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2024年3月21日(木)朝は細かい雪が降り、屋根がうっすらと白くなっていた。日中も雨模様の薄ら寒い日。マイケル・カニンガム『THEHOURSめぐりあう時間たち三人のダロウェイ夫人』を読む。長い題名だが、表紙にはそう書いてある。原題、翻訳の題名、副題と言ったところだろう。(以下にはネタバレありです)この作品は映画『めぐりあう時間たち』で知った。スティーヴン・ダルドリー監督。この映画は、3つの時代に生きた3人の女性が主人公となるオムニバス。演じたのは、ニコール・キッ
バージニア・ウルフ「ダロウェイ夫人」訳者の土屋政雄さんのバとヴァのこだわりがいい。Vなんて日本にない発音だからヴァじゃなくてバ。言われればそうですよね。。ヴァという表記で下唇を噛んでる人がどれほどいるのでしょうか。詳しくは巻末の土屋さんの解説を読んでください。さて、この「ダロウェイ夫人」は、「チャタレイ夫人」や「ボヴァリー夫人」とは系列が異なります。あっ!土屋さん風だと「ボバリー夫人」でしょうねウルフはプルーストやジョイスの系列で意識の流れがメインとなっています。この物語もダロウェイ夫人が
夫人て付くタイトルは、「キュリー夫人」しか読んだ事が無い。因みにこちらは、以前見た映画「めぐりあう時間たち」で知った本。ぶっちゃけ、あの映画自体は面白くなかったんだけど、音楽が抜群に良くてサントラを買っちゃったんだよね。そして、見た感じ本もクドそうだったから、全く読む気がしなかった。ので、何とな〜く読んで終読したし。物語は、国会議員の夫を持つダロウェイ夫人が、パーティの準備をするため、お花を買いに行く所から始まるんだけど、途中元カレとの恋を回想したり、はたまた主語が別の人に変わっていた
先日、プライムビデオで「ダロウェイ夫人」(1997年)を鑑賞。原作はヴァージニア・ウルフが1925年に発表した長編小説です。この古い映画を選んだ理由は:1。時間が97分と短いので、寝る時間に間に合うから。2。日本の大学でヴァージニア・ウルフの「燈台へ」を学んだから。3。昔、ヴァージニア・ウルフをはじめとする3人の女性を描く映画「めぐりあう時間たち」をみたけれど、この映画のモチーフとなったヴァージニアの著書「ダロウェイ夫人」を読んでいなくて、はがゆかったから。20世紀を代表
メリル・ストリープとジュリアン・ムーアとニコール・キッドマン3大女優が、異なる時代の3人の女性の運命の1日をそれぞれ演じた作品実在の小説家ヴァージニア・ウルフに似せるため特殊メイクが施されたキッドマンは完全に別人3人の苦悩よりも、エド・ハリスが演じたクラリッサ(メリル・ストリープ)の友人リチャードの正体を知った時のインパクトこれが大きい
○2023年2月4日(土)10:00-METLIVEVIEWING2022-2023「めぐりあう時間たち(TheHours)」於;新宿ピカデリーNYはメトロポリタンオペラで上演されるオペラを世界数十ヵ国で生中継するというコンセプトのMETLIVEVIEWING、日本では時差もあってか公演から2ヶ月ほど遅れて映画館で公開されるので、LIVEではありませんが、メトロポリタン歌劇場での世界最高水準の演奏を大画面で(比較的)安価に楽しめるという意味で、貴重な機会となっています
ども、蝦読weeklyです。今週読了した本はこちらでございます。ヴァージニア・ウルフ著『ダロウェイ夫人』かなり前から積読になってましたが、やっとチャンスが来ました。ダロウェイ家主催のパーティが開かれる1日を描いた作品。小説の視点が様々な登場人物にどんどん移っていくので、初めは戸惑いましたが、慣れてくると逆に心地良いというか、「お?移ったな?」といった感触が楽しめて、何だか不思議な感覚の読書でした。私は単純にストーリーを追いかけがちな人なので、視点の移り変わりに「この人、こん
【公式】100分de名著:2022年スペシャル100分deパンデミック論「100分de名著」は各回25分×4週=100分で毎月一冊の名著を紹介するNHKの番組である。年始の特番は特集テーマの100分番組になる。2022年1月3日に放送された2022年スペシャルのテーマは「パンデミック論」だった。100分deパンデミック論「100分de名著」の番組公式サイトです。誰もが一度は読みたいと思いながらも、なかなか手に取ることができない古今東西の「名著」を、25
イギリス文学の違う科目のテスト代替レポートで読んだ本が別のイギリス文学の科目のレポートの課題に指定されていました。なので、今度は原書と別の翻訳の本を読んでみました。ダロウェイ夫人(集英社文庫)Amazon(アマゾン)247〜2,727円前に出したレポートは翻訳しか読まずにレポートを書いた所、引用した文をたまたま別の本で原語で見て「しまった!」と思いました。和訳だけから考察した場合と原語から解釈した場合とでは、違う風に捉える事も出来て、このレポートは終わったかも?と焦りました
『TheHours』『めぐりあう時間たち』写真、上が実際の小説家「ヴァージニア・ウルフ」真ん中の写真が、女優「ニコール・キッドマン」下の写真が、ニコール・キッドマンが特殊メイクで、ヴァージニア・ウルフに変している姿。『TheHours』『めぐりあう時間たち』原作「マイケル・カニンガム」同じタイトルこの『TheHours』、マイケル・カニンガムの小説は、ピューリッツァー賞を受賞しました。監督「スティーブン・ダルドリー」脚本「デビィッド・ヘア」
以前のブログに書いた「幕間」https://ameblo.jp/lecture12/entry-12599373115.html。面白かったので読み比べようと思い、10年前に買った「ダロウェイ夫人」を引っ張り出して再読。当時は恥ずかしながら面白さがピンと来てませんでした。何しろ1日の出来事を描いた小説なので端的に「何も起きない」。延々といろんな人の内言を読まされている、しかも登場人物がやたら多い・・・みたいな雑な印象でした。今回、読んで思ったのが、とんでもなく動き回
イギリスの小説家・評論家ヴァージニア・ウルフの世界的名作小説:『ダロウェイ夫人』を、ひとことで表現すると、こうなりました。『世界名作ひとこと劇場』より〜既刊本の紹介〜【累計1万部突破!】【累計1万部突破!】【全編ロンドン現地収録!イギリス英語学習本の決定版】【笑えて学べる。名作を”ひとこと”で言ったらこうなりました】
ダロウェイ夫人1998年8月8日(土)公開あらすじ1923年6月。下院議員夫人クラリッサ・ダロウェイは、自宅で催す夜会のための花を買いに行く間、青春時代の恋人ピーター・ウォルシュのことを思い出していた。彼女はロマンティックなピーターではなく、今の夫リチャード・ダロウェイとの平穏な人生を選んだことが正しかったのかと自問する。一方、通りでは退役軍人の青年セプティマス・ウォレン・スミスが戦争神経症による幻影に苦しんでいた。クラリッサは彼の姿を目撃する。そして帰宅したクラリッサは、自室で3
ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』を読んで思ったことメモ!とりあえず、「意識の流れ」とは何ぞや。どこかの偉い人(雑)の説明によると、文学でいう「意識の流れ」とは、登場人物の頭にコンセントをつないで、それを伝ってその人の頭の中で巡る思考を読者に流しこんでいくように語る手法らしい。だから厳密には登場人物が「語っている」というより、読者が思考を読み取っていく感じ。実際に読んでみないとイメージが掴みにくい。さて、初めて「意識の流れ」の小説を読んだ所感は、とにかく慣れるまでは読みにく
いらっしゃいませ。皆さんいかがお過ごしですか?ずいぶんと間が空きました久しぶりの更新です。では、早速本題へ今回はこの作品です。『めぐりあう時間たち』(2002)アメリカ原作マイケル・カニンガム監督スティーブン・ダルトリー。舞台は3つの時代、①1923年②1951年③2001年主人公は3人の女、ヴァージニア・ウルフ、ローラ・ブラウン、クラリッサ・ヴォーン。彼女たちは、それぞれ心に大きな問題を抱えながら、深く思い悩んでいます。自分自身と向き合い、苦しみもがき
ダロウェイ夫人ヴァージニア・ウルフさて、やっと、読みきりました。というのも、この小説は途切れ途切れに読むのに適していない。文の主語が頻繁に入れ替わるため、途中で読むのをやめてしまうと、どこの段階で誰がしゃべっているのかを判断することが困難になる。そのため、ここ2日間で一気に読んだ。ウルフは精神病らしい。意識の流れという技法がそうなのか、申し訳ないことに僕には知識がないけれど、少し、統合失調症患者の作文のように感じた。途切れ途切れの思考。飛んでいく思考。停滞した思考。精神分析の
【ダロウェイ夫人】を私のブログ、最初の本として書いたことには、理由があります。けれどそれは、またいつか。ダロウェイ夫人への自序において、ヴァージニア・ウルフは人生はほんとうに真実であり、小説(フィクション)はほんとうに虚構的なのか。その作品の長所短所とはまったく無関係に発言がなされ、しかもそれがたまたま著者には間違っていることがわかっているという場合もときには生じる自分の意見を形作るための時間と自由さえあれば、読者は最終的に絶対に過つことのない裁判官となると言ってます。裁判官…裁判官と
眠れない時は読書です。ブログをはじめて、1作品目をダロウェイ夫人にする意味は無いようで…あります。ヴァージニア・ウルフのダロウェイ夫人を読むのは二回目。映画化されている有名な小説。我が家の本の中から。【死の欲動とモダニズム】の中にも、ダロウェイ夫人は取り上げられてます。陸前高田市図書館ゆめプロジェクトに本を託すようになったので、我が家には関連本が少なくて…とある1日…があらすじ。1日。今日は1日ブログを頻繁にアップしましたが、これが全てではありません。ダロウェイ夫人の1日はどのよう
2002年公開のアメリカ映画『めぐりあう時間たち(TheHours)』のレビューです。監督はスティーブン・ダルドリー、脚本はデヴィッド・ヘアです。「意識の流れ」で知られる、モダニズム文学の代表作、『ダロウェイ夫人』を中心に、クラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)、ローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)、そして『ダロウェイ夫人』の作者、ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)、時代の異なる三人の視点からそれぞれに描き出される、それぞれの1日。無関係に思えるその一日が、少し
―花は私が買ってくるわの冒頭で始まる小説『ダロウェイ夫人』は、第一次世界大戦後のロンドンを舞台にした小説。ダロウェイ夫人ことクラリッサが花を買いに行くシーンから小説は始まります。小説のあらすじは、6月のある日、クラリッサが自宅で開くパーティのために花を買いに行く。瑞々しい生命力にあふれるロンドンの街を歩きながら、クラリッサの意識は青春時代、かつての恋人、そして現代の生活へと往来する。いわゆる「意識の流れ」と呼ばれる文学的手法を用いたこの小説は、慣れていないと読みづらく
最愛のあなたまた自分の頭がおかしくなっていくのが分かります。私たちはあのひどい時期をもう二度と乗り切ることはできないでしょう。それに今度は治りそうもありません。声が聞こえるようになって集中できないのです。だから最善思うことをします。あなたは私をこれ以上ないほど幸せにしてくれました。あなたは誰にも代えがたい人でした。二人の人間が私達ほど幸せになれることはないでしょう。この恐ろしい病気が始まるまでは。もう戦うことができません。私はあなたの人生を犠牲にしています。私がいなければあなたは自分の仕事がで
「めぐりあう時間たち」という映画をテレビで見ました。イギリスの女流作家バージニア・ウルフの「ダロウェイ夫人」という作品をモチーフにしたフィクションとウルフ自身のノンフィクションを織り交ぜた、濃密でとっつきづらい独特の小難しさを感じさせる映画です。観てて息苦しくなるような題材だし、難しい部分もあるので、ネットでいろいろ調べてゆっくりと鑑賞しました。きちんと周辺知識をインプットしてみてみると、味わい深い作品で、楽しめるというのは違うけど、ずっしりと迫
"ダロウェイ夫人は、私が花を買ってくるわ、と言った。"小説とは、ストーリーとキャラクターから成ると言われる。読者を引き込むストーリーに、実在するかのようにはつらつとしたキャラクターは、日常を忘れさせ、人を勇気付け、新たな知見を付与する。”彼とは別れるしかなかったのだ。さもなければ二人とも駄目になっただろう。”また素晴らしい悲劇は、一度観客を不安にさせ、最終的には充足感を与えるものでなければならない。”夫人はそう確信していたけれど、何年もの間、心臓にささった矢のように悲しみ
「一体誰が死ぬのか。それは最後まで分からないけれど、生きている人間が命を絶つのは死しても自分の天命を全うすることを選んだ時か、美しい思い出を抱きながらこれ以上ない絶望に慣れ親しんでしまった時だ。」「めぐりあう時間たち」という映画がある。私はこの映画を見て生き死にのヒントを得た。得たヒントと今まで生きた中での考察から今の私が出した1つの答えが冒頭である。この映画は「ダロウェイ夫人」という小説を書いた作家・ヴァージニアと、小説を手にした一児の母・ローラ、そして雑誌編集者であるクラリッサというこ