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チャイムがなり、昼休みに入っていた。大学の食堂でご飯を食べている3人の学生と昼食をとっている三浦。お互い知り合ったばかりで会話はどこかぎこちない。まだ自己紹介に近いような話をしていた。そこへ、一人の男がやってくる「ここの席空いてますか?」医学部学生A「あっ、空いてますよ。どうぞ」三浦「あっ、君は」沢登「やっぱり君は・・・瑞穂の・・・」三浦「そうだ。やっぱりそうだ。君は沢登君。沢登君だよね」沢登「瑞穂のシューティングガード。三浦蘭丸君だよね。この間見かけた時にまさかとは思ったけど・
場所は関西練習後、3ポイントの練習をしている藤原。練習後の3ポイントシュートの練習は藤原の日課になっていた。藤原「うし、ラスト50本」その隣で、クイックスリーポイントの練習をしている哀川藤原「なあ、哀川。こうやって3ポイントを打ってると、三浦の強心臓を思い知らされるよ。よくあんなに入ってたよな」哀川「三浦ちゃん、努力家だったからね。練習終わってから陸上部の練習に参加して走るなんてなかなかできないよね」藤原「ああ、見えないとこで努力する奴だったよ。あいつバスケ辞めちまったんだよな」哀
沢登「あ、あいつは・・・いや、まさかそんなはずないよな」先輩「お~い、沢登く~ん。何してるの?早くいこうよ。おいてっちゃうぞ」沢登「あっ、すいません。今いきます」(あいつが、こんなところにいるわけないよな。ここの大学の医学部ってすげーレベル高いぞ)居酒屋でどんちゃん騒ぎが始まった。しかし沢登の頭は『あいつ』の事で頭が一杯だった。キャプテンの挨拶が始まった。キャプテン「え~、我等群馬前橋大学は、常に下位リーグにいるが、今年こそは2部にあがり、そして、来年は1部リーグを目指しています。
大学界ナンバーワンのポイントガード沢登聖人は、インターハイ卒業後は勉強に明け暮れた。日本中の大学が彼をスカウトする為に、何度も天童寺に足を運んでいたが、彼の決心は強く、勉強で国立大学に進んだ。彼が選んだ大学は関東圈に位置する群馬県。群馬前橋大学だ。特に医学部の偏差値はかなり高く難関大学である。入学式を前に彼は大学の練習に混じっていた。数ヶ月のブランクがあるものの、群馬前橋で彼の実力は飛び抜けていた。インターハイ常連高校のプレイヤーでも彼のプレーに合わせられる者は少なく、日本中のバスケ
ダムダムダムキュキュキュシュッスパダムダムダム須藤「おい、あれが藤原か」「はい、そしてあれが・・・」須藤「言わんでもわかっとる」タタタタンフリースローラインからジャンプをする哀川「おい、いま・・・」「フリースローラインから・・・」どっかぁ~ん!!「エアウォークや。生で見たん初めてや」「おいおい、ほんまにあんなに飛ぶんやな。あんなん反則やで。ありえんわ。どないして闘こうたらええねん」二人の元に近づく須藤「自分が藤原か、ほんでお前が哀川やな。キャプテンの須藤や。これ
引退試合の次の日。「昨日のバスケ部の試合すごかったよな」「ああ、なんか雑誌とか大学のスカウトとか。色んな人が来てたんだろ」「うちのバスケ部ってすごくね?なんか全国から注目されてるらしいよ」「そりゃ、全国制覇したチームだぜ。当たり前だろ」昨日の引退試合の話で学校中が盛り上がっている。ボロ負けした1・2年生たちは複雑な気分でその日を迎えていた。その1・2年生達はもうすぐ新人戦を控え、自分たちの実力に少し不安を感じていたのであった。3年の教室哀川「そういえば、湯川チン今日からしばらく
第4クオーター残り2分78対34試合の行方は決まっていた。高階アシスト9得点12湯川アシスト5得点20榎本得点22年の二人で殆どの得点を決め、これには3年生も氷室びっくりしていたそして、観客席にいる報道陣やスカウトも同じ意見。氷室(もっと差が開くと思っていたのに・・・1・2年生は交代をしてフルメンバーで常に戦っていない。うちの3年生は県予選で他校を常に100ゲームで圧勝しているメンバー。いくら試合時間が8分少ないといっても・・・いや、8分少なくて、34点とるオフェンス力。あと
榊原「早い・・・ん?止まってない、あのプレーは全中の時の・・・」ドンさらにペネトレイトで突っ込む。ストップ&ゴー藤原(ちっ、止まったと見せかけて突っ込んできた。哀川の真似か)トーヤ「おおおおおお」キュッ「はや~い」藤原が突き放されるのは誰も予想していなかったが、石井がこれに反応。構わずトーヤが突っ込む。ブロックかわして、ダブルクラッチリバースガンッシュートが外れる。「リバウンドォ~~」体制を崩しながらも高階がもう一度飛ぼうとする頭の中では布施の顔が出てくる「肝
藤原「おら、攻めっぞ」3年生のパスワークが始まる。早いパス回しについていけるのは、高階と湯川。何とか榎本がついていくも、ディフェンスの陣形は崩れていく。石井がハイポストからローポストへ送る典型的なポストプレー。湯川は既にヘルプに向かい、哀川がほぼフリーで受け取ってレイアップへ紅林「きえぇぇぇぇぇ~~」雄叫びをあげてブロックに向かうが間に合わないザシュ。藤原「オラ、ディフェンスだ」高階がボールを運び、また悩んでいる。トーヤ(悩んでいても仕方ね~)水前寺へとパス。榎本、高階、榎
ダムダムダムトーヤ(さて、ボールを持ってきたもののどうするか?3年生相手に・・・うちのメンバーが3年生かき乱して、パスを貰える動きもできね~し)藤原「俺がトーヤにつく。三浦は水前寺、哀川が榎本、土橋がジョー、石井は湯川だ」石井「わかった」哀川「・・・」藤原「トーヤ、おもしれ~じぇね~か。俺がついてやる」トーヤ「アニキィ~お手柔らかにぃ~。光栄っす」(にやりと笑っている)トーヤ(とは言うものの、何も思いつかねぇ~。仕方ねぇ~。ここはアニキみたいにリーゼントにしてみたらうまく出来るんだ
奥村「あれは、関西一部リーグの島本監督」榊原「あっ、そのようですね」島本「ん?あれは?ほう、他の大学の監督連中まで見に来ているとは。みんな哀川和彦を狙っているようですな。関東学園、大正大学、帝光大学、日拓大学、日体大、早田大、東海林大学か。殆ど関東の・・・おっ関西の奴もおるやないけ。哀川狙いっちゅうわけか」氷室(大学界の監督が見に来てるなんて・・・これは教頭のしわざね。あの狸オヤジめ)石井「ふぅ~、やっぱ試合は気持ちいいな。拓、後半もガンガンいくぞ」土橋「ツトム、どうやら大学の監督連中
藤原「・・・」哀川「拓、落ち着いて」藤原「ああ、わかってるよ。ってかさ、今の攻撃で余計に落ち着いた。俺達のプレーをやるなんて、トーヤのやつ・・・」哀川「拓・・・・」藤原「哀川、今日は俺達のプレーをあいつらに教えてやらないとダメなんだよな」哀川「うん」藤原「今までの試合でやってきた事を出してやらね~と、この試合の意味がね~よ」藤原「おい・・・」三年生を集めて耳打ちをする氷室(お・・・何かやるつもりね。楽しみだわ)榊原「何をやるつもりかしら」奥村「セットプレーか何かだろう。直感
藤原「1・2年ペースになっているな。しかも1クオーターと違って、点数を入れてきてやがる・・・こいつらやるじゃね~か」トーヤ「次はマンツーでいくぞ」1・2年「おう!」藤原には湯川がつき、哀川に高階、三浦に桑田、石井に榎本、土橋に近藤完全に中はミスマッチ。藤原「石井、土橋お前ら舐められってっぞ。」ハイポストの石井にボールを回す。榎本がマークしているが、今度はローにパスをせず、パワードリブルで中に入っていく。切り返してシュートいこうとすると、近藤と榎本が二人がかりで止めに入る石井「ってこ
高階と湯川のコンビプレーで2点取るものの、3年生チームはすぐに取り返す。湯川がボールを運んで哀川がチェック。外にいる高階にパス。石井がマンツーの為、中が小さくなる。ハイポストへすぐに走り込む湯川にパスを合わせる。石井にスクリーンをかけていた近藤。高階がゴール下に切り込むのに合わせて、湯川のパス。基本のポストプレイだ。マンツーマンによって、藤原三浦は完全に逆サイドにいるため、ヘルプは土橋。高階レイアップ。土橋ブロックにいく。トーヤ「とぁぁぁぁ。今度こそ」ダブルクラッチリバースのバッ
1・2年生ボールから始まった。藤原(メンバーチェンジか。桑田と近藤、水前寺と紅林を外してきたのか。どういう作戦だ?)杏崎(水前寺君を外してきた?土橋さん対策のプランで聞いていたけど、桑田君は聞いていないわ。どういう事だろう?)高階が杏崎の方を見て、ウインクする。杏崎(一応考えているみたいね)高階(俺が考えたんじゃね~ぞ。あのでっかいのが無茶させるんだ。2クオーターの半分は俺達だけで攻めるって。俺知らね~~)桑田のスローインを湯川が受けてボールを運ぶ3年「・・・・・」哀川(湯川ちゃ
ザシュ。哀川のミドルシュートが決まる。ザシュ。三浦の3Pが決まる。ガッ。ポッ。ボードから跳ね返った石井のゴール下が決まる。スパ。藤原のミドルシュート。ザシュ。土橋のゴール下。次々と3年生のシュートが決まっていく。気づけば15対01クオーター残り21秒。最初だけ竸っていたものの、力の差が出始めた。フロントコートにボールを運ぶ水前寺水前寺「ちくしょお~。何もできねーのかよ」湯川「よこせ」パシッ。シュルルルルルル。手の中でボールを回して気合を入れる。左足を軸にピボット。仕
速攻で湯川が攻める。これに藤原がくらいつく。湯川(ちっ、右にも左にもヘルプが来てねぇ~。戻りも素早いな。さすが全国優勝のチームだけある)ダムダム。水前寺「戻して下さい。一度立て直しましょう」水前寺に戻して中央でキープ。各自、マークを振り切ろうにもなかなか振り切れない。トーヤ(おかしいなぁ~さっきの速攻で点が入って、4対0の計算だったのに・・・既に計算が狂ってる)奥村「二回防いだディフェンスは、誰が考えたのか知らないが、1・2年生達の作戦だったようですね。毎日練習を一緒にしている
試合、3年生の攻撃石井「こっちだ、拓」ハイポストの石井にパス。マークは水前寺ミスマッチだ。石井「お前に俺が止められるか!!」パワーで押しながら、中へ展開、三浦が榎本を振り切って左コーナー0度に向かう。ドンピシャのパスが三浦に入る。すぐにフォローに入る高階。藤原「よし、トライングルツーが崩れたぞ(榎本があっさり振り切られた??)」高階が外におびき出された事によって中が手薄。ローポストには土橋がいるが、パスコースに榎本が入っている三浦(ここのパスカットを狙う為に、榎はわざと僕
呆然とする3年生5人。哀川「何してるの戻るよ!!」1・2年生も哀川藤原のコンビネーションを1発でカットしたことに驚きを隠せないようだ。南山「すげ~」近藤「お・おい。藤原さんが一発で止められたの見たことあるか・・・」試合に出ている水前寺もびっくりした様子。湯川「おい、ロン毛。いくぞ」シュッパシ水前寺「あ、はい」フロントコートへと運ぶ3年生はハーフマンツーでポジション通りに守る。水前寺(そうだ。びびってる場合じゃねぇ。オレにとって、藤原さんとの最後の試合だ。卒業試験みたいな気
瑞穂高校体育館の放課後体育館で準備体操している3年生。1・2年生はすでにシュート練習している。体育館2階では満員の観客。全国制覇したバスケを見てみたいと思い、体育館に見に来る生徒もたくさんいるようだ。引退試合の噂を聞いてそれを見に来ている報道陣もいる。職員室では教頭「わっはっは。来年のうちの学校は入学希望者が一気に増えてますな~校長。」校長「ええ、バスケット部の全国制覇の影響が大きいですね。今日の引退試合も報道陣が学校に駆けつけた事はびっくりしましたよ。」教頭「えっ、そうなんです
場所は天童寺高校剣「お~い、ノボリ、また勉強してんのかよ」沢登「ああ」剣「勉強なんかしなくたって、日本中の大学がお前を狙ってるだろう」沢登「いや、勉強して行きたいんだ。大学に。国立大学にいって、チームを強くしたい」剣「はぁ?本当に言っているのか。和彦が瑞穂に行った時も世間が騒いでいたけど、お前がそんな事したら、また世間が騒ぐぜ。それにいいのかよ。国立大学でバスケやってもお前についてこれる奴なんているのか?」沢登「瑞穂に負けた後に思ったんだ・・・俺バスケ好きだって。やっぱやる限りは勝ち
哀川「実は何も考えてないんだ。この先バスケを続けるかどうかも・・・」これには本牧東だけでなく、瑞穂のメンバーも驚いている哀川「俺は楽しくバスケがやりたくて瑞穂にきた。だからさ、大好きなバスケットを思いっきりやったこの高校生活にすごい満足してて・・・バスケ部を引退するけど、なんかまだ実感もわかなくて、次がどう。とかって考えられなくさ。」藤原「哀川、お前はバスケ続けろよ。俺はNBAに入る事が夢だ。大学に行こうと思ってる。お前も一緒に行こうぜ」保科「お前らもまだ決めてなかったのか・・・他のやつ
ダムダムダムドリブルをする保科哀川「さぁ、どっちだ」藤沢が哀川のスクリーンに向かい、哀川の右側に立とうとする土橋「哀川スクリーン、右だ」哀川が藤沢に気を取られた瞬間、保科の右ドリブルカットイン。そう、哀川から見て左。すぐに哀川が追いつくものの、保科はローポストの薬師丸にパス。哀川(少しマークが遅れたか・・・)石井「来い!薬師丸」薬師丸がパワードリブルで石井を押すようにゴール下に近づく。藤沢がその3ポイントラインに立ち、パスを受け取る体制に。マークの土橋が外へおびき出される。薬
ボールを持つ保科がドリブルを始める。「いくぞ、覚悟しろよ」哀川「絶対止めてやる」ダム、突っ込むとみせかけて哀川に背を向ける保科。3Pライン手前で哀川と同じ方を向いている保科哀川(右か左か?保科ちゃんの事だ、右から絶対抜いてくる。さっき俺がやったくらい強引にくるはずだ)同じ方向を向いてダムダムダムボールを3回ついた時に、ハイポストに薬師丸が入っていた。マークは石井。そこへ保科が、哀川と同じ方向、つまりゴール側を一切みないで、ノールックのかなり速いバックパスを出す。姿勢はドリブルを
ゲームスタート哀川がドリブルを始めるダムダムダム草野「お~、インターハイ優勝チームとこうやって3対3やるって、それだけですごくね?」角松「確かに、何か今までワクワクしながらやってたけど、たまんね~よな」石井「あいかわぁ~。保科にいきなり1対1で切れ込んでやれ!1発目は好きにしていいぞ」ニコッと笑って答える哀川。キュドライブの構え保科(右か左?右手にボール。俺からみたら左、右に切れ込むだ)ドンキュ哀川のドライブイン草野・角松「おおぉぉぉ、唯斗が喰らいついた」哀川が一瞬止
場所は保科達が集まるストバスの倉庫角松「そこだ、元ちゃんいけ!」ドッカァアーン!!!両手で叩き込むダンク。薬師丸が着地した後もボードが少し揺れている。相変わらず派手なダンク。草野「へい、行け唯斗」シュ。直線的なパスをリング付近へ出す。タタタタタタツタンジャンプする保科藤沢「おっ、久しぶりじゃん」空中で片手でパスを受け取り、それをそのまま叩き込む。どっかぁ~ん!!角松「おおお、アリウープ。唯斗いいねえ、いえ~い」そこに現れる瑞穂の3年5人組哀川「ひっさしぶりぃ~」石
時は9月下旬、もうすぐ始まる新人戦に向けての練習が繰り広げられていた。瑞穂の3年生にとっては、引退試合前の調整期間でもある。瑞穂高校体育館で行われている練習。高階「榎っち、今のじゃタイミングが遅い、南山もっと積極的に打て」「ジョー、負けずに飛べぇ~。桑田、もっと素早くボールをさばけ」「ロン毛、ドリブルに頼るな。ディフェンスがビビるのはシュートだ」『キャプテンをしなければ』という意識が芽生えたのか、高階の声が響いていた。その横では、カカキュ、ダン、ダンドヒュ。190センチ
榊原「こんにちは」監督「おう、月バスさんか。話は聞いてますよ。取材ですよね」榊原「はい。ありがとうございます。」湘南大相模に取材に来た榊原であった。練習中の布施を呼ぶ監督「おーい、布施。ちょっと来い」監督が呼んだ声に気付く布施布施(なんだ唇。るせ~な~。あっそうか、今日月バスさんが・・・)榊原の元へ走ってくる布施ニコッと笑いながら聞く榊原「こんにちは。調子はどう?」布施「ちわっす。調子っすかぁ。いやぁ~悪くはないですけど・・・何か・・・」榊原「何か?あんまりよくないの
横浜学園の職員室ガラガラ佐藤「失礼します。丸山先生いらっしゃいますか?」丸山「おう、佐藤くんか。こっちだ」佐藤「あっ、先生。どうしたんですか?」丸山「受験勉強は順調かね?」佐藤「はい。まぁ、ちょっと気分が乗らなかったり、バスケの事思い出す時ありますけど、何とかうまくやってます」丸山「そうか、それはよかった。勉強を頑張ってくれるのも先生は嬉しいよ。ところでな、ある大学が君に来て欲しい。と言っているんだよ。」佐藤「えっ??それって」丸山「ああ、バスケの推薦だよ。」佐藤「本当ですか
テクテクテク。廊下を歩く保科と薬師丸。少し元気がない様子保科「なぁ、元。高校4年行く事になったら宜しくな。」薬師丸「俺は、追試をパスして3年で卒業する」保科「あー、寂しいこというなよ」両腕で頭を抱える保科。結構マジで焦っている。職員室のドアを開ける保科。ガラガラ保科「あれ?そりこみどこだ?」先生A「なんだ?保科か。どうした?何かまた悪さでもしたのか?」保科「してね~よ。それよりさ、そりこ・・・飯嶋センセ知らない?」先生A「知りませんか?だろ。いい加減敬語ぐらい覚えたらど