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きっとポリーヌは凪の考えていることを見透かしている。ほんのわずか視線を彷徨わせる凪に、ポリーヌはハッキリと告げた。「私はヒバリ様のメイドです。私の役目はヒバリ様を全ての災いからお守りすることであって、この国に住まう者達を守ることではありません」ポリーヌが守るべき者の中に、凪も、ツバキも存在しない。ヒバリに害があることならばポリーヌはどんなことをしてでも主を止め、あるいは逃すだろう。だがヒバリに害が及ばないのであれば、凪やツバキがどうなろうとポリーヌが動く理由にはならない。彼女はそう明言し
表立って言うことはなくとも、ツバキは凪の母親だ。そのことを、ヒバリは知っているはず。「……あぁ、ツバキ第三夫人がサーミフ殿下の客人と密通しているという噂でしょうか?」自らの主のことであるはずなのに、ポリーヌは淡々としている。不快さも怒りも存在しないその姿に、凪の中で疑念が膨れ上がった。「そうです。今、殿下の客人としてこの王宮におられるのはヒバリ様のみ。ヒバリ様にとってもそうでしょうが、私や第三夫人にとっても不名誉な噂です。この件に関しては不可解なことが多いので、ヒバリ様と話がしたいので
「必ずしも報告しなければならないとは思っておりません。ナギ殿はサーミフ殿下に従っておられますが、閣下もヒバリ様もサーミフ殿下の命に従わなければならない道理はございませんので。それに、このようなことを申し上げるのは心苦しいのですが、プロの諜報員でもなく、戦うことのできる兵士でもない方がずっと側にいては動ける範囲も限られてしまいます。そうなれば調査は長引き、同時にヒバリ様がご帰国される日も遠のきます。事件はともかく、ヒバリ様の帰国が遅くなるのは我々としても困りますので」淡々と告げるポリーヌに凪は
「生憎とヒバリ様は今ここにおられません。急ぎのご用事でしたら私がお伝えいたしますが」どうしますか?と問いかけるポリーヌに凪はほんの少し目を見開く。凪としてはヒバリが部屋にいれば連絡もなしに外出していることや母との噂のことを問いただそうと思っていた。そして部屋にいなければポリーヌが何かと誤魔化してくるだろうから何とかしてヒバリがいないという事実を突きつけて、その思惑を聞き出そうと思っていた。しかし凪の予想に反してポリーヌはあっさりと、なんでもないことのようにヒバリの不在を告げた。まるで悪
人通りの少ない部屋の前に立ち、凪は静かにノックする。音は抑えているはずだが、静まり返ったこの空間にはやけに響くような気がした。「凪です。いらっしゃいますか?」あまりの静けさにヒバリの名を口にするのは躊躇われた。チラチラと周りを気にしていると、カチャリと小さな、しかしやはり響く音が聞こえる。ハッとして彷徨わせていた視線を正面に向けた。「ナギ殿、いかがなさいましたか?」開いた扉の向こうにはポリーヌが不思議そうな顔をしながら立っていた。「何か急用でも?」サーミフから急ぎの伝言でも預
ツバキがヒバリと密通している。そんな噂が流れてから、凪は今まで以上にヒバリの行動を注視するようになった。夜に動くヒバリは朝昼はあまり部屋から出てこない。それが凪の認識で、だからこそ朝昼に自らの仕事を片付けていたのだが、よくよく見るようになって、彼が朝昼にも何かしらの動きを見せていることに気づいた。その様子からして昨日今日に始まったことではない。つまりヒバリは凪に――ひいてはサーミフに何も知らせず今までも動いていたということだろう。ディーディアは贋金問題解決に協力してもらっている身とはいえ、
その後、ヒバリは母と長く話をしていた。閣下の側に戻れなかったからか、それとも母との話が弾んだのか、幼い凪にはわからない。それでも凪は終始心がポカポカとして気持ちがよかった。その日の夜は興奮して眠れなかったくらい、小さくて大切な思い出になった。全ての予定を終え、ヒバリが帰国するという日、凪は母と一緒に見送りに行った。そこでも貴族は勢揃いしていて、きっとヒバリからは凪の姿など見えなかっただろう。けれど閣下の後ろを歩くヒバリの姿がチラと見え、凪は周りに負けぬようブンブンと手を振った。そして彼らが
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「お初にお目にかかります。望月椿です。こちらは息子の凪。ヒバリ様にご挨拶を申し上げます」洗練された動きで母が頭を垂れる。慌てて凪も頭を垂れた。その姿にヒバリもまた、静かに礼をする。「初めまして望月夫人、凪殿。申し訳ございません、主人は今あのような状態でして」ヒバリが側にいたところで取次は難しい。そう言うようにほんの少し瞼を伏せた彼の姿が凪には悲しかった。凪はヒバリに会いにきたのだ。決して閣下ではない。「あの!ボクは」勢い余って凪は無意識にヒバリのズボンを掴む。その様子に母は慌
はやく、はやくと急くままに、凪は急いで目の前の食事を食べた。そんなことをしたって動ける時間は変わらないというのに、凪はやめられない。そしてやっと、凪にとっては気の遠くなるほどの時間が経って、皆が動きだすと母が「行きましょう」と凪を促した。何をそんなに喋ることがあるのだろうかと不思議に思うほど、貴族たちはあの日と同じように閣下を取り囲んで口々に何かを話していた。最初は閣下の隣にいたヒバリも居心地が悪かったのか、一歩、一歩とその場から離れていく。そして閣下を囲っている集団から彼が抜けた時、母が
「凪ったらわかりやすいんだもの。でも珍しいわね。あなたがソワソワするくらい誰かに興味をもつなんて。それも閣下じゃなくてヒバリ様なんでしょう?」閣下と呼ばれる男は、確かに目を惹く珍しさだった。大人であっても見上げなければならないほどの長身に、輝くような金にも茶にも見える髪、不思議な光を散りばめるペリドットの瞳。どれもが兎都にはないものだ。その珍しくも美しい姿は老若男女すべての瞳を独占するだろう。そういった意味では、ヒバリは珍しくは無い。ヒバリは兎都の者に紛れてもセランネの者だとわからないほどに
2026年2月頭(平日)に今年2回目のお泊りディズニーに行ってきましたー1日目はまずディズニーシーに行ってきました最初から読む場合はこちら↓『ダングロ観たくて‥ディズニーシーに行ってきました!』本日ディズニーシーに行って参りました『今日はディズニーシーに来てますー♡♡♡混んでる‥??』まだダフオルバケパを書き途中なのですが‥今日はディズニーシーに来て…ameblo.jp泊まったのはセレブレーションホテルイマジニングザマジックルーム『イマジニング・ザ・マジックルーム泊まったよー♡セレブ
騒めきに満ちているものの、晩餐会は予定通りに進められていく。国賓をもてなすのだからと凝りに凝った食事はどれも美しく美味しいというのに、凪はソワソワと落ち着きなく、食事を楽しむ余裕もなかった。どうやってヒバリに〝満月〟を渡そうか。あの時みたいにヒバリが一人で散歩に出てくれれば、あるいは凪が庭に出るのを見ていて追いかけてくれたらと思うが、そのどれもに確証など存在しない。けれど、きっと今日が最後のチャンスだ。今夜を逃せば、きっとヒバリが国に帰るまでに会うことはできないだろう。どうしよう、どう
挨拶をにこやかに受ける閣下の後ろで、ただ静かにヒバリは立っている。今日はあの時迎えにきた男は一緒にいないようだ。皆が見守る中、主催の貴族は閣下に恭しく着席を促した。しかし閣下は柔らかな笑みを浮かべた後、隣に立つヒバリの方へと視線を向けた。そしてヒバリの椅子を引こうと準備している使用人の男をそっと退け、閣下自らが椅子を引いてヒバリを座らせる。その光景に貴族たちは思わずどよめいた。先日ヒバリが自分で言ったように、位で考えるならば貴族である閣下が上位で従者であるヒバリが下位だ。晩餐会に参加で
(あんなに優しかったのに)あの日の晩餐会では感じなかった不満がムクムクと凪の中で膨れ上がっていく。心優しいヒバリは、きっとこの異常な空気をすぐさま察知するだろう。彼は横暴なことも何もしていないというのに、入る前から恐れや緊張を向けられる。それはどれほどに苦しいことだろうか。あまり公の場で喜怒哀楽をそのままに出すのは良く無いことだと両親からも家庭教師からも言われ続けているというのに、今まではそれを忠実に守れていたというのに、気づけば凪は口をへの字にして不満を顔に出していた。俯けばポケットの
ザワザワと騒めきに満ちた場は、まだ閣下の姿も無いというのに異様な緊張感に包まれていた。国賓なのだから特別であることはわかっているのだが、それでもこれほどまでに緊張する理由が凪にはやっぱりわからない。だってあの時話したヒバリはとても穏やかで優しかった。偉ぶることもなければ横暴でもない。そんな彼は人の多い場所に戻ることは嫌がったが、閣下の側に戻ることは別段嫌がっていなかったように思う。ならばきっと閣下だってそんなに怖い人では無いはずだ。ヒバリの腰を抱いていた姿だって、とても優しそうだった。怖い
無事に十個の〝満月〟を手に入れた凪は礼服のポケットに三つ忍ばせた。少々ポケットは膨らんでしまったが、まぁ構わないだろう。歪に膨らんだポケットに眉根を寄せた母が無言で問いかけるが、それも無視してさっさと車に乗り込む。凪の頭の中にはどうやってヒバリに〝満月〟を渡すか、それしかなかった。車から降りた凪は、母に手を引かれて城よりは小さいが充分な広さと豪華さを持つ邸宅に足を踏み入れた。凪はこうして晩餐会などに招かれなければ訪れることもない場所であったが、兄はこの邸宅に住む少年と親しいらしく、すぐ
運命の悪戯か、それとも必然か。あれほど頭を悩ませたヒバリとの再会はあっさりと叶えられた。国王から信任の厚い貴族の一人がその大きな邸宅に閣下とヒバリを招き、私的な晩餐会でもてなすのだそうだ。私的、と言っても実際本当に〝私的〟であるはずもなく。けれども国王が主催する晩餐会よりは格式が低いからと、あの日の晩餐会に呼ばれなかった貴族にも招待状が送られているらしい。たった一日、それもほんの数時間だけでこの国の貴族全てと充分に会話することは不可能。だからこその場とも言える。そこに望月家も招待された。
「あの……」注目が集まらぬよう小さな声でヒバリを呼ぶ。その視線が向けられた瞬間、凪はヒバリに努めて笑顔を見せた。「また、あいに行きます。ぜったいに、また。だから、ボクのこと、おぼえていてくださいますか?」きっと次は、あなたに〝まんげつ〟をあげよう。辛い思いなんて一瞬で吹き飛ぶくらい、美味しい〝まんげつ〟を。だから約束。そんな子供のおままごとに、ヒバリは小さく笑って膝を折る。そして凪の耳元でそっと囁いた。それが嬉しくて嬉しくて、凪はパッと顔を輝かせる。ではまた、と手を振って、
今年初のお泊りディズニーをバケーションパッケージで行ってきました!行ってきたバケパは「ダッフィー&フレンズ20周年:カラフルパヒネル」を一緒にお祝いする2DAYS(限定グッズ&オリジナルキャラクターグリーティング付き)ホテルはファンタジースプリングスホテル1日目の最後はダッフィー&オルくんに会ったよ『①動画あり♡帰りはリゾラ必須!?ダフフレバケパグリ!ダッフィーとオルくんに会うぞ♡』今年初のお泊りディズニーをバケーションパッケージで行ってきました!行ってきたバケパは「ダッフィー&
「ですがこちらのご令息もずっとここにはいられませんし、彼にだけ会っていたとなれば色々面倒なこともあるでしょう。人の多い場所がお嫌いなのは重々承知しておりますが、あなた様が旦那様の特別である以上、戻らなければ」人には役割がある。望む望まないに関わらず、人には何かしら立場ゆえの義務を負うのだ。きっと男はそれを言っているのだろう。「…………」男の言葉に反論しないものの、瞼を伏せるヒバリはどこか辛そうだ。よほど人の多い場所が苦手なのか、あるいは――。「……わかった。戻ろう」一呼吸の後に、
「お探しいたしました、ヒバリ様」ホッと息をつく様子に、彼はヒバリの付き人か何かかと推察する。ヒバリに視線を向けた時、その淡い唇からため息がこぼれ落ちた。「終わるまでここにいても良いだろう?ああいう場は落ち着かない」ここの方が静かで良い、とヒバリはわざとに男からフイと視線を逸らせた。その子供のような仕草に凪はポカンとするが、男は慣れているのか苦笑してヒバリに近づき、その足元に膝をついた。「ずっと旦那様が側にいてくださいますよ」嫌だ嫌だとぐずる子供を宥めるかのような声音だ。けれどヒ
「あなたからの歓迎を、俺は心から嬉しく思う。凪殿の言葉を胸に置けば、あと二日、俺はきっとこの国のすべてを楽しく思えるだろう」ありがとう。そう言って微笑んだ彼に、凪はパッと顔を明るくさせた。彼に凪の真意が伝わり、そして大好きな自国を楽しんでくれるという。嬉しくて、嬉しくて、凪は先程とは別の意味で頬が赤らむのを感じた。「あの!春興通りはごぞんじですか?さくらなみきの先にあるのですが、おいしいお店や、でんとうあるものを売るお店がたくさんならんでいるのです!」あの店はこんなものが売って
こんばんはご訪問ありがとうございます1/31〜2/2の2泊3日、父のバースデーディズニーでした1/31(土)はディズニーランドホテルに泊まりまして、せっかく並ぶ権利を得たなら!ということで翌日(日)は気合いを入れて早朝からハッピーエントリーの待機列に挑んでみました!初めての体験で楽しかったので(ポジティブ)早朝待機をレポートしてみたいと思います!いや〜…ミニー@ファンダーランド、ハッピーエントリーがもうすでに過酷すぎて笑っちゃったwww「日曜日だし混むだろうな〜」
「…………」突然の言葉にか、それとも大人しかった子供が急に大声を出したからか、ヒバリは目を大きく見開いて固まっていた。おそらくはこの兎都に来て初めてと言って良いほどの表情の変化だろう。シーンと沈黙が落ちる。そのことに凪は湯気が出そうなほど顔を真っ赤にした。(ど、どうしよう……)心のままに口走ってしまったが、相手は国賓。本人がどう言おうが名目上は国賓。そんな彼に前のめりになってあのようなことを言うなど!沈黙がどんどんと凪を冷静にさせ、同時に汗がダラダラと流れてくる。これで両親はもちろ
国王と同じテーブルに着きながら、誰とも話すことなく黙々と料理を食べ、それが終わって貴族に囲まれたかと思えば、彼らが話しかけるのは隣にいる閣下にだけだった。きっと同じように、閣下とこの地へ降り立ったというのに、歓迎の言葉はすべて閣下に向けられていたのだろう。彼が中座して街に出ても問題ないくらい、この国の王族も貴族も、彼を気にしなかった。ヒバリは今も淡々としている。でも、そんなふうに扱われたら、誰だって悲しい。「ボクは!」気づけば大声を出していた。身を乗り出して、無意識にヒバリの手を握る
「……でも、ヒバリさまもお客さまですよね?へいかとお話しされなかったのですか?」晩餐会の時、彼は閣下の横、つまりは国王のいるテーブルに着いていた。貴族にも格の上下があるように彼らにもあるだろうが、それでも国王にとって歓待すべき客人であることには変わりない。だがヒバリの言うように国王と閣下が話している時間を使わなければ、街に出る暇などないだろう。ヒバリの話が矛盾していないからこそ理解できない。何がどうなっているのだ、と幼い頭を必死に働かせる姿が可哀想になったのか、ヒバリは吐息のような苦笑
まだ表情を取り繕うこともできない子供であった凪は、素直に驚きを全面に出してしまう。そのまんまるな瞳が面白かったのか、否、それにしてはなんだか慈愛に満ちた笑みを浮かべてヒバリは凪を見つめていた。「この国は気候が穏やかで作物が豊かに育つのだろう。昼間に少し街を見て回っていたが、美味しそうなものがたくさん良心的な値段で売られていた。流石に晩餐会にひびくと、買って食べるのは断念したが」王族でさえも腰を低くして迎える国賓が昼の人混みの中歩いていた?彼らにはこの国に降り立ったその瞬間から歓迎やらな