します。この記事
変わった太陽電池が出てきました(米ベンチャー、太陽電池セルをマトリックス状に接続)。普通の太陽電池パネルでは、10数センチ角のセルが全部直列に接続されています。よく使われる、セルを縦に10個、横に6個並べた太陽電池パネルは、60セルが全て直列に接続されています。マトリックス状に接続するということは、多分、10直列6並列で全てのセルを直並列するのだろうと想像しています。セルの方向を揃えないといけないですね。しかし、こんなやり方があったのだなぁ。これなら多分、バイパスダイオード無しでもホットス
太陽電池の動作改善のために、難しい名前のICが発表されています(マキシムセルストリングオプティマイザー)。どうやらMPPTの制御をするICのようです。回路を集積化して小型になったのでパネル内に組み込むことができるということでしょう。記事ではバイパスダイオードの代わりにこのオプティマイザーを使うと良いと書いています。バイパスダイオードの代わりに使うとなると、普通の60セルのモジュールなら3つのバイパスダイオード(太陽光発電の動作チェック-バイパスダイオード)の代わりにオプティマイザーを使うこ
英弘精機の記事についての続きです。雑誌「光発電」に掲載された「大規模太陽光発電所の運用状況」の記事の中でIVカーブを測定して分析しているところがありましたので、今回は少しマニアックにIVカーブの話をしたいと思います。話に入る前に少し前提知識を。ちょっとややこしいですが・・・。太陽電池はセルが直列につながっていますので、どれかに影が入ると全体の電流が制限されてしまい、状況によっては出力が大きく下がる恐れがあります。これを避けるために、普通はバイパスダイオードと呼ばれるものが入っていますが、バイ