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・書名:『あなたが犯人だったらよかったのに』・著者:井上悠宇・出版社:早川書房(ハヤカワ文庫JA)・内容:高校生の夕凪(うつみゆうな)は、生まれつき心臓に孔がある。そんな体を抱えながらも、日々を静かに過ごしている。ある日、図書室で出会った先輩・才華(さいか)から奇妙な問いかけを受ける。「物語に殺されることってあると思う?」その後、才華は自ら命を絶つ。残された夕凪のもとには、才華から1枚のSDカードが届く。中には、パスワードの分からない2つのファイルが残されていた。夕凪はその
そえだ信/ハヤカワ文庫JA楽天ブックスで購入2025年9月5日読了以前ココに来てくださってた方の甥っ子て言われてたかな?紹介されてて読んでみようかなと楽天でポチって読み始めたものの、どうにも無理ゲー感強過ぎてなかなか読み進められなかった。多分最初に手にして3年は経ってる笑解説が自分の好きな辻真先さんだったコトも購入の一押しにはなっていたのだけど、所謂ル◯バに意識が乗り移って探偵って?ル◯バに掃除以外の何が出来るのよ?って思いますよね。でも、この掃除機ロボットがメーカーの特殊な?ギミックが
人物が多すぎる、とうなりながら読んでる人、多数と思われ。この作品の校閲担当の方はたいへんだな。とまれ。もうずっと緊張がつづくというか。しんどい展開だ。ウフコック……またしても抱え込むのか??ううう、はやくつづきを!!!と、別の意味でうなりながら読了。それにしても、ここまで膨大な数の人物を動かしつつ、物語を壊さず、さらにこちらの予測もつかない方向へ舵を切る。そして半泣きになるようなところでぶった切ってくれる。ありがたいのやらありがたくないのやら。すご
櫛木理宇ハヤカワ文庫JA2017年10月発行2022年7月29刷発行櫛木理宇さん。前回はこちら『56_逃亡犯とゆびきり』櫛木理宇小学館2024年12月発行櫛木理宇さん、前回はこちら『37_虜囚の犬』櫛木理宇角川書店2020年7月発行櫛木理宇さん、前回はこちら『21_死蝋の匣…ameblo.jp今回のはちょっと古い本です。でも5年で29刷ってのもなかなか凄くないですか?単行本の時は違う題名だったようですよ。カバー裏の解説から引用鬱屈した日々を送る大学生、筧
『後藤さんのこと』円城塔ハヤカワ文庫JA2021年第3刷2010年の単行本の文庫化。文庫化されてからもちょっと経ってしまいました。いまさら感がしますが、まだまだほやほやの円城読みであるワタクシ、わけわからぬままにけっこう面白く読めたので、なんとか書いてみようと思います。ちなみにこの短編集のティストはグレィコーヒーにピッタリです。hatenablogではマニアックな(数学や物理に強い)方々の深読み(または白旗を挙げた)感想が種々読めます。この感想がまた楽しかった。
今月買った本。相変わらず、ハヤカワ文庫JAは買っている。でも、読んでいないものが多数あるのも相変わらず。マルドゥック・アノニマス9巻。完結したら読むつもり。つもりのまま、何年も過ぎた。シリーズの前2作と同様3巻で終わると思っていたら、すでにその3倍になった。まだ終わらないみたい。3,3,3と来るのが美しいのに。***裏世界ピクニック9巻。こちらはちゃんと読んでいる。百合SFとかなんとか持ち上げられるけど、そういうの関係なく面白く読める。都市伝
異次元の世界に存在するクルクル回る蛍光灯みたいな秘密基地要塞を、勇者が乗り込み戦う!って、話ではなかったこちら。SFファンの麻雀仲間四人が、ひょんな事から異次元に入り込み各々のSF的知識を利用し異世界を旅しながらその世界を茶化しつつ、いじくり回す不思議な設定のSF小説でした。そんな亜空間を支配する存在、そして彼らはどうなるやら?ってほどほどのところであらまあ完結となりました。続編に「亜空間要塞の逆襲」勇ましいタイトルだけれども、またこの雰囲気なストーリーなのかなぁ?そのう
この投稿をInstagramで見るMay(読書)(@hon.ga.suki)がシェアした投稿死刑にいたる病(ハヤカワ文庫JA)[櫛木理宇]楽天市場814円死刑にいたる病【電子書籍】[櫛木理宇]楽天市場737円死刑にいたる病(ハヤカワ文庫JA)Amazon(アマゾン)663円
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【読書嫌いのための図書室案内】著者:青谷真未出版社:早川書房ISBN:9784150314286発売日:2020年4月16日【作品紹介】図書新聞再刊を任された浩二と蛍は、本を通じ、生徒や教師が抱える秘密、そして過去に高校で起きた自殺事件の謎に迫ることになる。(ブクログ/作品紹介・あらすじから引用)【感想】すごく惹き付けられる小説でした。登場人物達も個性的な部分もあったけど、なんか影がある所も描かれていて…ちょっと泣きそうになりました。本を読むことを嫌っていた
森晶麿さんのハヤカワ文庫JA作品探偵は絵にならない(JA1418)を読みました。あとがき含め308ページ。再読ではないけど、再読みたいなものかも。1日で読了。4編からなる連作短編。再読というか、最初の1話だけはちゃんと話を覚えていたけど、残りは初読みたいなもの。なぜか最後のあたりは覚えがあるので、途中で面倒になって最後のほうだけ読んだのかもしれない。今回続編を読んで面白かったので、改めてちゃんと読み直す。恋人の行方を捜して地元浜松に戻ってきた売れない画家の主人公が
森晶麿さんのハヤカワ文庫JA作品探偵は追憶を描かない(JA1485)を読みました。本編318ページ、3日間ぐらいの隙間時間で読了。だんだんスピードアップしていって面白く読めた。小遣いを与えられていない女子高生の部屋が高級品であふれているなら、援助交際、って連想するのが普通になってる自分。一時期のミステリーの読みすぎ(笑。それに絡んで教師が監禁容疑で逮捕されているなら、女生徒を更生させようとして説得していたのを曲解されての通報。と思うのも同じく(笑。全然違っていたけど、女子高
獅子宮敏彦さんのハヤカワ文庫JA作品豊臣探偵奇譚(JA1486)を読みました。後書き含め413ページ、日、月、火の早朝入れて3日間で読了。連作短編風で読みやすい。実在の人物、豊臣秀保を主人公としたミステリー、、、なのかな。ヒロイン的な位置の人物が軽業師なので、種明かしがサーカスのネタっぽっくて、なんとなく江戸川乱歩的大がかりなペテンにかけられる。登場する人物の性格、背景などが自分には伝わりやすくて、最後まで物語に没入できた。奇譚というタイトルどおり、奇なんだろうな。
『静おばあちゃんにおまかせ』中山七里(著)文春文庫のイラストブックレビューです。特にこれといった突出した能力があるわけではない警視庁一課の刑事、葛城。彼はガールフレンドの協力を得て、難事件を解決していく。しかし、彼女の推理は、同居する元裁判官のおばあちゃんから授けられたものなのだという。元裁判官のおばあちゃんが事件の謎を解く|『静おばあちゃんにおまかせ』中山七里(著)のイラストブックレビューです。特にこれといった突出した能力があるわけではない警
『庶務省総務局KISS室政策白書』はやせこう(著)ハヤカワ文庫JAのイラストブックレビューです。総務省総務局、経済インテグレート・サスティナブル・ソリューション室、通称KISS室の島崎室長と部下の中村くんは、各省からたらいまわしにされた課題への提言に尽力し、時に海外の会議へと赴く。彼らのおかげで日本はまわっている…かも?|『庶務省総務局KISS室政策白書』はやせこう(著)のイラストブックレビューです。総務省総務局、経済インテグレート・サスティナ
長沢樹さんのハヤカワ文庫JA作品、イン・ザ・ダスト(JA1466)を読む。読むのに一週間ぐらいかかった。571ページと400字原稿用紙800枚ぐらいかな。長編といってよい量の2倍で、読み終わるのに時間かかるのは当然。前作が面白かったけど、本作も期待を裏切らない。一見何でもない事件に連鎖を見出す分析官と野心をもつ女性報道記者がともに連続殺人事件の真相に迫るという物語。ふたりの女性が主役、なんだろうけど、警察官の女性は、やはり一般の人が見えないものを見るという特殊な
読書記録付け始めてから一番ヤバい本(語彙力不足)に出会ったと思います。果たしてこれはSFなのか、果たしてこれは百合なのか、読んでるこちらが不安になるような、そんな一冊。この手の感覚には不慣れなのですが、奇書というのはこういうものを指すのでしょうか…?【感想など】・あらすじ…、というか設定?物語は「少女庭国」と「少女庭国補遺」の2部で構成されており、本の大半は後者に占められています。物語は卒業式を迎える直前に何らかの形で意識を失った中学三年生の少女が、暗
大好きなシリーズです。作者自体が美学専攻していたからか、作中の人物たちが語り合う美学論がとても魅力的。主人公の私は博士課程も修了し、講師として勤務しています。専門はエドガー・アラン・ポオ。毎回ポオの作品解釈とともにその時その時におきるトラブルや出来事に立ち向かいます。そのときに助言者となる強い味方は恋人でもある黒猫。大学院でも同期でありながら天才をほしいままにしている優秀な人。シリーズ途中でもこの2人のあれこれがあって、今は落ち着いています。今回の新刊は短編集でした。最近世間を
【読書記録】2020年79冊目「東直己探偵はバーにいる」映画化もされた作品。実は映画は見たことがない(笑)気になってはいたんですけどね~~気になっていただけで見たことがなかったので、今回先に小説を読むことができました!舞台は札幌ススキノ。探偵のような便利屋のような「俺」が主人公。「俺」に持ち込まれた奇妙な事件が、のちに大きな事件に発展していくという。。。のらりくらりと気の向くままに生きているような「俺」ですが頼まれた依頼は、きっちりこなしていきますね。なん
ちょっと前に読んだ5分間SFをボリュームアップさせた一冊です。以前もそうでしたが短編が並ぶと個人的な当たりはずれは出てくるものの、結構印象に残る短編が多かったです。【感想など】今回も印象に残った短編を抜粋。・カツブシ岩研究者たちが訪れた地域では「カツブシ岩」と呼ばれる万能食材が存在していました。カツブシ岩が一体どのような仮定で生成されるのか、そしてその供給の仕組みを調査するために研究者たちは現地に存在する巨大なカツブシ岩に挑みます。現地の人間
上巻ではぴあのが後の彼女の大発明に繋がる「みらじぇね」を開発しました。下巻では一気に物語は急展開を見せ、彼女はかねてからの夢を実現させます。【感想など】物語の細かい展開は説明してもしょうがないので是非読んで確認してください。と言うより解説できるほど読者である私の脳の理解力が優れていないので無理です。・ピアノドライブの誕生この物語、更には世界観を共有する他作品へ強大な影響を持つ世紀の大発明、それが「ピアノドライブ」。現在の人類が扱っているエネル
ここで描かれるのは宇宙に恋した女性、結城ぴあのの足跡。SFは結構な割合で読んではいるんですけど、凄まじい物語に出会ってしまったな、という率直な感想です。僕は文系なので正直作中に飛び出す理論のどこまでが実現可能、というかまず前提が理解できているかはさっぱり自信が無いのですが、スケールの大きさに驚かされました。銀英伝然り、宇宙は浪漫。【登場人物など】結城ぴあの…秋葉原に時折現れては謎に様々な部品を買っていく少女。服装など一切頓着を持たなさそうな彼女であるが、その
『探偵は絵にならない』森晶麿(著)ハヤカワ文庫JAのイラストブックレビューです。画家の濱松蒼はいなくなった彼女を探して故郷の浜松へ。友人の小吹蘭都の住居に転がり込むが、そこには奇妙な依頼が舞い込んで…。自分の「匂い」を失った画家が巻き込まれる奇妙な事件『探偵は絵にならない』森晶麿(著)のイラストブックレビューです。画家の濱松蒼はいなくなった彼女を探して故郷の浜松へ。友人の小吹蘭都の住居に転がり込むが、そこには奇妙な依頼が舞い込んで…。
『死んでもいい』櫛木理宇(著)ハヤカワ文庫JAのイラストブックレビューです。中学三年生の不良少年が何者かに刺殺された。彼にいじめられていた同級生・河石要が「ぼくが殺しておけばよかった」と呟いた言葉の真意は。少年の言葉に潜む真実とは『死んでもいい』櫛木理宇(著)のイラストブックレビューです。中学三年生の不良少年が何者かに刺殺された。彼にいじめられていた同級生・河石要が「ぼくが殺しておけばよかった」と呟いた言葉の真意は。死んでもいい
以前読んだ「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」の作者、小川一水さんが同じく「空」をテーマに書いている一冊です。この本との出会いは、ツインスターの方が面白かったので、同じ作者で近いテーマの一冊を発見したということで購入していたのですが、まさかツインスターが文庫化されるとは思っていなかったもので。後で買ったツインスターの方を先に読んでしまうという運びにはなってしまいましたが、遅ればせながらこちらの一冊も読むこととなった次第です。【登場人物】リオ…主人公の15歳の
先日(結構前ではありますが)アニメ化が発表されましたネットロアを拾っていくSF小説、その4巻です。個人的にはこの巻から結構潮目が変わってくる契機になるのかな、といった印象ですかね。あとついでに言うと僕のネットロアの知識だけでは対応できないバリエーションが空魚の前に立ちふさがる怪異に生まれてきて、こちらの知識が追い付かなくなってきました。【感想など】●あの牧場の件二人が裏世界に繋がる中間地点を自由に動こうと画策するエピソード。今でこそ大きな組織と知り合ってあ
『読書嫌いのための図書室案内』青谷真未(著)ハヤカワ文庫JAのイラストブックレビューです。読書は嫌いだが図書委員になった高校二年生の荒坂浩二は、図書新聞を再刊することに。新聞づくりのために奔走するうちに学校で過去に起こった事件を知る。読書嫌いが本を楽しむ方法とは『読書嫌いのための図書室案内』青谷真未(著)のイラストブックレビューです。読書は嫌いだが図書委員になった高校二年生の荒坂浩二は、図書新聞を再刊することに。新聞づくりのために奔走するうちに学校で過去
『100文字SF』(北野勇作著ハヤカワ文庫JA)を読む。なんか坂が多い。坂か。坂に思い入れないのでは。100文字SF(ハヤカワ文庫JA)Amazon(アマゾン)638円
サクッと読める短編集を探していた時に目についた一冊がこちら、タイトルは「5分間SF」。どうも一編あたり5分で読めるという手軽さでは他の比ではないお手軽SFショートショート集でした。【感想など】一つ一つが短いので、個人的に気に入った短編を複数サクッと感想に起こしておこうと思います。・マダム・フィングスの宇宙お料理教室不死身のキメラをどうにかして食べようというお料理教室、ただしキメラは切り刻まれても調理されても死なないほど強いのでアシスタントが2,3人犠牲になる
夏頃に実施しておりましたハヤカワ文庫の「百合SFフェア」、その目玉を担っていた「アステリズムに花束を」というアンソロジーをお読みになったことはあるでしょうか。「アステリズムに花束を」の感想はこちらこのアンソロジー集の殿を務めて僕が「この短編だけで元が取れる」と絶賛しておりました「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」、何と時を経て単独で長編構成になって刊行されておりました。短編の時よりボリュームアップした分、かなり設定にも重厚感が出て読み応えがある内容になっています。個