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日本の保守派には改憲論者が多いのだろうが,そういう彼らは,私にはどうもエセ保守のような気がしてならない。そのことは,ドイツの保守主義と比較してみるとよくわかる。深井智朗さんの新著『プロテスタンティズム』で教えられたことなのだが,ルター派プロテスタンティズムの伝統が,ドイツ保守主義の懐の深さというか寛容さを支えているように思われる。それは,例えばドイツ独特の大統領制を見るとわかりやすい。ドイツで実際に政治を動かすのは首相だが,他方,大統領はいわば国の象徴的存在であり,ある種の宗教的もしくは啓
「分断されるアメリカ」(サミュエル・ハンチントン著、鈴木主税訳、集英社文庫)(その1)2004年、アメリカを代表する国際経済学者である著者(2008年に逝去)により掲題書が発行された。トランプ政権発足の現在のアメリカを予言するような内容となっているのが興味深い。以下は「訳者あとがき」からの一部抜粋。<訳者あとがき>(その1)著者サミュエル・ハンチントンは、『文明の衝突』で冷戦後の世界を衝撃的に予測したことで有名だが、本書ではその鋭い視点を自らの国アメリカに向