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情動を誘発しうる刺激(ECS)の存在に、われわれが気づいていようといなかろうと、情動は自動的に引き起こされる。(アントニオ・ダマシオ(1944-))「興味深いことに、情動を誘発しうる刺激(ECS)の存在にわれわれが気づいていようといなかろうと、正常な扁桃体はその誘発的機能を行使する。情動を誘発しうる刺激を非意識的に感知する扁桃体の能力。その証拠は、まずポール・ウェイレンの研究から得られた。彼は健常者たちにそのような刺激を素早く提示したので、健常者たちは自分たちがいま何を見ているのかまったく自
「さて、さまざまな種類の情動を考慮に入れながら、狭義の情動に対する作業仮説を定義という形で提示してみよう。1喜び、悲しみ、当惑、共感、のような狭義の情動は、ある特有の身体的パターンを形成する化学的ならびに神経的な反応の複雑な集まりである。2それらの反応は、正常な脳が〈情動を誘発しうる刺激〉(ECSEmotionallyCompetentStimulus)――本物であれ、心の中で想起されたものであれ、その存在が情動を誘発するような対象または事象――を感知すると、その脳により生み出さ
「有機体が対象と相互作用することで生じる原自己の変化。その変化のストーリーを語るには、そのためのプロセス、そのための神経基盤が必要だ。ごく単純に言えば、原因的対象と原自己の変化を別々に表象する多くの神経構造のほかに、原自己と対象の双方を時間的関係で「再表象」し、そうすることでいまその有機体に実際に起きていること――「はじまりの瞬間における原自己」、「感覚的表象になる対象」、「はじまりの原自己から対象によって修正された原自己への変化」――を表象できるような別の構造が、少なくとも一つは必要だ。
「マスター生命体マップは、全身の模式図を主要コンポーネントつき――頭、体幹、四肢――で、落ち着いた状態で記述する。身体の動きは、このマスターマップとの比較でマッピングされる。内知覚マップとはちがって、マスター生命体マップは発達の途中で劇的に変わる。というのもこのマップは骨格筋システムとその動きを描くからだ。必然的に、こうしたマップは身体の大きさが増大したり、動きの幅や質が変わったりすれば、それに応じて変わる。赤ん坊、思春期の若者、成人の各段階でそれが同じなどということは考えられない。もちろん、
「これらは内部状態と内臓から出てくる内知覚信号からコンテンツを組み立てられるマップやイメージとなる。内知覚信号は中枢神経系に、生命体の状態を継続的に伝える。その状態には最適状態から平常、問題あり、といったバリエーションがあり、器官や組織の総合性が損なわれて体内で損傷が起こった場合などを告げる(ここで言っているのは侵害受容信号であり、これは痛覚感情の基盤となる)。内知覚信号は、生理的補正の必要性を報せる。これが心の中で具体化すると、飢えやのどの渇きといった感情となる。温度を伝えるあらゆる信号や、
【原自己とは?(アントニオ・ダマシオ(1944-)】「原自己は、中核自己の構築に必要な踏み石だ。それは《生命体の物理構造の最も安定した側面を、一瞬ごとにマッピングする別個の神経パターンを統合して集めたもの》だ。原自己マップは、それが身体イメージだけでなく《感じられた》身体イメージも生み出すという点に特色がある。こうした身体の原初的感情は、通常の目を覚ました脳には自発的に存在している。原自己に貢献するものとしては、《マスター内知覚マップ》、《マスター生命体マップ》、《外的に向けられた感覚ポー
こんばんは!涼しくなりましたね。虫の声もして、秋の夜長の読書。。。今回は久しぶりに心理学のおはなし。ダマシオってとても有名な神経学者・神経科医がいます。現代神経科学の第一線で活躍されている有名な先生です。『生存する脳』という本は世界17か国で翻訳されました。この本で提唱されたのが、ソマティック・マーカー仮説です。私たちは常識的に理性と情動は正反対のもの(対立的)とみなしています。あるいは脳と身体もついてもそうです。脳についての研究は、「首から上を論
∂感じる脳アントニオ・R・ダマシオ【送料無料】感じる脳情動と感情の脳科学よみがえるスピノザ/アントニオ・R・ダマシオ【本】3,080円楽天∂読者レビューから引用・編集徹底した心身一元論と生理学的・身体論的な視点に基づいた、「情動」と「感情」に関する論考。豊富な臨床経験と実証データから導き出されるストーリーは控えめながら大胆な上に、非常に説得力がある。ホメオスタシスの維持という生物としての原初的・本質的な振る舞いそのものが「情動」であり、それを知覚して
「感情的になるな」とか、「冷静に話し合いましょう」とか、よくいわれますが、感情を表すことってそんなに良くないことなのでしょうか?確かに、私たちの日々の生活を思い浮かべてみれば感情というのは至極厄介なものだといえなくもなですね。例えば、「腹を立てるあまり、奥さんに怒鳴ってしまった」とか「大切なものをなくして悲しみくれるあまり、約束の時間に遅刻した」(笑い)とか「大事なスポーツの試合で相手にビビッて、とんでもないヘマをやってしま
生理学的な意味での情動は、体と脳の物質的反応と変化のことで、心理的というより身体的側面を意味し、一過性で短時間で鎮まるとされています。また、これまで、中枢神経である脳に入力された感覚刺激(主に外界感覚)の処理によって情動が生じるという立場が主流となってきました。これは外界感覚(五感)の刺激に対する反応として、脳の中で情動が起こり、それによって全身的な情動反応が起こるという考え方です(中枢起源説)。情動の抑制も脳によって行われると考えられ、これまで心身医学を含む西洋医学的な見解は、これ
←アントニオ・R.ダマシオ著『デカルトの誤り─情動、理性、人間の脳』(田中三彦翻訳ちくま学芸文庫)「日常生活の折々の場面で求められる合理的な意思決定には、そのときの身体状態と不可分に結びついている情動と感情の作用が不可欠であることを明らかにした(「ソマティック・マーカー仮説」)」。アントニオ・R.ダマシオ著『デカルトの誤り─情動、理性、人間の脳』を一昨日、読了した。題名のデカルトの誤りは、デカルトの心身問題への根底的な疑問を意味する。心…精神と身体は別
GodTalks~神尾健太の思想と哲学~【知能と意識が分離する】人間はアルゴリズムに還元できるのか?~ユヴァル・ハラリVSアントニオ・ダマシオ~[参考書籍]ホモデウス/ユヴァル・ノア・ハラリ進化の意外な順序/アントニオ・ダマシオこんなお悩みありませんか運動不足を本当に解消したい!スタイルの崩れが年々隠せない!毎日体のどこかが調子悪い!歳をとっても健康でアクティブにいたい!手軽に運動を継続したい!お家でしっかりトレーニングしたい!理想の体
進化の意外な順序感情、意識、創造性と文化の起源[アントニオ・ダマシオ]3,240円楽天人間が有史以来考え続けてきた問題の一つに、心とは何か、という命題がある。ヨーロッパでは、デカルトが心と身体を分けて捉え始めたことで、近代の幕が上がったと言う。21世紀となった今、人工知能の技術が著しく進歩してきたことで、改めて心の問題を扱った言説や書籍が目に付くようになってきたと思う。脳科学の分野では、いくつかの方向性で研究が進んでいるが、工学寄りの研究は、脳のニューロンの構造を
●渡辺正峰さん、自分の脳とAIを結んで意識を移植するという記事があった…▶「脳の意識機械の意識」では、チャーマーズさんの思考実験として,リンゴを見ている人のニューロンの1つを人工的なモノに置きかえ、問題なければ次々と置きかえていく…このとき、和感を感じることなく意識はリンゴを捉え続けることがデキルか否か?という内容があったんですが,まさか、本当に試すとは?続きはhttps://twitter.com/Arc_Edu/status/113479277
🌑私達は、相手の考えを受け入れて、他者の影響を受け入れ、周囲と行動と話を合わせるように出来ている。人は自分が思っている以上に暗示にかかりやすい生き物です。西洋ではそのような態度を同調と呼び、他者の意見や考えに合わせる人間を高く評価しない。一方、東洋では、同じ態度を調和と呼んで集団生活を送るための重要な要素とみなす。リーバーマン🌑苦しみと死は我々が冷静に受け入れるべき自然な生物学的現象である。
森村誠一著『タクシー』(角川文庫)“死体”という客を乗せたタクシードライバーが体験する戦慄のサスペンス!森村さんのある小説(の登場人物)には、ある因縁がある。この作品の題材にも、これまた因縁がある。車中での待機中に読む。富山の売薬さんが登場する……のだが、なんと、売薬さん崩れの戦闘的暴力団になっていて、主人公らを追う悪役という設定。ショック。売薬さんの中に、そんな連中がいたんだろうか。あくまで、小説の中の設定なの?何も実態がないと、そんな富山の(売薬)たちを敵に回すような
↑オリヴァー・サックス著『意識の川をゆく──脳神経科医が探る「心」の起源』(大田直子訳早川書房)「脳科学の最新成果も貪欲にとりいれた、脳神経科医サックス最後の医学エッセイ集。養老孟司氏解説」。いま読んでいるオリヴァー・サックスの「意識の川をゆく」にて参照されている。偶然にも(偶然じゃないかも)、いまダマシオの「進化の意外な順序」を読んでいるところで、内容的に一部重なるところがある。進化上後発の中枢神経系(動物を動物たらしめている神経網(叢))と、ずっと前から進化していた自
→黄水仙かな。一昨日、咲き始めているのに気付いた。帰郷して間もない春に、苗を買ってきて植えた。ビオラとか、大概は一年草。その年限り。この水仙やムスカリなど、ほんの数種だけ、毎年、庭のあちこちで咲いてくれる。畑の土を移動させたら、球根もくっついてきたみたい。よくぞ、我輩による、春先の雑草引っこ抜き騒動に負けず、生き抜いてくれたものだ。春、いよいよ我が家の貧相な庭にも彩りの春が来る。今日は、30日に一度の内科医院への通院の日。先月、集団検診があり、芳しくない結果を頂いている。その票を持って
本日の担当は、弁護士×プロコーチの飯塚予始子です。弁護士やコーチとしてクライアントさんと接するとき、私が注目するもののひとつに、クライアントさんの「感情」があります。セッション中に感じている今の“気持ち”はもちろん、過去の出来事を棚卸する際には、そのときに抱いた“感情”、目標を達成した未来を描くときは、そのときのクライアントさんご自身が抱く“思い”に焦点を当てるのです。この「感情に焦点を当てる」という視点。実は、コーチングを習う前の私は、少し違和感を持っていまし
∂山口周氏🔂教養がないビジネスパーソンは「危険な存在」である。∂山口周さんの書く切れ味鋭い文章が好きで、これまでに出版された著作はおそらくすべて読んでいますが、今回のこの本がいちばん「筆が走っている」印象を受けました。もともと大学院まで行って哲学を専門的に勉強されたキャリアの持ち主だけあって、経営コンサルタントとなった今も哲学について語るのが好きなんだろうなぁと。いや、哲学について語るというより、哲学者が考え生み出してきた様々な「観点」をもとに今の世の中を観察して、人とは違う論考
ブログのご訪問、誠にありがとうございます♪今日もすごく暑かったですね(-_-;)日中、外を自転車で走ったのですが、不快感がすごかったです…こんな日は、部屋の中で作業をするのが一番です。極力ストレスを溜めない生き方を心掛けたい、意識したいと思います。という「意識」つながりで、そもそも「意識」ってどんなメカニズムで機能しているのか?また、「意識」と「肉体」はどう関わっているのか?人間の「行動」とどう関係するのか?そして、「自己」をどう形作るのか…?
「たとえば身体状態がネガティブであれば、イメージの生成は遅く、イメージの多様性は少なく、推論は非効率的である。身体状態がポジティブであれば、イメージの生成は迅速で、その多様性は増し、必ずしも効率的ではないにしても推論は速い。ネガティブな身体状態が繰り返し起きているときとか、鬱状態のときがそうであるように、ネガティブな身体状態が持続しているときはネガティブな思考が増え、推論の様式と効率が影響を受ける。---アントニオ・ダマシオ」難しく書いてありますが、要は、体が健康じゃないときは思考やメンタル
ダマシオ「感じる脳」を読んで。今日は読書感想文、感想文って言っても、全部は読み終えてはないんだけど、私の前から消えるまでに読んだところまでの感想文ね。イメジネーションをツンツン刺激してくれるとても興味深い本だった。まずは、情動と感情について。ダマシオの言う「情動と感情」は、一般に言われているそれとは異なる定義なんだけど、これが非常に面白い。どちらが先もありえるこの組み合わせ。どちらが先でもいいが、必ず片方の後にもう一方が出現する。これをうまく利用することができれば、生活はか
感情は何のために存在するのか?「感じる脳」の著書ダマシオは、脳が行うホメオスタシス機能の副産物として生まれたのではないかと定義した。なぜなら、低脳な動物には感情がないから。しかし、どんな動物、単細胞生物にすら情動は存在し、情動はホメオスタシス機能の一部であることは確かなようだ。では、感情はただの副産物でしかないのだろうか?もしかしたらそうなのかもしれないけれど、そう考えてしまうのは私にとってはあまりにも寂しい。そう、「悲しみ」。そういえば、ダマシオは「喜び」と「悲しみ
『デカルトの誤り情動、理性、人間の脳』アントニオ・R・ダマシオ著田中三彦訳ちくま学芸文庫デカルトは心身二元論を説いたと言われる。心を理性と情動とに分け、理性は、身体に由来する情動とは別のものだとした。どのような感情を抱いていようが、1+1=2という結論と、この真理を認識する理性は揺らがない。親の葬儀の日であろうが、結婚式当日であろうが、真理とそれを認識する理性は不変である。本当にそうか?と、著者は豊富な神経病理学の症例を下に、心身二元論、すなわち、理性と情動は別物
幸せな時の体の状態。あなたが幸せを感じる時、あなたの身体はどんな状態なのだと思いますか?例えば、気になっていたレストランで美味しいディナーをいただいている時、例えば、大好きな人と手を繋いでデートしている時、例えば、ずっと行きたかった場所への旅行を叶えた時、例えば、仕事が大成功して多くの友人に祝ってもらっている時、例えば、長年の夢が叶った時。そんな時、あなたの身体はどんな状態になるのでしょうか?私ね、ちょっと試してみたいことがあるんです。それは、この「幸せな時」の
こんにちは、真面目に読み進めている書籍、ダマシオの「感じる脳」。面白いキーワードが出てきました。それが、今日の題名にもしている【ホメオスタシス】ダマシオの理論では、情動と感情はホメオスタシスであるとのこと。これって、とても素晴らしい考え方で、目からウロコでございました。まず、ホメオスタシスって解りますか?私たちの生命を健全に保とうとする無意識下の働きのことです。身体に備わっている代謝や免疫作用などのことを指して言われることがメインですが、ダマシオは、感情もこのホ
「雲」のインスタレーション@BonMarchéあぁ、美しく繊細だ。やっぱり私は、BonMarchéが好きだ。さてさて、昨日のつづき。「感じる脳」を読んでの考察。考察って言っても、まだ10ページほどなので、かなり浅い考察でありえるけど、今年はとにかく書くのです。書くことで、生まれる何かを感じているのでね。なので、読む方も、そんな程度の気持ちで読んでね。(鵜呑みにしないでね、ってことね)さて、ダマシオの言うところの「情動」と「感情」の定義からの考察なんだけど、その