ブログ記事46件
トゥルーラベンダー(学名:Lavandulaangustifolia(=officinalis))シソ科ラベンダー属地中海沿岸が原産で、成長すれば1mほどになる低木です。ラベンダーには多くの種がありますが、ハーブとしてはやや寒冷で乾燥した高地に育つ「トゥルー(=真正=コモン=イングリッシュ)ラベンダー」が最も効能が高いとされます。初夏に収穫される蕾に独特なフローラル調の強い芳香があり、昔から人気が高く「ハーブの女王」「香りの庭の女王」とも呼ばれます。lavenderの
セルピルム(学名:Thymusserpyllum)シソ科イブキジャコウソウ属「ワイルドタイム」「タイムの母」とも呼ばれ、ヨーロッパの温暖な地域に広く分布しています。地を這うように成長していくことから「クリーピング(=這う)タイム」の別名もあります。(ちなみに「セルピルム」は学名に由来し、これはギリシャ語で「大蛇」を表す単語から来ています)和名はヨウシュイブキジャコウソウで、日本にも近縁種のイブキジャコウソウ(T.serpyllumssp.quinquecostatus
バードックルート(ゴボウ)(学名:Acrtiumlappa)キク科ゴボウ属アジア〜ヨーロッパ原産の、アザミに近縁のキク科の二年草です。大きな葉を持っていて(写真は若株ですが…)、アザミに似たマゼンダ色の花を咲かせます。日本では縄文時代の遺跡から出土例があり、平安時代には根を食用にしていた記録があります。福井・大阪など、葉ゴボウを利用している地方もあります。しかし中国や西洋ではゴボウを常食にはせず、もっぱら乾燥させた根や種を生薬として用いてきました。強い利尿作用と発汗作用で体
ナスタチウム(学名:Tropaeolummajus)ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属南米ペルー原産の一年草ハーブで、インディアンクレスとも呼ばれます。インカ帝国を征服したスペイン人がヨーロッパに持ち込み、花の美しさから観賞用として、また食用として人気を博し、16世紀末にはイギリスで栽培されていた記録があります。日本にも江戸時代に渡来しました。北海道釧路市の市の花でもあります。葉は柄が長く、ハスの葉に似ています。また春と秋には紅・黄・橙・桃色の、ノウゼンカズラに似た色鮮やかな五
ホワイトセージ(学名:Salviaapiana)シソ科アキギリ属アメリカ・カリフォルニア州からメキシコの西海岸が原産のセージの仲間です。常緑の低木で、1.5mほどまで育ちます。葉の両面に細かな毛が生えていて白っぽく見えることから、ホワイトセージと名付けられました。葉や種子に精油成分を含んでおり、コモンセージをさらに強くしたような芳香があります。アメリカの先住民は、茎葉・種子をスパイスとして用いたり、根を産後の回復用のお茶にしました。また枝ごと刈って乾燥させ、線香のように
バタフライピー(学名:Clitoriaternatea)マメ科チョウマメ属タイ原産のエンドウに近いマメ科のハーブです。本来は多年草ですが、寒さに弱く晩秋には枯れるので、日本では一年草として扱います。日本には幕末頃に観賞用として渡来しました。和名は花の形から「チョウマメ(蝶豆)」です。タイ語の「アンチャン」、また学名からクリトリアと呼ばれることもあります。八重咲きの品種や、白花のものもあります。青い花にアントシアニン(デルフィニジン)を含んでおり、青い色のハーブティー
マーシュマロウ(学名:Althaeaofficinalis)アオイ科ビロードアオイ(ウスベニタチアオイ)科アオイ科の多年草で、和名はウスベニタチアオイ、もしくはビロードアオイです。ヨーロッパ・北アフリカ〜西アジアにかけての原産で、成長すると1〜2mまで育ち、小さく白い花を咲かせます。この花をお茶にすると、ブルーマロウのように色が出たりはしませんが、薬効はより高いとされます。また花のみならず、若葉や根もハーブとして利用できます。古代エジプトでは既にハーブとして知られ、ギリシャで
オレガノ(学名:Origanumvulgare)シソ科ハナハッカ属トルコ・アナトリア半島の乾燥地帯の原産とされる、シソ科の多年草です。オレガノ(oregano)の名称はギリシャ語の「山(oros)の喜び(ganos)」に由来し、古代ギリシャ・ローマの時代から料理や薬草として知られていました。豆と相性が良いのでメキシコ料理でも使われますが、なんと言ってもイタリア料理で一番多く使われるハーブです。ピザやパスタと相性がよく、乾燥葉をミートソースに入れると格段に味が良くなります。ただ
ダマスクローズ(ローズピンク)(学名:Rosa×damascena)バラ科バラ属バラは世界最古の園芸植物の一つとされ、約6000年前のメソポタミア(現在のイラン・イラク)のシュメールで栽培されていたことが、記録に残っています。今回取りあげるダマスクローズ(R.×damascena)は、かつてメソポタミアの中心だったイラン北部の原産と推定され、香りバラとしては現在でも最高品種とされています。バラは観賞用だけでなく、ハーブとしても効能が古くから知られていました。身体や精神を
チャイブ(学名:Alliumschoenoprasum)ユリ科ネギ属日本の「アサツキ」の原種にあたり、和名はセイヨウアサツキもしくはエゾネギです。料理の世界ではフランス語の「シブレット」の名称もよく使われます。ネギやアサツキのように利用でき、アサツキよりもさらに刺激が少ないのが特徴です。卵とも相性が良いので西洋ではオムレツに使うのが定番で、ベイクドポテトやコンソメスープにも利用します。またフランス料理のフィーヌゼルブ(ミックス生ハーブのみじん切り)の素材としても知られます
ティーツリー(学名:Melaleucaalternifolia)フトモモ科コバノブラシノキ属オーストラリア原産の、ユーカリに近縁な樹木で、8メートル位まで生長します。東海岸の高温多湿なエリアに分布することで、乾燥地を好むユーカリと棲み分けています。英語でお茶の木を意味する「ティーツリー」の名前で呼ばれるものの、いわゆる「茶」の木(ツバキ科)とは別種で、ハーブティーにもできません。これは18世紀にヨーロッパからオーストラリアにやって来た探検家たちが、ギョリュウバイ(マヌカ)などハ
ヒソップ(学名:Hyssopusofficinalis)シソ科ヤナギハッカ属南ヨーロッパを中心に分布する半常緑の多年草(樹木に分類されることも)で、50cmくらいまで生長します。和名はヤナギハッカです。ラベンターと同じシソ科で花の姿も似ており、園芸用としても人気があります。ヒソップとは「神聖なハーブ」を意味するヘブライ語が語源で、新約聖書にも登場します。(ただし近年の研究で、聖書の「ヒソップ」はOriganumsyriacum(シリアンオレガノ)を指し、ギリシャ人が翻訳したと
ローズヒップ(学名:Rosacanina)バラ科バラ属ローズヒップとはバラの実のことを指しますが、ハーブとしては主にドッグローズ(R.canina)のものを使います。(その他、スイートブライヤー(R.rubiginosa)や日本の「ハマナス」(R.rugosa)の実もローズヒップとして利用できます。)ドッグローズはヨーロッパ〜西アジアに自生する原種のバラの一種で、実(正確には偽果)の外殻を乾燥させ、ハーブとして利用します。お茶にすると「やや酸味がある」程度の味ですが、ゆっく
パッションフラワー(学名:Passifloraincarnata)トケイソウ科トケイソウ属「パッションフラワー」とは、トケイソウ科トケイソウ属に分類される蔓性植物の総称です。中南米を中心に約500種が知られ、種ごとに様々な色や形の花を咲かせます。日本には、江戸時代にP.caeruleaが観賞用に渡来しました。その特徴ある花のかたちを、日本では時計の針に見立てて「トケイソウ」と呼びましたが、西洋ではキリストの十字架に見立ててpassionflower=「(キリストの)受難の花」
フィーバーフュー(学名:Tanacetumparthenium)キク科ヨモギギク属東欧~コーカサス原産のキク科の一年草で、和名はナツシロギクです。カモミールに近縁の植物で、ヨーロッパでは古代ギリシャの時代から効能が知られていました。英名のフィーバーフューが解熱剤を意味するラテン語「FEBRIFUGIA」に由来するように、伝統的に熱冷ましの薬として利用されてきました。ただし現在ではむしろ、頭痛対策のハーブとして知られており、アメリカではサプリメントも人気です。頭痛のするときや頭
ソープワート(学名:Saponariaofficinalis)ナデシコ科シャボンソウ属ヨーロッパ〜西アジア原産の多年草です。茎はやや多肉質で節があり、5〜60cmに育ちます。日本には明治時代に鑑賞目的で渡来し、東〜北日本中心に野生化したものが時折見られます。全草、とりわけ根部に界面活性成分であるサポニンの一種・サポナリンを多く含んでおり、古くから石鹸の原料として利用されてきました。生の葉や根を水に漬ける、もしくは乾燥根を煮出すことで石鹸液が作れます。洗浄効果にくわえ生地
アーティチョーク(学名:Cynarascolymus)キク科チョウセンアザミ属南ヨーロッパ原産のキク科の多年草で、イタリア語の「カルチョーフィ」の名で呼ばれることもあります。和名はチョウセンアザミです。古代ギリシャ・ローマ時代から薬草として利用されていましたが、十五世紀のイタリア・ナポリで若い「つぼみ」を野菜として食べる習慣が始まりました。(花菜)(ゆでたソラマメとジャガイモの中間のような食感・風味でおいしいです)ハーブとしては、葉を使用します。独自成分・シナリンが肝機
レッドクローバー(学名:Trifoliumpratense)マメ科シャジクソウ属マメ科の多年草で、シロツメクサと並んでいわゆる三つ葉のクローバーの代表です。葉がやや細長く、中にV字型の白いラインが入るのがシロツメクサとの違いです。花色はやや紫がかったピンクで、和名・ムラサキツメクサの語源にもなりました。ヨーロッパ~西アジアが原産ですが、牧草・緑肥・蜜源植物として有用だったため、世界中に移入され、日本にも牧草として明治時代にもたらされました。デンマークの国花であり、またアメリカ
コーンフラワー(学名:Centaureacyanus)キク科ヤグルマギク属キク科の一年草で、和名はヤグルマギクです。中近東原産と推定され、麦と一緒に育つ性質があることから、麦作の伝播とともにヨーロッパにも伝わったとされます。青い花色の美しさから古代エジプトの時代より愛されており、ツタンカーメン王の墓からも出土しています。ギリシャ神話では、ケンタウルスの賢者・ケイローンが傷薬として使ったという伝説があります。(学名もその伝説に由来します)フランス王妃・マリ=アントワネットもこの
ユーカリ(学名:Eucalyptusglobulus他)フトモモ科ユーカリプタス属コアラの好物としても知られるユーカリ。フトモモ科ユーカリプタス属に属する木本の総称で、オーストラリアやニューギニアで多様な進化を遂げ、500を超える種に分かれています。その中でもハーブとして最も一般的なのは「タスマニア・ブルーガム」とも呼ばれるグロブルス種で、他にもラディアタ種・スミティー種・シュタイゲリアナ種などがハーブの世界で「ユーカリ」と呼ばれます。(なお、キトリオドラ種(=レモンユーカリ
ヘザー(カルーナ)(学名:Callunavulgaris)ツツジ科ギョリュウモドキ属ヘザー(カルーナ)はツツジ科に属する常緑樹で、成長しても50cm程度の灌木です。葉はうろこ状で、ヒノキに似ています。かつてはエリカ(Erica)属とされており、その名残りで「エリカ」と呼ばれることもあります。日本でも1960年代に流行曲から一般に知られるようになり、庭木「ギョリュウモドキ」として定着しています。原産地は北欧やスコットランドの寒冷なヒース(=泥炭地)で、ノルウェーの国花でもあ
ゆず(学名:Citrusjunos)ミカン科ミカン属ミカン科ミカン属の常緑小高木で、ホンユズとも呼ばれます。(ちなみにオニユズやハナユズは別種で、ハーブとしての効能も異なります)原産は中国・揚子江の上流とされ、日本では飛鳥時代には栽培されていた記録があるそうです。現在では、栽培も消費も日本が中心になっています。かつては北関東が主産地でしたが、現在は四国での生産量が多くなっています。(馬路村や北川村のブランドが有名)果実は酸味が強く香りも良いため、日本料理で多用され
レモンバーベナ(学名:Aloysiatryphella(=citriodora))クマツヅラ科コウスイボク属レモンバーベナはクマツヅラ科の落葉低木で、最大3mくらいまで成長します。和名はコウスイボク(香水木)もしくはボウシュウボク(防臭木)です。南米アンデスの原産で、17世紀にスペイン人によってヨーロッパに移入されて一大ブームとなりました。現在でも特にフランスで人気があり、「ヴェルヴェンヌ」と呼ばれて愛されています。(なお「バーベナ」「ヴェルヴェンヌ」とは本来クマツヅラ(馬鞭草
チェストツリー(チェストベリー)(学名:Vitexagnus-castus)シソ科ハマゴウ属チェストツリーはシソ科(かつてはクマツヅラ科とされた)ハマゴウ属の落葉性の樹木で、和名は「セイヨウニンジンボク」です。中国原産のニンジンボクの仲間で、かつ南ヨーロッパ原産なので「西洋」の名を冠しています。樹高は通常は2mくらいですが、7~8mの高木に育つこともあります。日本には、明治時代中期に渡来しました。夏~秋の長期間、唇状の白~紫色の小花を穂状に咲かせて見栄えがすることから、特に日
ホーリーバジル(学名:Ocimumtenuiflorum(=sanctum))シソ科メボウキ属(写真はカプール種のホーリーバジルです)日本でも今やおなじみとなったスイートバジルの近縁種で、南アジアが原産とされています。インドでは「トゥルシー」、タイでは「ガパオ」、和名ではカミメボウキ(神目箒)と呼ばれます。本来は木に近い多年草ですが、日本では冬が越せないので一年草扱いとなります。インドでは古来より神聖なハーブとされ、万能薬・不老不死の薬とされてきました。最新の研究で
コリアンダー(学名:Coriandrumsativum)セリ科コエンドロ属ディルやフェンネルと同じセリ科の一年草で、1.5mくらいまで成長します。地中海東岸~小アジア原産と推定され、古代エジプトでも食材・医薬品として利用されていました。現在は熱帯地方を中心に世界中で栽培され、中華料理でも「香菜(シャンツァイ)」として利用します。日本でも平安時代の文献にコリアンダーの記録が出てきますが、本格的に定着したのは1990年代のタイ料理ブーム以降です。そのこともあって現在は、タイ語
ディル(学名:Anethumgraveolens)セリ科イノンド属フェンネルに近いセリ科の一年生植物(フェンネルは多年草)で、カスピ海東岸が原産とされています。生長すると、人の背丈ほどになります。5000年前のエジプトで栽培されていた記録があり、聖書にも「いのんど」として登場します。(なお「いのんど」はディルの和名で、スペイン語に由来します)ディルという名称は、「なだめる」という意味の古代スカンディナビア語に由来します。種や葉に独特の香りがあり、ハーブとして利用されます
コーンフラワー(学名:Centaureacyanus)キク科ヤグルマギク属コーンフラワーはキク科の一年草で、和名はヤグルマギクです。中近東原産と推定され、麦と一緒に育つ性質のあることから麦作の伝播とともにヨーロッパに伝わったとされます。(コーン(corn)は元々、日本語の「麦」に相当する)その花の青色から、古代エジプトの時代からハーブや魔よけとして利用されており、ツタンカーメン王の墓からも出土しました。ヨーロッパでは田舎の麦畑の風景を、郷愁を呼び起こす存在のようで、ドイツ・エ
イタリアンパセリ(学名:Petroselinumneapolitanum)セリ科オランダゼリ属セリ科の二年草で、イタリアの地中海岸が原産と推定されています。古代ローマの時代より利用されてきましたが、荒地でもよく育ち栽培が容易なため、今や世界で最も使われているハーブの一つです。日本にも江戸時代にオランダ経由で長崎に渡来しており、和名は「オランダゼリ」です。なお、日本で見られる葉の縮れたパセリは、品種改良によってアメリカで誕生した「モスカール種」(P.crispum)で、この
スギナ(ホーステール)(学名:Equisetumarvense)トクサ科トクサ属ユーラシア大陸に広く分布する多年草で、日本でもおなじみです。恐竜の時代に栄えた古いタイプの植物の生き残りで、いわゆる「スギナ」が通常の植物における葉に相当し、地下茎が茎、花にあたる胞子体が「つくし」です。学名のEquisetumは、「馬」を意味するラテン語equusと「剛毛」を意味するsetaを組み合わせたもので、スギナの形を馬の尾に見立てた命名です。英語でも「馬の尾」を意味するホーステールの名で